ポーランドからの報告

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ビドゴシュチュ訪問記 ②

2007年03月20日 | 観光ガイド

ビドゴシュチュはとてもきれいな街ですが、ここを訪れる外国人観光客はまれです。

   
   
   

 [写真]ビドゴシュチュの街並み

今回時間の都合で夕方にしか写真が撮れなかったそうです。
暗い写真ばかりですみません。

ビドゴシュチュにできたばっかりという日本食料理屋にも行ったそうです。しかし残念、ここの日本食はまがいものでした。。。(伝聞なので詳細は不明ですが、一言でいうとおいしくなかったそうです。)

   
   

 [写真]ビドゴシュチュの日本料理屋、わさび


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ビドゴシュチュ訪問記 ①

2007年03月19日 | 観光ガイド

少し前の話になりますが、今年1月はじめに、私の夫と妹が、北ポーランドのビドゴシュチュを訪れました。というわけで、今日からビドゴシュチュ・レポをお送りします。

ビドゴシュチュ(Bydgoszcz)は北ポーランド、クヤヴィ・ポモージェ県の県庁所在地で、人口35万人ほどの中都市です。町の歴史ははるか中世の時代にさかのぼり、1346年に時のカジミエジュ大王により、都市特権が与えられました。ワルシャワ、グダニスク、ポズナニから日帰り圏内、ユネスコ世界遺産都市のトルンからも40kmと、すぐにアクセスできます。

   

 [写真]ビドゴシュチュに建つカジミエジュ大王の像

   
   

 [写真]ビドゴシュチュの街並み

ビドゴシュチュは日本語では、ビドゴシチとも表記されますが、ビドゴシュチュと書いたほうがより正確です。というか複雑なポーランド語の発音をカタカナ表記するのには無理がありますが、一番音に正確にというと、やはりビドゴシュチュと書いたほうがいいように思います。ちなみに語尾の szcz の部分を、シュチュと発音します。Deszcz(デシュチュ・雨)、Barszcz (バルシュチュ・ポーランドの伝統的な赤ビートスープ)など、ポーランド語に割と頻繁に出てくる音です。
つづき


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冬のワジェンキ公園

2007年02月12日 | 観光ガイド

ワルシャワ市街の南部にあるワジェンキ公園は、ヨーロッパで最も美しい公園の一つといわれています。ワジェンキ(Łazienki)とはポーランド語で浴場と言う意味です。スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキ王が1766年から30年の歳月をかけて完成させたもので、公園内の離宮にある浴場がとても美しかったことから、この名前がついたといわれています。

   

ワルシャワ中央駅から約3km、バスで10分ほどです。近くに日本大使館があるので、大使館を訪れる折、いつもこのワジェンキ公園を散歩して帰ります。ただ旧市街などワルシャワの見所が集中している区画からはだいぶ離れていますので、ワルシャワ観光に時間があまりとれない人はカットしてもよいでしょう。バスだと180番が便利です。

   

ちなみに... ヨーロッパで最も美しい公園といわれているこのワジェンキ公園も、さすがに冬場は閑散として、ひとっこ一人いません。

   

   

園内にはくじゃく、鴨などの野鳥がいて、訪れる人の目を楽しませてくれます。

   

こちらはショパンの像です。毎年夏の観光シーズン期間は、毎週日曜日ごとにこのショパンの像の傍でショパンコンサートが開かれます。ただ冬は... やはり人がいません。公園とはやはり夏場に訪れるべき場所のようです。夏場に訪れることをお勧めいたします。


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ヨルダン公園でポーランドの偉人に出会う

2007年02月09日 | 観光ガイド

クラクフ旧市街から徒歩5分のところにあるヨルダン公園には、ポーランドの歴代の偉人の胸像が飾られています。この公園をおとずれれば、ポーランドの偉人を一通り知ることが出来ます。

   

入り口を入ってすぐのメインストリートには、比較的近代(19C~)の偉人の銅像がならんでいます。ヨハネ・パウロ二世やキュリー婦人、ユゼフ・ピウスツキなどに混じって、枢機卿などのカトリック神父の像も並んでいます。胸像1つ1つに小道と花壇がついていて、とても綺麗です。

   

メインストリート突き当たりには、16・17世紀の偉人の胸像が円形に並んでいます。アダム・ミツキエヴィチ、フレデリック・ショパン、ユリウシュ・スウォヴァツキ、ヤン・マテイコなど、世界的に有名な人ばかりです。またその円形花壇の中央には、公園の名前の元になったヨルダン氏の大きな像がたっています。

   

こちらはポーランドの国民画家、ヤン・マテイコの胸像。「ルブリンの合同」「天文学者コペルニクス、神との対話」などポーランドの歴史の重要なシーンを題材にした絵画が有名で「ポーランド人はマテイコの絵で歴史を学ぶ」といわれるほどです。

さらに公園の奥に入ると、ミコワイ・コペルニクスやタデウシュ・レイタンなど、最も古い時代の偉人の像が並んでいます。園内には子供が遊べる乗り物もあり、家族で楽しめます。近くには国立博物館もあり、散歩にも最適の場所です。


