北米の2大PDA/スマートフォンメーカーの決算報告が出揃った。PDAメーカーの米Palmと、BlackBerryで著名なカナダのResearch In Motion(RIM)は12月21日(現地時間)、それぞれ直近の四半期決算報告を行った。世界中で高まるスマートフォン需要を受け両社ともに好調な業績を上げており、Palmは年間成長幅で18%の売上アップを達成、一方のRIMは売上ベースで53%、純利益ベースで33%の大幅アップを実現している。
PDA市場の衰退が叫ばれるなか、スマートフォンという新天地に活路を見い出すことで8四半期連続の前年比2桁成長を実現したのがPalmだ。同社会計年度で2006年第2四半期(9-11月期)に売上4億4460万ドルを達成し、前年比18%のアップとなっている。純利益は2億6090万ドルで、こちらは前年同期比で10倍以上増を実現した。また同社は米国内でのPDAシェア36%を達成したとコメントしている。
同社にとって2005年は戦略上の大きな転換点にあたる年であり、今回の四半期はその成果がちょうど現れた時期でもある。まず同社は2005年5月、Palm OSの開発を行うPalmSourceからPalmブランドの権利を買収し、palmOneという社名を「Palm」に変更している。PalmSourceとpalmOneは、それぞれOSとPDA機器開発を行う独立したメーカーとして2002年に分割が行われた。palmOneによるPalmブランド買収は、これが再び1つになることを意味すると同時に、PDAやスマートフォンでPalm OS採用にこだわらないことも意味している。それを裏付けるかのように新生Palmは今年9月、MicrosoftのOSである「Windows Mobile」を搭載したスマートフォン「Treo」を発表している。一方のPalmSourceは9月初旬に、日本の携帯ソフトウェアメーカーであるAccessによる買収が発表された。Accessによれば、Palm OS自体の開発は買収後も続けていくとしている。
新生Palmは9月にWindows Mobile搭載Treo 700wを発表するとともに、中国市場への進出を果たしている。また今後半年でさらに3種類のTreo新製品を発表する計画だと述べており、端末を提供する携帯キャリアの拡大を含め、ビジネス上の見通しは比較的明るい。また直前の四半期(6-8月期)には世界で100万台のTreo出荷を達成したと報告しており、現在世界で起きているスマートフォン需要増の波にうまく乗った様子がみてとれる。
一方、倍々ペースでBlackBerryのサービス契約者数増を実現しているRIMも、Palm同様に好調な業績を記録している。同社会計年度で2006年第3四半期(9-11月期)の売上は5億6060万ドルで前年同期比53%のアップ、純利益は1億2010万ドルで前年同期比33%のアップとなっている。同四半期でのBlackBerry販売台数は約110万台で、直前の2四半期を含んだ3四半期分の総販売台数は約290万台となっている。サービス契約者は同四半期の終了時点で約430万人と報告しているが、2004年12月時点で200万人だった契約者数が半年も経たずに300万人を突破しており、さらに短期間で400万人を達成したことになる。フルキーボードを備えた携帯端末に、電子メールやWebブラウザ、携帯電話の機能を取り込んだBlackBerryは、北米だけでなく、欧州をはじめとする世界各地で利用が広まっており、その拡大ペースからRIMの好調ぶりがうかがえる。
だがこうした状況にも関わらず、RIMは2006年第4四半期の業績予測で、同四半期の契約者数の増加幅を70~75万程度と以前よりも5万契約ほど低い水準で見積もっている。この理由について同社は、現在RIMが特許管理会社の米NTPとの特許闘争状態にあり、BlackBerryサービスの継続を巡ってユーザーが買い控えを起こす可能性があることを指摘している。
この特許闘争は2002年にNTPが、保有する「電子メールのプッシュ技術」に関する特許をRIMのBlackBerryに侵害されたとして、RIMを相手取って損害賠償を請求したことに起因する。今年3月、RIMがNTPに対してライセンス契約を結び、4億5000万ドルの賠償金支払いを行うということでいったんは和解したものの、数ヶ月内に交渉は再び決裂し、和解は暗礁に乗り上げてしまった。RIMによる再審請求が米最高裁によって棄却されたことで、2003年にいったん発令されて延期されていたBlackBerryの販売差し止め命令が再び発動される恐れが出てきた。現在もこの闘争は続いており、絶好調のRIMの業績見通しにわずかながらも影を及ぼす結果になっている。
北米2大PDAメーカーのPalmとRIM、スマートフォン重要増で好調な業績
北米でもPDA市場の衰退が進んでいるが、代わりにスマートフォンが好調なようだ。日本でもW-ZERO3が大人気で、やっとスマートフォン人気が高まりつつある。
他にもDoCoMoのM1000、ボーダフォンの702NKⅡなどもあり、来年は日本でもスマートフォン元年となるかもしれない。
スマートフォンで出遅れているauから来年どんなスマートフォンが出てくるのかにも注目したい。ソニーあたりがスマートフォンを出せば、CLIEのように人気が出るのではないだろうか?
