10月17日(金) 訪問者数573人(閲覧者数1,556人)
■ AIG生保3社の現場からの悲痛な声が聞こえる!
● 既にブルームバーグから報道されたAIGに対する諸支払金に対し、厳しい決断が次々に出されている。元副会長への10億円の退職金の凍結やパーティーや施策などの資金使用停止などだ。
● ところが、日本の3社の現状はどうかとなると、旧態依然とした「施策のオンパレード」だ。確かにこの窮地に保険契約を獲得した人を評価しようとする販売戦略は分からないでもないが、果たしてこの状況下でニーズにマッチした保険契約が取れるかどうかは常識的な判断だ。
しかも、「アリコジャパン」に至っては「売却が決定した」にもかかわらず相も変わらぬCMの垂れ流し状態が続いている。
● どうしても「AIGの親会社は失敗」したが「アリコジャパンは健全」とアッピールしたいところだろうが、いずれにしても親会社が100%の株式を保有している以上は理由の如何を問わず一蓮托生なのだ。
この期に及んでの不可解な大量CMは、マスコミに対する圧力としか写らない。 むしろ、よりベターな売却先を求めるのであれば、むしろ内部堅めを徹底するのが契約者に対する仁義ではないのか。
● このような時に目先だけの保険契約を積み上げても、継続率の悪化につながるのは間違いなく、逆に不信感を増すだけだ。要はちゃんとした売却先が決まらないことにはAIG3社で現在働いている営業員、代理店は宙に浮いたままの時を過ごすだけになりかねない。このようなときに保険契約をどのようにして取れというのか極めて疑問だ。
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10月16日(木) 訪問者数608人(閲覧者数1,676人)
■ 米AIG 不正支出の疑い NY州司法当局が調査
● 米ニューヨーク州司法当局は政府による救済を受けた米保険大手AIGに不正支出の疑いがあるとして調査を始めた。15日にニューヨーク市内で会見したクオモ同州司法長官が明らかにした。検察官2人をAIG担当として任命、経営困難な企業に適用される債務者・債権者法(州法)にAIGが違反していないかどうか調査を始めた。政府から緊急融資を受けた9月以降も、AIG幹部が狩りやゴルフなど「豪華なイベント」を開いていた点も追及する。「ニッケイネットニュースより抜粋」
■ 「日経平均7,000円割れ」が教える「生保版!株価スパイラル!」の危険な生保!
● 急反発したと思ったら昨日のNY市場は史上二番目の733㌦の下落だ。このようすだと今日の東京市場もかなりの下落が予想される。先ほど市場が開いたがとりあえず300円弱の下げだ。
ところで株価の暴落が気になるのは生保・損保も同じだ。20年3月末時点での「含み益が0になる株価」がもっとも低いのは、「明治安田生命の7,400円」だが、もしこれを割ってくるようなら、株式を保有する生保のほとんどが「株式の含み損」を計上することになる。
● もちろん、この0になる日経平均が高い生保は、かなりの含み損を抱えることになり、生保によっては「価格変動準備金」を取り崩す事になる。最近の例では破綻した「大和生命」が18年度末には15.18億円あった「価格変動準備金」のほとんどを取り崩している。さらには32.31億円あった「危険準備金」もそっくり取り崩しているのだ。
また、AIGの株価下落の影響が直撃した「アリコジャパン」も、20年度第1四半期(4月ー6月)では「価格変動準備金」の226億円の大半を取り崩している。
● とかく、生保経営の行き詰まりは突然起きるかのように思われがちだが、実際はじわじわとその経営体力を蝕んでいることが分かる。もちろんその先にあるのは「格下げ」あるいは「ソルベンシー・マージン比率」の引き下げだ。
このようにして生保の経営体力の低下が徐々に表面化してくることになる。
● このような観点からすると、地合の悪い最近の株式相場では、もし7000円を割るような事態には要注意ということになる。含み益が0になる日経平均が高いそれでいて株式保有が多い生保は必然的に要注意ということになる。
もちろん更に株価が下がり6,000円台にでもなろうものなら各生保は間違いなく相当の”株式含み損”を抱えることになり文字どおり「生保恐慌」に突入する恐れもある。また説明するまでもなくこのことは株式を上場している「損保」も同じような状況に置かれるわけで、極めて厳しい対応を保険会社は迫られることになるのである。
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10月15日(水) 訪問者数611人(閲覧者数1,584人)
■ 「AIGのグリーンバーグ元CEOが代替救済案を提示へ」は、売却行き詰まりか?!
