WANNA PLAY SPORTS?

サッカー、NBA、プロ野球、ラグビー、何でも書きます。想いをそのまま文章にぶつける。

ドイツ戦で見えた日本の現状

2006年05月31日 22時38分59秒 | Weblog
日本代表は日本での合宿を終え、ドイツに乗り込み、チームはほぼ臨戦態勢となりつつある。そんな中、迎えたのが今日の一戦、ドイツ戦だった。開催国ドイツにとっても重要な親善試合。それは怪我から回復したばかりのバラックを起用し、フルメンバーで臨んできたことからも明らかになった。結果から言うと、2-2の引き分け。日本は後半に入り、高原の2得点でリードしたものの、セットプレーから2失点。日本の良い所、そして直すべき点が如実に浮き出した試合となった。
まず日本の良いところは、高原の好調ぶりである。こんなにも調子の良い高原を見たのは久しぶり、いや初めてではないだろうか。それ程今日の高原は良かった。一点目はレーマンの足が滑ったところを見極め、ゴールネットを揺らし、二点目はストライカーらしいゴールに向かう姿勢が追加点を生んだ。やはり前回のW杯に体調不良から出場できなかった悔しさもあるのだろう。この大会にかける気持ちが伝わってきた。
その高原抜きにも日本の試合の運び方は悪くはなかった。前半は我慢、後半はボールキープという流れが見て取れた。はっきり言って今日のような強豪相手の試合で前半からボールをキープできるほど日本はテクニックのあるチームではない。その為、前半は我慢して、ディフェンスに集中する。そして相手が疲れ、足の止まった後半にボールキープからチャンスを作る。今日の試合では日本の攻撃の軸である中村は前半ほぼ消えていたが、後半のチャンスメークは見事だった。そして2得点だけでなく、大黒の決定的なチャンスも作り出し、出来は悪くなかった。中盤の中村、中田英、福西の関係も良かった。
そして加地の怪我したあとの駒野の活躍。加地や三都主が守備に終われ、ポジションを上げることが出来ていなかっただけに、駒野の攻撃的なプレーは新鮮だった。そして駒野の高めのポジション取りは対面のシュバインシュタイガーの攻撃面の怖さも半減させた。駒野がいる限り、サイドのバックアッパーには困らなくて済みそうだ。
そんな良かった点に対して、悪い点も続出した。まずは2失点に繋がったセットプレー時のディフェンスが悪すぎた。一点目は宮本の、二点目は柳沢のマークミスだった。宮本は元々ディフェンスとしては体つきが小柄で、マンマークは不安視されていた。そしてその不安が的中した。柳沢は怪我から復帰したばかりで、試合開始直後の相手ディフェンダーとの競り合いで、腰を痛めたように見えた。腰を痛めると、高くジャンプすることが出来ない為、柳沢はあっさりとマークしている相手をフリーにしていた。ただ問題があるのは柳沢ではない。柳沢を背の高い相手のマークに任命したチーム全体の問題である。更にこのセットプレーの直前に高原から大黒に選手交代していた。そしてセットプレー後に柳沢を玉田に交代した。もしこの交代の順番が逆だったら、柳沢はセットプレー時にピッチに立っていることはなかった。そのため、ジーコの責任とも言うことができる。
そして加地の怪我。これは不可抗力ともいえるが、W杯前の親善試合で悪質なファールをしたシュバインシュタイガーのプレーも理解に苦しむ。ジーコが切れるのも当たり前だ。W杯前の親善試合で激しいタックルをしないのは暗黙の了解である。そんな中、加地の右甲を巻き込んだシュバインシュタイガーのタックルは理解しがたいものだった。加地がW杯に出場できることを心から祈る。
そして最後に柳沢のプレーの質は決して褒めることができるようなものではなかった。怪我復帰して間もないことは分かるが、ディフェンダーとぶつかるごとに腰を痛がるようでは、使い物にはならない。その理由で久保を選考から外したのではないのか。怪我が治りきっていない選手を、アントラーズの選手だからといって、起用することは許されない。大黒や玉田、巻など駒はたくさんいる。柳沢は試合直前まで様子を見るべきだろう。

このように今日の試合の良かった点と悪かった点を細かく書き出したが、今日一番悪かった点は2点差を守りきれなかったことであり、一番良かった点は今の時期にこれほど良い教訓になる試合を経験したことである。これで本大会で繰り返さないで済む。そう、繰り返さないことが大切なのだ。

