13,8:10~8:40
****ハイ、このライブレポートの主役が遂に登場です。心して読むようにお願いいたしまする!!****
どこでやっても浮きまくりのバンド「THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)」
トリでの、この日はいつもにも増して浮きまくっていました。
主催バンドのパーティーズを差し置いてのことに恐縮です。
でも温かいお客様たちの後押しで大成功でしたよ。
もう開きなおりの精神に乗っ取り、己を信じて信念を貫き通すのみ。
14年連続14回目は最多出演記録。
ずっとその偉業は、誰に譲る事もなく更新中(実は皆勤賞はマサのみですがね・・・・)
延期やら中止やらを繰り返しつつも、なんとかかんとか今年はライブに無事漕ぎつけることができました。
良かった・・・・。
ホッとした。
バンドからのメッセージです・・・・
「北国唯一無二、極上のブラス・ロック・サウンドを、貴方のハートへお届けします。ヨロシク!」
今回はSTA以外に管楽器が所属していたのは「ベリージャム」チエミさん、「ボズプロ」のブンキくんサックスのみ。
名物ダンサーのアベさんが、マサのそばに寄ってきて
「STA出演はまだ?待ちきれないよ!」とひとこと述べて微笑んでくれました。
毎度毎度のことながら、今回のSTAも大所帯を誇っています。
もう誰も驚かないよね(笑)
ミキサー主任のケイタ君も、すでにSTAに対しては熟知しているので余裕の構えです。
事前にマサが彼の手元へ提出しておいた詳細なるセットリスト、編成表、器材位置、使用ワイヤレス2機の周波数帯域が記載されている用紙で内情はバッチリと把握。
口頭による打ち合わせも済ませてあります。
諸事情によりtrombone無しの、総勢10人で賑々しくお送りします。
それでも3人がホーンセクションで占められています。
これも毎度お馴染みのメンツ。
でも広いステージゆえに、皆ノビノビとプレイに専念できます。
満を持して、ニュー・ギター・ヒーローとして正式に迎え入れ3年前の9月小樽屋外ライブイベントで初めて参加した西やん。
手ごたえを双方共に感じて再度合流したのがマリンホール。
彼がパーカッション時代を含めると、早いもので、あっという間ですね。
もちろん、ウパくん&イケちゃんも、STA内に多方面でグッと新鮮なる息吹を吹き込んでくれました。
キムキムも安定感抜群のテクニックは当然として、最大の目玉でもある彼の知性を糧に、益々エネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げてくれますよ。
ファッション・リーダーのアッキーは、相変わらず見事にドレスアップしたイデタチで乗り込んできましたよ。
対バンの盟友達も、こぞって応援に駆けつけてくれました。
全員たった2回きりのスタジオ・リハーサルなのに、よくもまあ責任重大なるパートを各人が演じてくれました。
毎回のSTAライブ時も、同様ですが、今回のセットリストはメチャクチャに複雑怪奇なる高難易度な内容。
そこのところは真面目で努力家で何にでも真摯に取り組むメンバー達。
あの手この手を尽くして、皆がそれぞれに孤軍奮闘で全曲を己のものとして習得していました。
演じているメンバー達自身が驚愕していたくらいです。
火事場の馬鹿力なんでしょうね。
各自は多くを語らないけれど。
いつも無理難題ばかりふって申しわけない・・・・。
でも結局悲鳴をあげながらも皆、ドップリとはまってエンジョイしているのだから嬉しい限り。
ブラスロックの魔力が成せる業。
そのような猛者ばかりがここに集っているわけです。
ゆっくりする間もなく、ホーン・セクション達は最後に客席テーブル上でスコアとニラメッコしながら一通りの最終打ち合わせ。
それと、実はメンバーの中には毎年今時期、必ずと言っていいほどインフルエンザになった者、高熱と咳に悩まされた者などなど、病み上がりミュージシャンがいるのです。
恒例のようになっている。
こんなありがたくないサプライズはノーサンキューだ・・・・。
で、今冬は皆、万全の体勢で臨めるね・・・とホッと胸をんでおろしていたところ・・・・・コロナ感染者もいないし・・・。
入口カウンターでは、必ず全員が手指の消毒もバッチリと受けて通過。
結果ですか・・・・?