● 資産売却の発表までは関心が高かった「AIG問題」だが、ここにきてすっかり影を潜めた感が強い。話題性が失われるに従い株価も3ドル台から2ドル台で落ち着いている。昨日も「始値2.96㌦ー高値2.96㌦ー安値2.51㌦-終値2.80㌦」という動きだ。株価を刺激するには具体的な資産売却がどんどん決まっていくことだが、この金融状況下ではおいそれと買収資金を出す企業もなかなか出まい。
● そんな折、AIGのハンク・グリーンバーグ元最高経営責任者(CEO)が、AIG救済策の代替案を発表する見通しとのニュースを英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。それによると、グリーンバーグ氏は同案を米証券規制当局に提出し、さらにポールソン米財務長官や主要議員にも提示する意向というが、中身については明らかにされていない。同紙によると、「9月の米政府による850億ドルの救済策の修正を含むものになるとみられている」とのことだ。
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10月14日(火) 訪問者数680人(閲覧者数1,765人)
■ 大和生命の変調は見抜けなかったか?
● 破綻の理由が「資産運用の失敗」とされている。しかもあたかも全く予想だに出来ない破綻であったかのような”市場の急変”が主要因とする書き方の新聞もある。では、本当に「破綻は予測不可能」だったのか。否である。しかし、破綻しない前にその「兆候」をこのようなマイナーなブログであっても書くことはためらわれる。
● では、一体どのような兆候があったのか。まず、このブログの8月20日(水)を読んで頂こう。
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8月20日(水)
■ 「生保第1四半期業績(決算)発表」に「朝日生命」も発表しほぼ全社出そろう!
● 8月19日に「朝日生命とカーディフ生命」が発表し、まだ未発表は「大和生命」だけとなった。ちなみに「チューリッヒ生命」は8月15日に発表済み。これでほとんどの生保が第1四半期業績(決算)が出そろったことになる。
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つまり「第1四半期の業績報告」が発表されなかったのである。しかも、9月3日には、大和生命に金融庁の検査が入っている。もちろんこれだけで「破綻確定」と判断するには無理がある。というのもリスク性の高い資産運用はその運用環境が一変すると「損から益」に豹変する可能性があるからだ。良し悪しはともかく資産運用は結果がすべてであるからだ。
● しかし、「大和生命」の場合は、それが完全に裏目に出た。さらに決定的な経営悪化を示唆したのは「格付け会社R&Iの格下げ」だった。実はこの格下げは10月1日付だ。この格下げ理由の中でも「第1四半期決算を開示していない」ことと「運用環境の悪化による基礎的な収益力は見劣りする」と説明されている。つまり、極めて厳しい生保経営を強いられていることが理解できる。
● 実は「R&I」の「大和生命格下げ」と「AIGの格下げ」があったことから急遽「保険・かわら版」の「生保/損保格付け一覧」を10月7日付で編集・発行したが、10月10日には「大和生命」は破綻してしまった。
ところで、もう一つのシグナルもあった。「ソルベンシー・マージン比率」である。実は「大和生命」の「ソルベンシー・マージン比率」は19年度末で555.4%だった。もちろんこれなら200%以上で安全圏と言える。しかし、よしんばこの555.4%を鵜呑みにしたとしても、それ以降の変化を知ることは、当事者以外は誰にも出来なかったのである。とすれば、やはり「ソルベンシー・マージン比率」が低い生保には用心した方が賢明という事になる。
● もちろん、このような見方を契約者はすべきだというのは簡単だが、実際問題ここまでを推察して対処するべきと言うのは酷な話だ。しかもTVに映し出された契約者の多くは高齢の方が少なくなかった。私のこのブログどころかインターネットにも馴染みがないとすると、まさに”寝耳に水”というのが実態だったと思われる。
ややもすると「風説の流布」として、公式発表があった事実までも記事にすることをためらわれる風潮がマスコミにはある。スポンサーとしての保険業界の隠れた力かも知れないが、当然のことながらその対局に「何も知らされない契約者」がごまんと鎮座しているのである。