W杯優勝予想 第二弾

2006年05月28日 23時20分32秒 | Weblog
残り一ヶ月をきった今、ドイツW杯の優勝国を予想してみたいと思う。前回はチェコ対ブラジルの決勝の末、ブラジルの優勝という結果になったが、今回はどんな結果が待っているのだろうか。
まずグループリーグ。ドイツ、エクアドル、コスタリカ、ポーランドによって構成されるA組。やはりドイツの実力が頭抜けていることは、間違いのない事実。しかも開催国として、歓声という後押しもある。二位争いはエクアドルとポーランド。ただドイツという場所柄を考えると、地元により近い場所で戦えるポーランド優位の感は拭えない。ドイツ、ポーランドの順でグループリーグ勝ち抜けを決めるだろう。
そしてB組。イングランド、スウェーデン、パラグアイ、トリニダッド・トバコ。イングランドとパラグアイの二強と思われているかもしれないが、個人的には三つ巴になるのではないかと思っている。トリニダッド・トバコは厳しいとしても、他の三チームは守備力に自信がある。実力ではイングランドが一位だろうが、ルーニーの出場が難しく、試合を決定付けるプレーを出来る選手はいない。それに対して、スウェーデンはおそらくラーション、イブラヒモビッチ、リュングベリが揃った最後のW杯、モチベーションは高い。そしてパラグアイもチーム・ディフェンスが浸透している。この三つ巴の戦いはどうなるのか。鍵となるのはトリニダッド・トバコ戦で勝ち点3をしっかりと奪うこと。そのことを考えたときにイングランドのツートップを組むであろうオーウェンとクラウチは不安である。その為、B組は一位スウェーデン、二位パラグアイと予想する。そしてイングランドはマスコミに叩かれるだろう。
そしてC組。死の組である。なにしろアルゼンチン、オランダ、セルビア・モンテネグロ、コートジボワールが同じ組に組み込まれたのだ。オランダ、アルゼンチンの強さは疑うまでもない。ただそれぞれ不安を抱えていることは事実だ。アルゼンチンはメッシがW杯に間に合うかは不透明であり、サネッティやサムエルといった経験豊富な選手をメンバーから外したのも気になるところ。オランダはやはり最終ラインが若い。そこがどう響くか。しかも先発のファン・ニステルローイとロッペンは所属チームで十分な時間を確保できていたとは言えず、試合勘も不安だ。そう考えると、セルビア・モンテネグロとコートジボワールにもチャンスが出てくる。特にチーム・ディフェンスがしっかりとしているセルビア・モンテネグロは期待できる。スタンコビッチやケジュマンにも期待できる。コートジボワールはドログバの爆発がないと厳しい。その為、一位抜けはセルビア・モンテネグロになるのではないか。そして二位はアルゼンチンとオランダの争いになり、バランスに勝るアルゼンチンが二位抜けするだろう。
