ポーランドからの報告

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一味違った旧市街観光

2007年04月21日 | 日常生活

天気もよいことだし、馬車で旧市街をのんびり一回りしてみるなんていうのも、贅沢な旅の楽しみ方だと思います。中央広場からグロツカ通りをヴァヴェル城下まで行き、中央広場まで折り返すコースで、30分程度で100zl(約4500円)です。4~5人ほどで相乗りすれば、そんなに高くないと思います。

  

ところで今日は、クラクフ中央広場を中心に、ゲイパレードが開催されました。そしてゲパレードに反対する団体のデモ行進も同時に行われ、警察の機動隊が出動、逮捕者も出る騒ぎになりました。不運にも事情を知らずにその場に居合わせてしまった旅行者の方は、あまりの騒ぎにビックリされたことと思います。

ポーランドでは、いわゆるスキンヘッドの様相をした保守カトリックの若者が、同性愛はカトリックの教えに反するとしてゲイパレードの類を嫌悪しています。ポーランド国内で過去に別の都市で行われたゲイパレードでも、反対派が罵声を浴びせたりゲイパレード参加者に暴力を振るうなどして、警察が出動する騒ぎになっています。今日のパレードでも、数名の逮捕者が出ました。テレビのインタビューで、ドイツ人の参加者が、「ドイツではゲイパレードはお祭りなのに、ポーランドではいつも警察沙汰になってしまう」と嘆いていたのが印象的でした。

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早くも、夏模様の陽気です

2007年04月14日 | 日常生活

暖かい陽気の日が続いています。今日は一部西部地方で、日中の最高気温が30度を超えたところもありました。写真はクラクフ中央広場、織物会館前。オープンカフェが沢山の人でにぎわっていて、すっかり「夏」の光景です。

  

ポーランドでは春と呼べるシーズンが非常に短く、冬将軍が去ったかと思うと、とたんに夏になってしまいます。そして最近温暖化が問題になっているヨーロッパですが、ポーランドも例外ではなく、去年に続き、どうやら今年も猛暑になりそうです。

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復活節

2007年04月10日 | 日常生活

さて復活祭が明け、これでやっと春到来と堂々といえるようになりました。復活祭から後の50日間は、「復活節」の期間に入ります。50日目に「聖霊降臨祭」を祝い、それが過ぎると「聖体節」です。

   

私事ですが、私は3歳から18歳までカトリック系の私立校で学んだのですが、クリスマスは劇や賛美歌などの練習をして盛大なクリスマス会をやるのに、イースターについては学校行事の記憶がほとんどないのはどうしてだろうと、ポーランドにきてからいつも思っていました。というのはキリスト教の教えでは、行事の重要度は、復活祭>>>クリスマス だからです。しかし自分の学校で習った限りでは、クリスマスの思い出はあるのに、復活祭を祝った思い出が全然ありません。なので、復活祭の方がクリスマスよりも盛大なお祭りである、というのも、ポーランドにきてから初めて知りました。

しかし今になって考えてみれば、毎年イースターは3月末から4月上旬と学期・学年の切り替え目にかかってしまって、学校行事ができなかったのではとふと思いました。日本のキリスト教系の学校にとって、これはジレンマかもしれませんね。


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復活祭の月曜日

2007年04月09日 | 日常生活

今日は 復活祭の月曜日(英語:イースター・マンデー Easter Monday、ポ語:Poniedziałek Wielkanocny/Lany Poniedziałek) 、ポーランドではこの日も休日です。

   

この復活祭の月曜日、ポーランドでは、お互い水を掛け合う習慣があります。 "シミグス・ディングス-Śmigus-dyngus!" と言いながら、友人・知人に限らず、街中見知らぬ人にでも、かまわず水をかけあうのです。男性が好みの女性にかけたり、子供同士がふざけて通行人にかけたりします。なのでこの習慣を知らないで、この日に街中を歩いてしまうと大変なことに。。旅行客でも容赦なく水をかけられますので、なるべく外を出歩かない方がいいかもしれません。ただこの水をかけるというのも、本来は水鉄砲やコップ1杯程度だったのが、最近はバケツで頭から掛け合うように変わってきました。そのため悪ふざけが度を越してフーリガン騒ぎに発展してしまったり、水をよけようとした女の子が車に引かれてしまう事故もありましたので、度を越した悪ふざけはしないように、警察でも注意を呼びかけているようです。


