THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,163 白石LIVE HOUSE&STUDIO「PIGSTY」PART,2

2019-04-26 17:25:52 | Live Set List

ハイ!大好評を博したSTA企画「リブレーション」ライブレポートの続編であります。

4、18:10~18:40

4バンド目は、先ほどの伊達男スギちゃん率いるその名も「杉ちゃんバンド」のバックで、燻し銀の演奏を繰り広げてくれていた5人が、今度はメインを張ります。

このバンドに会えるのを、心待ちにしているファンが一杯いるのだよ。

毎回ライブには「杉ちゃんバンド」「BERRY JAM」が常にカップリングされています。

そういうわけで満を持して、一旦へと下がった「BERRY JAM」が再びステージに現れました。

札幌から「リブレーション」初参加。

 「BERRY JAM」(ジャンルは往年の洋楽スタンダードで)

先述どおり、スギちゃんを除いたメンバーがこのバンドへと変身です!

このバンドは札幌を中心に活動しているのだけど、何故か私は小樽屋外イベントでばかり観ています。場所はマリンフェスタや浅草橋。

その都度、熱演を繰り広げてくれていたのです。

メンバーからのメッセージです

「お洒落で音楽好きな大人の方にフィットする、曲とサウンドづくりを目指し活動してきました。

主に札幌を中心に活動していますが、去年、音楽の街・小樽浅草橋に出演することができ嬉しく思っています。

2年前に雪明かりの路オールディズライブを観て小樽の皆さんの情熱を知りました。

そしてピグスティの出演はありますが、STAのこのビッグイベントに初参加できて嬉しく思います。

たくさんのバンドさん、プレイヤーさんとも親交が持てれば嬉しいですね。どうかよろしくお願いします!」

去年の夏のステージではロングへアに花飾り、華麗にアロハを着こなしていた女性シンガー・チエミさん。先ほどまではコーラスでしたが、ここでは艶やかなる雰囲気を漂わせ、フロントセンターにてボーカルを披露しながらライブは進行。今回は帽子から服装に至るまで黒で決めたダンディーな男性陣と共に赤黒の衣装で統一。

サングラス姿のメンバーはいなくなったよ。

夕闇迫る中でも気分爽快!

編成を紹介しますね。

チエミ嬢がボーカルとサックス担当。

セカンド・ギターはリーダーのワタナベさん(事前にマサへ直々丁重なるご挨拶をしに来てくれました。黒のフェンダー・テレキャスター使用。メイプル指板)

もう一人のギタリスト・タイキくんはストラトキャスター(サンバースト・カラー。同じくメイプル指板)

そしてベーシスト・トモさんは堂々たるシェイプが神々しいHSアンダーソンの黒ベース。ローズ指板(モりダイラ楽器)。

最後にドラムスのカバくん。

全員がボーカル&コーラスをこなせるというのは、最大の強みですなあ(ヴォーカルにはリバーブを深めにかけて頂きました)。

オープニング・ナンバーでは、意外性を狙ったのかチエミ嬢を大々的にフューチャーしたロバータ・フラックのしっとり系バラード「優しく歌って」を披露したベリー・ジャム。

女性シンガーをメインに据えたこのバンドは、落ち着き払ったステージングに徹してはいますが、内に秘めたるパッションは常に燃え上がっているようです。

前までの3バンド達が繰り広げてくれた、賑やかなお祭り騒ぎ大会の後だけに、グッとシックに迫ってくるものがあります。

ここはじっくりと聞き入ってみるのも一興。中々に新鮮だ。

それにしても、このバンドのレパートリーの豊富さには敬服してしまいますよ。

一体全体持ち曲はどれだけあるのだろうか・・・・今度しっかりと尋ねてみたいものです。

しかもベリージャムのメンバー達の許容量の幅はハンパではないね。

なんでも巧みにこなせちゃうんだから。

洋楽、邦楽、オールディズからディスコ、果てはJ-POPに至るまで網羅しています。

ありとあらゆる経験にもとずいた自信を基盤にしているだけに、守備範囲の広さが窺い知れます。さすがだ!