D組はメキシコ、イラン、ポルトガル、アンゴラ。この組は面白くない。やっぱり二強二弱の構図が崩れるとは思えない。期待できるとしたらイランだが、試合巧者のメキシコ、圧倒的な攻撃力を持つポルトガルにはなかなか勝てそうもない。一位争いはディフェンスに穴のあるポルトガルと、攻撃に安定感がないメキシコというチームカラーを考えると、こういう世界大会で強いのは守備に秀でたチーム。そのため、一位メキシコ、二位ポルトガルと予想する。
E組もC組に負けず劣らずの厳しいグループだ。アメリカ、イタリア、チェコ、そしてガーナ。どこも簡単に勝てるチームはない。特にアメリカ、チェコ、イタリアはチームとしての完成度が高く、他のグループなら決勝トーナメントも確実だっただろう。ただタレントという面から見ると、イタリアは頭一つ抜け、それに続くのがチェコ。アメリカの選手が小粒な感は否めない。ガーナは中盤に良い選手が揃っているものの、他のポジションが不安。イタリアがそれぞれのポジションにレベルの高い選手を揃えている為、一位抜けするだろう。二位争いはチェコとアメリカの争い。ただチェコはネドベドやポボルスキー、コラーなどこの大会が最後のW杯になる選手が多い。モチベーションはかなり高い。チェコが二位抜けするだろう。
F組はブラジル、日本、オーストラリア、クロアチア。どう考えてもブラジルがグループリーグに負ける気がしない。もし緒戦に負けたとしても、その後の二試合は絶対に負けない。そんなチームだ。ブラジルの一位抜けは固い。そして二位争いは三チームの争いだが、高さのない日本、怪我人が続いたオーストラリアに比べて、クロアチアの仕上がりは悪くない。意外にクロアチアはこの大会のダークホースになるかもしれない。二位抜けはクロアチアだ。
G組。フランス、韓国、スイス、トーゴの四チームの争いになるが、実質さんチームの争いになるのではないか。トーゴはアバヨデール以外にパッとした選手がいない。タレントの揃うフランス、チームとしてまとまっているスイスと韓国相手に厳しい試合になるだろう。タレントが揃いながらもチームとしての力に繋がらないフランスも楽に一位抜けとは行きそうもない。三つ巴は必至か。そうなった場合、トーゴ戦が鍵となる。気になるのはスイスの攻撃に迫力がないこと。守備だけでは勝ち点3は獲れない。フランスはグループリーグの三試合中一試合ぐらい攻撃が爆発する試合があるのではないか。そう考え、得失点差で上回ったフランスを一位抜け、二位抜けを韓国とする。
そしてラストH組。スペイン、ウクライナ、サウジアラビア、そしてチュニジア。ここも二弱だろう。サウジアラビアとチュニジアは厳しい。ウクライナとスペインは決して強いわけではないが、グループ分けに恵まれた。問題は一位争い。タレント力ならスペインだが、チーム力ならウクライナか。ただシェフチェンコが移籍騒動で精神的に疲れているのではないか心配だ。その為、スペイン、ウクライナの順で決勝トーナメント進出を決める。