現在のメンバー達だからこそ成せる、スムーズなる奇跡の離れ業。
大御所のモッチンも涼しい顔して、かえってそれらを楽しんでいるようにも映りました。
今さらながらも大したもんだなあ・・・と痛感した次第。
タッキーも一緒の舞台に立っていながら、思わずゾクゾクしたほど。
何のトラブルもなく無事にこなしていました。
テンションもマックス状態だね。
以前のメンツならば確実に、大恥ライブとなったことでしょう(STAは何があろうと、一度も穴を空けたことがないのが自慢)。
まさに、いついかなる時でも常に危機に瀕している、いつでも危なっかしいバンドが、ここまで辿りつくことができました。
前にライブを終えてステージ後片付け中の「パーティーズ」メンバー達に「お疲れ様でした」とねぎらいの言葉をかけて、入れ替わりでSTAいざ出陣です!
いつものようにミキサー担当のカザマくんと、パーティーズのスタッフ達が手馴れた段取りで迅速丁寧なるセッティング。
心強いなあ。
マサの元にもカザマ君が直々に、シュアーワイヤレスレシーバーを受け取りにきた。
ケイタくんは白いビニールテープを即座に貸してくれたよ。(マサは古いセットリストを持ってきてしまい、慌てて交換・・・ビックリしたなあ・・・・)
そうとうにバテ気味のアベさんは、それでもホーンセクションと歓談しながら写真撮影のポーズ。
モッチンとタッキーは、すでに数種類のアルコールを大量に飲んでいるらしく、ほんのりとほっぺたが赤らんで上機嫌の様相を呈しています(笑)。
筋金入りのロックンロール・ライフの生きざまを、地で行くお手本を実践しているではないか((´∀`*))
いやはや何ともだ・・・。
カザマくんの指示に従って、3管がいっせいに音出し。
マサもワイヤレスのマイクチェックに勤しむ。
最近のSTAメンバー達は、セッティングがすこぶる早い。
大所帯だと何かと面倒をかけてまごつくものなんだけど、無駄の無い手馴れた速やかなフットワークで軽妙な動き。
軽い曲の公開チェックは時間が押しているのでカット・・・・。
それでも、ドラマーのモッチン、ボーカルのツッツーも涼しい表情だ。
もうここまできたら、演奏に100%専念できるというもの。
ツイン・キーボード、パーカッション、3人のコーラス、リードボーカル所属という華やかさ。
怖いものなしの勢いにのって、いよいよ戦闘態勢が整った。
マサが一人一人から再度了解をとり、スタッフへとアイコンタクト。
よっしゃあ!
全てが万全な態勢に。
マサがゴーサインをサイトウ氏に送る。
それでは遠慮なくいくぜい!
***MEMBER***
MASA・・・B CHO
IKECHAN・・・TS
MOCCHIN・・・DR
AKI・・・KB CHO PER
UPA・・・AS
FUNNY・・・TP
NISHIYAN・・・G
TAKKEY・・・PER CHO
KIMKIM・・・KB
TUTTUE・・・VO PER
***SET LIST***
1,INTRODUCTION・・・CHICAGO
2,SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO
3,SOULMAN・・・THE BLUES BROTHERS
4,KNOCK ON WOOD・・・THE BLUES BROTHES
5,BEGINNINGS・・・CHICAGO
6,GET IT ON(黒い炎)・・・CHASE
7,25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO
まずはアキ嬢がプログレッシブでスペイシーなシンセサイザーサウンドで、一種独特なる異空間を作り上げる
(彼女は何でも受け入れてくれるから調子にのったマサは無理難題をしょっちょう投げかけるんだけど、それら全てを軽くその場で仕上げてくれるんだよね。
その手腕は大袈裟ではなくゴッドハンドの如しだ!頼もしい。
このミステリアスなるSEも事前にスタジオで膨大なるシンセ内蔵音源からじっくりと時間をかけてセレクトしたもの)。
マサがすかさずニシヤンらに手拍子でテンポのメッセージを送ると、それに便乗するかたちで歯切れのよいギターコードミュートカッティング、剃刀のごとき小刻みなハイハットで応える。
マサは大股開きでふてぶてしく会場中をゆっくりと見渡しながら、頃合いを見計らう。
サイトウ氏はワイヤレスマイクを手に、会場の受付カウンター後方から落ち着き払った声で華々しくナレーションを告げる。
「ハーイ!たいへん長らくお待たせいたしました。
いよいよはじまりますよ!