PDA市場の衰退が叫ばれるなか、スマートフォンという新天地に活路を見い出すことで8四半期連続の前年比2桁成長を実現したのがPalmだ。同社会計年度で2006年第2四半期(9-11月期)に売上4億4460万ドルを達成し、前年比18%のアップとなっている。純利益は2億6090万ドルで、こちらは前年同期比で10倍以上増を実現した。また同社は米国内でのPDAシェア36%を達成したとコメントしている。
同社にとって2005年は戦略上の大きな転換点にあたる年であり、今回の四半期はその成果がちょうど現れた時期でもある。まず同社は2005年5月、Palm OSの開発を行うPalmSourceからPalmブランドの権利を買収し、palmOneという社名を「Palm」に変更している。PalmSourceとpalmOneは、それぞれOSとPDA機器開発を行う独立したメーカーとして2002年に分割が行われた。palmOneによるPalmブランド買収は、これが再び1つになることを意味すると同時に、PDAやスマートフォンでPalm OS採用にこだわらないことも意味している。それを裏付けるかのように新生Palmは今年9月、MicrosoftのOSである「Windows Mobile」を搭載したスマートフォン「Treo」を発表している。一方のPalmSourceは9月初旬に、日本の携帯ソフトウェアメーカーであるAccessによる買収が発表された。Accessによれば、Palm OS自体の開発は買収後も続けていくとしている。
新生Palmは9月にWindows Mobile搭載Treo 700wを発表するとともに、中国市場への進出を果たしている。また今後半年でさらに3種類のTreo新製品を発表する計画だと述べており、端末を提供する携帯キャリアの拡大を含め、ビジネス上の見通しは比較的明るい。また直前の四半期(6-8月期)には世界で100万台のTreo出荷を達成したと報告しており、現在世界で起きているスマートフォン需要増の波にうまく乗った様子がみてとれる。
一方、倍々ペースでBlackBerryのサービス契約者数増を実現しているRIMも、Palm同様に好調な業績を記録している。同社会計年度で2006年第3四半期(9-11月期)の売上は5億6060万ドルで前年同期比53%のアップ、純利益は1億2010万ドルで前年同期比33%のアップとなっている。同四半期でのBlackBerry販売台数は約110万台で、直前の2四半期を含んだ3四半期分の総販売台数は約290万台となっている。サービス契約者は同四半期の終了時点で約430万人と報告しているが、2004年12月時点で200万人だった契約者数が半年も経たずに300万人を突破しており、さらに短期間で400万人を達成したことになる。フルキーボードを備えた携帯端末に、電子メールやWebブラウザ、携帯電話の機能を取り込んだBlackBerryは、北米だけでなく、欧州をはじめとする世界各地で利用が広まっており、その拡大ペースからRIMの好調ぶりがうかがえる。
だがこうした状況にも関わらず、RIMは2006年第4四半期の業績予測で、同四半期の契約者数の増加幅を70~75万程度と以前よりも5万契約ほど低い水準で見積もっている。この理由について同社は、現在RIMが特許管理会社の米NTPとの特許闘争状態にあり、BlackBerryサービスの継続を巡ってユーザーが買い控えを起こす可能性があることを指摘している。
この特許闘争は2002年にNTPが、保有する「電子メールのプッシュ技術」に関する特許をRIMのBlackBerryに侵害されたとして、RIMを相手取って損害賠償を請求したことに起因する。今年3月、RIMがNTPに対してライセンス契約を結び、4億5000万ドルの賠償金支払いを行うということでいったんは和解したものの、数ヶ月内に交渉は再び決裂し、和解は暗礁に乗り上げてしまった。RIMによる再審請求が米最高裁によって棄却されたことで、2003年にいったん発令されて延期されていたBlackBerryの販売差し止め命令が再び発動される恐れが出てきた。現在もこの闘争は続いており、絶好調のRIMの業績見通しにわずかながらも影を及ぼす結果になっている。
北米2大PDAメーカーのPalmとRIM、スマートフォン重要増で好調な業績
北米でもPDA市場の衰退が進んでいるが、代わりにスマートフォンが好調なようだ。日本でもW-ZERO3が大人気で、やっとスマートフォン人気が高まりつつある。
他にもDoCoMoのM1000、ボーダフォンの702NKⅡなどもあり、来年は日本でもスマートフォン元年となるかもしれない。
スマートフォンで出遅れているauから来年どんなスマートフォンが出てくるのかにも注目したい。ソニーあたりがスマートフォンを出せば、CLIEのように人気が出るのではないだろうか?