そして決勝トーナメント。まず初戦はA組一位対B組二位。ドイツ対パラグアイ。ドイツはここも組み合わせに救われた。イングランド、スウェーデンと戦って疲労感の残るパラグアイを、比較的楽なグループリーグを戦ってきたドイツが倒す。ドイツが準々決勝進出を決めた。
そしてC組一位対D組二位。セルビア・モンテネグロ対ポルトガル。面白い試合になりそうだ。攻めるポルトガル、守るセルビア・モンテネグロ。その図式は試合を通して変わらないだろう。しかしセルビア・モンテネグロはそんな試合に慣れている。W杯予選のスペイン戦で経験済みだ。それに対してポルトガルは焦る。焦ったポルトガルは、ミスでこの舞台から姿を消すだろう。
E組一位対F組二位。イタリア対クロアチア。共にテクニックに優れたチーム。ただチームとしての完成度ではイタリアが上回る。イタリア、クロアチアの両チームがグループリーでどれだけ苦しんだかにもよるが、イタリアが優位なことは間違いない。ジラルディーノ、トーニ、インザーギの前線は脅威となるだろう。
G組一位対H組二位。フランス対ウクライナ。タレントはいるがチームとしてまとまっていないフランスと、シェフチェンコ以外に目立ったタレントのいないウクライナの対戦。W杯予選を通して、まとまることのなかったチームがW杯大会中にまとまるとは思えないが、ウクライナのレベルなら、アンリやジダンの個人技だけで勝ち抜くことが出来るのではないか。フランスは首の皮一枚残った。
A組二位対B組一位。ポーランド対スウェーデン。攻撃力、守備力共に上回るスウェーデンの優位は動かない。おそらくラーション、イブラヒモビッチが一点ずつ決めて、2-0でスウェーデンが準々決勝進出を決めるだろう。
C組二位対D組一位。アルゼンチン対メキシコ。大会屈指の好カードとなりそうだ。試合巧者のメキシコと、バランスのとれたアルゼンチン。しかし、ここら当たりからメッシがスーパーサブとして復活しそうだ。そのメッシの活躍が鍵となって、アルゼンチンが勝つ。リケルメはメキシコの厳しいマークに苦しみそうだ。
E組二位対F組一位。チェコ対ブラジル。東欧のブラジルとも呼ばれるチェコ。テクニカルな攻め合いを期待したい。ただ同じだけ攻めても決定力で上回るのはブラジル。ブラジルの誇るロナウド、ロナウジーニョ、カカー、アドリアーノ、ロビーニョを同時に止めるのは不可能に近い。チェコの夢はここで儚く散るだろう。
G組二位対H組一位。韓国対スペイン。スペインにとっては日韓大会のリベンジマッチ。スペインがリベンジに燃えるのに対して、韓国はグループリーグ突破である程度満足している。スペインが大差をつけて勝つだろう。
準々決勝第一試合。ドイツ対セルビア・モンテネグロ。ドイツの夢はおそらくここで潰える。ドイツはセルビア・モンテネグロの堅守を破ることは出来ない。何しろドイツを攻撃力で上回るスペインでも苦しんだディフェンスだ。セルビア・モンテネグロは守ってカウンターを完全に極めていることだろう。
準々決勝第二戦。イタリア対フランス。EURO2000の決勝の再現。ただあの時と違うのはチームとしてのまとまりに欠けたフランスのチーム状況である。対するイタリアはジラルディーノやトーニ、ピルロなど新しい選手が中心となっている。ジダンのラストダンスはこの試合で終わる。イタリアは準決勝進出を苦もなく決めるだろう。
準々決勝第三戦。スウェーデン対アルゼンチン。手に汗握る好ゲームとなるだろう。ただこの試合を決めるのもやはりメッシの存在。またしても決勝点を決める活躍。スウェーデンは準々決勝でW杯を去ることになった。
準々決勝第四戦。ブラジル対スペイン。ブラジルは前の試合(チェコ戦)に続き、攻め合いである。そして繰り返すが、今のブラジルは攻め合いでは負けない。何しろ試合を決めることが出来る選手が何人もいるのだ。スペインは前線むなしく敗退決まる。
そして準決勝第一戦。セルビア・モンテネグロ対イタリア。この試合両チームは今までと違う試合展開に驚くだろう。なぜなら今までの対戦チームに比べて、相手チームは守備に重きを置くチームだからだ。意外に攻め込むことが出来る、こんな欲がミスを招くことになる。そしてミスを招く可能性が高いのは経験で劣るセルビア・モンテネグロだ。イタリアはアメリカ大会以来の決勝進出を決める。
準決勝第二戦は南米の雌雄を決する試合となる。ブラジル対アルゼンチン。アルゼンチンにとってはコンフェデのリベンジの意もある。ここまで圧倒的な攻撃力で勝ち進んできたブラジルではあったが、目には見えないうちに疲労は溜まってきていた。後半に入って急に足が動かなくなる。そしてそこでメッシがまた出てくる。またもや決勝点を叩き出す。そして王国は奈落の底へと落とされることとなった。
そして迎えた決勝。その場にブラジルもドイツもいなかった。勝ち残ったのはイタリアとアルゼンチン。そしてアルゼンチンはついにここでメッシをスタメンで起用。大会の流れを見ても、アルゼンチン優位に見えた。しかし試合開始後からメッシがおかしい。足は完治していなかった。まるでフランス大会のロナウドを見るかのように、メッシは何もすることが出来なかった。そして輝いたが、カテナチオであり、トッティだった。
優勝はイタリア。黄金の4人(5人)を誇ったブラジルは同じ過去を繰り返した。そしてメッシというスーパースターが誕生した。ただメッシは今怪我から完全復帰するのに一年のときを要することとなった。