MCはチエミ嬢。

「イエイ!!どうもありがとうございます。ベリージャムです。先ほどのバンドには負けないように(杉ちゃんバンドのこと!)頑張ります。あのバンド、ガラが悪かったよ~(笑)。

今日はギターのタイキにMCを任せようとしたんだけど却下されました・・・。

それでは最後までどうぞお付き合いくださいませ・・・。

じゃあ、次は私が普段あまり持ち慣れていないアルト・サックスを手に歌います。

タイトルを言わなくも、あっ!とすぐに瞬間わかると思います。タイトルは言わないでね・・・。」

大人の夜の世界の気品が充満している、ちょっとテンポ遅めでジャジーな渋い「スムース・オペレーター」(シャーディー)

開巻からチエミ嬢がサックスをブローして、スポット・ライトを独占。

皆の視線を一身に集めています。

歌声も独特なる語り口調で低く囁き掛ける、意外にもテクニックが必要な難しい作品。

一世を風靡したMTV時代に鮮烈なる映像とシャーディーのファッションが、妖艶なる美を醸し出していて多方面に一石を投じていましたね。

ベースソロは決して派手ではないんだけれども、流麗なるアート風ラインを鮮やかに描ききっています。

巧みの技だ。

追随する形でバトンを引き継ぐのはサックス・ソロ。

ソロバトルの応酬も聞きもの。

締めくくりはボーカルに橋渡し。会場は虜になっていましたよ。

「暗い感じで始まりましたが、ベリージャムは明るい曲はないのでこのままいきます。もうサックスは吹きません!それでは続きまして・・・あれです・・・・・・

ここでちょっとゆっくり目の曲をお届けしたいと思います。イーグルスで・・・・デスペラード」

今もって心に染み入る別格の大ヒット曲だ。

ギターによるアルペジオから歌い出したのは、ベーシスト・トモさんだあ!

チエミ嬢とはまた違った魅力溢れる男の力強きバラードソング。魂の咆哮に酔いしれるヒトトキというのも乙なもの。

甘く咽び泣く切なき歌メロは、説得力がほとばしり出ています。

小樽でも聞かせていただきましたが改めて拝見。ベース&ボーカルでこのタイプの曲にチャレンジするのってけっこう至難の技なのですがとても勉強になりました。

ヒントも得られましたよ。

更には後半で転調後、チエミ嬢も加わってきてよりドラマティックな展開へと雪崩れ込む。

厚みのあるハーモニーは天下一品。

私は本家本元の札幌公演でこの曲を体験しましたが、懇切丁寧噛み締めるように歌い紡いでいたのが印象深かったなあ。

しっとりとした場面から余韻を残して、天才スティーヴィー・ワンダーが生み出した革新的な「オーバー・ジョイド」

センスのいい選曲。

「まだまだ暗いのいきます。飲んで、歌って、踊れる人は踊ってくださいね。」

雰囲気一変して黒っぽいグルーヴも加味してきます。

私の一番好きなステーヴィーの曲。これは何度聴いても鳥肌が立つほど、目いっぱいに震えがきちゃうのさ。

音楽の神様が創作したのではないかと思えるほどに、一切の無駄も無い完璧で崇高なる曲に感じます。

それにしてもこの日は、女性シンガーが目白押しで大変にけっこうな事です。

もうこの辺に辿りついたら、メンバー達もリラックスしてきたのか饒舌になってきました。

「少し明るいよね。また暗い曲をお送りします。」

ここで一気に黄金のスタンダードへと突入します。

威勢のいいカウント「1・2・3・4!!」から飛び出してきたのは

「ホワッツ・ゴーイング・オン」(マービン・ゲイ)

