周参見の駅周辺は周参見川に沿って
道がつけられ、すぐに海になるので
道がややこしい感じがします。
その川の上の大きな遠見橋に立ち
周りを見回してみると、
すこし上流の方に、街中に森が見えます。
多分あれが周参見王子神社なんでしょう。
目的の資料館はその隣ですから、
そっちに向かって行かないといけませんね。
橋の手すりにはこんな案内もつけられています。
富田坂終了後の安居の渡しから、
ここまで歩いてきたら
これを見てひと安心でしょうねえ。
そんなことを考えながら
爽やかな風のふく川沿いの道を歩いていると、
道の横に旅館がありましたよ。
駅からここまでの間にも
宿っぽい家がいくつかありましたねえ。
たぶん海が近いので夏の海水浴需要かなあ。
他に特に旅の拠点となるのも考えられないし、
熊野古道歩きの拠点にも
なっているのかもしれません。
この辺はさぞや海産物なんかも
うまいんでしょうねえ。
そしていよいよ王子神社に到着です。
長い石段を登り、お参りして行きましょう。
王子と名前がついているんで、
熊野詣での時の王子社なんでしょうねえ。
今度ここまで歩いてきますからねと
挨拶して、では隣にある資料館に
入っていきましょう。
狭い入り口から入っていくと、
親切そうな担当高齢者が出てきてくれました。
「こんにちは」とあいさつをすると
「こちらは初めてですか」と聞いてきます。
なので熊野古道を歩いていることとか、
今日は下見に来ていることとかを話しました。
「この資料館の前が大辺路ですから、
ここ迄また歩いたら来てくださいね」
と声をかけていただきました。
それから「ここの展示でも隣にある
王子神社の絵馬が重要なんです」
「ああ、隣の王子社ですね」
というと「この隣はねえ王子という
名前がついているけれど、
そのいわれや経緯などから、
熊野の九十九王子には
該当しないんですよ」とのこと。
「そうなんですかあ」
「でもねえここの絵馬は江戸時代から
明治にかけて描かれた絵馬で、
大半が周参見に船の出入りが
多かったことから描いた船絵馬というもので、
全部で55点あるそうです。
この資料館にも置かれてあって」
と説明がありました。
その先にこんなのが掲示されていました。
この絵馬は一冊の本にもなっていて
置かれてあったので見てみると、
どれも色のきれいなりっぱな絵馬でした。
またここにはすさみの人々の
暮らしを支えてきた漁業の道具
なんかも展示されていました。
ここではケンケン漁というのが
良く行われていたそうです。
そのいわれはよくわからないんだそうですが、
船の事を「ケンケン」と呼んでいたそうで、
こういわれているとのこと。
船のエンジンの音が「ケンケン」と
音を立てていたのかなあ
などと考えたりしました。
イカ漁もされていて、
その針やたくりなどと言われる
漁具も展示されていますよ。
そしてまたこの辺りの海は
海岸線が複雑で「リアス式」と
言われているそうで、
伊勢エビや貝類などの収穫も
盛んだったそうです。
貝を入れる容器も
展示されていました。
山の中をどんどん歩いてきて、
ここに来たら豊富な海産物が
食べれるってまあ、
熊野古道歩きのオアシスみたいな
ところだったんでしょうね。
続く
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