ポーランドからの報告

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クラクフ人はけち

2007年03月13日 | 雑学

クラクフ人はけちなんだそうです。

「アルミの針金をつくるにはどうしたらいいか?」
「1ズローチ硬貨を、二人のクラクフ人の間に投げてやればいい」


などのアネクドートが知られています。

「クラクフ人はけち」は、ポーランド全体で知られているジョークのようです。でも私は日ごろクラクフに住んでいて、あまりそうは感じないのですが。。例えば私の夫は生まれも育ちもクラクフの、生粋のクラクフっ子ですが、けちというより、むしろ浪費家です。ちょっとの距離でもすぐにタクシーに乗ってしまうし、チーズは塊で買わずに切れているチーズを買ってしまうし(スライスチーズの方が、塊売りしているチーズより、高い)

あなたの知っているクラクフっ子はけちですか?


ポーランドからの報告


「白い貴婦人の幽霊」の伝説

2007年02月25日 | 雑学

寒い冬に、さらに背筋が凍るような小話を一つ。

怖い話といえば幽霊や妖怪の話が一般的ですが、敬虔なカトリックの国ポーランドでも、幽霊の伝説がいくつか伝わっています。中でも有名なのが、ビィヤワ・ダマ(Biała Dama)-「白い貴婦人」 と呼ばれる幽霊の言い伝えです。

   

中世の貴族の国・ポーランドには、各地に幾多もの貴族のお城が残っています。その中の一つ、南西部の都市レシュノ(Leszno)にほど近い リズィナ城 (Zamaek Rydzyna) は、15世紀にヤン・リズィンスキのお城としてゴシック様式で建設され、17世紀末にバロック様式で増築・完成されたものです。総面積12ヘクタールを有し、ポーランド王スタニスワフ・レシチンスキ (Stanisław Leszczyński) の居城としても使われた、正方形の城と周囲の森と湖が大変美しい古城です。

このお城のチャペル(礼拝堂)に、深夜になると、白い衣服に身を包み、すすり泣きながらお祈りをささげている高貴な貴婦人の幽霊がでるといわれています。白い衣服を着ていることから、白い貴婦人-Biała Dama と呼ばれているのだそうです。

このリズィナ城は、きれいに改装されて古城ホテルになっており、レストランやバンケードルームでは、結婚式などの催し物も開かれれています。つまり興味のある方は誰でも普通に予約して宿泊することができますので、勇気のある方は、ぜひこのリズィナ城を訪問してみてください。とりわけ11月1日の万聖節の日(諸聖人の日)の深夜には、この貴婦人に会える確率が高いそうです。

 リズィナ城 (Zamaek Rydzyna)
  住所:pl. Zamkowy 1, 64-130 Rydzyna, Poland
  tel/fax: +48 65 529 50 40, 529 50 26
  アクセス:ポズナニ・ヴロツワフから約90km、
  ワルシャワ・クラクフ・ベルリン・プラハから約300~360km


ポーランドからの報告


ポーランド人の姓 ①

2007年02月20日 | 雑学

ポーランド人の名字の数は40万種と言われています。中国人で300種、イギリス人で1万数千種、日本人で約10万種なので桁違いに多いことになります。

ポーランド人の姓というと、「~スキ(ski)」型が有名ですが、実際に統計を見てみると、ポーランド人に一番多い名字はNowak(ノヴァック)で約22万人、ついでKowalskiコヴァルスキ、Wiśniewski(ヴィシニェフスキ)、Dąbrowski(ドンブロフスキ)、Lewandowski(レヴァンドフスキ)、Kamiński(カミンスキ)….とやはり「~スキ」型が多くなっています。

ポーランドではお金を払えばわりと簡単に改姓できます。ポーランドで改姓が認められるケースとは、官報(1956年11月15日付)によれば、①こっけいな姓、ないし人の尊厳を傷つけるような姓 ②非ポーランド的な姓 ③ファーストネームと間違える可能性のある姓 となっています。

ポーランド人の姓は、その絶対数が多いだけに、面白い姓も沢山あり、確かに、失礼ながら笑ってしまう名字もあります。例えば、
 
食べ物の名前: Śmietana(生クリーム) Serek(チーズ) Kapusta(キャベツ) Cebula(たまねぎ) Kiełbasa(ソーセージ) Żurek(ジューレック)*1 Bigos(ビゴス)*2
動物の名前: Zając(野うさぎ) Żaba(かえる)
尊厳を傷つける姓: Dupka(尻) Choroba(病気) Bałwan(間抜け) Pokraka(モンスター)
その他: Pogoda (天気) Rozum(脳) Czekaj(待って) Tutaj(ここ) Pcham(押します)

