ダプール・バリ 神々の島の台所

インドネシア・バリ島から愛をこめて。

芳ばしいバリ

2015-04-16 00:32:42 | 日々雑記
退院したはいいものの、まだ食欲が回復しない娘。
入院中に出された食事もほとんど喉を通らず、痩せてしまいました。

そもそもデング熱の症状のひとつとして「食欲不振」があり、
まして味の薄い病院食を美味しいと感じるはずもありません。

一般的に、健康な身体と味覚を持ったバリ人でさえ「味が薄い」料理というのは苦手です。
初めて食べる人は、普通の和食でも「味がない」とか言ったりします。
時々、影武者でカツ丼に「唐辛子の切ったのを添えてくれ」と注文が来たりしますからね。
スパイスや唐辛子が入っていない料理=味がない、ということなんでしょうか。

バリの文化・慣習・言語のエキスパートだったアメリカ人の学者 Fred B. Eiseman(1926 –2013)が遺した著書に
「Bali - Sekala & Niskala」という本がありまして・・・



その中にこんなことが書かれています。

『バリ人には、6つの大事な味覚がある。それは、
「甘い」 manis マニス
「しょっぱい」 pakeh パカー
「苦い」 pahit パイッ
「辛い」 lalah ララー
「酸っぱい」 masem マッサム
そして、「芳ばしい(香ばしい)」nyangluh ニャングロー である。』

甘い、しょっぱい、苦い、辛い、酸っぱい、までは私たち日本人だけでなくおそらく世界共通の味覚だろうと思いますが
最後の「芳ばしい」ってのが、バリらしいですねえ。
そう言われてみれば、伝統的なバリ料理には必ずこの「芳ばしさ」があります。
ブタの丸焼きも鶏の蒸し焼きももちろん、
ラワールとかウラッブに入れるココナツも削る前に必ず直火で炙って芳ばしさを出します。

「バリの男は芳(香)ばしい」と書いたのは山田詠美でしたっけ。
ははは。なるほど。

ともあれ和食にしても病院食にしても、「芳ばしさ」が足りないんでしょうね。
娘が早くモリモリ食べられるようになってほしいです。



今日もいいお天気でした。
芳ばしいバリより愛をこめて。



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