ポーランドからの報告

政治、経済からテレビのネタまで、詳細現地レポをお届けしています!

ポズナニでゲストハウスに泊まる

2006年10月31日 | ホテル

国際規模の展示会が数多く開かれる街だけあって、ポズナニはホテルの数には事欠きません。メルキュール・ホテル、ノボテル、イビスなどの大型チェーンホテルや、HPパークホテル、ホテル・レフ、イカルなど中規模ホテル、さらに旧市街のこじんまりとした個人経営ホテルなど、さまざまなホテルがあります。加えて現在メッセ会場の真向かいには、シェラトンホテルが建設中です。

これだけホテルの数に事欠かなくても、それでもメッセ開催中は、やはり非常に宿泊予約がとりにくくなりますし、もちろん宿泊料金も高騰します。

実は今回のポズナニ旅行は、直前まで行くか行かないか決心が付かないまま迷っていて、ホテルの予約も一切していませんでした。普通私は旅行前には必ずホテルを予約する派ですので、今回自分としてはかなり荒業に出たなと思います。

で結局どうしたのかというと、ポズナニ中央駅構内の旅行会社で空き宿を紹介してもらいました。最初ホテルを検討しましたが、あえなく満室ということで、次に紹介してもらったのが、今回泊まったゲストハウスです。

   

上の写真のお部屋が今回泊まった部屋です。ゲストハウスという名前そのままに、普通の民家の一室で、朝食なし、風呂トイレ共同、これで一晩60zl=2400円です!ポーランドのホテル宿泊代は、日本と変わらずシングル1泊12000円~くらいが相場ですので、まさに破格のお値段といえます。しかも今回通された部屋はとても広く25平米くらいあり、下手なビジネスホテルや1つ星ホテルよりもずっと快適でした。

こういうゲストハウスは、中心から外れた場所にあることが多く、ロケーション面はホテルにややおとるのが常ですが、今回も旧市街やメッセ会場へはトラムの利用が必須でした。しかしそれも慣れてしまえば不便には感じませんでした。そもそもポズナニの街は、旧市街と駅・メッセ会場が離れているため、どこへ行くにも便利なホテルというのは存在しません。郊外のマルタンスキエ湖の方に立っているホテルも沢山あります。(湖から旧市街へはトラムで20分です。)そう行った面で、今回ロケーション面での不満はありませんでした。

しかもゲストハウスといえば英語すら通じないところが多い中、今回泊まったところは、ポーランド語のほかに英語・ドイツ語・フランス語がOKだそうです。ゲストハウス支配人のエミリー夫人のご主人はドイツ人で、夫婦の会話はドイツ語。しかもご主人は45年前に日本文学を学びに東大に留学されていたとのことで、少しなら日本語も話せます。そういえば上のお部屋のインテリアもどことなく和風ですよね!(写真では見づらいですが、左の絵は着物を着た女の人の絵です。)

こういうゲストハウスの類は、当たりはずれが出るものですが、今回は当たりだったと思っています。風呂のお湯の温度がどうにもぬるくてそれ以上熱くならなかったのはマイナスですが、その他は、料金、ロケーション、設備、待遇すべてに満足しました。

そしてなによりも嬉しかったのが、朝と夕方の一日2回、エミリー夫人がお茶をいれてくれたこと。今回一人旅だったので、3泊4日とはいえ早くも人恋しくなってしまい、夫人の暖かさがとても心にしみました。

ポズナニを旅行される方には、ぜひこのゲストハウスをお勧めします。


ポーランドからの報告



ウォルシュティン (Wolsztyn) の蒸気機関車

2006年10月30日 | 観光ガイド

今回のメッセでは、ポーランド国営鉄道(PKP)も、スポンサーとして出展していました。会場内各所に設けられたブースで、インターシティ(IC)などについての展示をしていたほか、会場内の屋外スペースでは、インターシティや普通列車、先日当ブログでもご紹介した ヨハネ・パウロ2世号 などの車体が展示されていました。

加えて、嬉しいことに、『鉄道でポズナニに来たメッセ来場者は、帰りの切符無料』というサービスをしていて、これが大好評でした。行きの切符の裏に Tour Salon 2006 の専用スタンプを押してもらうと、それが帰りの切符へと早変わり!というわけです。おかげさまで今回私も、ポズナニ→クラクフ間の復路433kmを、一切無料で帰ってきました。