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復活祭の日の食卓

2007年04月08日 | 日常生活

復活祭は、イエス・キリストの復活を祝う、キリスト教で一番大切な行事です。この日各家庭では親戚一同が集まり、食前の祈りの後、互いにゆで卵を分け合い復活祭を祝います。ポーランド語では、Wielkanoc(=大きな夜)と呼ばれています。

さて今日は、復活祭の日の食卓をご紹介します。

   

これからこの朝食のテーブルに、豪華なごちそうが並べられます。

   

料理は前日までにすべて用意しておき、当日はテーブルの飾りつけをするだけです。

   

四旬節の間肉食を控えるなど、厳格な規律を守る家庭では、この日晴れて肉類が解禁になります。

  

朝食では、ハムやペースト、サラミなど、コールドプレートが中心です。またニシンやサーモンなどの魚類も好まれます。
     
   

復活祭のアイテムのひとつ、子羊の形をしたバター。

    

卵は復活のシンボル。復活祭の日の食卓には、さまざまな種類の卵料理が並びます。 

   

このようにコールドプレートが中心ですが、家庭によっては、ジューレックやビゴスなど暖かいものを出す家庭もあります。

復活祭の日は、親戚一同が集まり、食事に話に花を咲かせる、一年で一番重要な日です。日ごろ教会への関心が薄い人も、この復活祭の日には、自分がカトリック教徒であるという思いを新たにします。また今年は暦の都合で西方教会(カトリック・プロテスタント)と、東方教会(ロシア正教・ギリシャ正教)で、復活祭の日程が一緒になり、世界中でイースターを同時に祝うめでたい日となりました。


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聖土曜日

2007年04月07日 | 日常生活

今日は 聖土曜日(英語:Holy Saturday/Black Saturday、ポ語:Wielka Sobota)です。亡くなったキリストを墓に葬った日とされ、四旬節最後の日、そして復活祭前の聖なる三日間の最終日です。

この日ポーランドでは、きれいにかざったイースターバスケットを持って教会に出かけ、聖水でお清めしてもらいます。このイースターバスケットは、籐かごに白いレース布を敷いて、そこに ピサンカ(pisanka) と呼ばれる模様を描いたゆで卵や、イースターブレッド、塩、砂糖でできた羊、チョコレートのウサギ、チーズ、バターなどを入れます。もちろん中に入れるものは各家庭によってさまざまで、最近は出来合いのものも売られているようです。

 

この聖土曜日には、明日の復活の主日を迎えるための、復活徹夜祭が行われます。

そしてもう一つ、ポーランドでは、この聖土曜日は非常に大切な日です。というのは、この日はポーランドがキリスト教国になった記念日でもあるからです。966年、時のミェシコ一世が、洗礼式を受けて、ポーランドはキリスト教国になったのですが、この洗礼式が行われたのが、966年の復活祭の聖土曜日、計算によると966年4月14日であったといわれています。


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聖金曜日

2007年04月06日 | 日常生活

今日は 聖金曜日(英語:Good Friday、ポ語:Wielki Piatek) 、キリストが死刑の宣告を受け、十字架に磔になり亡くなった日です。

  

この日は各地で「キリストの受難」を描いた野外劇や、記念の祈りが行われます。この「キリストの受難」を描いた野外劇は、「ヨハネによる福音書」などの記述をもとに、実際にイエスが磔になったエルサレム郊外の ゴルゴタの丘(英語:カルヴァリー Calvary、ポ語:カルヴァリア Kalwaria ) を模した地形で行われることになっています。ポーランドにはこのゴルゴダの丘を模した地形がいくつもあり、とりわけクラクフ西郊外の カルヴァリア・ゼブジドフスカ( Kalwaria Zebrzydowska ) は、ゴルゴダの丘をそっくり真似たつくりになっていることから、世界的に有名なカトリックの巡礼地となっており、1999年にはユネスコ世界遺産にも指定されています。

ヨーロッパの国の多くでは、この聖金曜日も休日とされています。ポーランドでは休日ではありませんが、週末の復活祭に向けて、全国で一斉に帰省ラッシュが始まります。


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聖木曜日

2007年04月05日 | 日常生活

聖木曜日(英語:Holy Thursday、ポ語:Wielki Czwartek) とは、イエス・キリストが、弟子達と最後の晩餐を行ったことを記念する日です。ヨハネ福音書13章に 「イエスはこの最後の晩餐で弟子の足を洗った」 とあることから、 洗足の木曜日(Maundy Thursday) とも呼ばれており、この日教会では、水で足を清める「洗足式」が行われます。また夕方、日没以降に「主の晩餐のミサ」が執り行われます。

   