こんな予想はいかがでしょうか。イングランドには納得いかないですかね。

バルセロナの強さ

2006年05月19日 11時53分32秒 | Weblog
今年のバルサは完全なるチャンピオンだ。決勝トーナメントではチェルシー、ベンフィカ、ミラン、アーセナルとヨーロッパが誇る強豪チームを倒して、カップを勝ち取った。組み合わせに助けられた感はまったくない。それでは今年のバルサの強さはどこにあったのだろうか。
まず厚い厚い選手層。もし、チャンピオンズ・リーグ決勝のメンバーをスタメンとすると、控えにはベレッチ、シルビーニョ、モッタ、ガブリ、イニエスタ、シャビ、ラーション、ロペス、メッシらが控えていることになる。質量共に申し分のない布陣だ。ポジションごとに見ると、センターバックのプジョル、マルケスが怪我をすると、オレゲルやエジミウソン、モッタが穴を埋め、サイドのファン・ブロンクホルストやオレゲルが怪我をすると、シルビーニョやベレッチ、ガブリが穴を埋める。中盤はシャビ、イニエスタ、デコ、ファンボメル、エジミウソン、モッタ誰が入っても遜色はない。それは前線も同じ。ロナウジーニョ、エトー、ラーション、メッシ、ジュリ、ロペスとレベルの高い選手が揃っている。問題が起こるとしたらロナウジーニョとメッシが同時に欠場したときぐらいだろう。この厚い選手層こそがバルサに優勝をもたらした。考えて欲しい。シーズン途中でマルケス、エジミウソン、シルビーニョ、シャビ、メッシらが怪我で長期の離脱を余儀なくされ、エトーもアフリカ・ネーションズカップに出場するため、一ヶ月近くチームを留守にした。それでもリーガ、チャンピオンズ・リーグの二冠。凄いとしか言いようがない。
そして戦術の浸透度。今やバルサといえば4-3-3と誰もが頭の中にフォーメーションを描くことが出来る。そしてそれぞれがフォローしあいながら、固いディフェンス、流れるオフェンスは構築されている。そして圧倒的なボールキープ。ライカールトが取り入れたこの4-3-3を全ての選手が理解している。その為、選手が代わっても、急激なチーム力の低下はなかった。この戦術浸透度においてもバルサは欧州で頭一つ飛びぬけていた。
そして何を隠そう、ロナウジーニョの存在。今現在世界で最も輝いている選手である。相手をドリブルで抜くことも出来るし、パスも出せる。シュートも強烈だ。そしてその判断力も完璧とも言える。そして相手のマークがロナウジーニョに偏るため、マークに空きができる。そうなると、相手はもうバルサを止めることはできない。ただ去年ほどロナウジーニョが輝いていたとは思わない。シーズン後半は明らかにコンディションが良くなさそうだったし、チャンピオンズ・リーグの決勝も厳しいマークもあったが、彼自身のプレーにいつもほどの切れは感じなかった。しかしロナウジーニョが不調でもそれを補える選手が今年はいた。それがメッシである。いまやマラドーナ二世とも言われる選手だ。上背はないが、スピード、テクニック、体の使い方、どれをとってもロナウジーニョに勝るとも劣らない。その為、去年は左に偏りがちだった攻撃も、メッシという核が逆サイドに出来たことによってバランスも良かった。このロナウジーニョ、メッシの存在こそがバルサの生命線だった。
そして最後に腐らなかったサブメンバーを挙げておきたい。やっぱち人間ベンチに座っていることが多くなると不満を言いたくなる。しかもいつ出場が来るか分からない状況ほど調整しにくいものはない。それでもバルサのサブメンバーは完璧な仕事を果たした。エトーが離脱したときのラーションの活躍、メッシが怪我した後のジュリの活躍、エジミウソンやシャビが離脱したものの中盤のクオリティーを落とさなかったファンボメルとイニエスタ。そのポジションでもそつなくこなしたオレゲル。こんな素晴らしいサブメンバーに支えられていたのが今年のバルサの強さだった。そのことが最も表れたのがチャンピオンズ・リーグ決勝だった。途中出場のイニエスタが長短のパス、前線への鋭い飛び出しで流れを変え、ラーションは決定的な2アシスト、さしてベレッチが決勝点をゴールに叩き込んだ。試合の良い所はすべてサブメンバーが形作っていた。そしてこれこそが今年のバルサである。
来年に向けて、アンリが来る、とかいろいろ囁かれているが、最も重要なことは慢心をしないこと。そして放出選手を最小限にすること。それに尽きるだろう。もう既にラーションがスウェーデンに帰ることは決まっているため、ラーションの穴を埋めることが出来る選手が必要だ。ラーションの代わりが簡単に見つかるとも思えないが。来シーズンはいつもと違うシーズンになる。それはその前にW杯があるからだ。そこで活躍する選手もたくさんいるだろう。その活躍によって移籍が囁かれる選手もいるかもしれない。しかしそんなことより重要なのは選手のコンディションだ。W杯ほどプレッシャーのかかる試合はない。そこで疲れきらないか心配だ。運よくバルサは他のチームと比べてW杯に出場する選手がそこまで多くない。エトー、バルデス、ベレッチ、ジュリ、オレゲル、シルビーニョらは選ばれていない。ただロナウジーニョやメッシ、デコ、シャビ、イニエスタ、マルケス、プジョル、エジミウソン、ファン・ブロンクホルスト、ファンボメルらはチームのためにフル回転させられる可能性が高い。来シーズンはコンディションが大きなキーになるだろう。
そして最後に、今年のバルサは強かった。そしてチャンピオンズ・リーグに勝つべくして勝った。今年のチャンピオンは間違いなくバルセロナだ。