   

さてさてそんな中、圧巻だったのは、PKPカーゴ出展の 蒸気機関車(pociąg parowy ) です。

ポーランドでは、現在でもポズナニ近郊の数区間で、蒸気機関車が運行されています。中でも、ポズナニ(Poznań)⇔ヴォルシュティン(Wolsztyn)間の約75kmを走る路線は、旅行者に利用しやすい上、終着駅のヴォルシュティンでは、機関車に燃料の石炭を補充する様子や、転車台で180度方向転換して整備格納庫へ機関車が収納される様子などが見学できるとあって、観光客や鉄道マニアの間で、人気の路線となっています。

   

さらに格納庫に隣接する ヴォルシュティンSL博物館 では、現役を退いたSL車両や、旧式信号機、昔の駅員の制服、昔の駅の標識、昔の駅舎のジオラマなどが見られるほか、実際に自ら運転席に座ってみることも可能!鉄道マニアには至れり付くせりの内容とあって、博物館は、シーズン中は予約が必要なほど込み合うそうです。

   

このヴォルシュティンSL博物館へは、ポズナニから日帰りでの訪問が十分可能です。もちろんマニアの方には、付属の宿泊施設 に泊まってみるのもお勧めします。

   

展示車両の中へ入ると...昔ながらの暖かみのある木製の椅子がならんでいました。
この車両は、レトロタイプの車両(pociąg retro)で、現在では使われていません。

   

こういった、本来ヴォルシュティンまで行かなければ見られなかった品々を、今回のメッセでは、いわば「移動博物館」として展示しており、非常に興味を引く内容でした。
(写真はすべてポズナニのメッセで撮影したものです。)

   

ちなみにこのポズナニ⇔ヴォルシュティン路線も、蒸気機関車の一本後のダイヤは、最新型のトラム型バスでの運行だったりします。蒸気機関車の運行は、どちらかというと、ファンサービス的な意味合いが強いようです。

それにしても、この蒸気機関車にしろ、帰りの切符無料キャンペーンにしろ、或いは ヨハネ・パウロ2世号 にしろ、ポーランド国鉄(PKP)の、こういう洒落心があるところが、私は非常に大好きです。


ポーランドからの報告



ポズナニの国際見本市に行ってきました III

2006年10月29日 | イベント

今回のメッセでは、メインの Tour Salon 2006 に隣接する会場で、ホテル・レストラン事業の見本市、Gastro Invest Hotel 2006 が同時開催されていました。

こちらのサロンでは、ベッド、家具、カーテン、照明器具、バスローブ、鍵、防犯カメラなどに始まり、メニューボード、厨房の調理器具、ケーキデコレーション器具に至るまで、ホテル開設に関係する、ありとあらゆる業者の出展がありました。

   

メインの旅行見本市と違い、こちらは投資家向きの内容のため、それほど客の入りは多くはありませんでしたが、それでもあちこちのブースから、熱心な商談が聞こえてきました。

日系企業も2社出展していました。

   

バーマンのフリースタイルコンテストというプログラムがあり、面白そうなのでぜひとも見てみたかったのですが、私が訪れた日は、なぜか開催されず、残念。。。結構な数の人が会場ステージ付近に集まっていたのに、「キャンセルになりました」の放送すらありませんでした。

   

こちらはケーキデコレーションの器具。
こういった展示を見ていたら、なんだか私もホテルを経営したくなってきました。
な~んてもちろん無理ですが...一応「将来の野望」ということにしたいと思います。

ちなみにポーランド、とりわけクラクフでのホテル経営は、非常に儲かるそうです。
(観光客の数に比べ、まだまだいいホテルの数が少ないため。ホテル経営者の友人がいる人から聞きました。) 投資家の方はぜひご一考ください!なんて。


ポーランドからの報告


ポズナニの国際見本市に行ってきました II

2006年10月29日 | イベント
   

こちらはポーランド国内の各都道府県の紹介のコーナーです。

   