ところで復活祭が近づくにつれ、「復活祭を誰と過ごすか」がみな気になりだします。復活祭やクリスマスなど、キリスト教の伝統行事は、家族一同そろってとり行うのが伝統的なスタイルです。しかし相方に先立たれた高齢者、離婚してまったく身寄りのない人、若い世代が国外に出稼ぎに出たために一人とり残されてしまった年配者など、さまざまな事情から復活祭をともにすごす人がいない人も多いのです。

それゆえ祝日を前にしたこの時期に一人ぼっちの人は、「祝日恐怖症」になってしまうこともあるのだそうです。テレビドラマでも、登場人物が「私は身寄りがまったくない。復活祭を迎えるのが怖い」と告白し、それを見かねた友達らが、復活祭のパーティの席に誘ってあげるシーンがたびたび登場します。日本ではクリスマスの時期になると、「クリスマスを誰と過ごすか」が一大テーマになりますが(笑)、ポーランド人にとっては、日本人が想像する「(恋人のいない)一人で過ごすクリスマス」以上に、一人で過ごす復活祭(やクリスマス)は、わびしく、切なく感じるもののようです。

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復活祭とイースターエッグ

2007年04月04日 | 日常生活

イースターエッグは、復活祭のとても重要なアイテムです。
古代より、卵はウサギとともに、復活と子孫繁栄のシンボルとされているためです。

ポーランドでは、復活祭前日の聖土曜日(Wielka Sobota)に、ピサンカ(pisanka) と呼ばれる模様を描いた色つきゆで卵を、イースターバスケットに入れて教会に行き、聖水でお清めしてもらう習慣があります。鶏卵を、たまねぎ、赤ビートなどと一緒にゆでて、殻に紅色や茶色に色づけをし、その後木刀などで模様付けしたものです。ポーランドで流通している鶏卵は、白玉ではなく褐色玉がほとんどなので、簡単に色がつきます。その後そのお清めしてもらったピサンカを、殻をむいて人数分に等分し、復活祭の日の食卓で、皆で分け合って食べるのです。

  

このピサンカの習慣は、キリスト教受容以前の歴史に由来するものです。ポーランドでは、はるか異教の時代から、春の訪れを祝う伝統行事として、このピサンカをおまつりする習慣があり、キリスト教受容以降に、復活祭の行事と融合しました。写真は木製のイースターエッグで、これも民族工芸として古くから伝わるものです。復活祭が近づくと、子供たちはこの木製のイースターエッグのおもちゃを隠して、宝探しゲームをして遊んだりします。

ウクライナ南西部のコロミヤ(Kolomyya/Коломия、旧ポーランド領、現ウクライナ領)という街には、イースターエッグ博物館なるものがあるそうです。建物全体がイースターエッグの形をした、ピサンカについての世界でたった一つの、とても珍しい博物館です。


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枝の主日

2007年04月01日 | 日常生活

今日はカトリックの 枝の主日 です。復活祭一週間前の日曜日のこの日、ポーランドの街角のあちらこちらで、きれいに飾り付けをした棕櫚(シュロ)の枝-パルマ(palma)をもって教会に向かう人の列に出会います。

この枝の主日は、キリストがロバに乗ってエルサレムに入城した際、出迎えた民衆が棕櫚の枝を持って歓迎したことに由来しており、聖枝祭(せいしさい)、受難の主日、主のエルサレム入城、棕櫚の主日(プロテスタント教会)、枝の祭り、花の主日など地域や宗派によって沢山の呼び名があります。ポーランド語では 棕櫚の日曜日-Niedziela Palmowa と呼ばれています。

  

ポーランドではこの日、きれいに飾りつけをした棕櫚の枝を教会に持って行き、聖水でお清めをしてもらう習慣になっています。枝の主日に持っていく棕櫚は、シュロやナツメヤシ、オリーブなどの枝が使われますが、ポーランドは寒冷地であるため、猫柳で代用されることもあります。これらを組み合わせたものに、ドライフラワーや簡単なアクセサリーなどできれいに飾りつけをします。そして一家で正装をして、この棕櫚の枝を手に教会に向かいます。復活祭終了後、この棕櫚の枝は翌年の「灰の水曜日」で燃やして灰にし、灰の祝別式と塗布式に使用します。

毎年この時期になると、街の中央広場に並ぶ露店に、きれいに飾りつけをされたパルマが沢山売られており、とてもきれいです。またこの日は、キリストの受難に対して悲しみを表わす意味で、教会内の礼拝堂やイコン・絵画などを紫の布で覆うしきたりになっています。

今日から復活祭まで、聖週間が始まります。


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