● 「保険・かわら版」の第64号で「新聞生保決算記事の不可解さ!」という見出しで「全国紙が記事にした業績項目」を批判した。理由はこぞって”意味不明の業績”を並べていたからである。おそらくこの業績がどのような生保経営体力を表すか、記事をまとめた記者氏が解説不能な代物だ。
少なくとも「ソルベンシー・マージン比率」や「総資産」くらいは項目に入れて欲しいものだ。
● ところで、現在「AIG」の問題が大きくクローズアップされているが、特に「アリコジャパン」の売却に付いては関心が高い。ややもすると「AIGとアリコ(ジャパン)は別物」というようなアリコの健全性を吹聴する傾向があるが、やはり8月14日に発表された「第1四半期の業績」をみると、経営の厳しい状況が垣間見えるのである。その一つが約213億円の「価格変動準備金」の取り崩しだ。これだけが理由ではないが、「ソルベンシー・マージン比率」は年度末に比べ103.7%減っている。
● 実は、「アリコジャパン」と「大和生命」には奇しくも共通する点があった。ところがもう1社同じ共通点がある生保があるのである。おそらく近い将来売却されもかも知れないが、いずれにしても混沌としてきた保険業界になってきたものである。
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10月13日(月)=体育の日= 訪問者数618人(閲覧者数1,711人)
■ AIGの資産売却はどうなるのか?!
● 「ウォール・ストリート・ジャーナル」が、AIGについて「FRB、AIGのリスクを読み誤る」と解説している。つまり、当初設定した融資枠850億㌦に10月8日には378億㌦を追加して1,228億㌦とした。
そしてわずか3週間でAIGは703億㌦を借り入れた。実は最近のAIGのニュースといえば、「借入枠と借入額の増加」がほとんどで、肝心の「資産売却」の話は聞こえてこない。
● この点について、「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「同社の事業部門を売ろうにも、金融市場が悪化しているため、買い手を見つけるのが困難になっている」と解説している。そしてその要因として「AIG救済策の検討にかかわったある人物は、『米連邦準備制度理事会(FRB)は、資本市場が機能不全に陥ることや、株式相場が下落し続けることは、想定していなかった。この両方がAIGの資金繰りを困難にしている』と語った、とある。
● 確かに記事にもあるように、「AIGは当初の借入金を主に2つの目的に充て、1つは、信用リスクを移転させる取引手法であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の取引相手に支払う担保。もう1つは、貸し証券の損失の穴埋め。貸し証券による損失の恐れが高まったため、FRBは今週再び介入する必要があった」ことは疑いようがない。
● もしこの傾向が継続するとなると、AIGのFRBからの貸付枠と貸付額はますます増加の一途を辿ることになりかねない。このことはAIGにするとFRBへの手数料の増加とさらなる取引相手への支払い増加を余儀なくされることになる。
もちろん、「資産売却」が順調にいけば単なる杞憂に終わるが、金融市場悪化も手伝い結果的に850億㌦と378億㌦の返済にシグナルが点灯するリスクも否定できなくなってきた。
● 国内生保3社の売却意向は明らかにされたものの、その後の進展がとんと聞こえてこない。水面下で特定の保険会社と話が固まりつつあるのか、あるいはどこからもオファーがないのか。普通は高く売りたいケースでは、具体的な金額が漏れ出してくるものだが、それがないということは後者の可能性もある。
確かに「破綻前に買収」するよりも「破綻させてから買う」方が負担が少なくて済むことを教えたのは、経営が逼迫した日本の生保を買い取る際の外資系保険会社のビジネスモデルだった。当然のことだがFRBはAIGが約束を履行できない場合は強制売却を決断するしかないと思われるのだが。
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(お詫び)
下記部分は「富士火災の時価評価額が間違っていましたので削除致します。」
■ AIGの時価総額8,991億円!富士火災の7,693億円に限りなく拮抗する可能性大?!