今か今かとお待ちかねの皆さん。
そうですよね。
これから極上のステージをお届けして参りますよ。
もはやお馴染みの大所帯バンドが登場。
去年に引き続きSTAが帰って来ました!
北国唯一無二の札幌発ブラスロックバンド!
ド迫力ホーンセクションの熱きサウンドを、心ゆくまでドップリとご堪能ください!
メンバー一同は、この日この時この瞬間を心待ちにしていました!
それではヨロシク!
レディース&ジェントルメン!
THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY~!!」
ジャストなタイミングで「1・2・3~!!」(思い切りミキサーがリバーブを深めにかけてくれたよ!)
波状攻撃へ、火蓋が切って落とされました。
猪突猛進の狼煙を上げる「イントロダクション」。
さすが、この人数だけに勢いが桁違い。
プレイしている我々でさえ自分たちの音にエキサイトして、アドレナリンの噴出が止まらない。
すでに掴みはバッチリとオーケーだ。
普段は寡黙なモッチンもスティックを手にスィッチが入ると、ドラム・ビーストに豹変するのです。
その上、5年前の4月にマサが東京で観て来たCTAの土産話が、相当感動的に残っているらしくて、ずっと刺激を受けている御様子。
如実にドラミングの随所にダニー・セラフィン成果が現れていますよ。!
イントロの爆音が情け容赦なく多方面へと襲い掛かる!
ほほえましい光景に、常連組が客席でやや控えめに参戦。
写真&ビデオ撮影にと勤しんでいます。
皆さん、この変拍子の連続やコロコロ変わる変態的なリズムに、よくもまあピッタリと手拍子をあわせてくれますねえ・・・と舞台上から失礼ではありますがしばし見とれてしまいました。
もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。メンバー一同愛して愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。
その中でもこの日ほど、迫力一杯の完成度を誇ったことはなかったのでは?!
出色の出来と自画自賛。
モニター・スピーカーに片足乗せて、ツッツーが野獣のごとく吠えまくりながらも襲いかかる。
マサもアグレッシブなアクションを巻き起こす。(マサの正面最前列にイスで陣取ったシンちゃん&オカちゃん曰く、マサさんはスペースが狭いから相当に動きにくそうでしたね、と言ってた。
スタッフのカザマくんはマサのステージングをそれまでも見ているのでわざわざ動線を確保までしてくれた。ありがたいことだよね)
それでも以前のような、飛沫飛翔防止用のパーテイションもビニール幕もないので、自由自在に動ける。
もちろん、そこそこに加減はしていますよ。
計算されつくしたニシヤン独特なるシャープな音色のギターが、モッチンのタイトかつパワフルなドラミングに絡みつく。
看板ともいえる3管によるホーンセクションのリフは、益々厚みを増してきましたね。
(本来はトロンボーンの在籍しているだけど、都合により直前で離脱することに・・・つまり、アルト、テナー、トランペットという非常に珍しい編成に落ち着いた(´;ω;`)
舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。
後方サイドからは、ドラムが遠慮なしにグルーブを構築しながらの進撃展開。
会場をまるごと覆いつくすかのような、ホーン隊による異次元模様の高鳴り。なんという高揚感であろうか。
鉄壁を誇るホーン・アンサンブルが嵐のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が今回のおおまかなる課題。
さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?
・・・・今回は一体全体、何を仕掛けてくるのか??
さあ、2番の歌詞がカットされたエディットヴァージョンから、第一関門の地獄にガッシリと突入だ。
先月の反省点は見事にクリア。
手堅く突破した後に待ち受けていたのは、ブレイクによる一瞬の静寂。
切り込み隊長はいきなり初参入のイケちゃんによる、やや食い気味かつ流麗なるテナー・ソロで場面転換。
ここ本来ならばトロンボーン・ソロのコーナーなんだけど不在により、彼が自然と担当することに・・・・。
ほぼギリギリのぶっつけ本番だから正直な話、不安要素てんこ盛りだったんだけど、それも取り越し苦労だったようです。
大した度胸の持ち主だ。
さすがに百戦錬磨の達人だからこそ成しえる技。
何事もなかったかのように振舞っていたよ(モッチンによる縁の下の力持ちも忘れてはいけない)。
ここがイケちゃんの凄いところ。
なんと自宅に宿題として持ち帰り、3つのコードで繰り広げられるソロ・パートを、極上のエモーショナル・ラインで纏め上げてきて披露したのだ!!
