ここまで残ったチームは4チーム。32チーム参加し、残っているのは4チームだけ。そこにはブラジルもアルゼンチンもオランダもイングランドもいない。準決勝のカードはイタリア対ドイツ、そしてポルトガル対フランス。
イタリア対ドイツ。予想ではカテナチオのイタリア対攻めるドイツという構図だった。しかし、試合が始まると、その構図が間違いだったことに気付く。この試合イタリアはワントップで臨んだ。前にトーニを置き、トップ下にトッティ。そして左にペロッタ、右にカモラネージ、底にガットゥーゾとピルロを並べた。一見守備的なフォーメーションに見えるが、攻撃時になると左右の中盤とピルロは前線に駆け上がる。更にサイドバックのグロッソとザンブロッタも時を見て果敢なオーバーラップを見せた。完全に守りに専念しているのはセンターバックの二人とガットゥーゾだけ。対するドイツはフリングスが出場停止の為、代わりにケールを起用。更に疲れが目立つシュバインシュタイガーに代えてボロウスキを中盤の左サイドに置いた。試合をコントロールしたのはイタリア。ドイツはツートップ、特にクローゼが相手センターバックに潰され、なかなか攻撃の形が見えなかった。頼みのバラックもコンディションが良いとは言えず、守勢に回ることが多くなった。イタリアがピルロを中心にボールを回す。前線のトーニも前こそ向かせてもらえなかったものの、体を張ったポストプレーで溜めを作った。しかし、どちらも強固なセンターバックと世界に名をはせるGKが完璧な壁となって立ちはだかる。90分間得点が入ることはなかった。こういう試合で鍵となってくるのは選手交代である。両チームとも攻撃的な選手交代を見せる。ドイツはオドンコール、シュバインシュタイガー、ヌビル。イタリアはジラルディーノ、イアキンタ、デルピエロを投入。攻撃的な選手のみピッチに送り出された。ただより攻撃的だったのはイタリアの選手交代だった。ドイツがそれぞれのポジションで交代したのに比べて、イタリアは中盤にFWを組み込んでいった。最終的にはほぼスリートップ体制になり左からデルピエロ、ジラルディーノ、イアキンタと並べ、その後ろにトッティとピルロ。ボランチはガットゥーゾ一人に任せて、サイドバックもがんがん上がる。そしてその超攻撃的フォーメーションが延長終了二分前に実を結ぶこととなった。CKのこぼれ球をピルロがキープして、前に残っていたグロッソにスルーパス。それをこれ以上ないシュートでレーマンの壁を破った。残り一分となったドイツは捨て身の攻撃を仕掛ける。しかしイタリアは守って、カウンターを試みる。前線でジラルディーノがキープし、デルピエロに決定的なラストパス。これをデルピエロ・ゾーンからしっかりと沈めた。最終スコアは2-0、イタリアが制した。開催国ドイツはここで姿を消すこととなった。イタリアが見せた、攻めようとする姿勢が勝利を呼び込んだ。
ポルトガル対フランス。どちらも予想通りのフォーメーションワントップにその後ろに三枚並べて、ボランチは二枚。いつも通りのフォーメーションである。この試合は先に結果を言ってしまおう。1-0でフランスが勝利。アンリがPKを得て、ジダンが蹴りこんだ。PKで試合が決したことからも分かるように、試合としてはあまり面白くなかった。つまらなかったのはフランスに責任がある。フランスは前半ボールキープから、アンリがPKを得て、一点リードする。そしてその後はその一点を守りに行った。前にいるのはジダンとアンリだけであり、面白みに欠けた。対するポルトガルは前半から攻めようとするものの、どうも空回りしていた。原因は人数差にあった。相手がGK合わせて9人で守っているのに対して、ポルトガルで攻めているのは4人だけ。しかもトップのパウレタに切れがなく、デコ、クリスティアーノ・ロナウド、フィーゴも孤立していた。上がるべき選手だったマニシェはいつもの攻撃的な姿勢を見せず、ポルトガルの攻撃は個人技しかなかった。それでもドリブルで崩せるところがポルトガルの凄いところだが、何しろペナルティー・エリア内の人数が少ない為、ゴールに繋がらない。もう一つポルトガルが痛かったのは、ここまで安定したプレーを見せていたリカルド・カルバーリョにミスが多かったことだ。全体的に雑なプレーが多かった。疲れから来るものだろうか。決勝点となったPKもリカルド・カルバーリョが与えてしまったものである。守備の要が崩壊し、自慢の攻撃陣も抑え込まれたポルトガルに勝つ術は残っていなかった。対するフランスはテュラムを中心とした固いディフェンスと、個人技から得たPKで決勝への出場権を得た。面白い試合ではなかったが、これもW杯である。
