WANNA PLAY SPORTS?

サッカー、NBA、プロ野球、ラグビー、何でも書きます。想いをそのまま文章にぶつける。

準々決勝に向けて

2006年06月30日 11時28分38秒 | Weblog
今日からW杯も再開する。決勝トーナメント一回戦から二日間の休暇期間を挟み、待ちに待った準々決勝が始まるのだ。ちなみにカードは一日目がドイツ対アルゼンチン、ウクライナ対イタリア、ポルトガル対イングランド、そしてブラジル対フランスである。それぞれのカードについて考察してみよう。
まずアルゼンチン対ドイツ。開催国であるドイツは最大の山場を迎えた。今までの相手とはレベルが違う。今までエクアドル、コスタリカ、ポーランド、スウェーデンと中堅国を相手に戦ってきたものの、今回の相手は間違いなく強豪国である。今までの勢いを持続することは出来るか。現在ツートップを組むクローゼとポドルスキはそれぞれ3得点と結果を出している。ただ今回の対峙する相手はアジャラとエインセ。一筋縄でいく相手ではない。もしツートップが止められたときに、ドイツはどう攻撃を仕掛けるのか。やはり鍵はバラックをいうことになる。このチームのキャプテンであり、攻守の核である。彼が思い通りに動けるか、これが鍵になる。おそらくマスケラーノとカンビアッソが彼のマークにつくだろう。このボランチ陣は体こそさほど大きくないが、ずるさ、巧さではトップクラス。もしこのマークにバラックが苦しむようだとドイツは苦しくなる。それに対してアルゼンチンはここまでもメキシコ、オランダ、コートジボワールと厳しい戦いを乗り越えてきた。ドイツ相手にもいつも通りの戦いが出来るだろう。ただ心配なのは、グループリーグのセルビア・モンテネグロ戦を境に調子を落としていることだ。それまでの細かく繋ぐ形から、ロングボールが増えている。ロングボールではおそらくドイツには通用しない。相手の最終ラインには高いDFが揃っている。細かく繋ぐ本来の形を取り戻すことが出来るか。そして鍵を握るであろうは、ツートップ。今までの形ではクレスポとサビオラということになるが、この二人ではドイツ最終ラインにとってそれ程苦にならないだろう。問題があるとしたら、メッシとテベスの対応である。このスピード、突破力のある二人をどう止めるか。ドイツ最終ラインにはスピードがあるとは言い難く、難しい相手である。ただこの二人をペケルマン監督はいつから使っていくのか。個人的にはどちらかを試合の頭から使うべきだろう。ポスト役になれるクレスポと起用することで、負担も少なくて済むだろう。このメッシとテベスがドイツ戦の鍵になりそうだ。それでは、どちらが優位かということになると、強豪相手に戦ってきたアルゼンチンが優位だ。ただ問題があるとしたら、ドイツはホームで戦えるということ。アルゼンチンの百戦錬磨の勝負強さが勝つのか、開催国の意地が勝つのか、アルゼンチン60%、ドイツ40%といったとこだろう。
そしてイタリア対ウクライナ。おそらく普通に戦ったら、ウクライナに勝ち目はない。チーム力があまりにも違いすぎる。ただイタリアには二つの弱点がある。まずセンターバックである。ネスタの怪我が未だ癒えず、準々決勝も出場を見送ることになり、マテラッツィも出場停止。おそらく一回戦で途中出場したバルザーリが出場することになるだろう。ただネスタと比べるで全ての面で劣る。カンナバーロにかかる負担は大きくなりそうだ。そしてペソットの自殺騒動である。デルピエロやザンブロッタは彼の様子を見るために一度イタリアに帰ることになった。このことが精神的な疲れになってもおかしくない。ただそれでもイタリアの優位は動かない。今回の試合ではトッティを起用するか、それともデルピエロを起用するか予想の難しいところであるが、どちらを起用してもイタリアは強い。中盤から攻撃を作るピルロにその脇を固めるペロッタとガットゥーゾ。そしてツートップのトーニとジラルディーノはゴールの数こそ増えないものの強力な二人である。それに対するウクライナで、イタリアに対抗できるのはシェフチェンコ一人。おそらくウクライナとしては守備を固めてシェフチェンコの速攻という形を狙うだろう。ただウクライナに可能性があると思わせるのは、シェフチェンコに対応するセンターバックにネスタがいないこと。バルザーリ相手ならシェフチェンコが突破する可能性は決して低いものではない。当然カンナバーロ相手ではそう簡単にはいかないが。ウクライナとしてはしっかり10人で守備を固めて、シェフチェンコにボールを集める。この形を徹底すべきだろう。それでもイタリアの優位は動かない。イタリア75%、ウクライナ25%といったとこだろう。ちなみにトップ下はトッティを起用すべきだろう。
そしてイングランド対ポルトガル。イングランドはオーウェンの負傷離脱もあり、前線の人数が足りない。まだ若いウォルコットに頼るわけにも行かず、前線はルーニーとクラウチしかいない。そしてどちらかの駒をベンチに残しておきたいがために、ワントップで試合に臨むことが多くなっている。そしてそのワントップはおそらくルーニーが務めることになるだろう。ただ故障開けのルーニーではワントップは起用しない。それはエクアドル戦でも明らかだった。エリクソン監督はリスクを犯してでも、ツートップにすべきではないだろうか。この準々決勝からガリー・ネビルが復帰できる公算が高く、いつもの最終ラインで試合に臨めそうだ。その為中盤は底にハーグリーブス、又はキャリックを起用し、前にジェラードとランパード、右にベッカム、左にジョー・コールという形になるだろう。中盤の面子だけなら、世界トップレベルであることは間違いない。問題は連動性。特にランパードとジェラードのパス交換が少ない。この二人が機能しないと厳しい戦いになるだろう。それに対するポルトガルは出場停止でデコとコスティーニャを欠く。人材が豊富なボランチに比べて、デコの不在は大きい。ポルトガルがデコの代わりをどうするのか。可能性としては二つ。一つはフィーゴを真ん中に回し、サイドにシモンを持ってくる。二つ目はボランチを三人に増やす。つまりマニシェ、ペチート、チアーゴを起用する。相手との相性を考えると、二つ目が良いのではないだろうか。一つ目のケースでは中盤をイングランドが支配する可能性が高い。しかもフィーゴはサイドに位置したほうが効果的である。それに対して二つ目のケースはボランチが増えることもあり、中盤では五分の戦いを繰り広げることが出来るだろう。しかもマニシェとチアーゴは攻撃力が持ち味。相性も良さそうだ。ただ今までの話はクリスティアーノ・ロナウドが出場できる仮定で話してきたが、もし彼が出場できないようだと話しにならない。彼がいなくなると、デコを含め、飛車角落ちの状態で戦うことになるのだ。そうなると試合にならない。ポルトガルが勝つ可能性はほぼない。その為、クリスティアーノ・ロナウドが出場できる仮定で考えることとする。その上でイングランドが優位だ。しかし、問題は決定力のなさ。もしツートップで臨めば、イングランドの勝算もぐっと高まるが、ワントップでは多くて2点ぐらいだろう。総合的に判断するとイングランド60%、ポルトガル40%というとこだろう。
そして最後にフランス対ブラジル。ご承知の通り1998年フランスW杯決勝の再現である。この試合おそらく鍵となるのは中盤の攻防である。というか、中盤を優位に進めない限り、フランスに勝ち目はない。不調のアンリと比べて、ブラジルのロナウドとアドリアーノは得点力が半端ない。特にW杯にピークを合わせてくるロナウドは脅威としか言いようがない。中盤に目を向けるとフランスの中心はビエラ、マケレレ、ジダンである。それに対して、ブラジルはエメルソン、ゼ・ロベルト、ロナウジーニョ、カカーということになる。守備力ではフランスが上、攻撃力ではブラジルが上といったとこだろうか。ただフランスの攻撃に厚みがあるとは言い難く、鍵はブラジルの攻撃をフランスが止めることが出来るか、という点に絞られる。とくにボランチの二人がどれだけ効果的な働きができるか。つまりマケレレとビエラで相手の中盤を止めることができるか。ただ真ん中からロナウジーニョ、カカー、その後ろからゼ・ロベルト、左からロベルト・カルロス、右からカフーと攻めてくるブラジルの攻撃を止めるのは難しいと言うよりかは、不可能である。何点に留めることが出来るか。2点以内なら、勝算はある。ただここで3点以上奪われるようだと、勝ち目はない。ブラジルは試合を経過するごとに調子を上げてきている。もしかしたら準々決勝あたりにピークを持ってくるのかもしれない。ブラジルが勝つ確率75%、フランス25%あたりだろう。ジダンにとってラスト・ダンスになる確率が高い。この試合は目が離せない。

