かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  129

2021-07-11 18:52:57 | 短歌の鑑賞
   清見糺鑑賞20           鎌倉なぎさの会  鹿取未放

129 中流もながくこらえている気配ヨコハマそごうの午後の閑散
     「かりん」98年6月号

 当時、東京歌会に提出して不評だった歌だが、今読んでみるとバブルがはじけた後のしらじらとした時代の気分をよくとらえていて、時代の証言になっている。バブルがはじけて以来、疑い深くなった中流の人々は、お金が無いわけではないが消費に走ることに疑いを抱いてなかなか財布の紐を緩めない。それが「ながくこらえている」の意味だろう。そんなわけでヨコハマそごうの平日の午後は閑散としている、というのである。(鹿取)
★一億総中流といわれていた時代(渡部慧子)

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