この結果、三位決定戦はドイツ対ポルトガル。決勝はイタリア対フランスに決まった。まず三位決定戦から話すと、モチベーションが高いのはドイツだろう。開催国として、最低でも三位には入っておきたいところ。クローゼやポドルスキも得点王争いをしているため、どんどん攻めてくる可能性が高い。フリングスも出場停止が解け、いつもの形に戻る。GKはカーンを起用するかもしれない。対するポルトガルは、モチベーションがかなり落ちてそうだ。負傷しているクリスティアーノ・ロナウドやフィーゴを無理して出場させるだろうか。ただこの試合はどちらも守りきりたいという試合ではない。壮絶な攻め合いとなるだろう。おそらく決勝よりも面白い試合になる。
そして決勝。どちらもがっちり守ってくるだろう。おそらくつまらない試合となる。では、どちらが優位かと考えると、優位なのはイタリアである。鉄壁の守備は言うまでもなく、さらに中盤の底に位置するピルロが利いている。トップ下に位置するであろうトッティを含めて、攻撃の起点が二つあるのは大きい。前線のトーニもポストプレーで貢献している。途中交代の駒もデルピエロやイアキンタ、インザーギと豊富だ。この試合からデロッシも出場できる。イタリア優位は動かない。フランスは守備こそ堅いものの、攻撃の形がない。前線のアンリが機能しているとは言えず、ジダンやリベリーの突破頼みである。フランスが勝つためには先制点を奪うしかない。そして守っての速攻狙い、それしかない。
この試合鍵を握るのはやはり先制点だ。イタリアが先制点を取れば、おそらく決まりだ。イタリアが優勝するだろう。ただフランスが先制点を取ると、試合は面白くなる。何しろイタリアには攻撃の駒がたくさんいる。この先制点に注目して決勝戦を見てみたい。
イタリア対ドイツ。予想ではカテナチオのイタリア対攻めるドイツという構図だった。しかし、試合が始まると、その構図が間違いだったことに気付く。この試合イタリアはワントップで臨んだ。前にトーニを置き、トップ下にトッティ。そして左にペロッタ、右にカモラネージ、底にガットゥーゾとピルロを並べた。一見守備的なフォーメーションに見えるが、攻撃時になると左右の中盤とピルロは前線に駆け上がる。更にサイドバックのグロッソとザンブロッタも時を見て果敢なオーバーラップを見せた。完全に守りに専念しているのはセンターバックの二人とガットゥーゾだけ。対するドイツはフリングスが出場停止の為、代わりにケールを起用。更に疲れが目立つシュバインシュタイガーに代えてボロウスキを中盤の左サイドに置いた。試合をコントロールしたのはイタリア。ドイツはツートップ、特にクローゼが相手センターバックに潰され、なかなか攻撃の形が見えなかった。頼みのバラックもコンディションが良いとは言えず、守勢に回ることが多くなった。イタリアがピルロを中心にボールを回す。前線のトーニも前こそ向かせてもらえなかったものの、体を張ったポストプレーで溜めを作った。しかし、どちらも強固なセンターバックと世界に名をはせるGKが完璧な壁となって立ちはだかる。90分間得点が入ることはなかった。こういう試合で鍵となってくるのは選手交代である。両チームとも攻撃的な選手交代を見せる。ドイツはオドンコール、シュバインシュタイガー、ヌビル。イタリアはジラルディーノ、イアキンタ、デルピエロを投入。攻撃的な選手のみピッチに送り出された。ただより攻撃的だったのはイタリアの選手交代だった。ドイツがそれぞれのポジションで交代したのに比べて、イタリアは中盤にFWを組み込んでいった。最終的にはほぼスリートップ体制になり左からデルピエロ、ジラルディーノ、イアキンタと並べ、その後ろにトッティとピルロ。ボランチはガットゥーゾ一人に任せて、サイドバックもがんがん上がる。