この曲は数多くのミュージシャン達が現在もカバーしている、非常にライブ栄えするモータウン・レコードを代表する定番中の定番。

栄光のソウルミュージック。

ここから多大なる影響を受けたアーティストは膨大。

スティービー・ワンダーの次にこの曲をもってくるなんて中々に心憎い配慮ですなあ。

もちろんベリー・ジャムはこだわりぬいたアレンジを施して、へヴィーな演出で場を盛り上げていました。

ステージの進行具合を、詳細に計算しつくした組み合わせは心憎いほど。

「まだまだいくわよ~!!ラストの曲。ありがとうございます!」

さあてと、次には何をやってくれるのかな・・・ワクワクものですよ。

重量感や厚みもタップリある、カバくんの激しくも正確なるドラム・ビートが炸裂した。

再びスティービー・ワンダーのバイブル「迷信」だあ!

セットリストに対するひねり具合が、常に絶妙ですね。

お馴染みのイントロがはじまった途端、気分はすっかりとディスコ・フィーリングにドップリと浸かりきって、

オーディエンス達は、ジッとイスに座ってなんかいられないよお~!とばかりに我を忘れ踊り狂っています。

ダンサンブルに盛り上がりをみせていましたよ。

グイグイとうねって迫りくる、強引なまでのタイトなアンサンブル。

ソウルフル連発で、すっかりと息の根を止められちゃいました・・・。

名作アルバム「トーキング・ブック」に収録されているこのターニング・ポイント・ドラヴィング・ナンバーを、ものの見事に再現してくれています。

しびれちゃうなあ。個人的にもドツボにはまってしまいました(これはメンバーに直接伝えてもいます)。

私はこの曲をペニー・レインでXジャパンのギタリスト・パタのソロライブにてベーシストのティム・ボガートで観たのです。そのウンチクに関してはロック通ならばご存知のはず。リアルに蘇ってきましたよ。

ここで特筆すべき点といえば、やはりギターのお二方に尽きるでしょう。

まず原曲なのですが、主役はクラヴィネットによるファンキーなハネハネ・リフ。

これをタイキくんがギターで違和感なく、見事忠実に再現しているのですよ。

ストラトキャスターによるトレブリーな音質もフルに発揮。

そしてナベさんはもう一つのアクセントともいえるホーンセクションを、ギターでさりげなく奏でているのですよ。

普通ならばキーボード(しかもクラビネット!)&ホーンセクションがいないバンドならばスルーしかねない楽曲を、余裕の表情で絶妙なる味付けを注入してサラッとこなしてる。

やはりベリー・ジャムは只者ではなかった・・・・。

アンコールの声が鳴り止みません。

「どうもありがとうございます。

またベリー・ジャムを見かけましたら、応援よろしくお願いします。踊れない曲をやります。」

フィナーレはビリー・ジョエル初期の人気曲で「ニューヨークの想い」

どれだけの年月を経ても、古臭くなったりしない光輝く永遠のポップ・アイコン。

よりコンパクトに纏め上げられた、終盤戦にはもってこいの一撃ですね。

何から何まで申し分ないほどにうまいなあ・・・・

チークダンスのカップルまで出現。

ギターとドラムスの若い2人は、メンバーの中では息子ほど世代違いなのに、これまた卓越した腕前なんだから恐れ入っちゃったよ。

牽引役も堂々とムーディーに請け負っていたし。

時には先輩達を凌駕するほどの存在感も発揮していました。

ナチュラル・トーンで迫ってくるギター・ソロには、風格さえ滲んでいてしみじみと泣かせるなあ。

最後の最後まできっかりと琴線に訴えかけてくるのだ。

これで締めくくり。

もう完全に参りました・・・。おつかれさまでした。

BGM オジー・オズボーン「オーバー・ザ・マウンテン」

5、18:50~19:20

「万事屋(よろずや)」 

出たぞ、出たぞ~!!