● 何とも奇妙な事になったものだ。AIGと富士火災の時価総額の差が僅か1,300億円しかないのだ。(東証ベース)
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● 「富士火災の時価評価額は769億円」であり、「AIG」とは10倍以上の違いがある。ちなみに他の大手損害保険会社の時価総額は、「東京海上HD:2兆4,940億円、三井住友H:1兆2,723億円、損保ジャパン:6,953億円」と大手2社はAIGの時価総額を大きく超過している。
NY市場でも10日の終値が2.39㌦だった。しかも出来高も膨らんできている。嫌なムードだ。
● 今日(13日)は東証はないが、夜からNY市場が開く。どうも専門家の意見としては下げる、という見方が多い。ホントに不気味な金融市場になってきた。とても「貯蓄から投資へ」等と言うことが御法度になってきた。
● このように「株安傾向」と書いていたところ「米国株先物が上昇、S&P指数3.1%高-米政府の銀行株購入など好感」というニュースが流れた。どうやら、今日は反転する様子だ。アジアとヨーロッパも上がるような雰囲気だ。円も落ち着いてきた。やはり金融市場は一寸先は闇だ。
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■ AIG生保3社の現場からの悲痛な声が聞こえる!
● 既にブルームバーグから報道されたAIGに対する諸支払金に対し、厳しい決断が次々に出されている。元副会長への10億円の退職金の凍結やパーティーや施策などの資金使用停止などだ。
● ところが、日本の3社の現状はどうかとなると、旧態依然とした「施策のオンパレード」だ。確かにこの窮地に保険契約を獲得した人を評価しようとする販売戦略は分からないでもないが、果たしてこの状況下でニーズにマッチした保険契約が取れるかどうかは常識的な判断だ。
しかも、「アリコジャパン」に至っては「売却が決定した」にもかかわらず相も変わらぬCMの垂れ流し状態が続いている。
● どうしても「AIGの親会社は失敗」したが「アリコジャパンは健全」とアッピールしたいところだろうが、いずれにしても親会社が100%の株式を保有している以上は理由の如何を問わず一蓮托生なのだ。
この期に及んでの不可解な大量CMは、マスコミに対する圧力としか写らない。 むしろ、よりベターな売却先を求めるのであれば、むしろ内部堅めを徹底するのが契約者に対する仁義ではないのか。
● このような時に目先だけの保険契約を積み上げても、継続率の悪化につながるのは間違いなく、逆に不信感を増すだけだ。要はちゃんとした売却先が決まらないことにはAIG3社で現在働いている営業員、代理店は宙に浮いたままの時を過ごすだけになりかねない。このようなときに保険契約をどのようにして取れというのか極めて疑問だ。
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10月16日(木) 訪問者数608人(閲覧者数1,676人)
■ 米AIG 不正支出の疑い NY州司法当局が調査
● 米ニューヨーク州司法当局は政府による救済を受けた米保険大手AIGに不正支出の疑いがあるとして調査を始めた。15日にニューヨーク市内で会見したクオモ同州司法長官が明らかにした。検察官2人をAIG担当として任命、経営困難な企業に適用される債務者・債権者法(州法)にAIGが違反していないかどうか調査を始めた。政府から緊急融資を受けた9月以降も、AIG幹部が狩りやゴルフなど「豪華なイベント」を開いていた点も追及する。「ニッケイネットニュースより抜粋」
■ 「日経平均7,000円割れ」が教える「生保版!株価スパイラル!」の危険な生保!