トルン市のコーナー。トルンは中世からの街並みが残る、大変美しい街です。
どことなくドイツの都市にも似た旧市街の街並みは、ユネスコ世界遺産に指定されています。
天文学者コペルニクスの故郷としても知られる街です。
トルン名物のお菓子、ピエルニクの製作実演をしていました。

   

ポモルスキエ県の展示コーナーは、船の形をしていました。バルト海沿岸地方で、グダニスクやグディニィア、ソポットなどの街がある県です。日本ではグダニスクぐらいしか知られていませんが、グディニアやソポットも、海水浴や毎夏のイベントで国内外に有名な街です。

   

つづく


ポーランドからの報告


ポズナニの国際見本市に行ってきました I

2006年10月28日 | イベント

ポズナニで開かれている国際見本市、Tour Salon 2006 に行ってきました!

ポズナニはポーランド西部の大都市で、国際規模の展示会が毎年数回定期的に開かれることで有名な街です。

メッセ会場は、ポズナニ中央駅の目の前と、非常に便利な場所にあります。大きな会場なのですが、入り口が狭いため、入場待ちの列が長く続いていました。今回は入場予約してあったため、それでもあまり待たされることなく入場できました。

   

今回開催された Tour Salon 2006 は、旅行関係業者の見本市で、ポーランド人に外国の魅力を紹介するコーナーと、外国人にポーランドの各地の見所を紹介するコーナーの、二部構成となっています。

   

ポーランド人に外国の魅力を紹介するコーナーでは、チェコ、スロバキア、ハンガリー、クロアチア、イタリア、ノルウェーなど、主に欧州内の各国への旅行を扱う旅行代理店や航空会社の出展が目立ちました。ポーランドは人口3700万人と中欧一人口が多く、また毎年海外旅行へ行く裕福層も増えてきているとあって、各国ともポーランド人旅行者の獲得に力をいれているようです。
 
   

各社とも思い思いの装飾でブースを飾っています。
中には、豪華二階建てのブースも。

欧州外では、タイ、インドネシア、チュニジア、南アフリカ共和国など。いずれもポーランド人に人気のリゾート地です。政府観光局や大使館みずから出展している国もありました。

   

チュニジア観光のブース、こちらも二階建て。
今回の出展の中で一番豪華でした。

つづく


ポーランドからの報告


インターネットカフェ

2006年10月24日 | 観光ガイド

大都市にはインターネットカフェがいたるところにあり、とても便利です。

パソコンが高価なことから、ポーランドでは、自宅所有率の悪い時代が長く続き、変わりにネットカフェのビジネスが繁盛しました。現在では自宅所有率もかなり上がって来ていますが、それでも地方から下宿している学生や旅行客などに大変重宝されています。

料金は15分間で1zl=40円くらいが相場。トイレも借りられるので、1zl 払って有料トイレを使用するよりは、15分でトイレとネット利用をするほうがお得です。プリンターやスキャナーのみの使用も可。また日本語フォントでの読み・書きができる所もあるので、事前に調べておくと便利です。


ポーランドからの報告


電話に関するエトセトラ

2006年10月23日 | 一般

ポーランドでは、あまり親しくない人同士でも、わりと安易に携帯電話番号を渡してしまいます。仕事上の軽い付き合いの人や顧客にまで携帯番号を気軽に教えますし、雑誌などで見かける広告やテレビCMにまで、普通に携帯電話番号が載っています。

ですので見知らぬ番号に電話をかけるときは、その番号が一般回線電話なのか、携帯電話なのかの見極めがまず必要になってきます。特に携帯電話の番号の場合は、土日祝日、クリスマス、イースター、夏のバカンス期間など、相手の休暇中にかけるのは、失礼にあたりますので、気をつけなければいけません。

     0505-○○○-○○○
     0602-○○-○○-○○
     0888-○○○-○○○   

などと表記されていれば携帯電話
(ゼロの直後が3桁、五百番台、六百番台、八百番台などがある)

     022-○○-○○-○○○
     012-○○○-○○-○○
     071-○○-○○○○  

などと表記されれていれば、一般電話です。
(ゼロの直後が2桁、ワルシャワ:22、クラクフ:12、ヴロツワフ:71)