そしてその超攻撃的フォーメーションが延長終了二分前に実を結ぶこととなった。CKのこぼれ球をピルロがキープして、前に残っていたグロッソにスルーパス。それをこれ以上ないシュートでレーマンの壁を破った。残り一分となったドイツは捨て身の攻撃を仕掛ける。しかしイタリアは守って、カウンターを試みる。前線でジラルディーノがキープし、デルピエロに決定的なラストパス。これをデルピエロ・ゾーンからしっかりと沈めた。最終スコアは2-0、イタリアが制した。開催国ドイツはここで姿を消すこととなった。イタリアが見せた、攻めようとする姿勢が勝利を呼び込んだ。
ポルトガル対フランス。どちらも予想通りのフォーメーションワントップにその後ろに三枚並べて、ボランチは二枚。いつも通りのフォーメーションである。この試合は先に結果を言ってしまおう。1-0でフランスが勝利。アンリがPKを得て、ジダンが蹴りこんだ。PKで試合が決したことからも分かるように、試合としてはあまり面白くなかった。つまらなかったのはフランスに責任がある。フランスは前半ボールキープから、アンリがPKを得て、一点リードする。そしてその後はその一点を守りに行った。前にいるのはジダンとアンリだけであり、面白みに欠けた。対するポルトガルは前半から攻めようとするものの、どうも空回りしていた。原因は人数差にあった。相手がGK合わせて9人で守っているのに対して、ポルトガルで攻めているのは4人だけ。しかもトップのパウレタに切れがなく、デコ、クリスティアーノ・ロナウド、フィーゴも孤立していた。上がるべき選手だったマニシェはいつもの攻撃的な姿勢を見せず、ポルトガルの攻撃は個人技しかなかった。それでもドリブルで崩せるところがポルトガルの凄いところだが、何しろペナルティー・エリア内の人数が少ない為、ゴールに繋がらない。もう一つポルトガルが痛かったのは、ここまで安定したプレーを見せていたリカルド・カルバーリョにミスが多かったことだ。全体的に雑なプレーが多かった。疲れから来るものだろうか。決勝点となったPKもリカルド・カルバーリョが与えてしまったものである。守備の要が崩壊し、自慢の攻撃陣も抑え込まれたポルトガルに勝つ術は残っていなかった。対するフランスはテュラムを中心とした固いディフェンスと、個人技から得たPKで決勝への出場権を得た。面白い試合ではなかったが、これもW杯である。
この結果、三位決定戦はドイツ対ポルトガル。決勝はイタリア対フランスに決まった。まず三位決定戦から話すと、モチベーションが高いのはドイツだろう。開催国として、最低でも三位には入っておきたいところ。クローゼやポドルスキも得点王争いをしているため、どんどん攻めてくる可能性が高い。フリングスも出場停止が解け、いつもの形に戻る。GKはカーンを起用するかもしれない。対するポルトガルは、モチベーションがかなり落ちてそうだ。負傷しているクリスティアーノ・ロナウドやフィーゴを無理して出場させるだろうか。ただこの試合はどちらも守りきりたいという試合ではない。壮絶な攻め合いとなるだろう。おそらく決勝よりも面白い試合になる。
そして決勝。どちらもがっちり守ってくるだろう。おそらくつまらない試合となる。では、どちらが優位かと考えると、優位なのはイタリアである。鉄壁の守備は言うまでもなく、さらに中盤の底に位置するピルロが利いている。トップ下に位置するであろうトッティを含めて、攻撃の起点が二つあるのは大きい。前線のトーニもポストプレーで貢献している。途中交代の駒もデルピエロやイアキンタ、インザーギと豊富だ。この試合からデロッシも出場できる。イタリア優位は動かない。フランスは守備こそ堅いものの、攻撃の形がない。前線のアンリが機能しているとは言えず、ジダンやリベリーの突破頼みである。フランスが勝つためには先制点を奪うしかない。そして守っての速攻狙い、それしかない。
この試合鍵を握るのはやはり先制点だ。イタリアが先制点を取れば、おそらく決まりだ。イタリアが優勝するだろう。ただフランスが先制点を取ると、試合は面白くなる。何しろイタリアには攻撃の駒がたくさんいる。この先制点に注目して決勝戦を見てみたい。