決勝トーナメント 四日目

2006年06月28日 21時13分53秒 | Weblog
今日行われたカードは、ブラジル対ガーナとスペイン対フランスである。決勝トーナメント一回戦には豪華すぎるような対戦。それぞれを振り返ってみよう。
ブラジル対ガーナ。言わずと知れた優勝候補筆頭ブラジルに唯一アフリカ勢で残ったガーナが挑戦する、そんな構図を誰もが思い浮かべていた。しかし開始同時にその構図は正しくなかったことに気付く。ガーナはブラジルに負けずに強い。チームの中心であるエッシャンを欠いていたものの、ガーナが強いことになんだ変わりはなかった。しかし開始5分、ロナウドがW杯最多記録となる通算15得点目のゴールを相手ゴールに突き刺す。しかし、この得点を守りに入ったブラジルに、ガーナの猛攻が始まる。もしシュートの制度が高ければ、ガーナは逆転していてもおかしくなかった。しかしシュートはことごとく枠を外れ、決定的なチャンスはジーダにセーブされた。そして前半終了間際にアドリアーノに追加点を奪われ、万事休す。後半には止めとなるゴールをゼ・ロベルトに奪われ、ガーナのW杯は幕を下ろした。しかし3-0のスコアほどに実力差があったとは思えない。ガーナは高い身体能力だけでなく、素晴らしい組織力を見せた。こんなに早くブラジルと当たっていなければ、ベスト4や決勝にだって進出していた可能性はあった。ガーナはこのW杯でその強さを世界中に見せ付けた。そしてブラジルはやっぱり優勝候補筆頭だった。グループリーグと比べて、調子が上がってきているのは誰の目にも確か。特にロナウドとロナウジーニョは試合をする毎にプレーの質が上がってきている。次の準々決勝では更に良いパフォーマンスを見せてくれるだろう。心配なのはエメルソンの負傷。後半はジウベルト・シウバと交代した。ただ層は厚いだけに大きな問題にはならないだろう。
そしてスペイン対フランス。この大会絶好調のスペインに対して、どうしても自分達の力を発揮できないフランス。もうフランスは終わった、そんな風に思われていた。そしてこの試合はスペインが勝つ、と。しかし実際試合に勝ったのはフランス。まるでグループリーグが嘘のようにフランスは強かった。それはまるで1998年に自国W杯を制したときのフランスのようだった。前線のアンリはオフサイドトラップにかかり続け、調子が良かったとは言えないが、ジダンが本来の輝きを取り戻した。グループリーグでは最初の二試合で警告二枚を受け、三試合目は出場停止となった。しかもその試合でフランスが勝ったこともあり、ジダン不要論は日に日に真実味を帯びるようになっていった。何しろジダンが攻撃に絡むと、全て攻撃はスローダウンしていた。しかし今日のジダンは違った。前線から相手にプレスをかけ、攻撃面でもスルーパス、ワンタッチパスを繰り返し、フランスの攻撃の質を高めていた。そして三点目の試合を決定付けるゴール。後半終了間際の体力的に一番きつい時間帯に決めた。ちなみに勝ち越し点もジダンのFKから生まれたもの。準々決勝でもこの男のプレーが鍵を握りそうだ。そしてボランチのビエラとマケレレが利いていた。相手の攻撃はここで止められるか、この壁を越えたとこで、完全に孤立化した。相手の中盤、シャビ、セスク、シャビ・アロンソに比べ、フランスのジダン、マケレレ、ビエラは明らかに連動性、攻撃力、守備力、全ての面で上回っていた。今日のフランスの勝利は中盤の勝利といっても過言ではない。それ程今日のフランスは素晴らしかった。ちなみに最終スコアは3-1。フランスの得点はリベリー、ビエラ、ジダン。スペインは微妙な判定のファールによるPKのビジャの一点だけ。注目されたフェルナンド・トーレスは最後まで活躍できなかった。今回は期待できる、そう思われたスペインだったが今年もスペインのW杯は早く終焉を迎えることとなった。