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ポーランドのユネスコ世界遺産

2006年12月11日 | 観光ガイド

今日12月11日から15日までの5日間、NHKの「シリーズ世界遺産100」という番組で、ポーランド特集が放映されます。5分ほどの短い番組ですが、ぜひ見てください。放送日程は以下の通りです。

  12月11日(月) 守り継ぐ心の都  ~ クラクフ歴史地区~
  12月12日(火) 塩の芸術  ~ ヴィエリチカの岩塩坑~
  12月13日(水) 騎士団の牙城  ~ マルボルクの城郭~
  12月14日(木) ルネサンスの真珠  ~ ザモシチ旧市街~
  12月15日(金) ホロコーストの記憶  ~アウシュビッツ強制収容所~ 

ポーランドには、このほかにも、中世都市トルン、ワルシャワ歴史地区、など8件、全部で合計13件の世界遺産があります。今回の番組ではこのうち5箇所しか放映されませんが、それ以外の場所も、どれもとてもすてきな場所ですので、機会のある方はぜひ訪れてみてください!

ところでポーランドは、ドイツと並び、ヨーロッパで最も早く世界遺産が登録された国なんです。
ご存知でしたでしょうか?

ユネスコ世界遺産は、ご存知のように、1972年の第17回ユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づいて、各国からの申請に基づき審査・登録されており、1975年に20ヶ国が条約締結して正式に発効され、1978年から登録が始まっています。初年度は、自然遺産4件、文化遺産8件の計12件が登録され、この時、ポーランドから「クラクフ歴史地区」と、「ヴィエリチカの岩塩坑」が、ドイツから「アーヘン大聖堂」が、この栄誉ある第一号登録リストに入っています(1978年登録)。またポーランドからは、翌年にも「アウシュビッツ強制収容所」と「ビュウォビィエジャの森林保護区」が登録リスト入りしています(1979年登録)。

ヨーロッパの世界遺産というと、イタリア、スペイン、フランスが有名というイメージがありますが、それぞれ第一号の登録は、「ヴァルカモニカの岩絵群」(1979年登録)、「コルドバ歴史地区」ほか4件(1984年登録)、「ヴェルサイユ宮殿と庭園」ほか4件(1979年登録)、となっています。ヨーロッパの世界遺産のメッカである、イタリア、スペイン、フランスを差し置いて、当時まだ社会主義国家だったポーランドが、世界遺産リストに一番乗りしたことは、意外と知られていないのではないかと思います。


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ポズナニ暴動記念碑

2006年11月09日 | 観光ガイド

今年の6月28日、ポズナニ暴動50周年記念式典が、ポズナニにて開催されました。

「ポズナニ暴動」とは、1956年6月28日にポズナニで起こった、学生や労働者による反政府・反ソ連デモです。ポズナニの労働者が生活条件の改善を求めてストに入ったことがきっかけで、デモに発展したもので、ポーランドでは「ポズナニの6月」と呼ばれています。

ポズナニ暴動記念碑は、アダム・ミツキエヴィチ公園の中にあります。西側をポズナニ大学、東側を文化科学宮殿に接しており、噴水の周りを緑の木々が囲む、とてものどかな公園です。天気のよい日には、噴水のまわりで、日向ぼっこをしたりと、ポズナニ市民の憩いの場として人気の場所です。

   

ポズナニ暴動では、デモ隊に治安部隊が発砲したことから、デモが暴動と化し、警察・放送局・共産党本部などが襲撃されました。さらにソ連軍の介入を恐れる余り、ポーランド政府自らデモの鎮圧にあたったため、最終的に数百人の死傷者が出る悲劇となりました。しかしこれが東欧国民の闘争心に火をつけ、同年の「ハンガリー動乱」や1968年の「プラハの春」と続き、ついに80年代にグダニスクにて「連帯」が組織されるに至ったことから、まさに東欧民主化の原点ともいうべき出来事とされています。

ポーランドの国の歴史は、10世紀、ポズナニで始まりました。それから千年後、再びこのポズナニの街で、ポーランドの歴史は大きく前へ一歩を踏み出しました。ポズナニは、まさに ポーランド発祥の地 の名にふさわしい街といえます。



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ポーランド発祥の地-ポズナニ大聖堂

2006年11月09日 | 観光ガイド

ポズナニ大聖堂は、ポーランドで最も歴史の古い教会です。966年ミィエシュコ一世がキリスト教を受容し、ポーランドはカトリックの国になりました。その初期ポーランドの時代に建てられたもので、残念ながらオリジナルのものは第二次世界大戦で消失してしまいました。現在みられるものは、戦後に立て直されたものです。

   

旧市街東を流れる、ヴァルタ川の中州に立っています。旧市街からは、やや離れているので、路面電車(トラム)を利用すると便利ですが、歩いていかれないこともありません。旧市街側からの眺めが、とてもきれいです。

   

ヨハネ・パウロ二世の行くところ、銅像あり。

   

地下に降りていくと、ポーランドの初代君主、ミィエシュコ一世のお墓(の残骸)がありました。

   