制すべきして制したバルセロナ

2006年05月18日 06時10分17秒 | Weblog
強い。圧倒的なボールキープ力。ボールを失わない。それが今年のバルセロナだった。今年のチャンピオンズ・リーグ決勝、カードはアーセナル対バルセロナ。最初に試合をコントロールしたのはアーセナル。開始2分にはアンリが決定的なチャンスを外す。そしてその後、試合はバルセロナがボールをキープし始める。そしてロナウジーニョのスルーパスからエトーが飛び出す。そしてレーマンは足を引っ掛けてしまう。レッドカード。一発退場。誰もがこの時点でバルセロナの勝利を確信した。しかし先制したのはアーセナルが、キャンベルがFKを頭で流し込む。そして試合は守るアーセナル、攻めるバルセロナの構図は鮮明になる。圧倒的にボールをキープするものの、バルセロナはなかなかゴールを奪えない。前半終了直前のエトーのシュートはポストに嫌われた。そこで前半終了。
後半に入ってバルサはイニエスタ投入。そしてそのイニエスタ投入がバルサに新しい攻撃パターンを生み出す。今までゆっくりとしたパスワークと個人技によって攻めていたのが、イニエスタの投入によって速いグラウンダーのパスが前線に繋がるようになってくる。そして続いてラーションもピッチに送り出す。前線にポストプレーを出来る選手が入ったことで、さらに攻撃のバリエーションが増える。続いて投入したのがベレッチ。この交代が決め手になった。試合開始時から右サイドに入っていたオレゲールは、スピードでリュングベリに劣り、苦し紛れのイエローももらっていた。さらにクロスの精度が低く、攻撃のラストピースにはならなかった。その点、ベレッチは一対一の守備力では劣るものの、スピードとクロスの精度ではオレゲールを上回る。この三人の交代からバルセロナに得点機が訪れ始める。後ろから来たボールをラーションが巧く、縦に流しながらパス。そこに走りこんだエトーが同点弾を叩き込む。さらに前線でポストワークをしたラーションが飛び込んできたベレッチにパスを合わせる。ベレッチは角度のないところがシュートを決めて、ついに勝ち越し。
ここからがバルセロナの真骨頂だった。完璧なまでのボールキープ。アーセナルが必死にボールを奪いに来るものの、危なげなくボールを回し続けた。そしてそのまま試合終了。これこそまさにバルセロナだった。そしてライカールト監督の手腕も見事だった。試合途中から投入したイニエスタ、ラーション、ベレッチはそれぞれが完璧な仕事をした。言うまでもなく、チームの中心であるロナウジーニョやエトー、デコのプレーは素晴らしかったが厳しいマークに苦しんでいた。その分、途中出場の三人やジュリの活躍は輝いていた。
当然アーセナルにも言い分はある。あのレッドカードがなかったら。バルサの一点目はオフサイドではないか。ファブレガスの調子が良くなかった等。ただ今年のバルサは勝って然るべきチームだった。圧倒的なボールキープ。ここんとこミランやユーベなど、守備の堅いチームが覇権を握ってきたため、攻撃力に優れたバルサは魅力的だった。バルサは勝つべくして勝った。チャンピオンズ・リーグは始まる前から優勝候補筆頭にあげられ、プレッシャーもあっただろう。しかし彼らは自分の戦い方をやり通して優勝した。
アーセナルも頑張った。ただやはりバルサがナンバーワンだ。

前半終了

2006年05月18日 04時51分50秒 | Weblog
予想は「守るアーセナル」「攻めるバルセロナ」にあった。しかし試合が始まってみるとアーセナルが押し気味に試合を進める。開始二分の決定的なチャンスはアンリが外した。その後も一進一退の攻防が続いたが、ロナウジーニョのスルーパスが流れを一変させる。スルーパスに飛び出たエトーがレーマンに倒される。そしてレーマンはレッドカードで、一発退場。ここからの構図は完全に「守るアーセナル」「攻めるバルセロナ」。バルセロナは攻めに攻めるものの、ゴール前をアンリを除いた9人で守る牙城はなかなか崩れるものではない。しかし前半終了直前にエトーのシュートはポスト直撃。あと一歩で同点にならなかった。
後半もこの構図は変わらないだろう。アーセナルは一人欠いているため、守るしかない。しかも攻撃はアンリ一人でも、何とかなりそうな気配はある。対するバルサは攻めるしかない。そして交代が鍵を握ってくるだろう。ラーションやイニエスタ、シャビ、そしてメッシの登場もあるかもしれない。現在1-0。ただこのまま簡単に終わるとも思えない。さぁ、後半が始まる。