そして準々決勝のカードは1998年フランスW杯の決勝戦の再現となるフランス対ブラジル。世界中が注目する一戦となるだろう。何しろロナウジーニョ対ジダンという新旧キング対決。更にロナウド対アンリの世界最高のストライカー対決もある。注目すべき点はたくさんある。ただあえて一点を挙げるとすれば、ブラジルのロナウジーニョとカカー対フランスのビエラとマケレレ。世界最高のチャンスメーカーと世界最高のボランチ。どちらが勝つのか。ブラジルはこの二人が機能しなくてもロベルト・カルロス、カフーのサイド突破やロナウド、アドリアーノの個人突破と他にも攻撃パターンがあるが、フランスはこの二人が機能しないと勝ち目はない。おそらく試合は攻めるブラジル、守るフランスの構図となるだろう。そしてフランスで前線に残るのはジダンとアンリということになる。この二人のホットラインは今大会初めて通じるのだろうか。どちらにしてもブラジルの優位は動かない。フランスは経験と勝負強さでどこまで善戦することが出来るか。ブラジルは8年前のリベンジをしなくてはいけないだろう。

決勝トーナメント 三日目

2006年06月27日 23時43分24秒 | Weblog
今日のカードはイタリア対オーストラリア、そしてスイス対ウクライナ。それぞれのカードを振り返ってみよう。
イタリア対オーストラリア。イタリアは苦戦した、勝って当たり前の相手に。試合開始から試合をコントロールしていたものの、ツートップのジラルディーノとトーニのミスは相手GKシュウォーツァーに全て止められた。そして後半開始すぐにマテラッツィが一発レッドカード。ファール自体はそれ程ひどいものではなく、イエローカードが妥当なプレーだっただろう。そしてこのプレーが最後のプレーに繋がったのではないだろうか。最後はイタリア右サイドバックのグロッソが倒され、PKを得る。このファールもグロッソがもらいに行った感が強く、微妙な判定だった。ただ審判にとって先ほどイタリアに厳しい判定を下してしまったため、ここはイタリアに甘めの判定になったのではないだろうか。オーストラリアは悪くないプレーをしたが、ビドゥカに質の良いパスが入らなかった。その為、攻撃はブレシアーノのサイドに頼ることが多くなった。残り10分は押せ押せだったが、最後は判定に泣いた。
スイス対ウクライナ。おそらく今回の決勝トーナメント一回戦でもっとも地味なカードである。試合は予想通り、拮抗した展開となった。シェフチェンコのシュート、フレイのFKはポストに嫌われ、最終的にはPK戦にも連れ込み、ウクライナが制した、スイスはPK戦で二人がGKに止められ、一人が枠を外したため勝てる訳なかった。まぁ試合的にも五分五分の展開ではあったものの、決定的なチャンスはウクライナに多かった。PK戦は運に左右されるとは言え、結果は妥当なものだっただろう。さらにイタリア対スイスよりイタリア対ウクライナの方が、シェフチェンコがイタリアのセリアAでプレーしていることもあり、注目度も高い。この試合の結果が更にドイツW杯の注目度を上げた。
さぁそして上記の通り、準々決勝はイタリア対ウクライナになった訳だが、まずイタリアの優位は動かない。マテラッツィの出場停止の穴はネスタが怪我から復活すれば埋まる。しかも120分戦い抜いたウクライナは体力面も心配だ。ウクライナが勝つ可能性があるとしたら、シェフチェンコの大当たりしかない。シェフチェンコが戦いなれたイタリア最終ライン相手にどんな戦いを挑むか注目である。イタリアは万全の戦いで、準決勝に勝ち進みたいところ。

決勝トーナメント 二日目

2006年06月26日 10時46分52秒 | Weblog
今日のカードはイングランド対エクアドルとオランダ対ポルトガル。
イングランド対エクアドル。チーム名を聞いただけなら、誰もがイングランドが勝つ、そう思うはずだ。しかし、そのイングランドは苦戦を強いられた。まず問題だったのはオーウェン欠場による新フォーメーション。ワントップにルーニーを置き、中盤は右にベッカム、左にジョー・コール、真ん中にランパードとジェラードを並べ、その後ろにキャリックをフィルター役として置いた。お世辞にもこのシステムが機能したとは言い難い。エクアドルと五分五分の試合を演じたことが、その証明だろう。しかし、そんな試合に決着をつけたのはベッカムの右足。後半にFK一発でエクアドルを沈めた。しかし、今後もこのシステムを採用するのかは不明だ。ルーニーは横にクラウチがいたほうが、心地よくプレーできるだろう。そしてキャリックの存在にそこまでの意味があったかも分からない。いつもの4-4-2が良いのではないだろうか。エクアドルは悪くない試合をしたが、試合を決定付ける何かを持っていなかった。イングランドのベッカムの右足、ブラジルのロナウジーニョのテクニック、オランダやポルトガルのサイド・アタックのような何かが。ただエクアドルはここまで進出しただけでも十分なアピールになった。南米でブラジル、アルゼンチンに続く存在になりつつある。
そしてオランダ対ポルトガル。壮絶な試合となった。何しろ警告16枚、退場4人。ちなみに退場4人はW杯新記録。そんな試合を制したのはポルトガル。オランダのW杯はここで幕を閉じた。オランダにとって痛かったのはサイド、特にロッペンが止められたこと。対峙したミゲルに縦の突破は全て止められた。そしてスリートップの中心で起用したカイトは機能したものの、ファン・ニステルローイと比べて怖さ、決定力に欠けていた感があった。今大会ファン・ニステルローイの不調でカイトを起用することになったが、最後に彼を欠いたときの決定力の欠如がオランダにとっての落とし穴になった。対するポルトガルは良く耐えた。コスティーニャが退場し、その後10対10になったかと思えば、今度はデコの退場。終了間際に9対9になったものの、数的不利の時間が長かった。最後は前線にシモン一人だけで、あとはボランチと最終ラインだけで守りきった。耐えに耐えたポルトガルの勝利だった。