待ってました!の掛け声と共に現れた、この日一番の最小編成でトリオなんだけど、それを全くといっていいほどに感じさせない一番へヴィーメタリックな迫力で圧倒してくれたバンド。

ピグスティは2回目の出演なんだそうですよ。

地域密着型お手本のような色合いを醸し出しつつも、和洋楽問わず極太プレイに徹していました。

曲目からイメージしてゴツイくらいなコワモテ・トリオを想像していたら、思い切り人懐っこい連中でした。

もちろんメガトン級の音を轟かせ、且つ要所要所では笑いのツボをくすぐり続けるというしたたかに憎い奴ら。

そうなんですよ。彼等とは一昨年の初夏、STAはクラップスホールにて初対面だったのですが、すっかりと意気投合。またすぐにでもタイバンしようね!とマサと約束をしたのですが、それがまたもや実現したというわけです。

これで3回目。

メンバーはベース&ボーカルがクドーちゃん(ヤマハの黒ボディBBX。ゴールド・パーツ。ローズ指板)

ドラマーのケッタくんは、会場備え付けのドラムセットを使用(パールのワインレッド仕様)。

そしてカリスマのヂョーくんはギタリスト&ボーカル(以前は艶消しのギブソン黒レスポール・スタジオ。ローズ指板!80年代に一世を風靡したジョン・サイクス御用達PUダーティー・フィンガーをマウントしたものを使用していましたが、今回はシャープでかっこいいシェイプのエクスプローラー黒で、より攻撃的なイメージ狙い。ローズ指板)

まだ演奏開始前なのに、すでにドッと最前列まで詰め掛けたオーディエンスとヂョーとのコール&レスポンスが繰り広げられているではないかあ!

まるでメインイベントの殺気立ったプロレス会場みたい。

無制限一本勝負デスマッチの様相を呈しています。

「イエーッ!!」「もっと来いや~~!!」

凄まじき光景だ。あっさりとレッドゾーンを完全に振り切っちゃった。

シンクロするように、いつのまにかドラム担当のケッタ君が、イントロを地鳴りのごとく叩きまくっている。

ヘヴィメタ版ドンチャン騒ぎの開演を告げる狼煙が、華やかに打ち上げられた。

ノイジーなギターの必殺フィードバックが、延々と唸りをあげている。

もしやこれってあれかいなあ!!??

ヂョーちゃんは前にまで出てきて、両手を思い切り広げ観客達をドンドンと煽りまくる。

いきなり初披露の「ウェアー・ノット・ゴナ・テイク・イット(ツイステッド・シスター)」が一挙に爆裂だ!こいつをトップにもってくるなんて情け容赦無しの掟破り行為。

本家のようなケバケバしいメイクは施されてはいませんが、のっけから思い切りやらかしてくれるもんだわ。

観るたび、聞くたび、益々ドスの効き方が増した、ヘル・ヴォイスとパフォーマンスが凄い。

全員いかれまくってしまったよ。参ったなあ・・・・責任とってくれい!

観客のスバルちゃんやアベさん、そして盟友でもあるデブリー・リトル・シングの面々ら多方面にわたる老若男女を巻き込んでの、度肝抜く大合唱は立派なフェス状態だ。

ステージ・ダイブや、モッシュ現象が勃発しそうな気配。

怒涛の掛け合いで幕開け・・・と観衆がちょっと面食らっている隙を突くがごとく、やられた!!

「こんばんは。泳げタイヤキくん!1!2!1・2・3・4!!」

こちらは日本音楽史上最高の売り上げ枚数を記録している、童謡の金字塔。

耳を押さえて会場入りしてきたチビッ子達の心をも鷲掴みだ。

それをあろうことか、パンク風に料理して披露。

神をも恐れぬこの行為。

パンク界からへヴィー・メタル界に至るまで、何でもござれだ。

ここではヂョーからクドウちゃんにボーカルをチェンジ。

個性の異なるボーカリスト2人が絶妙だ。

万事屋にとっては崇拝の対象でもあるモーターヘッドのサウンドを彷彿とさせますな。泣く子も引き攣るエネルギッシュなカバーで追撃だあ!。

「ありがとうございます!じゃあね・・・・・唐突ではありますが皆さん、曙好きですか?彼、角界離れてプロレスやって今は病気療養中なんだそうですね。そんな彼に捧げた歌です・・・聞いてください・・・横綱(ガーリック・ボーイズ)!!」