ついに決まった、23人枠

2006年05月15日 22時01分09秒 | Weblog
先にジーコが選んだ23人枠を紹介する。GKは川口、楢崎、土肥。DFは宮本、中澤、三都主、加地、田中誠、坪井、駒野、中田浩。MFは中田英、中村、福西、小野、小笠原、稲本、遠藤。そしてFWには高原、大黒、柳沢、玉田、巻が選出された。松井や久保は今回選出から漏れた。なんということか。いままで久保中心のチーム作りをしてきたにも関わらず、ここでコンディションが悪いからと代表から外した。もしコンディションが悪いなら、今まで代表に呼ばない事だって出来たはずだ。今まで無理やり欧州遠征や過酷スケジュールの中にも久保を招集してきたのに、ここでコンディションを理由に久保を捨てた。これほど久保にとって悔しいことはない。確かに結果は残せてこなかった。ただ、ジーコはコンディションが悪いことを知っていながら、久保を使い続けてきた。コンディションを気にするなら、久保招集をもっと先送りすることも出来たはずだ。この久保の選出漏れは納得いかない。
さらに松井が漏れたことも理解不能だ。今季欧州で最も結果を残したのが松井である。中田浩や高原、大黒なんかより、しっかりとコンスタントに出場して、結果を残してきた。なぜジーコは松井を評価しないのか。欧州遠征で松井が招集されたときの試合での活躍も見事なものだった。先発としても貴重なジョーカーとしても活躍できることを証明して見せた。ジーコはジョーカーとして誰を起用するつもりなのか。大黒か、それとも玉田か、稲本なのか。明らかにこの三人より、流れを変えられえる、相手を混乱させることが出来るのは松井だ。欧州という場所にも慣れている。
絶対にジーコは今回の選出を後悔する。そして日本国民は久保と松井を選ばなかったことを、そしてジーコに任せてきたことを後悔する。巻が何を出来るのか。巻には悪いが、はっきり言って巻を見ていて、得点の可能性を感じない。今まで代表で3得点といっても、実際に自分でゴールを決めたのはアメリカ戦の1ゴールだけ。あとの2点は偶然当たっただけに過ぎない。しかも彼の初得点は長谷部のゴールを奪っただけに過ぎない。巻の泥臭さ、プレスは評価する。ただ得点を獲らない限り、グループリーグ突破は見えてこないのだ。ドイツW杯で得点が思うように奪えなかったとき、日本は久保を望む。ドイツW杯でパスばっかりで状況を打開できないとき、日本は松井を望む。そしてその瞬間、日本の負けは決まる。
今回の選出ははっきり言って納得しかない。もし自分が監督だったらこんな選手を選びたいと思う。
GK 川口 土肥 若手
DF 中澤 松田 三都主 加地 坪井 闘莉王 相馬 
MF 中田英 中村 松井 福西 遠藤 小野 今野 家長
FW 久保 平山 田中達 玉田
これで22人。あと一人はサプライズだろう。
GKなど2人で足りる。今は川口中心のため、川口は選んで、日本人で最も評価の高い土肥を加える。そして出場機会が与えられないであうろう3人目は若手を選ぶ。
DF。宮本は明らかに身長不足。それが中澤にとって更なる負担になっている。そのためチームで組んでいて、身体能力の高い松田を先発に加える。さらにチームで結果を出している闘莉王を加え、さらに若い実力派の相馬も加える。右サイドは坪井でも、松田でも、家長でも出来る。
中盤は軸は変えずに、試合の途中で攻撃的に行くなら、松井や家長、守備的に行くなら今野を入れる。FKは左なら中村、右なら遠藤。三都主と小野には打たせない。
そしてFW。ここがジーコと違うところ。高い二人と速い二人が基本。高原や柳沢、巻のような得点を感じない選手は選ばない。久保は一発があり、平山は高いだけで十分な武器。田中達のゴールに向かう姿勢。そして去年代表での初ゴール。見事な弾道だった。そしてスピード一番の玉田。平山は途中出場で、田中達と玉田は調子の良い方を先発に選ぶ。
サプライズはお任せ。大黒とかでも良いし、石川でも良い。戸田なんて面白いかもしれない。そして当然キング・カズでも…

今回の日本代表を応援する気はあまりしない。まぁ本番になったら応援するのだろうけど。でもこんな日本チームなら、チームとしてはチェコやブラジルのほうが面白い。いろいろな意味でW杯が楽しみだ。