● 急反発したと思ったら昨日のNY市場は史上二番目の733㌦の下落だ。このようすだと今日の東京市場もかなりの下落が予想される。先ほど市場が開いたがとりあえず300円弱の下げだ。
ところで株価の暴落が気になるのは生保・損保も同じだ。20年3月末時点での「含み益が0になる株価」がもっとも低いのは、「明治安田生命の7,400円」だが、もしこれを割ってくるようなら、株式を保有する生保のほとんどが「株式の含み損」を計上することになる。
● もちろん、この0になる日経平均が高い生保は、かなりの含み損を抱えることになり、生保によっては「価格変動準備金」を取り崩す事になる。最近の例では破綻した「大和生命」が18年度末には15.18億円あった「価格変動準備金」のほとんどを取り崩している。さらには32.31億円あった「危険準備金」もそっくり取り崩しているのだ。
また、AIGの株価下落の影響が直撃した「アリコジャパン」も、20年度第1四半期(4月ー6月)では「価格変動準備金」の226億円の大半を取り崩している。
● とかく、生保経営の行き詰まりは突然起きるかのように思われがちだが、実際はじわじわとその経営体力を蝕んでいることが分かる。もちろんその先にあるのは「格下げ」あるいは「ソルベンシー・マージン比率」の引き下げだ。
このようにして生保の経営体力の低下が徐々に表面化してくることになる。
● このような観点からすると、地合の悪い最近の株式相場では、もし7000円を割るような事態には要注意ということになる。含み益が0になる日経平均が高いそれでいて株式保有が多い生保は必然的に要注意ということになる。
もちろん更に株価が下がり6,000円台にでもなろうものなら各生保は間違いなく相当の”株式含み損”を抱えることになり文字どおり「生保恐慌」に突入する恐れもある。また説明するまでもなくこのことは株式を上場している「損保」も同じような状況に置かれるわけで、極めて厳しい対応を保険会社は迫られることになるのである。
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10月15日(水) 訪問者数611人(閲覧者数1,584人)
■ 「AIGのグリーンバーグ元CEOが代替救済案を提示へ」は、売却行き詰まりか?!
● 資産売却の発表までは関心が高かった「AIG問題」だが、ここにきてすっかり影を潜めた感が強い。話題性が失われるに従い株価も3ドル台から2ドル台で落ち着いている。昨日も「始値2.96㌦ー高値2.96㌦ー安値2.51㌦-終値2.80㌦」という動きだ。株価を刺激するには具体的な資産売却がどんどん決まっていくことだが、この金融状況下ではおいそれと買収資金を出す企業もなかなか出まい。
● そんな折、AIGのハンク・グリーンバーグ元最高経営責任者(CEO)が、AIG救済策の代替案を発表する見通しとのニュースを英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。それによると、グリーンバーグ氏は同案を米証券規制当局に提出し、さらにポールソン米財務長官や主要議員にも提示する意向というが、中身については明らかにされていない。同紙によると、「9月の米政府による850億ドルの救済策の修正を含むものになるとみられている」とのことだ。
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10月14日(火) 訪問者数680人(閲覧者数1,765人)
■ 大和生命の変調は見抜けなかったか?