ここではヂョーくんが再びリード・ボーカルを担当。

ドラマティックな超光速チューン。

遂に飛び出した!ヘッド・バンキングの嵐!!うかつにも感動に打ち震えている己に、この時点で誰もが気づいていることでしょう。

軽妙なるギター・ソロとベースによる、丁々発止な暴れん坊ぶりも絶好調。

ボーカルのヂョーくんにレミー・キルミスターが乗り移ったみたいに、モニターへ片足載せて猛獣のごとき雄叫びスタイルだ。ピック・スクラッチ奏法でギュウィーン!とフレット・ボード上を駆け巡る。

レミーのシワガレ声に、ビックリするくらいソックリだ。

強烈この上なき一発が襲いかかる!

なかなかにやるもんだね。頼もしき存在感。

ヂョーくんは前日、急に思いたったらしいんだけど、ギターのポジションをグッと低めにセッティング。本人曰く見た目重視なんだとか。でも写真を見てくださいな。メチャ決まってますよ。かっこよし。その分プレイが雑になったそうなんんだけど、そこはそれでリズム隊に救われたんだとか。

熱気渦巻くホール内。万事屋ワールドを華々しく飾るのに相応しき脳天逆落とし。

照明も一段と煌びやかに点滅していますよ。もうすでにメンバー3人共汗だく(外はキンキンに寒いけどね)。一切の手抜き無しの真剣勝負。

本気モード全開。

「ありがとうございます。ズッと練習をしていないので曲が途中で止まるかと思いましたが、何とかフルで歌えました。チューニングも無しで若干イラッときてる人がいるかも・・・。

昼間はあんなに暖かかったのにまた冷え込んできたかな?ここに来る前、僕とドラムのケッタくんがお酒を飲みすぎてしまいました(笑)。ヘーイ!お酒飲んでますか?決してイッキ飲みなんてしてはいけない・・・・

次は僕らにピッタリな曲でラルクアンシェル(大爆笑)・・・・ええっと・・・シャウト・・・デビ・アット・・・」「おいおい・・・タイトル忘れてる!(客)」「僕が歌うのではないですね!?・・・・あれ?いいんだよね??(笑)ちょっと感じのいい曲なので聞いてみてください・・・じゃあいきます・・・・シャウト・アット・ザ・デビル!」

「1・2・3・GO!!」ドラムカウントからフィルイン。

この曲、モトリー・クルーではありません。念のため。同名異曲。

またクドちゃんに、リード・ボーカルをバトンタッチ。

高音パート、低音パートをベーシスト、ギタリストがほどよく分け合っているのです。

景気よくはじまった!ベースのクドちゃんが、ハイトーンを駆使してのリード・ヴォーカル。

彼、優しい顔していて、鋭いくらいに攻撃的な壁を構築しています。

このバンドもベースはピック弾き。ダークサイド役のヂョーくんがコーラスにて、ごっつい華を添えます。

陰と陽との対比が緊迫感を生み出している。

ギターによるサスティーン効果は、精進の賜物。

起伏のある展開と、津波のごとく押し寄せてくるダイナミズムの応酬。

本当に何度もしつこく言うようだけど、3人編成とは思えないほどの過激で重いサウンド。それでいて不思議と、アットホームな空気感に癒されていることにハッとしちゃいます。