そしてイングランドとポルトガルが準々決勝で対戦することになった訳だが、まぁ優位なのはイングランドだろう。何しろポルトガルはデコとコスティーニャが出場停止、さらにクリスティアーノ・ロナウドとリカルド・カルバーリョも怪我で出場できるか分からない。最後までディフェンスに走り回った為、体力面の心配もある。もし中盤の構成がマニシェ、ペチート、チアーゴ(又はビアーナ)、フィーゴ、シモンであれば、イングランドに中盤の構成力で劣るのは明らかだろう。特にデコの穴は大きい。そしてクリスティアーノ・ロナウドの怪我の具合も鍵になりそうだ。それに対してイングランドはどんなシステムで臨むかが鍵になりそうだ。ワントップではルーニーは機能しない。ツートップがベストだろう。

決勝トーナメント 一日目

2006年06月26日 00時08分10秒 | Weblog
今日行われたカードはドイツ対スウェーデン、アルゼンチン対メキシコ。それぞれを振り返ってみよう。
まずドイツ対スウェーデン。最初に結果を言ってしまうと、2-0で開催国のドイツがベスト8に勝ち進んだ。この試合スウェーデンにとって三つの誤算があった。一つ目は前半開始すぐに2失点してしまったことだ。相手が開催国のドイツということもあり、声援は物凄く、その状態に慣れる前に失点してしまった。二つ目は前半途中にルチッチが二枚目の警告で退場になってしまったこと。ほぼ60分を一人少ない状態で戦うことになり、それではドイツ相手に勝つことは難しい。そして三つ目が後半のラーションのPK失敗。もしあのPKを成功していれば、点差は1。スウェーデンにも勢いがついただろう。しかし、逆にPKをミスしたことによって、チームは諦めムードになってしまった。さすがに三つも誤算があってはスウェーデンに勝ち目はなかった。対するドイツは強さを見せた。特に前線の二人は自由に動き回り、クローゼの動きからポドルスキが2得点。理想の展開だった。ただまだベスト8。次の試合が鍵になりそうだ。
アルゼンチン対メキシコは今大会初めて延長戦に突入した。そしてマキシ・ロドリゲスの得点でアルゼンチンが勝利を収めた。試合前はアルゼンチン優位の評判だったが、意外にも試合をコントロールしたのはメキシコ。独特の短く素早いパス回しと、ねちっこいディフェンスはアルゼンチンを苦しめた。アルゼンチンはボールを回すだけで苦労し、特に前線にボールが収まらないことで、攻め手が見つからなかった。しかし、後半前線をテベスとメッシを入れたことによって、相手は混乱。そしてそのことにより、中盤のマークが甘くなった。そして、マキシの決勝弾。苦戦したものの、しっかり勝つところがアルゼンチンの強さである。メキシコはあのアルゼンチンを寸前まで苦しめただけでも大したもの。メキシコは満足しないだろうが、十分に世界に強さを見せ付けた。
この結果により準々決勝のカードはドイツ対アルゼンチンに決まった。問題はアルゼンチンが延長にもつれ込む接戦を戦ったのに対して、ドイツは比較的疲れずに試合を制したことだ。体力的にはドイツ優位だ。ただドイツはスウェーデンが苦しんだ大声援にはさほど苦しまないだろう。ほとんどのメンバーは既に世界大会を経験済みであり、特にセンターバックのアジャラをエインセは相当堅い。問題はアルゼンチンがどのツートップで試合に臨んでくるかだろう。ドイツにとって都合が良いのはクレスポとサビオラのコンビである。高さには自信があるし、渾身的なサビオラのほうが相性がよい。ただもしテベスとメッシで来たら、明らかにドイツは苦労する。メッシのスピード、テベスの貪欲にゴールに進む姿勢をドイツ最終ラインが止められるとは思えない。アルゼンチンにとってツートップのコンビが鍵になりそうだ。ドイツで鍵となるのはバラックである。おそらくツートップは屈強なセンターバックに苦労するだろう。そのためマスケラーノと対するであろうバラックの働きが重要になる。もしマスケラーノに存在を消されるようでは勝ち目はない。バラックが輝くか、それともアルゼンチンのツートップが輝くか、注目はここにある。

W杯出場国ランキングと決勝トーナメント一回戦

2006年06月24日 11時54分37秒 | Weblog
まずW杯ランキングだが、グループリーグの対戦が終わり、それぞれの国の実力をランキングに現してみた。別に試合に勝ったから強いわけではなく、負けたからランキングが低いわけではない。想いっきり独断と偏見で成り立っている。まぁ、まずランキングを見て欲しい。

1位 アルゼンチン
2位 スペイン
3位 ブラジル
4位 コートジボワール
5位 オランダ
6位 イタリア
7位 ガーナ
8位 ポルトガル
9位 メキシコ
10位 チェコ
11位 イングランド
12位 ドイツ
13位 スウェーデン
14位 セルビア・モンテネグロ
15位 オーストラリア
16位 アメリカ
17位 フランス
18位 ウクライナ
19位 エクアドル
20位 パラグアイ
21位 スイス
22位 韓国
23位 クロアチア
24位 チュニジア
25位 トーゴ
26位 イラン
27位 ポーランド
28位 日本
29位 サウジアラビア
30位 コスタリカ
31位 アンゴラ
32位 トリニダッド・トバコ

