Mr.Dashのぶろぐ館

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2023年4月27日(木)[甲賀]岩尾山で、行場・絶景・巨樹を楽しむ、お手軽な半日ハイク!

2023年04月28日 | 山登りの記録
■メイン写真
錆びた鉄鎖がかかった鐘掛岩


■今回のコース
駐車地→芭蕉句碑→息障寺→岩尾山→滝谷池→岩尾池の一本杉→駐車地

飯道山、庚申山とともに甲賀三霊山のひとつに数えられる岩尾山(息障寺)は、甲賀忍者の修練の
場や修験の山としても知られる。
ショートコースながら、古代の磐坐信仰を思わせる巨岩怪石が織りなす迫力満点の行場が
すばらしい。絶景にも恵まれ、麓の池畔にある巨樹なども含め、大いに楽しめた。



大沢池のほとり、路肩が広くなっているところに駐車し、「岩尾山」と刻まれた古い標石の
ところから山中に入る。
舗装道をそのまま行くより少し近いのと、少しでも山の中を歩いていたい。



息障寺へ続く舗装道に出合い、すぐに芭蕉句碑の標柱のところから再び山道に入る。



右手に立ちはだかるのは鐘掛岩。すごいオーバーハング。錆びた鎖がかかっている。
左下から回り込んでみると、さらに上部へも鎖は続く。いずれも錆がひどく、頼りにならない。
今日は10m補助ロープだけで、クライミング用具は持参していないので、登るのは無理しない
程度にしよう。スイスイ行けたが、3つ目の鎖を手元に引いたらどこにもつながっておらず、
バサッと落ちてきた。
これはやばいので、2つ目の鎖にとりあえず結んで、ここから上へ行くのはやめておいた。
危険なので、真似しないでね。



修験の結界門の形をした「黒門」をくぐる。それだけでも雰囲気を感じる。



門をくぐったところにあるのが曼荼羅岩。岩屋のようになっていて、背をかがめて岩の下を
通りぬけることができる。



息障寺の素朴な本堂に着く。シャクナゲがきれいに咲いていた。
息障寺は、平安時代初期に伝教大師・最澄が開山した天台宗の寺で、池原延暦寺(いけが
はらえんりゃくじ)とも呼ばれる。
最澄が延暦寺の根本中堂を建てる際にこの地を訪れ、紫雲がたなびくのを不思議に思い
登ってみると、白髪の翁が姿を現し「汝、比叡山を開かんと欲せば、今この山中に七堂
伽藍を試むべし」と告げた。これにより建てられた寺だという。
その後、最澄はこの山中で比叡山建立の用材を確保し「比叡山試みの寺」と呼ばれるように
なった。
また、甲賀側からは「岩尾の不動」、伊賀側からは「槙山の不動」と呼ばれているそうだ。



右の鐘楼の奥から石段が延びている。
石段の中段に、磨崖地蔵菩薩坐像がある。行者岩のすぐ横にあるが、像を覆っていた祠は
老朽化したのか、崩落していた。
南北朝時代の「北朝」側の年号が刻まれているという(読めない!)。



石段の右に脇道があり、八丈岩に寄ってみた。丸い花崗岩の巨岩。残念なことに展望はない。
かつては絶景の行場だったのか。



石段をさらに登っていくと、目の前に屏風岩がそびえる。
最近、一度崩壊したため、ワイヤーで補強してある。
奥の院の小さな祠がある。



祠の上には磨崖不動明王立像。像高5mの線刻で、室町時代初期の作という。



振り返れば甲賀の里が垣間見える。



石段を少し戻って、お馬岩の札の左下から明瞭な踏み跡に入る。



左に目をやると、さっきより劣化した古い鎖がかかった岩峰がある。



その奥にもいくつか、鎖がかかった岩があった。裏行場だったのだろうか。
そういえば、案内板がかけられている岩の名前のうち、行場にありがちな「平等岩」を
見ていない。きっと、そういう岩がどこかにあったはずだ。
古い鎖はもうアテにならないので、いつか、ちゃんと登攀具を用意して登ってみたい。



岩を切り出そうとした痕跡もある。「矢穴」という。



ぐるっと上に回り込むと木魚岩がある。



そして、さっきのお馬岩を上から見る。なるほど、馬の背のように見える。



寺の周囲には八十八箇所石仏がめぐらされている。
今回は、これを忠実にたどることはしなかった。



屏風岩の上に出てみた。鈴鹿山系南部が一望できた。さわやかな春風が気持ちよかった。



続いて、北側直下の展望台に寄ってみる。
こちらの眺めも最高だ。遠く鈴鹿山系、十二坊、直下にはさっきクルマで通った岩尾池
などが見える。



その下には句碑。なんと書いてあるのかわからん…



そして薬師堂。ここから先ほど通った奥の院へ周回できる。



続いて、岩尾山の山頂(三角点峰)をめざす。
やっと境内を離れるのだが、距離的には実はここまで、あまり歩いていない。



10分ほどで山頂に着くが、樹林に囲まれていて、眺めは得られないのが残念。
さらに数分先の西峰を経て、雑木林の尾根道を緩やかに下っていく。
あまり歩かれていないようで、邪魔な倒木を越えたり、くぐったり、巻いたりしながら進む。
コシダの薮(そんなに深くない)を経て、滝谷池に沿った林道に出る。



滝谷池も人工のため池で、池に浮かぶ小さな島には祠が見えた。



地形図の257m点から谷筋の道に入る。ルートは明瞭だが、何度か沢を渡りながら遡っていく。



峠に出て、東側に下る。また沢沿いになり、植林に変わると木橋が現れる。
木橋を渡れば、車も通れる幅の未舗装林道に出る。



ミツバツツジも、もうそろそろ今シーズンは見納めかな。



朝、クルマを停めた林道甲南阿山線にで出て、山行は終了。
ちょうど橋から岩尾池のほうを見たら、ひときわ大きな杉が見える。



この巨樹、岩尾池の一本杉と呼ばれており、県の自然記念物に指定されている。
幹回り4.7m、高さ15m、樹齢1,000年以上とされている。
最澄がここで食事したあとに箸を地面に突き刺すと、たちまち芽吹いて、この杉に
なったと伝わる。



ちなみに岩尾池は、明治時代に農業かんがい用としてつくられた。
一本杉は池の水平線すぐのところに生えていて、その生命感には圧倒される。
この美しい風景の中、NHK朝ドラ「スカーレット」のロケが行われたらしい。

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