知り合いの医者はChoroba(病気)という名字なのですが、縁起が悪いから、とこの医者にはかかりたくない人もいるかもしれません。Zając(野うさぎ)などかわいくていいじゃないか、と思うかもしれませんが、ヨーロッパでは野うさぎは臆病者の代名詞となっていますので、これも不名誉な姓であるといえます。

このようにこっけいな姓は例を挙げればきりがないのですが、実際には改姓する人はほんの一部のみだそうです。Śmietana(生クリーム)さん、Czekaj(待って)さんなどはそう珍しい名前ではないのでまず改姓は認められないのではと思います。そういう場合、結婚をきっかけに相手側のより響きのよい姓に変更するなどの形で改姓している人が多いようです。
つづく

 *1 ジューレック:ポーランドの伝統的なスープの一つ。
 *2 ビゴス:ポーランドの伝統的な家庭料理の一つ。


ポーランドからの報告


ポーランド人の姓 ②

2007年02月20日 | 雑学

ポーランド人の姓の続きです。

ポーランドでは、名字を改姓する人が多いと上の記事で書きましたが、②の「非ポーランド的な姓」ケースはとくに第二次世界大戦終戦直後から1950年代にかけて頻繁に見られました。もっともこれに関しては、戦時中ドイツ語名を占領当局に強制されたポーランド人がもとの名前に戻しただけという事例も含まれています。一方ユダヤ系住民に関しては、現在多くがポーランド系の姓へと改姓していることが知られています。ポーランドでは、過去の不幸な歴史から、他人の出生に関してユダヤ系かどうかを勘ぐる人がいまだに少なくなく、ユダヤ系の姓は聞いてすぐユダヤ系とわかることから、それを理由とした改姓の件数は多くなっています。とはいえユダヤ系住民が改姓していることは広く知れ渡っており、中には「あの人は改姓したけれども改姓前は~さんだったからユダヤ人だ。」などと意地悪いことをいう人もいます。

③の「ファーストネームと間違える可能性のある姓」のケースは、①②のケース、に比べ、最も改姓が認められにくいということです。マレック・ユレック(Marek Jurek)という有名な政治家がいますが、この人の名字ユレックは、ポーランドに頻繁にあるファーストネーム、イェジJerzyの愛称形ユレック(Jurek)とまったく発音が一緒で、いつも紛らわしいなと思っていたのですが、本人は気にしていないのでしょうか。

一般にポーランドでは「~スキ」型の姓は他の姓に比べてよりよい、と考えられているふしがあり「~スキ」型に改姓する人が多いようです。一方で興味深いことにアメリカ・カナダなどに多く住むポーランド系住民の間では、「~スキ」型の名前はあまり好まれていなく、逆に「~スキ」型の姓から改姓する人が多いのです。ある調査によると、ポーランド系米国人の半数以上が「より英語的な姓」を望んだとのこと。実際北米の都市デトロイトには約30万人のポーランド系住民がいますが、このうち毎年3000人が改姓しているそうです。これはユダヤ系についで高い数字です。ちなみにポーランドでは「~スキ」型の姓は女性では「スカ」と語尾変化しますが、海外では「スカ」とはならず「~スキ」のままです。これは「スカ」は夫の姓の女性形という扱いになり、日本を始め世界の多くの国では原則認められていないからです(認められるのは夫の姓または妻の姓のみ)。「~スキ」型の姓は、14世紀前半にさかのぼるまでの長い歴史を持ち、かつては社会上層部とのつながりを示す高貴な姓でしたが、その後一般化し、今日では社会的地位や背景とはとくに関係はないそうです。

ところでアネクドート好きなポーランド人ですが、名前に関しても、こんなアネクドートがあります。

名前を変える役所にて:
A 「ピョートルスキさん、あなたはユダヤ人のようだが名前は十分ポーランド人風じゃないか、どうして名前を変える必要があるんだい?」
B 「改姓前の名前は何か、と尋ねれらた時に、どうどうと答えられるようにだよ。」


ポーランドからの報告


ポーランド人はレモンティー派

2006年11月28日 | 雑学

ポーランド人は、とてもよくお茶を飲む民族です。
なんでも、年間の紅茶消費量は、イギリスに匹敵するほどとか。

ポーランドでは、紅茶といえば、レモンティー。カフェで紅茶を注文したり、ご家庭にお邪魔してお茶をいただいたりする際、出された紅茶には、半ば自動的にレモンが付いてきます。お決まりのフレーズ、「レモンにしますか?それとも、ミルクにしますか?」 は、ポーランドでは通常聞かれることはありません。

というのは、ポーランドでは、ミルクティーは、子供の飲み物と考えられているからです。ですので、大人になったらもう飲まないし、お客様にも出しません。当然のことながら、カフェでも注文できません。(そもそもメニューにすらありません。)

奇遇なことに、そのミルクティーの本場、イギリスには、労働移民として、現在約100万人のポーランド人が住んでいます。イギリスでは、紅茶といったらミルクティーですが、イギリスのポーランド人は、やはりミルクティーの本場にいても、断固レモンティーなんでしょうか?それとも、イギリス紳士風に、ミルクティーをたしんでいるのかな?