どうだろうか。はっきりいって1位、2位は説明するまでもないだろう。圧倒的な攻撃力、しっかりとした守備、そして分厚い選手層、グループリーグでは半端ない強さを発揮した。ただグループリーグにピークが来た感は否めない。この勢いは持続するのか。
3位は大本命ブラジル。やっと調子が上がってきた。ロナウドも最終戦の日本戦で2得点。ついにW杯最多得点に並んだ。まだまだ調子は上がっていくだろう。
4位は以外かもしれないがコートジボワール。グループリーグ敗退となってしまったものの、アルゼンチンに対しても、オランダに対しても試合自体は押していた。今大会一番インパクトがあったチームだった。
5位から12位ぐらいまでは本当に迷った。ただチームとして組織しつつ、ウィングに絶大な強さがあったオランダを5位。アフリカらしい速さを持ったガーナを6位。そのため、イタリアは7位。ネスタの怪我が気になるところである。8位は三連勝のポルトガル。グループリーグ二試合でデコを欠いたものの、結果を残した。最終ラインがすこし脆いのが気がかり。メキシコは巧いが、強さに欠けるか。ボルヘッティが戻って、どう変わるか。10位のチェコはスタメンが出場できたアメリカ戦は圧倒的な強さを発揮したものの、コラーが欠けた残り二戦は退場者を出し、あっけなく敗れた。ただネドベドやロシツキー、ツェフらの能力の高い選手は集まっていた。コートジボワールと同じくらい残念な敗退だった。11位イングランド、12位ドイツに納得いかない人は多いだろう。それぞれグループ首位。ただ個人的にはイングランドは前線に迫力がなかったし、ドイツは相手に恵まれたことは否定できない事実だった。それぞれ決勝トーナメントで本当の実力が問われることになるだろう。13位スウェーデンはチームとして機能している。実際攻撃はイブラヒモビッチやラーション、リュングベリ頼りだが、それで勝てるとこがスウェーデンの強さ。決勝トーナメントも期待できそう。
14位から23位ぐらいまでは紙一重の実力差である。セルビア・モンテネグロはあまりにもグループ分けがついていなかった。あの3チームが相手では本来の実力を出すことは出来なかった。オーストラリアやアメリカはチーム力が高い。オーストラリアは試合途中からケネディやブレシアーノを投入して、攻撃的になる様は見ていて、迫力があった。アメリカはスーパースターがいないものの、強いチームだった。このチームもグループ分けがついてなかった。フランスはがっかり。ポテンシャルはベスト5に入るものの、ジダンやアンリを生かせていない。たぶん監督の問題だろう。このままでは優勝は夢と消えるだろう。ウクライナやパラグアイ、スイス、クロアチアは似たチームだ。まず土台に守備があって、そこにプラスアルファがある。ウクライナはシェフチェンコがいるため、順位が比べて高めになった。エクアドルは決勝トーナメント進出したものの、勝った相手はポーランドとコスタリカ。まだエクアドルの力は分からない。韓国はアジア一番の評価。しかし、それでも決勝トーナメントには進出できなかった。パク・チソンはいまやアジア1の選手である。それを証明した大会になった。
24位以下は、弱いチームだった。チュニジアはチームとしてはまとまっているものの、強さはなく、トーゴは身体能力が高いものの、チームとしての連動性に欠けた。イランは主力選手の調子が悪く、本来の実力を発揮することは出来なかった。ポーランド、サウジアラビア、コスタリカ、アンゴラ、トリニダッド・トバコはやっぱり弱かった。説明はない。これならカメルーンやデンマークが見たかった。そして、最後に日本。ジーコの目指す個人主義のサッカーでは日本には限界がある。チームとしてどれだけ強くなれるか、それが大切になるだろう。

そして決勝トーナメント。カード別に占ってみよう。
まずドイツ対スウェーデン。おそらくドイツ優位と思われているが、そうは思えない。ドイツはグループリーグで見事な戦いぶりをみせたものの、相手が弱すぎた。スウェーデンはイングランドとも引き分けたように、簡単には負けないチームである。ドイツにはホームで戦えるというアドバンテージがある。それでも実力差はわずか。ここで開催国の夢が潰える可能性も高い。スウェーデン55:ドイツ45といったとこだろう。
アルゼンチン対メキシコ。強さのアルゼンチンに対して、巧さのメキシコ。ただ苦戦はあっても、この段階でアルゼンチンが負けることは考えにくい。何しろベンチにはメッシやテベス、アイマールが控えるわけである。しかも守備もアジャラ、エインセ、マスケラーノを中心に万全。メキシコはとにかく離されることなく、ついていけたら試合終了10分前ぐらいからチャンスがあるかも。波乱は考えにくい試合だ。アルゼンチン85:メキシコ15が妥当だろう。
イタリア対オーストラリア。意外な好ゲームが期待できそう。イタリアはネスタが怪我から復帰できるかが鍵になりそう。何しろビドゥカとキューエル二人をカンナバーロだけで止めるのは至難の業。問題はオーストラリアの守備陣がどこまでイタリア攻撃陣を止められるか。オーストラリアがトッティやジラルディーノ、トーニを相手に無失点は考えにくい。だからこそ、オーストラリアの攻撃が鍵となる。ただカテナチオ相手に何点も奪えるものではない。イタリア優位は動かない。イタリア65:オーストラリア35ぐらいだろう。
スイス対ウクライナ。似たチーム同士の対戦だ。どちらもまず守って、速攻が持ち味。決定的な違いはシェフチェンコの存在。ただスイスはアンリを抑えた。延長やPKになる可能性も大いにある。延長になればスイス優位だ。チーム力では若干だがスイスが上回る。この試合はスイス50:ウクライナ50の五分五分。どちらが勝ってもおかしくない。
イングランド対エクアドル。イングランドは相手に恵まれた。ただ勝って当たり前のプレッシャーに負けなければ良いが。ジェラードとランパードの役割分担が鍵になるだろう。二人が共に上がってしまうようでは、速攻でやられる可能性もある。イングランド65:エクアドル35ってとこだろうか。
オランダ対ポルトガル。それぞれウイングに特長があるチーム。ロッペン、ファン・ペルシー、フィーゴ、クリスチアーノ・ロナウドの競演が見所だ。ディフェンスはオランダが上、中盤はポルトガルが上。鍵となるのはフォワード。パウレタとファン・ニステルローイ。調子が良いのはパウレタ。その分、ポルトガル優位か。オランダ45:ポルトガル55が、良いとこだろう。
ガーナ対ブラジル。これもいい試合になるはずだったが、ガーナのエッシャンが累積警告で出場停止。やはりブラジルが勝つ可能性が高い。この試合あたりにピークをもってくるのではないだろうか。ブラジルの大差での勝利もあり得る。ガーナはひたすら守ることが重要だ。ブラジル75:ガーナ25、ガーナの身体能力にも注目だ。
そしてラスト、スペイン対フランス。スペインは本当に運がない。なぜグループリーグ一位でフランスと対戦しなくてはいけないのか。しかもフランスの調子は上がってきている。確かにスペインが優位だ。しかしマケレレやビエラ、ジダン、アンリは侮れる相手ではない。問題になるのはフランスのスタメンだろう。前四人がジダン、リベリー、アンリ、トレセゲなら勝てる可能性はある。他ならほぼノーチャンスだ。スペインの鍵はシャビをどれだけフォローできるか。確率はスペイン55:フランス45あたりか。決勝トーナメント一回戦のハイライトとなるだろう。


