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オランダ強し

2008年06月15日 21時27分39秒 | Weblog
ついに開幕したEURO2008。そのEUROで予想外の出来事が起きた。それがオランダである。オランダはEURO2008でC組に組み込まれ、そのグループはイタリア、フランス、ルーマニアと同じで、死の組と呼ばれた。そしていくらオランダといえど、W杯優勝のイタリアと同準優勝のフランスを相手には勝ちあがれないだろうというのがもっぱらの評判だった。
 しかし、いざ大会が開幕して見ると、オランダ強し。一戦目のイタリア戦を3-0で制すと、二戦目のフランス戦も4-1で一蹴。誰もが驚く強さを見せつけた。オランダがイタリアやフランス相手に3点差をつけて勝つことを予想した人がいただろうか。いや、いないだろう。ここまで圧勝するとは。本当言葉をなくした。オランダの強さは何なのだろうか。

 オランダの強さはよく若さや速さと言われている。確かにファン・ニステルローイ以外のメンバーは若い。そしてサイドに位置するロッペンやファン・ペルシーは速さもある。ただよくよく考えていると、オランダのメンバーは所属するクラブで活躍していることに気付く。ファン・ニステルローイやロッペン、スナイデルはレアルで、ファン・ペルシーはアーセナル、カイトはリバプール、ファン・デルファールトはハンブルガーSVでそれぞれ活躍している。しかも皆若いころから国際試合の経験も多く、年齢もちょうど体力と経験のバランスが良い年ごろ。
 それに対してイタリアはトニやデルピエロはそれぞれ国内リーグで得点王に輝いたものの、その次に続く存在が見つからない。フランスもリベリこそバイエルンで大活躍見せたものの、アンリやアネルカ、マルダは所属クラブで絶対的なレギュラーとは言えず、フランスリーグで得点王に輝くなど大活躍を見せたベンゼマは十分な出場時間をもらっていない。この状態を考えると、オランダの強さも分かってくる。

 では今後オランダは優勝までたどり着けるだろうか。その可能性は十分にある。もう既にグループリーグ突破を決め、グループリーグ最終戦はレギュラーを休ませることもできるし、怪我明けのロッペンやファン・ペルシーのコンディションを整えることもできる。そしてまたフレッシュな状態で決勝トーナメントに臨むことができるのは何よりもの強みだ。更にイタリアやフランスを破ったという自信もオランダの大きな力になるだろう。
 しかしオランダが万全かというと決して万全ではない。問題はディフェンスにある。今のところ二試合で一失点と合格点の数字を残しているものの、それをすべて信じることは出来ない。なぜなら現在オランダのディフェンスを支えているのは中盤の早いプレスとゴールキーパーのファン・デルサールのスーパーセーブに他ならない。前線は労を惜しまず、プレスに走り回り、パスコースを限定していた。そしてファン・デルサールは今季所属していたマンチェスター・ユナイテッドでリーグ優勝とチャンピオンズ・リーグ優勝を成し遂げた勢いそのままに、スーパーセーブを見せている。しかし中盤とゴールキーパーは良いものの、最終ラインが心許ない。マタイセン、オーイエル、ブラルースの中にビッグネームはいない。昔のようなスタムやデブール兄弟のようなタレントはいない。これが今のオランダの穴と言える。現在は特に大きな問題にはなっていないものの、決勝トーナメントでこの穴を突かれ、敗れる可能性は十分にある。イタリアやフランス以上にオフェンス力のあるポルトガルやスペインを相手とした時にその穴は明らかになるだろう。

 今後オランダが勝ち抜けるかは最終ラインにかかっている。そしてその最終ラインに安定感が出て、相手の攻撃をしっかりと跳ね返せるようになったときオランダは優勝に輝くことだろう。

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