● 破綻の理由が「資産運用の失敗」とされている。しかもあたかも全く予想だに出来ない破綻であったかのような”市場の急変”が主要因とする書き方の新聞もある。では、本当に「破綻は予測不可能」だったのか。否である。しかし、破綻しない前にその「兆候」をこのようなマイナーなブログであっても書くことはためらわれる。
● では、一体どのような兆候があったのか。まず、このブログの8月20日(水)を読んで頂こう。
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8月20日(水)
■ 「生保第1四半期業績(決算)発表」に「朝日生命」も発表しほぼ全社出そろう!
● 8月19日に「朝日生命とカーディフ生命」が発表し、まだ未発表は「大和生命」だけとなった。ちなみに「チューリッヒ生命」は8月15日に発表済み。これでほとんどの生保が第1四半期業績(決算)が出そろったことになる。
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つまり「第1四半期の業績報告」が発表されなかったのである。しかも、9月3日には、大和生命に金融庁の検査が入っている。もちろんこれだけで「破綻確定」と判断するには無理がある。というのもリスク性の高い資産運用はその運用環境が一変すると「損から益」に豹変する可能性があるからだ。良し悪しはともかく資産運用は結果がすべてであるからだ。
● しかし、「大和生命」の場合は、それが完全に裏目に出た。さらに決定的な経営悪化を示唆したのは「格付け会社R&Iの格下げ」だった。実はこの格下げは10月1日付だ。この格下げ理由の中でも「第1四半期決算を開示していない」ことと「運用環境の悪化による基礎的な収益力は見劣りする」と説明されている。つまり、極めて厳しい生保経営を強いられていることが理解できる。
● 実は「R&I」の「大和生命格下げ」と「AIGの格下げ」があったことから急遽「保険・かわら版」の「生保/損保格付け一覧」を10月7日付で編集・発行したが、10月10日には「大和生命」は破綻してしまった。
ところで、もう一つのシグナルもあった。「ソルベンシー・マージン比率」である。実は「大和生命」の「ソルベンシー・マージン比率」は19年度末で555.4%だった。もちろんこれなら200%以上で安全圏と言える。しかし、よしんばこの555.4%を鵜呑みにしたとしても、それ以降の変化を知ることは、当事者以外は誰にも出来なかったのである。とすれば、やはり「ソルベンシー・マージン比率」が低い生保には用心した方が賢明という事になる。
● もちろん、このような見方を契約者はすべきだというのは簡単だが、実際問題ここまでを推察して対処するべきと言うのは酷な話だ。しかもTVに映し出された契約者の多くは高齢の方が少なくなかった。私のこのブログどころかインターネットにも馴染みがないとすると、まさに”寝耳に水”というのが実態だったと思われる。
ややもすると「風説の流布」として、公式発表があった事実までも記事にすることをためらわれる風潮がマスコミにはある。スポンサーとしての保険業界の隠れた力かも知れないが、当然のことながらその対局に「何も知らされない契約者」がごまんと鎮座しているのである。
● 「保険・かわら版」の第64号で「新聞生保決算記事の不可解さ!」という見出しで「全国紙が記事にした業績項目」を批判した。理由はこぞって”意味不明の業績”を並べていたからである。おそらくこの業績がどのような生保経営体力を表すか、記事をまとめた記者氏が解説不能な代物だ。
少なくとも「ソルベンシー・マージン比率」や「総資産」くらいは項目に入れて欲しいものだ。
● ところで、現在「AIG」の問題が大きくクローズアップされているが、特に「アリコジャパン」の売却に付いては関心が高い。ややもすると「AIGとアリコ(ジャパン)は別物」というようなアリコの健全性を吹聴する傾向があるが、やはり8月14日に発表された「第1四半期の業績」をみると、経営の厳しい状況が垣間見えるのである。その一つが約213億円の「価格変動準備金」の取り崩しだ。これだけが理由ではないが、「ソルベンシー・マージン比率」は年度末に比べ103.7%減っている。
● 実は、「アリコジャパン」と「大和生命」には奇しくも共通する点があった。ところがもう1社同じ共通点がある生保があるのである。おそらく近い将来売却されもかも知れないが、いずれにしても混沌としてきた保険業界になってきたものである。
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10月13日(月)=体育の日= 訪問者数618人(閲覧者数1,711人)
■ AIGの資産売却はどうなるのか?!