もう足は動かない

2006年06月23日 06時05分06秒 | Weblog
現在日本対ブラジル、後半38分。得点は4-1、ブラジルリード。これでも先制したのは日本だった。三都主のパスに玉田が思いっきりの良いシュート、まさかのブラジルに対しての先制弾だった。しかし前半ロスタイムに追いつかれると、後半は防戦一方。立て続けに三失点。そこで日本のW杯は終わった。
日本の負けた原因はいろいろあるだろうが、まず前半ロスタイムの同点弾で集中力が切れたこと。そして、前半飛ばしたことによる体力切れ。もう日本代表の足は動かなかった。もし日本がリードして折り返していたら、まだ足も動いただろう。しかし追いつかれた状態から、日本がブラジル相手に得点を奪うのは、やはり精神的にもきつかった。
ただ前半の日本のプレーはこのW杯の中で一番良いプレーをしていた。なにより気持ちが入ったプレーだった。だからこそ、ブラジルの猛攻に耐えられたし、リードすることも出来た。今日の試合でジーコは初めてスタメンを変えた。いつもの面子からボランチに福西に代えて稲本を入れ、前線は巻と玉田。そして累積警告で出場停止の宮本に代わり坪井を起用した。稲本は激しいプレス、巻は前線での体を張ったプレー、玉田はドリブルとそれぞれ長所は出ていた。ジーコの試みは成功したと言って良いだろう。そして選手交代はまず、小笠原に代えて中田浩、巻に代えて高原を投入。しかし高原が怪我で途中交代を余儀なくされ、仕方なく大黒投入。ジーコとしては三人目のプランを他に考えていたに違いない。しかし高原の負傷で全てが狂った。
日本の問題点はどこにあったのか。まずロスタイムの失点で集中力が切れてしまったこと。ハーフタイムでしっかり気持ちを切り替える必要があった。そして二失点目だが、川口はせめて手に当てなくてはいけなかった。相手のロングシュートは無回転で強烈だったが、手の届く範囲だった。あれは川口のミスである。川口は大会を通して、良い活躍をしたが、同じように致命的なミスもあった。GKに大切なのは安定感なのである。そして高原の負傷。負傷なんて仕方がない、と言う人もいるかもしれないが、怪我をしないのも一流選手である。しかも途中出場のあんな短い時間で怪我をするのは情け無さ過ぎる。ドイツW杯の高原は完全に評価を下げた。一言で言うと、気持ちの入っていないプレーを繰り返していた。そして最後に点を獲らなくてはいけない状態で、最終ラインを押し上げることが出来なかった。そのため、相手にスペースを与え、簡単にボールを回させることになってしまった。やはり無理してでもラインを上げて、ボールを奪いに行くべきだった。それが勝ちに行く姿ではないだろうか。
まぁ日本とブラジルの間には雲泥の差があった訳で、やはりこの試合に賭けるという状態になってしまったことが一番後悔すべきことだった。本気のブラジルに勝つことなんて、宝くじ並みの確率なのだ。オーストラリア戦もクロアチア戦も勝てる試合だった。もし守りきれていたら、もしあのシュートが入っていたら、言い出したら切りがないが、やはり勝つべき試合は最初の二試合だった。
日本のW杯はここで終わったが、逆に今からが次の四年間のスタートなのだ。四年後の同じ舞台に立てるかは分からないが、それを決めるのが今からどう動くかなのだ。落ち込んでいる暇はない。強くなるしかない。もう同じ過ちを繰り返してはいけない。