見えてきた23人枠

2006年05月13日 09時51分48秒 | Weblog
5月15日のW杯メンバー発表まで一週間を切った。そしてここになって、やっと23人枠の全貌が見えてきた感がある。なにより今日のスコットランド戦に向けてのスタメン発表は大きな意味合いを持っていた。今日のスコットランド戦の先発は川口、加地、宮本、中澤、三都主、遠藤、福西、小野、小笠原、久保、玉田。この面子を見て分かるように、この試合はもうテストではなくなっている。テストであれば、巻や佐藤、阿部、長谷部といったところを使うべきだろう。しかし、それらのメンバーが選ばれていないことで、今日のメンバーが最終の23人枠に選ばれる可能性は高くなった。
それでは現在既に23人枠確実となっている人を挙げてみる。GKでは川口と楢崎。楢崎は最近は代表の試合には出場していないが、貢献度を考えると外すわけにはいかないだろう。
そしてDFでは加地、三都主、宮本、中澤。先発から外れることのない絶対的な四人である。
そして中盤では中村、中田英、小野、福西、小笠原までは確実だろう。深刻な怪我でもない限り選ばれるだろう。そして前線は久保、高原。まず間違いない。ジーコが前線の柱と位置づけている久保、そして評価の高い高原がメンバーから外れることは考えにくい。
つまり今の段階で選出が確実となっているのがGK2人、DF4人、MF5人、FW2人である。計13人。残る枠は10人。そしてこのうち一つはGKになるだろう。そして今までの選考を考えれば土肥が選ばれる可能性が高い。個人的にはここに若手を選んでも面白いと思うのだが。つまり残る枠は9人。
そしてここから選ばれるであろう選手を挙げていく。まず最終ラインではスリーバックも考えられるためセンターをあと2人は選出する可能性が高い。その為、田中誠と坪井はおそらく選ばれるであろう。そして加地と三都主のバックアップも必要だ。左右こなせる駒野が適役だろうか。村井と中田浩はまだなんとも言えない。中盤では遠藤と松井がどうやら選ばれそうだ。遠藤は貢献度も高く、先日のブルガリア戦ではトップ下もこなせることをジーコに見せた。松井は試合の途中から出てくるジョーカーとして選出されそうだ。前線では柳沢の故障、大黒の欧州での苦戦により、玉田の評価が著しく上がっている。既に前線では三番手の評価を与えられている可能性が高い。玉田もここに来て選出の可能性は高くなった。
つまり土肥、田中誠、坪井、駒野、遠藤、松井、玉田の7人は選出確実とまでは行かないものの、選ばれる可能性は高い。これを選出確実の人数と合わせると20人となる。残りは3枠となる。おそらく少なくても1枠はFWになるだろう。そしてここは巻、柳沢、佐藤、大黒で争うことになりそうだ。貢献度から言えば柳沢と大黒、勢いで言えば佐藤と巻。ただジーコの中でおそらく一番評価が高いのは柳沢だろう。同じ鹿島の出身ということもあるし、どんなフォーメーションでも前線をこなすことが出来る。つまり柳沢の怪我が相当ひどいものではない限り、柳沢が選ばれるのではないだろうか。そして残る2枠を争うのは、中田浩、村井、稲本、茂庭といったとこか。村井はブルガリア戦で怪我したことで、選出の可能性は低くなった。つまり左サイドも中盤も出来る中田浩か、欧州でも成績を残し、前回大会も活躍した稲本か、スリーバックで望むことを考えて後ろにもう一枚で茂庭か、となる。この中で稲本はジーコの評価が高い。欧州で結果を残していることもプラスになるだろう。最終枠に滑り込みそうだ。そして最後の1枠を中田浩、茂庭、そしてFW争いから落ちた大黒で争うことになる。ただサイドのバックアップが駒野一人というのも考えにくい。そのことを考えると中田浩が選ばれる可能性が高い気もする。ただ貢献度の高い大黒をジーコが外せるのか、それも疑問が残るところである。二人とも欧州で結果を残せていないことも気になる。ただやはりここはポジションを考慮して中田浩だろうか。その可能性が高いだろう。

つまり最終メンバーは
GK 川口 楢崎 土肥
DF 宮本 中澤 加地 三都主 田中誠 坪井 駒野 中田浩
MF 中村 中田英 福西 小笠原 小野 松井 遠藤 稲本
FW 久保 高原 玉田 柳沢
ではないだろうか。