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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

ベニスに死す

2006-11-29 12:54:50 | とりとめもない話
昨夜の衛星映画劇場はベニスに死すだった。

有名な映画なので、一度観てみたいなあ、と思ってはいたが、今週のBSは先週に引き続き、ルキノ ヴィスコンティ監督、生誕百周年記念の為、2週連続で彼の映画が放送されている。この機会にばっちり他にもいろいろ観たかったんだけど、先週は1本も観れなかったなあ

ルキノ ヴィスコンティの映画は私にとって、これが初めて。
ストーリーは簡単に言うと、中年男が旅先で出会った美少年に心奪われて、破綻していくというもの。美しい映画だった。

何が美しいって、やっぱりかの有名な美少年、タッジオ。これは、主人公の中年男が精神もろとも身を持ち崩すのも理解できる気がした。
少年特有の美しさなんだと思う。たぶん、あと5年後に会ってたら、あれほどの感銘は受けずにすんだのかもしれない。欧米人って老けやすいから、美少年系となると、14、5歳が美のピークな気がする。独特の時期だしね。たとえば、英国のウィリアム王子も、ダイアナ王妃が亡くなった頃はまだ美しいけど、今25歳手前にして、あの老け方だもん

もうひとつの見所は、時代背景とゴージャスなホテルでバカンスを取る人々の姿。
皆、ものすごいきらびやかな帽子を被り、海水浴風景ももちろん優雅。一度でいいから、こんなバカンスしてみたい(そうそう、印象派の絵で時々出てくる海水浴シーンです)

とにかく何もかもが、退廃的で(街も時代背景も、美少年タッジオも、それに惹かれる主人公アッシェンバッハさえも。)美しい。
交わりそうで、交わらない。見てるだけなのに、官能される。

でも、一番おっと思ったのは、回想シーンで出てくる娼婦の館。
ロートレックが幾枚も描いた娼婦のスタイルそのもので、おばちゃんなのに様になってる。白いコットンの下着?に縞々の靴下を合わせてたりして可愛いの。
こんな娼婦ならちょっと憧れるかもなんて馬鹿なこと考えちゃいました。

なので、2時間ちょっと、あっという間に観てしまった。
もっと退屈するかと思ったけど、二人のもどかしい行く末が気になって、どうなる?どうなる?のうちに終わっていった。

最後主人公はタイトル通り、ベニスに死すなんだけど、もうこうなったら、これはこれで幸福だったんじゃないかなあ?

とにかく観て良かった
本当に面白かったです