チェコのW杯は終わった

2006年06月23日 00時08分47秒 | Weblog
現在グループリーグE組の第三戦、イタリア対チェコのハーフタイムである。しかし、チェコのW杯は終わった。引き分けでも多少の可能性はあるものの、チェコにとってこの試合は勝たなくてはいけない試合だった。しかし、チェコは現在0-1のビハインド。一点ぐらい何とかなる、そう思っている人もいるかもしれないが、ハーフタイムに入る直前、チェコの選手が一人退場になったのだ。はっきり言って、これで全ては決まった。チェコのW杯は終わった。
今回のW杯はチェコにとって久々のW杯。それでも優勝候補に挙げられるほど、力は充実しているはずだった。第一戦はアメリカに対して3-0と完勝。しかしこの試合でチェコはエースのコラーを失う。そして第二戦、コラーを欠いたチェコは自らの姿を失った。試合途中にウルファイシが馬鹿げた抗議で退場になり、0-2でガーナの前に敗れた。そして第三戦、コラーは未だ戻って来られず、代わりにバロシュが戻ってきたものの、所詮バロシュもコラーの代わりに過ぎない。チェコは未だに本当の姿を取り戻せていない。そしてハーフタイム直前のポラクの退場。
なぜそこまでコラーが重要かというと、まずコラーには高さ、そして足元の巧さがある。その為、ポストプレーで攻撃の柱になる。しかもポポルスキーやヤンクロフスキーがいいクロスをあげてくるため、貴重な得点源にもなる。さらにそれでコラーにマークが集まれば、ネドベドやロシツキーのマークが空き、ロングシュートからも得点を奪うことが出来る。ここまでの相乗効果があるからこそ、コラーが必要なのである。この大会でコラーの代わりをしているロクベンツやバロシュは代わりになりきれていない。ロクベンツには足元の技術が足りず、ポストプレーをこなせていないし、バロシュは高さが足りず、チームの戦術にマッチしているとは言い難い。
しかも第二戦、第三戦、2試合続けて退場者を出した。しかもウルファイシは抗議で、ポラクはロスタイムのファウルでと、いらないファウルだった。もったいない、正しくそんな感じだ。一人少ない状態で相手に勝つというのは至難の技だ。チェコは常にその状況に自らの手で追い込んでいる。これでは勝てない。
この大会が始まる前、自分は密かにチェコに期待していた。もしかしたらブラジルの決勝の相手はチェコではないかと思っていた。しかしチェコはグループリーグで消えた。敗因はコラーの代役の不在と、いらないレッドカードである。久々のW杯はチェコにとって忘れがたいものになっただろう。

ヒート初優勝

2006年06月21日 21時02分04秒 | Weblog
今年のNBAファイナル第六戦、ヒートがマーベリックスを接戦の末下し、初めての栄冠を手にした。初戦から二連敗したもの、ホームに戻って勢いを取り戻し、まさかの四連勝。マーベリックスはヒートの勢いを止めることが出来ず、最後はホームでも破れ、NBA優勝はまたも夢と消えた。
ではヒートの何が良かったのか。まずいうまでもないのがMVPを受賞したウェイドの活躍だ。ヒートが四連勝している間、ウェイドは平均40近い点を叩き出した。シーズン中からウェイドとシャックの二枚看板と言われていたが、このシリーズは明らかにウェイドが柱になった。というのも、シャックに対してマーベリックスはディオップとダンピアーという屈強なディフェンダーを交代させながら、マークにつけてきた。しかもボールを持つと、ダブルチームをして、シャックに自由なプレーをさせなかった。そのため、シャックは試合を決める活躍をすることが出来たとは言えない。しかしダブルチームされた状態から決定的なパスを何度も提供し、ウェイドを筆頭にチームメートは点を稼いだ。そしてウェイド。今まで同世代でレブロンの次の存在と見られることが多かったが、この活躍で一気に評価でレブロンを抜いた形だ。レブロンやカーメロより先にNBAファイナルで優勝し、しかもMVPにまで輝いた。いまやこの世代のキングはウェイドである。しかし、言うまでもないがこの活躍はレブロンやカーメロを触発したことだろう。彼らの来シーズンの活躍を期待したい。このシリーズ、ウェイドが素晴らしかったのは、外からのシュート、ドライブイン、どちらも高確率で得点していたことだ。そのため、相手のディフェンスはマークを絞ることが出来ず、ウェイドに好き勝手にプレーさせることになった。ただ最後に加えておくが、レブロンと比べて、チームに恵まれている感は拭えない。レブロンがキャバリアーズで飛びぬけた存在であるのに比べて、ヒートにはシャックというダブルチームをしなくてはならない存在がいる。そのため、ウェイドがダブルチームにあうことはほとんどない。しかしレブロンは毎試合のようにダブルチームされる。まだ一概には二人を比べることは出来ないが、唯一確かなのはこのシリーズのウェイドが素晴らしいプレーをしたことだ。誰よりも存在感があり、誰よりも止まらないプレーヤーだった。ウェイドは完全にこれでスーパースターの仲間入りをした。ここ10年間でNBAのMVPを獲得したのはマイケル・ジョーダン、シャック、ダンカン、ビラップスだ。そしてジョーダンは6回、シャックとダンカンは3回ずつMVPを獲得している。ウェイドもこんなレジェンド選手たちに肩を並べるような選手になれるか。それは来シーズンが一つの目安になるだろう。おそらくマークも厳しくなることが予想される。ウェイドは来シーズンも同じレベル、そしてそれ以上の活躍が出来るか注目される。
そしてヒートといえば、ウェイドとノウィッツキーに注目されがちだが、忘れてはならない選手がいる。それはモーニング、ペイトン、そしてウィリアムスだ。モーニングとペイトンは言うまでもなくベテラン中のベテラン。今でもスタメンを張れる選手であるものの、あえてNBAチャンピオンズ・リングを獲得するために選手層の厚いヒートにやってきた。そして今回のファイナルではペイトンは試合を決めるシュートを沈め、モーニングは最終戦シャックから活躍の場を奪い、何度もブロックで相手の攻撃を跳ね返した。この二人の地味な活躍があってこそのヒートの優勝だった。
そしてウィリアムス。キングスでのルーキーシーズンは派手なプレーで有名になったが、ターンオーバーも多かった。しかしウィリアムスは派手な選手から勝てる選手になった。確実なボールハンドリング、そして的確なパス・チョイス。そしてチームの流れが良くないときにはドライブやスリーポイントで点を重ねる。このシリーズ、ウェイドとシャック以外の選手のシュートが不安定な中でウィリアムスは第三の攻撃オプションとなっていた。ウィリアムスの成長は目を見張るものがあった。彼こそが影のMVPだったと言えるだろう。
そして負けたマーベリックス。最初の二戦までは言うことがないほど、完璧な試合運びだった。それぞれテリー、スタックハウスがラッキーボーイ的な活躍を見せた。慢心があったとは思わないが、マイアミに移動してから、急に勢いを失った。エースのノウィッツキーのシュート・タッチは明らかにおかしかった。そしてそこから四連敗。ただ負けた敗因がノウィッツキーにあるとは思わない。ヒートでノウィッツキーのマークに付いていたのはハスレムとポージーというディフェンスが評価されている選手たちだ。当然そんな選手たちにマークされてノウィッツキーがいつものプレーをするのは難しい。それでも第五戦、第六戦では重要なところで何本もシュートを決めた。やはりノウィッツキーはエースであり続けた。他にもテリーやハワードのシュートに安定感がなかったことや、スタックハウスの出場停止、マイアミでのヒート寄りのジャッジなどいろいろ敗因はあると思うが、やっぱり一番大きな問題はウェイドを止められなかったことだろう。
マーベリックスの選手の中でディフェンスが評価されているのは、ディオップとハワードぐらい。しかしディオップはシャックのマークに付き、ハワードは攻撃の第二オプションでもあるため、ファールアウトが怖く、ウェイドのマークにつけることが出来ない。そのため、ウェイドのマークにはグリフィンやハリスが付いていたが、グリフィンではドライブインに付いていけず、ハリスでは高さが足りなかった。もしマーベリックスにボウエンのような選手がいたら、流れも変わっていただろう。最終戦の最後に活躍を見せたマーカス・ダニエルズにはそう成長しうる可能性を感じさせた。まだ三年目、ジョンソン監督にとっても来季は彼がキーになるかもしれない。
まぁヒートの優勝は決まり、ウェイドはスーパースターの仲間入り。優勝したことでシャック、モーニング、ペイトン、ウォーカー達の去就が気になるとこだが、それは二の次。今はヒートの優勝だけ語れば良いか。おめでとう、ヒート。

