かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 50

2022-04-12 13:31:15 | 短歌の鑑賞
     ※本日2回目の記事です。

  渡辺松男研究2の7(2017年12月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【山鳥薇】P36~
     参加者:泉真帆、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
  
50 あれは遠き群衆の声こがらしが山をはだかにしてゆく摩擦

  (当日発言)
★凩だから晩秋に吹いてくる風ですが、山には落ち葉がいっぱい溜まっていて凩がそれを攫ってい
 く。そんな凩の音を聞きながら、例えば戦地を想像して、丸裸にされた状態とも重なると思いま
 した。摩擦という熟語がいいなと思いました。(真帆)
★凩が落ち葉や何もかもを攫って山を真 っ裸にしてゆく、それは実景。そしてその凩の凄まじい
 音に、群衆の暴力性を思っている。(鹿取)

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