「ね!ラルク・アン・シェルの曲でした。もうハアハア言ってる・・・・いやあ、疲れましたね(ヂョーくん、ドリンクをグィッと一飲み)」「僕もです。本当に暑い・・・(クドちゃん)」「宴も中盤になりましたので、なんかいい感じで暖まりましたね。いやいや、本当にねえ。イエイ~!!ムラカミ!!あ!?すみません・・・酔ってるものでして・・・・・平成最後の月に聖地ピグスティに出演できて嬉しいです。

チューニングが狂ってるけど、面倒臭いのでそのままで行きます(大爆笑!)・・・・お次は生活習慣型ロック。最近、このバンドはメジャーになってきたので、カバーだということが徐々にばれつつあります・・・・・・フローネル!(打首獄門同好会)」

マサは万事屋のおかげで、最近本家にはまりまくっていますよ。

ここではヂョーくんが、ジェームス・へットフィールドばりにデスヴォイスで唸りをあげる。(見た目でそれは明らか。黒一色のエクスプローラー・ギター、Tシャツ、リストバンドなどなどね)

でもいきなり演奏がストップ。

もしや悪夢のトラブル発生か?いやいや、これはそういう曲なのですよ。おもむろにヂョーくんが観客の一人を指差して話しかけます。(ミキサーのアンナちゃんがすかさずボーカルに思い切り深めのリバーヴをかける。これがナイスなタイミングで効果覿面)

「家に帰ったら何をする?」「風呂に入る!」「ナイス!風呂に入るのです!バスクリンもいいです。ゆず湯もいいですね。そう寒い夜、私の家のボイラーが先日壊れてしまいました!修理にけっこうな日数がかかるそうです。その期間は近所へ銭湯通いです・・・・堤真一さんのコマーシャルのように冷えたビールが飲みたい!このライブが終わったら友達の家にストーブを借りに行きます」そう言った瞬間、再度演奏に戻るのです。「お風呂最高!ハッピー!!」

1番を歌い終えたらまたストップ「さあ、次行きましょ。2番。仕事で嫌な事があったり、ミスをしたり、トイレに入ってうんざりしたり・・・でもあれ?と気づく・・今日は休みの日じゃないかあ!と・・・・・もうわかったでしょう。こんな時のシアワセって?」「布団の中に入った瞬間!」「そう、二度寝最高!三度寝したっていいじゃん。でも私は二度寝はしない派ですけどね。

お風呂最高!二度寝最高!!」とまあ、結局、このような構成の歌だったのですね。客を巻き込んでの全てが仕込みの一大エンターテイメント。

鋭いリフとコミカルな歌詞との、アンバランスさ加減が絶妙。

エンディングではヂョー君、スイッチ連続切り替え奏法を「カチカチカチ!」とぶちかます。

ヂョーちゃん「ちょっとかっこつけてみました。イヤッホー!ブラボー!これしかできないので・・・」クドウちゃん「いやあ、ビックリしましたよ。スタジオでよくやるやつね。オーケー、今日は信じられないくらいにけたたましいです。」

いやはやなんとも、とらえどころのないタイトルと、空恐ろしくなるバンド名であります。私はじめ周囲の仲間達はこの曲をてっきり万事屋のオリジナルなんだと思い込んでいました。