ところで余り知られていないことですが、日本人が電話をかけるときに必ず使うフレーズ、「もしもし...」は、ここポーランドでは、禁句なんです。

というのは、ポーランド語で「モシ Moś 」とはユダヤ人を意味します。またユダヤ人に限らず、嫌いな人、むかつく人のことをモシといいます。ですので、たとえ日本人同士の会話であっても、会話が他の人の耳に入るような状況であれば、電話口で「もしもし」と言うのは、いらぬ誤解を生むことになりますので、避けたほうが懸命です。「はい」「ハロー」などで十分代替できます。ロシアでも同様です。


ポーランドからの報告


まだ完成していない家に住む人たち II

2006年10月22日 | 日常生活

そういう我が家も....実はまだ完成していません(爆)!

現在私が夫と娘の三人で住んでいる家は、もともと70年代に夫の祖父母が購入した家で、その後祖父母が亡くなり、現在は夫の妹ベアタが遺産を相続して所有者となっています。ポーランド語で Bliźniaki(ブリジュニャキ)「双子住宅」と呼ばれる二軒つながった家で、社会主義時代の典型的な郊外型住宅です。

   

地階に物置があり、日本で言う2階と3階が住居スペースになっています。写真の左側半分の白いほうの家が我が家で、さらに左側に2階の高さの建て増しが付いています。(写真の左側2/3)

この我が家、どこがどう完成していないのかというと、、一応外側こそ仕上がっているのですが、内装が全然終了していません。例えば床のフローリングはワックスが塗られていない。なので、なにかこぼすとすぐ板にシミができて汚くなってしまいます。階段はコンクリートむき出しで、フローリングすらまだです。しょうがないので、水色のペンキを塗ってごまかしていますが、やはりすぐにシミができるので、非常に気をつかいます。

   

極めつけは建て増しの部分。まったく完成していません。フローリングはおろか、壁は塗られていない、窓枠ができていない、さらに暖房まで付いていない始末。。もちろん一切使い物にならず、結局ただの物置となってはや三十年。

ちなみに我が家の場合、先の記事に書いた、仕上げを残した状態で売る「半オーダーメイド住宅」ではありません。建て増しなどせずに、そのお金を本体の方の床や階段のフローリングにまわしていれば、すべて予算の範囲で完成していたはずだったのです。

それを「将来孫達が結婚したら家族が増えるから、家は広くなくちゃいけない。内装は孫達が自分達で住みながら完成させればいい」との判断で、資金に余裕がないのに無理な建て増しをしたため、あげく本体部分が未完成のまま残ってしまったわけです(どんなに完成していなくても、予算が尽きればその時点で工事はストップします。)かといって家の所有者のベアタはまだ26歳ですので、リフォームするようなお金などありません。

   

「そんなに無理して造ったのに、30年間全然使われていない。一体何の為に建て増ししたの!」この件に関しては、夫やベアタはかなり辛口です。ちなみにその義祖父、建築家だったのですが...

ところで上の写真に写っているのは私の夫です。音楽CDジャケット用に撮影した写真なのですが、HipHopミュージックに会うイメージの撮影地を探していたら、なんと自宅の一室があった(!)というすごいオチです。

追記:
ポーランドの建築事情については、こちらの記事 も大変面白いです。


ポーランドからの報告


まだ完成していない家に住む人たち I

2006年10月22日 | 日常生活

通りに同じデザインの建売住宅が三軒たっています。奥の二軒は青や白の外壁で綺麗に仕上がっていますが、一番手前の家は、レンガ(プスタック)がむき出しで、どう見てもまだ完成しているようには見えません。

でも実は、この未完成の家にも、人が住んでいるんです。

未完成の家に、普通に人が住んでいる!こういった光景は、郊外の新興住宅地に行くと、よく見られる光景です。レンガやセメントの繋ぎ目がむき出しで、どう見ても未完成という家なのに、家の前に車が停まっていて、窓にはレースのカーテンがかかっていて、庭にはペットの犬がいて、夜になると部屋の明かりが点いているんです。

   