● 「ウォール・ストリート・ジャーナル」が、AIGについて「FRB、AIGのリスクを読み誤る」と解説している。つまり、当初設定した融資枠850億㌦に10月8日には378億㌦を追加して1,228億㌦とした。
そしてわずか3週間でAIGは703億㌦を借り入れた。実は最近のAIGのニュースといえば、「借入枠と借入額の増加」がほとんどで、肝心の「資産売却」の話は聞こえてこない。
● この点について、「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「同社の事業部門を売ろうにも、金融市場が悪化しているため、買い手を見つけるのが困難になっている」と解説している。そしてその要因として「AIG救済策の検討にかかわったある人物は、『米連邦準備制度理事会(FRB)は、資本市場が機能不全に陥ることや、株式相場が下落し続けることは、想定していなかった。この両方がAIGの資金繰りを困難にしている』と語った、とある。
● 確かに記事にもあるように、「AIGは当初の借入金を主に2つの目的に充て、1つは、信用リスクを移転させる取引手法であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の取引相手に支払う担保。もう1つは、貸し証券の損失の穴埋め。貸し証券による損失の恐れが高まったため、FRBは今週再び介入する必要があった」ことは疑いようがない。
● もしこの傾向が継続するとなると、AIGのFRBからの貸付枠と貸付額はますます増加の一途を辿ることになりかねない。このことはAIGにするとFRBへの手数料の増加とさらなる取引相手への支払い増加を余儀なくされることになる。
もちろん、「資産売却」が順調にいけば単なる杞憂に終わるが、金融市場悪化も手伝い結果的に850億㌦と378億㌦の返済にシグナルが点灯するリスクも否定できなくなってきた。
● 国内生保3社の売却意向は明らかにされたものの、その後の進展がとんと聞こえてこない。水面下で特定の保険会社と話が固まりつつあるのか、あるいはどこからもオファーがないのか。普通は高く売りたいケースでは、具体的な金額が漏れ出してくるものだが、それがないということは後者の可能性もある。
確かに「破綻前に買収」するよりも「破綻させてから買う」方が負担が少なくて済むことを教えたのは、経営が逼迫した日本の生保を買い取る際の外資系保険会社のビジネスモデルだった。当然のことだがFRBはAIGが約束を履行できない場合は強制売却を決断するしかないと思われるのだが。
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(お詫び)
下記部分は「富士火災の時価評価額が間違っていましたので削除致します。」
■ AIGの時価総額8,991億円!富士火災の7,693億円に限りなく拮抗する可能性大?!
● 何とも奇妙な事になったものだ。AIGと富士火災の時価総額の差が僅か1,300億円しかないのだ。(東証ベース)
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● 「富士火災の時価評価額は769億円」であり、「AIG」とは10倍以上の違いがある。ちなみに他の大手損害保険会社の時価総額は、「東京海上HD:2兆4,940億円、三井住友H:1兆2,723億円、損保ジャパン:6,953億円」と大手2社はAIGの時価総額を大きく超過している。
NY市場でも10日の終値が2.39㌦だった。しかも出来高も膨らんできている。嫌なムードだ。
● 今日(13日)は東証はないが、夜からNY市場が開く。どうも専門家の意見としては下げる、という見方が多い。ホントに不気味な金融市場になってきた。とても「貯蓄から投資へ」等と言うことが御法度になってきた。
● このように「株安傾向」と書いていたところ「米国株先物が上昇、S&P指数3.1%高-米政府の銀行株購入など好感」というニュースが流れた。どうやら、今日は反転する様子だ。アジアとヨーロッパも上がるような雰囲気だ。円も落ち着いてきた。やはり金融市場は一寸先は闇だ。
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