   

ポーランド人の常套文句の一つに、「イギリスやドイツは、ポーランドと文化が違いすぎる」というのがあります。西欧・東欧の違いを言っているのかというと、そうでもなくて、「ロシアやウクライナは、ポーランドと文化が違いすぎる」という風に、同じスラブ人東欧国家の中でも、違いを強調したがります。いつもそれを聞くたびに、「そんなことを言ったら、日本なんてどんななのよ!」と激しい突っ込みを入れたくなる私だったのですが... だって世界的に見たら、文字や宗派の違いこそあれ、イギリスもドイツもポーランドもロシアも、白人・キリスト教・ヨーロッパ文化圏という風に、大まかに一括りにできるわけですから。

でも、日常の生活習慣のちょっとした違いや、些細なことほど、違いというのは受け入れがたい、ということなのかな、と最近思うようになりました。例えば、紅茶一つとっても、レモンティー派のポーランド人に、ミルクティー派のイギリス人。しかもポーランドで子供の飲み物であるミルクティーを、イギリスでは着飾った英国紳士や貴婦人が、高級カフェで飲んでいる- ポーランド人にとっては、これは多分カルチャーショックなのでしょうね。(日本でいったら、お雑煮の味がすまし味の関東人と味噌味の関西人が、結婚してからもめるとか。) またロシアの一般家庭では、サモバルという大きな3リットルくらいの容器に、紅茶を作り置きして、そこから飲むのですが、ポーランド人は、それを見てやはりカルチャーショックを受けるようです。(ポーランドでも昔はそうしていたみたいなんですが。)

イギリスのポーランド人が、イギリスにレモンティーを、イギリス帰りのポーランド人が、ポーランドのカフェのメニューに、(大人の飲み物としての)ミルクティーを、いつのまにか流行させたら、とても面白いですね!


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補足トリビア 「ハイ」 と 「イィエ」

2006年10月07日 | 雑学
下の記事 に対する補足トリビアです。

ドイツのスラブ系少数民族ソルブ人の言語、上ソルブ語では、肯定の返事「はい」が Haj(ハイ) で日本語とまったく発音が一緒なんです!

ソルブ語(Sorbian languages) とは、ドイツ南東部、エルベ川流域に住むスラブ系少数民族、ソルブ人の言語です。ポーランド語、チェコ語、スロヴァキア語とともに、インド・ヨーロッパ語族・スラブ語派・西スラブ語群に属する言語で、ソルブ語、ラウジッツ語、ヴェンド語などと呼ばれています。

6世紀、ゲルマン民族の大移動が起こると、無人となったエルベ川流域地帯にスラブ人民族が移入し、農業、酪農、狩猟、漁労などを行って定住しました。その現存する子孫がソルブ人で、ドイツ語を話すドイツ人に囲まれながらも、1500年もの間、独自の言語と文化を固持してきた民族です。

ソルブ語には大きく2つの方言があり、エルベ川上流域で話されている 上ソルブ語(Upper Sorbian) と、エルベ川下流域で話されている 下ソルブ語(Lower Sorbian) に分けられます。上ソルブ語はチェコ語に、下ソルブ語はポーランド語に近い言葉です。

ソルブ語の話者はおよそ2万人で、現在ではほぼ全員がドイツ語とのバイリンガルとなっており、日常会話ではドイツ語を使用する人も増えています。それでもソルブ語の新聞やラジオ、インターネットサイトなどを運営したりと、先祖代々の言語を消滅させなための努力に勤めています。またドイツ政府もソルブ語保護に積極的で、ソルブ人のためのソルブ語学校があるほか、ソルブ博物館、国立ソルブ語研究所の設立、ライプツィヒ大学言語研究所にソルブ語科を設置するなどしています。また南東部ブランデンブルグ州、ザクセン州では、案内板・道路標識などがドイツ語とソルブ語との二ヶ国語表示となってます。

ソルブ語は、古代スラブ語の特徴である双数を残していたりと、言語学的にも非常に興味深い言語です。上述したように、印欧語・西スラブ語族に属する言葉ですので、もちろんこの Haj(ハイ) 以外、語彙、文法などに日本語との共通点はまったくありませんが、面白い偶然ですよね!