こちらは、隣接する聖マリア教会。この教会も、10世紀に建設された大変起源が古い教会です。現在修復工事が進められています。


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クラクフ空港へのアクセス

2006年11月06日 | 観光ガイド

クラクフのバリツェ(Balice)空港、別名ヨハネ・パウロ二世空港へは、これまではMPKバスの192番か208番でのアクセスでしたが、どちらも本数が少ないうえに、いつも車内が混んでいて、旅行者には非常に不便でした。

そんな旅行者の皆様へ朗報です。今年の6月から、ポーランド国営鉄道(PKP)のクラクフ空港行き電車が就航しました。この電車はクラクフ中央駅とクラクフ空港を最短20分で結んでいて、料金は4zl=160円、切符は車内で車掌から買うことができます。

   
   

開通当初こそ、まだ旅行客への知名度がそれほど高くなかったものの、だんだんと各国のガイドブックでも取り上げられるようになり、利用者が軒並み増えています。バスに比べ、この電車の方が時間に正確ですし、明け方から夜遅くまで、ほぼ30分に1本あり、混んでいる時間帯でも、座れないほどではありません。


ところで、クラクフにくる観光客が、この電車の車内から最初にみる光景が、これ↓....

   

さてこれは何でしょう? 答えは...巨大なゴミ捨て場です。

空港駅からクラクフ中央駅に行く途中に、鉄くずだの電化製品だの車のスクラップだのが捨ててある、巨大な屋外ゴミ捨て場があるんです。

「中世から残る美しい旧市街の街・クラクフ」を売り物にして観光客を呼び混んでいるクラクフ市ですが、観光客が最初にみる光景がこれでは... ディズニーランドに行くのに、シンデレラ城を見る前に、バックステージを見てしまったようなものですよね...

クラクフ空港へは仕事で割と頻繁に出かけるのですが、いつも電車がこのゴミ捨て場の前を通る度に、外国人観光客から「わぉ~!!(さすが東欧!という意味)」の歓声があがります。クラクフ在住者の私としては、いつもとても恥ずかしい思いをするところです。

何はともあれ、非常に便利ですので、クラクフ空港へは、ぜひこの電車の利用をお勧めします!


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ウォルシュティン (Wolsztyn) の蒸気機関車

2006年10月30日 | 観光ガイド

今回のメッセでは、ポーランド国営鉄道(PKP)も、スポンサーとして出展していました。会場内各所に設けられたブースで、インターシティ(IC)などについての展示をしていたほか、会場内の屋外スペースでは、インターシティや普通列車、先日当ブログでもご紹介した ヨハネ・パウロ2世号 などの車体が展示されていました。

加えて、嬉しいことに、『鉄道でポズナニに来たメッセ来場者は、帰りの切符無料』というサービスをしていて、これが大好評でした。行きの切符の裏に Tour Salon 2006 の専用スタンプを押してもらうと、それが帰りの切符へと早変わり!というわけです。おかげさまで今回私も、ポズナニ→クラクフ間の復路433kmを、一切無料で帰ってきました。

   

さてさてそんな中、圧巻だったのは、PKPカーゴ出展の 蒸気機関車(pociąg parowy ) です。

ポーランドでは、現在でもポズナニ近郊の数区間で、蒸気機関車が運行されています。中でも、ポズナニ(Poznań)⇔ヴォルシュティン(Wolsztyn)間の約75kmを走る路線は、旅行者に利用しやすい上、終着駅のヴォルシュティンでは、機関車に燃料の石炭を補充する様子や、転車台で180度方向転換して整備格納庫へ機関車が収納される様子などが見学できるとあって、観光客や鉄道マニアの間で、人気の路線となっています。

   

さらに格納庫に隣接する ヴォルシュティンSL博物館 では、現役を退いたSL車両や、旧式信号機、昔の駅員の制服、昔の駅の標識、昔の駅舎のジオラマなどが見られるほか、実際に自ら運転席に座ってみることも可能!鉄道マニアには至れり付くせりの内容とあって、博物館は、シーズン中は予約が必要なほど込み合うそうです。

   

このヴォルシュティンSL博物館へは、ポズナニから日帰りでの訪問が十分可能です。もちろんマニアの方には、付属の宿泊施設 に泊まってみるのもお勧めします。

   

展示車両の中へ入ると...昔ながらの暖かみのある木製の椅子がならんでいました。
この車両は、レトロタイプの車両(pociąg retro)で、現在では使われていません。

   

こういった、本来ヴォルシュティンまで行かなければ見られなかった品々を、今回のメッセでは、いわば「移動博物館」として展示しており、非常に興味を引く内容でした。
(写真はすべてポズナニのメッセで撮影したものです。)

   

ちなみにこのポズナニ⇔ヴォルシュティン路線も、蒸気機関車の一本後のダイヤは、最新型のトラム型バスでの運行だったりします。蒸気機関車の運行は、どちらかというと、ファンサービス的な意味合いが強いようです。

それにしても、この蒸気機関車にしろ、帰りの切符無料キャンペーンにしろ、或いは ヨハネ・パウロ2世号 にしろ、ポーランド国鉄(PKP)の、こういう洒落心があるところが、私は非常に大好きです。


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