弱いフランス

2006年06月19日 10時46分36秒 | Weblog
フランスはもう強豪ではない。スイス戦、韓国戦を見て、そう思わずにはいられなかった。ディフェンスはある程度組織されているものの、相手が人数をかけて攻めてくると止めることは出来ない。そして攻撃はチームをして機能しているとは言い難く、アンリとジダンの閃きに頼ったものとなっている。これでは勝てない。8年前にフランスがW杯を制したときには、ジダンが抜群の存在感を持ち、守備はフォーバックにスリーボランチが機能していた。
まず問題はドミニク監督にある。現在のフランスの布陣はGKがバルデス、最終ラインは左からアビダル、ギャラス、テュラム、サニョル。中盤はボランチにマケレレとビエラが並び、その前にジダンとリベリー、又はマルダが位置する。前線はエースのアンリとウィルトールの組み合わせになっている。問題はまずGKにある。普通W杯のスタメンを決めるに当たって、大切になるのは前シーズンの成績である。そして成績なら完全にクーペがバルデスを上回っている。にも関わらず、ドミニクはなぜかバルデスを起用する。バルデスの実績を評価していると語るが、はっきり言ってバルデスに8年前の安定感があるとは言えず、クーペを起用するべきだっただろう。W杯第二戦となった韓国戦の失点は今季調子の良かったクーペでは止められたのではないかと思えた。さらにコーチングという点でも問題がある。最終ラインとGKの間に相手のパスが出た場合、バルデスが飛び出しを躊躇するシーンが目立っている。その為、センターバックのギャラスとテュラムにかかる負担が大きくなっている。フランスは三戦目からでもクーペを起用すべきである。
さらに前線がアンリとウィルトールになっているが、これも大きな問題がある。ドミニクはおそらくアンリとトレセゲをベストだと考えているっぽいが、このコンビは今まで結果を出してきたとは言えず、仕方なくトレセゲを諦め、ウィルトールを起用している。しかし、なぜウィルトールなのか。ここはサハを起用すべきではないのか。ウィルトールは経験こそあるものの、得点力が高いとは言えず、相手にとってもそれ程怖い存在ではない。サハは今季所属しているマンチェスターでもファン・ニステルローイからポジションを奪い、見事な活躍を見せていた。しかも決して自己中心的にプレーすることはなく、利他的なプレーをすることもエースのアンリのパートナーにマッチするだろう。しかし、なぜかドミニクはウィルトールを起用する。正しく不可解である。
他にも選手選考の時点でジュリやピレスを落としたことも理解に苦しむが、もうこれは今言ってもしょうがない。ただ第三戦でジダンが累積警告で出場停止になっているが、ここで誰を代わりに起用するのか。おそらく前線を頑なにアンリとウィルトールのコンビを起用するため、中盤はリベリーとマルダを起用するだろう。ただもしここにジュリとピレスのコンビがいれば、明らかに相手にとっていやな相手だろう。ドミニクはこのW杯が終わった時点で代表監督を外されるのは確実である。
今のフランスを見ていて思うのは、ボールキープをしていても、何のためにボールキープをしているのか意図を感じることが出来ない。ブラジルやアルゼンチンのように攻撃の土台となるボール回しをしている訳ではなく、ただ時間稼ぎのためにボールを回しているような印象を受ける。しかも速くもなく、安定感もない。特にジダンのところでスローダウンしてしまうため、展開にスピードはない。
このような戦いをフランスが続けるようであれば、フランスはグループリーグで消える可能性も大いにある。もしグループリーグを突破してもベスト8が良いとこだろう。それぐらい今のフランスには輝きがない。韓国国内ではフランスに引き分けて、よくやったと沸いていることだろう。ただこんなフランス韓国なら勝ってても良かったぐらいだ。フランスはもし決勝トーナメントに進出するとグループEのチームと対戦する。イタリアかチェコかガーナ、それともアメリカが大逆転で来るのか。ただ明らかにどのチームもフランスより強い。フランスはもう強豪ではない。