一体どういうことかというと、、、最近のポーランドでは、この写真の手前の家のように、仕上げを残した状態で売る、半オーダーメイド住宅が増えているからなんです。

とりわけ郊外の新興住宅地では、同じデザインの建売住宅を同じ地区に何十と建てるため、外壁、門、家の塀など外側の部分をオプションにして、購入者に好みの色や材質を選ばせる業者が増えてきています。こうすることで、同規格の建売住宅でも仕上がりにバラエティを出せますし、仕上げ工事を別料金で提示することで、見かけの売値を安く提示できるという効果があるためです。

住宅購入者は、家本体を購入した後で、別途業者に頼んで、外側の仕上げ工事を完成させることになります。もちろん住宅購入の際に、あらかじめ仕上げ工事についても大体の見積もりを出してもらうわけですが、しかし中には、どういうわけか、仕上げ工事の方まで資金が回らない人が出てきます。そういった人達が、とりあえず家自体は購入しているのだからと、未完成の状態の家に住むことになるわけです...

綺麗に仕上がった家々が並ぶ中、一軒だけぽつんと未完成の家が混じって並ぶありさまは、非常にこっけいで、正直なところ、両隣の家まで安っぽくみえます。でも見かけは悪くたって、とりあえず雨風は防げるのですし、住んでいる人達本人も、あまり気にせずに住んでいるようです。(ただレンガがむき出しのままで、断熱工事を一切していない状態ですので、暖房効率が非常に悪くなるという点は問題です。)

そういうわけで、未完成の家に人が住んでいるという風景は、郊外の一軒家が並ぶ新興住宅地地区に行くと、割と普通に見られます。しかも何年かしてまた同じ家の前を通ると、今度はちゃんと完成していたりします。


ポーランドからの報告


ジグゾーパズルの家

2006年10月21日 | 日常生活

下の写真の高層団地をよーく見てください。どれも一見普通の高層住宅ですが、目を凝らしてじっと見ると、一階分の高さごとに縦横に格子状のスジが入っているのがわかります。

実はこれ、あらかじめ他所で製造した一階分の高さの規格パネルを、現地で立体的に組み立てて張り合わせた高層住宅なんです。パネルには規格がいくつかあり、場所によって、窓が一つ分空いていたり、二つ分空いていたり、ベランダ用だったりします。これらのパネルを縦横をあわせて、立体的に組み上げて建築していきます。

このパネル製住宅は、社会主義時代、住宅不足の解消にと政府が主体となって建設にのりだしたもので、短期間で建築できるということで、郊外を中心にかなりの数が建設されました。例えばクラクフなら、北東部のノヴァ・フタ地区、南部のルチャイ地区などに集中して見られます。

  

でも、これって、立体ジグゾーパズルでしょう!?!?
12階建てなんて建ててしまって大丈夫!?!?
耐震強度はいかほどなんでしょうか!?!?

平原の国ポーランドでは、地震に悩まされることはないため、耐震構造という考え方があまりありません。確かにポーランドでは地震は400年に一度ほどしか起こりません。でも油断してはいけません。去年は2回も起きました。

実は我が家で住宅を購入する話があって、不動産屋をいろいろと見て回った時期があったのですが、その時不動産屋さんからじきじきに言われたのが「パネル製の高層住宅は、強度に問題あるからお勧めできません」とのお言葉。それを聞いて、パネル製は即効購入リストからはずしました。地震大国日本の生まれの私としては、住んでいる人には悪いですが、生理的にというか、もう本能的に、ここには住めないと感じました。

さすがに現在では、もうパネル製住宅は建築されていません。現在の主流は、鉄筋コンクリート・レンガ製で、フロアー部分と枠組みを鉄筋コンクリートで固め、間をプスタックというレンガで埋めるものです(写真)。ショッピングモールなど大勢の人が集まる建物も、この方式で建設されているようですので、どうやらこれがポーランド最強の建築基準のようです。
  
   

ところで今年の冬に、ポーランド南部の都市ホジュフ市で、国際展示場の屋根が抜け落ちて、65名の犠牲者が出る事故があったのを、覚えていらっしゃる方もいると思います。この事故を受けて、ポーランドの建築基準が国内外から注目を浴び、建築基準法も一部改正されました。しかしポーランド国内に無数にあるパネル製高層マンションなどの建物を見るにつけ、今後もこの手の事故が起きかねないのでは...と心配になります。


ポーランドからの報告