能あるタカは爪隠す!と、昔の人はうまいことを言ったモノだ。
ねえ、イケちゃんよ!(1回目のスタジオリハ前にブレイク部分による拍数の謎を解明するべく、独自でスコアを探しだしてきて見事に解明したのだそうですよ。
すさまじき探求心。
正直な話、この曲はトップがキツイとのこと・・・・それは、うなずけるねえ‥‥でもご挨拶ソングだからねえ。
不動のポジションなのですよ。
悪しからず。)
アキのピアノ旋律が、とびっきりに美しくて効果絶大さ。
マサによる、流麗なる美しきオクターブベースに導かれて場面転換。
マサいわく「STAのバディ・リッチ」と言わしめた手数王から、リム・ショットに切り替えてのモッチンが職人芸で猛然と先導しつつ、お次はベテラン・ファニーの出番。
彼のytrumpetソロは熟練の極致なので、大船に乗った気分に浸れます。
一聴しただけで安定感抜群。
時折ヒステリックなハイノートなども懇切丁寧クールにヒットしていてニンマリ。
・・・実はトランペットのソロを、ファニーが手直して、他の管楽器隊と意見調整しながら纏め上げてくれた・・・・。
バッキングによる強弱のサポートも効果覿面だ。
もうこのあたりにたどりついた時点で会場中の空気は一変。
なにやら恐ろしいくらいにもの凄いことがステージで起こっているぞ・・・てな感じでかぶりついている。
ニシヤンは臨機応変、歪みからコーラスサウンドまでコンスタントに幅広く音色をエフェクターで器用に切り替える(ここはスタジオリハ時に取り決めたこと)。
そして第3の男、そのニシヤンによるワイルドなギターが火を噴いた。
いきなり過激なハーモニクスを導入部分に一気呵成に飛び出して、益々進化したソロを、これでもかあ!と言うくらいにぶちかます(よくもまあチューニングが狂わないねえ)。ただひたすらにエキセントリック。
序盤はテリー・キャスのフレーズに敬意を表する・・・・。
へヴィーなサウンドは、これだけにとどまらずフィードバックにより加速。
音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。
身をのけぞらせてイナバウアー・アクション。
チョーキングなどを交える際にはギターを激しく揺さぶって身をよじる。
あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、ビジュアル面も大きい。
(掛け持ちミュージシャンの西やんはリミックス、ミッドナイト・クライシスではベーシスト。
そちらの時は大股開きスタイルなんだけど、STAでは常に横向きポーズで全体を注視している。
これが彼の楽器別スタイルなんだね)
そして遂にテリー・キャスのギター・ソロを、ほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?
ビブラート、グリッサンドに至るまで再現しているよ。
この前面へのせり出しシーンは、ヒロリンのリクエスト。
間髪入れず、極めつけは第2期JBG時代のコージー・パウエル直伝によるモッチンが、力漲る究極の稲妻フィルインで拍手喝采。
サンキュー!
いつもは沈着冷静なるモッチンもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。
すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。
いくつもの修羅場を潜り抜けてきたからこその、説得力ある支柱だ。
エンディングにおけるベルトーンも、アッキー渾身の1音を筆頭に見事な連携で繋がった。
ここで繰り出したニシヤン入魂のピッキングがジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。
これぞまさしくロックの原石。
いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃と説得力。
アキからホーンセクションへと受け渡す流れへ。
マサが後方に設置されたバスドラムに左足を乗せ、右手を頭上に掲げてグルグルと何度も素早く回転。
モッチンと呼吸合わせ、雷鳴のような怒涛の連打をスリリングに交えて激しいジャンプでフィニッシュ。
以前、ASの女傑ミキティいわく「マサとモッチンは何かにとりつかれているようだった」とのコメントを述べていましたっけ。
度肝を抜かれた観客はため息混じりに唖然している。
「オオーッ!!」