なんと日本のカルト的存在のバンド・レパートリーとのこと。

それをものの見事、イヤミなく独自のものに消化して届けてくれる、万事屋に大感謝。

そんな彼等の3者3様のキャラクターも微笑ましい限り。

笑いあり、感動あり、戦慄あり、ズッコケあり。聞いて良し、見て良し、ノッて良し。

「(いつのまにか漫談口調に)・・・・・・・いただきます!!・・・・・おべんとうばこのうた・お母さん・・・・僕の話を聞いてください!!」

日本の純粋なる子供達ならば、誰でも知っているこの歌。

「タイヤキ君」に続く第2弾童謡へヴィメタ・シリーズ。

ヂョーが率先して会場に向って「これくらいのお弁当箱に!!」と振り付けを強要。というかあれは振りつけではないね。

皆も大きく両腕を上げて、空中に歌詞のとおり弁当を描いていく。この美しき一体感。いいものだねえ。

きっと全員が頭の中で、懐かしき幼年期にタイム・スリップしているんだよん。

一気に昭和の時代へね。

もうすぐ元号が「令和」になるというのに・・・・。

このバンド、笑いの絶えない個性派集団ではありますが、決してコミックバンドではありません。

本人達はいたって大真面目に、バンド活動に専念しているのです。

それにしても客の心理を、瞬時に読み解いてしまうところなんて脱帽モノ。

捲くし立てるような、ストロング・リックだけでもたいしたものなのに。

「いやいや、盛り上がってきました。イエイ!イエー!!もっと来いや~~!そっち!もっと来いや~!!お酒で失敗しないようにね(それは絶対に言えてる)。

ドラムに合わせて軽く手拍子でもしてみましょうか、エコノミー症候群にかからない程度にね。聞いてください・・・・ウォント・ユー・バッド(ザ・オフスプリング)・・・1!2!1・2・3・4!!」

オーナーのオキノ君が大好物らしい過激なナンバーだ。

ケッタくんのドラミングは破壊力に満ち満ちていて、本当にセットごと粉々に砕け散っちゃいそうな勢い。

ドラム器材が「もうやめてえ~許して~!」と悲鳴をあげているみたい。

拳を突き上げるクドちゃんのボーカルに挑みかかるかのように、ザクザクと刻み続けるコードストローク・ワーク。

もちろん手拍手も、延々と打ち鳴らされています。

ヂョーくんの濁声とクドちゃんの高くて綺麗な声とのコントラストが、ほどよいさじ加減で均衡を保っているのです。

「サンキュウ!!・・・なあんて言っちゃったりなんかしちゃってさあ(笑)自画自賛です。いや~暑いです。ジミにコツコツと間違っているんだけど、まあ多分気づかれていないんだろうなあ・・・・そろそろ終盤に差し掛かってきましたよ。残すところ20曲です(笑)ウソです!

初のノンアルコールでライブ中です。ウソです。

お次もノリの良い曲でいきますが・・・・・

早速いっちゃおうか?いやあ、変な汗が出てきたさ!(爆笑)・・・・・・リッター級でお酒を飲むと凄い汗です。だいぶ暖かくなってきました。あれ!?業務連絡・・・携帯が鳴っています(笑)」

「そういう突っ込みはリハで言っておいてね(笑)。歌います。いきます!手拍子をヨロピク~!!」

喉が張り裂けんばかりに、絶叫のリフレイン(実際に途中から声が潰れてしまったそうです)。

これがゾクゾクするほど、肉迫してきて不気味にスリリング。

グランジ系サウンド、トドメの一撃で一種異様な臨場感を演出。

「いよいよ最後の曲となりました。短い間でしたが、またどこかで我々を見かけたら声をかけてね。ラストはまたもやパンク風で・・・・おさかな天国!」

おいおい、童謡ヘビメタ・シリーズ第3弾が炸裂。いっそのこと、全曲究極の童謡メタル・バンド路線で一度堪能させてくれないかい?馬鹿受けだったりしてね。

クドちゃんのリード・ボーカルは全く衰え知らずで素敵です。

天下一品の爽やかなる輝きを放っている。

ギターのエフェクターによるメリハリ効果も冴え渡ってます。

クラップスホールでのライブも抱腹絶倒で奇々怪々(!?)だったけれども、ここにきて完成度が倍増していましたね。

ヂョー「このあとにもW、ジャンキー・・・・・サッポロ・トランジスター・・・!?アレ?トランジットムニャムニャ・・・も出ますよ(笑)」

いやはやなんとも、愉快痛快なるヒトトキを過ごせました。

何を言っても下品に陥らず滑らないのは、ナイスガイ・ヂョーちゃんの人徳だね。

 

****ライブ・レポート2はここまで。引き続き第3弾をお楽しみにね!!それではまた!!!****

 

 

 

 

 

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