もうひとつトリビアねた、今度は逆の例。

モロッコ語(アラビア語モロッコ方言 Moroccan Arabic) では肯定の「はい」にあたる単語が Iyeh (イィエ) だそうです!そのため日本人がモロッコ語を学ぶときや、逆にモロッコ人が日本語を学ぶとき、最初は慣れなくてすごく戸惑うのだとか・・ちなみに否定の「いいえ」は標準アラビア語と一緒で La(ラー) です。幸いこちらは覚えやすいですね。

それにしても、ところ変われば、こんなにも言語事情は変わるのですね!


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トリビアの泉 No が Yes!

2006年10月07日 | 雑学

ポーランド人にポーランド語で何か質問して、「No」との答えが返ってきたら、それは「いいえ」の意味ではなく、「はい」の意味なんです!

ポーランド語で肯定の返事「はい」は Tak(タック) 、否定の返事「いいえ」は Nie(ニィエ) です。

でもその他に No(ノ) という単語があり、日本語の「はい」に対する「うん」のような、くだけた意味の肯定のフレーズとなっています。つまりNo(ノ) は、「Yes」を意味する言葉なんです!

この No(ノ) は英語のような ノウ ではなく、スペイン語やイタリア語のように、音節を軽く切って、そしてやや高音気味に ノ(高) と発音します。もちろん英語・スペイン語・イタリア語の否定の返事 No とはまったく関係がなく、れっきとしたポーランド語です。チェコ語で肯定の返事「はい」を Ano(アノ) といいますが、むしろこちらに起源が近い言葉です。

そういうわけで、ポーランド人は頭をうんうん縦に振りながら No(ノ) って言ったりしますので、ポーランド語を知らない人には、肯定しているのか、否定しているのかさっぱりですが、 No(ノ)が「うん、そう」という意味だと知って、やっと頭のもやもやが晴れるわけです。

No(ノ) は、このように肯定の意味の返事として使われるほか、一般にフレーズ同士を円滑につなぐ接続語のような役割があります。例えば英会話でしょっちゅう You know というフレーズを挟む人がいますが、それと同じで、ポーランド人では、会話の途中にものすごくしょっちゅう No(ノ) をはさむ人がいます。

また、あとに続く単語の強調の意味もあります。

   No tak (ノ・タック) うん、そうそう 
   No nie (ノ・ニィエ)  違うよ~!!
   No więc (ノ・ヴィエンツ) そういうわけでぇ~
   No właśnie (ノ・ヴワシニィエ)  だよねぇ
   No to dobrze (ノ・ト・ドブジェ) それはよかった!


こんな風に使います。

このNo(ノ) は、ともするとポーランド語のお堅い教科書には載ってないのですが、知っておくと大変便利な言葉ですので、ぜひ練習して、ものにしましょう!


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日本人に馴染みの深い ○○○ がポーランドにもあった!

2006年09月19日 | 雑学

日本人にとても馴染みが深い ○○○ が、なんとここポーランドにもあるんです。
それは何だと思いますか??

クラクフ旧市街南を流れるヴィスワ川。その河岸を散歩していると、あれ!?こんなところに!?日本でもお馴染みの、『あるもの』 があるではありませんか!?

答えは、、写真を見ていただけるとわかりますが、「忠犬ハチ公の像」なんです!

 

ポーランドの忠犬は、ジョク(Dżok)という名前でした。ヴィスワ河の近くにに、ロンド・グルンヴァルツキェというとても交通量の多いロータリーがあるのですが、ジョクのご主人は、このあたりを歩いているときに心臓発作で倒れ、そのまま救急車で運ばれて亡くなりました。

ご主人と永遠の別れとなってしまったジョクは、1990~91年の二年間、ずっとこのロータリーでご主人の帰りを待っていたそうです。親切な人が現れては水や餌をやり、家に連れて帰ろうとしましたが、ジョクは頑なにその場を動こうとはしませんでした。1992年になってやっと、新しいご主人に引き取られましたが、1998年にそのご主人も亡くなると、同年のイースターの日に、トラムに轢かれて亡くなりました。まるでご主人を追いかけて行ったかのような最後だったと伝えられています。

この忠犬ジョクの話を後世に残そうと、動物愛護団体が中心となって、ジョクの像を設置するための運動を行い、2001年春に除幕式が行われました。銅像の多いヨーロッパの街並みですが、それでも犬の像というのはめずらしく、当時とても話題になったそうです。

しかもなんと、犬が除幕を行いました!!

 

ちなみに、ポーランドは世界一イヌの保有率が高い国だとか。
確かに、町行く人の多くがイヌを連れています。

参考:http://www.tresura.pl/gz01.php


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