オショロコマの森ブログ5

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タヒチの蝶へのあこがれ、映画 ゴーギャンを見た

2019-02-14 18:47:54 | 映画
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タヒチの蝶へのあこがれ、映画 ゴーギャンを見た。



私は中学生のころフランスの後期印象派画家ゴーギャンの絵を知りました。



彼の絵に描かれているタヒチ島を舞台にした衝撃的な、見慣れぬ人々・風景は太平洋の絶海の孤島タヒチが未知の自然に満ちた世界であることをおもわせ、蝶好きな少年であった私はそこにどんな蝶が舞っているのかを想像しては心を躍らせていたものです。




その後、画家ゴーギャンについて多少の知識を得ていた私は先年、名古屋でのゴーギャン展をみてさらに興味が深まっていました。



先日ビデオ屋のすみっこに、映画 ゴーギャン、タヒチ、楽園への旅 の DVD を発見。さっそく借りて見たのでした。




売れないフランス人画家ゴーギャンは妻と5人の子供がいるが、自分を評価しないヨーロッパの画壇に絶望し、新天地を求めて家族と南太平洋(ポリネシア)にあるフランス領のタヒチ島に渡ろうとしました。




ゴーギャンの自画像。




当然ながら、子供たちも妻も猛反対。結局、彼は1891年単身、タヒチへむかいます。



しかし、彼が思い描いていた楽園はそこには無く、貧乏生活、持病の糖尿病や心臓発作に悩まされる日々。



ある日、彼は昔ながらの生活を続ける人々を求めて、精霊が棲むという森の奥へ入って行く。やがてタヒチの森の奥に古くからの生活を送る人々に遭遇。




そこで美形の若い原住民女性が現れ、いかにもあっさりとゴーギャンの妻になってしまう。




映画のなかでも特に見栄えもしないゴーギャンと、仏語も達者でないこの美しい娘が一緒になるくだりは、ちょっと無理があるかに思うが、そのあたりから映画は佳境にはいってゆく。




ゴーギャンは若い妻をモデルに歴史に残る有名な初期の作品群を描いてゆく。


















映画ではそれぞれの絵にまつわるエピソードがていねいに描かれてゆく。










これらの絵をパリへ送るが、当時の画壇の評価は低くまったく売れなかった。



映画のなかでゴーギャンが海で魚釣りをするシーンがある。



彼が釣った三匹の魚はすべて下顎に外から針が刺さっていた。ポリネシアでは、この針の刺さりかたは妻が浮気していることを示すという下りがある。



私はこんな針がかりを経験していないので内心ほっとしたりした。



自然の流れで若い娘は若い男性との浮気に走り、ゴーギャンはそれをとがめることも止めることもできない。




貧困、病気、若い妻との行き違いや彼女の浮気などでゴーギャンは絶望し、ついにタヒチを離れフランスへもどる。




ここまでの経過がタヒチの自然を背景に叙情的に丁寧に綴られる。映画はここで終わり、やや尻切れトンボ感が残ります。



ゴーギャンを全く知らない人が見るにはちょっときついかも知れないが、タヒチやゴーギャンフアンの方々には必見の映画だと思います。







その後のゴーギャン。

1893年フランスに戻ったゴーギャンはその後、叔父の遺産を受け継ぎ、その資金でパリにアトリエを構えるが、やはり絵は売れなかった。よほどもてない男性だったようで、パリで新たに同棲していた女性にも逃げられ、再度パリに絶望したゴーギャンは、1895年にふたたびタヒチに渡航した。


タヒチにもどったものの、やはり貧乏で持病もよくなく、最終的には家族にも見放されフランスからの仕送りや手紙も途絶えた。


こうした貧困と病気と絶望のなかで、1897年、ゴーギャンは遺書代わりとも言うべき有名な大作 われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、 われわれはどこへ行くのか というやたら長いタイトルの絵を完成させている。 絵もやたらと横に長くて大きい。



私は名古屋のゴーギャン展を見るため東京での学術集会の一日をさぼって新幹線で日帰り旅行をしたことがある。この横に長い圧倒的迫力の巨大な作品を30分ながめていました。毎日、朝から晩までながめているという人もいました。どこかに私が好きな蝶の姿が描かれていないか捜したが、それは見つからなかった。



不運の画家ゴーギャンは晩年の1901年には、タヒチよりさらに辺鄙なマルキーズ諸島に渡り、1903年に死去した。



当時の画壇からの評価は低かったゴーギャンだが、死後次第に評価されはじめ、やがて名声を得て現在に至っている。



ちなみに現在のタヒチは観光と 黒い真珠 黒蝶真珠で有名。




火山島として出現したポリネシアの島々の自然は実は貧弱で、たいした蝶はいないことがわかり、タヒチへの私のあこがれは消えました。







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