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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

田園風景も美しいステキなイギリス映画『ハワーズ・エンド』

2024-09-12 12:45:34 | 映画あれこれ
イギリスのコスチューム映画をふと見たくなる時がある。
それには大体エマ トンプソンが出てるんだけど、今回はだいぶ昔彼女がアカデミー主演女優賞を見事獲得した映画「ハワーズエンド」聞いたことはあったが、初めて見た。
想像以上に面白い作品だった。
軸になっているのは「ハワーズエンド」という名のついているロンドン郊外の別荘だ。
ふとしたことで交流を持つようになった二つの上流階級の家族の話で、エマ トンプソンが演じたのはその当時でいえば、オールドミスと呼ばれる女性。奔放な妹役をこれまたコスチューム劇の定番、ハリーポッターでは悪役のヘレナ ボナム カーターが演じる。弟役の俳優が満島真之助に似てるなあと思いながら見ていた。
紅茶とスコーンをお供に見たいとっておきのイギリス映画だった。

映画『ハワーズ・エンド』予告編(4Kデジタル・リマスター版)

映画”スペアキー”

2024-08-17 10:29:20 | 映画あれこれ
素晴らしく爽やかな映画に出会いました。またまたフランス映画です。
こんなさりげない青春映画を作れるのは本当に才能アリとしか言いようがない。

舞台は、フランス東部のナンシーという町。主人公ソフィ15歳は団地暮らし。原題がどうやら”FI FI”とあるので、フィフィはソフィの呼び名なので、長い夏休みに暇を持て余している15歳の少女が明確に主人公なわけです。ソフィの家族はたくさんいて、どうやら姉夫婦とその子供たち(赤ちゃん)も一緒に暮らしている。お父さんは継父、そんな家族から頼まれて種類の異なるタバコを山程買いに行くシーンがあります。電気代も滞納してるらしいのに、フランスでは高価なタバコを買うお金に回している家族なんだなあというのが容易に想像できます。
そんな中、ちょっと裕福な同級生に偶然遭遇する。彼女は、今から家族とバカンスに行くといい、その前にパンを買いに来たのですが、うっかりお金を忘れていて、その場にいたソフィに借りるのです。すぐに返すからというので彼女の家に行くと、もう荷物を車に積み込んで出るばっかりになっている。その時に出来心で鍵受けのお皿から、スペアキーを拝借してしまうのです。その晩、普段は狭い家にわんさといる家族の喧騒から抜け出し、その家で存分に一人を満喫している最中(15歳ってそういう年齢ですよね)、同級生の兄がパリから一人その実家に戻ってくるのです。そこから、ソフィのひと夏の冒険が始まるのですが・・

本当にさりげない物語でもあるんだけど、そこから読み取れる色々なものが詰まっていて、最後の終わり方も素晴らしい。キーになる主役の女の子が本当にハマり役だし、兄役も最高似合ってる。見終わった後は、幸せな一服の清涼剤をプレゼントされたような、そんな気持ちにさせてくれる映画です。



「インサイド・ヘッド2」すごくいいから、出来たら思春期の親娘で見に行ってみて

2024-08-12 22:17:56 | 映画あれこれ
3連休の映画館は満員御礼だった。そして私が映画館に行って映画を観たのは、2年ぶり、前回が“ジュラシックワールド 新たなる支配者”だったんだから、映画好きを自称してるくせに、すっかりご無沙汰なのだった。

下に兄弟のいる友達たちは、家族で行くらしく、友達と見にいく約束を取り付けられなかった娘に、見に行こうとせっつかれ、前作も見ていなかったので、前日に予習をし、(予想通りではあったが、結構面白かった)見に行ってきた。

今作、主人公ライリーは13歳、思春期のトンネルの入り口に立ったところだ。
その設定が我が娘とそっくり同じ。前作、11歳のライリーにとって大きかった家族の島は、13歳の今はこじんまりとし、代わりに友達の島が目立って大きくなっている。ここのところから、一人目思春期を見送り、現在二人目に取り掛かり中の私としては、ぐっと来る。(小学生の子供たちママだった頃には、ここ、まだ実感できていないと思う)
頭の中の感情たちも思春期編から新たな仲間が加わる。これまでの喜び、ビビり、ムカムカ、怒り、悲しみ、に加えて、心配、イイナ、ダリー、恥ずかしの4人。このセレクションもめちゃくちゃ納得してしまうのだ。
感情たちは前作同様、今作でも大好きなライリーの人生を良くしようと奮闘するのだが・・・。

随所に、理解る〜の連続。思春期って本当に特別な時期で。息子の時は、私も色々、思い悩んで、本を読み、講座を聞いてみたりもした。突然の変化には息子だけでなく、夫婦共に、手探り状態でテンパった。現在高校1年生の息子は、中学時代、特別問題があったというわけではないにしろ、あの頃のトンネルからはすっかり抜けたなと思っているし、本人ともよくその頃を振り返って笑い話にしている。

映画の最後、ある言葉で私はすごく泣けてしまった。わかっていたことだけど、やっぱりそうだよなあとしみじみしたからだ。娘も泣いていた。とてもいいタイミングでこの映画を観れたことに感謝したい。

「インサイド・ヘッド2」本予告(日本版エンドソング「プレゼント」performed by SEKAI NO OWARI)|8月1日(木)劇場公開!


映画『ブラックバード 家族が家族であるうちに』予告編

2024-07-31 15:35:32 | 映画あれこれ
映画『ブラックバード 家族が家族であるうちに』予告編

病を患い、安楽死することに決めた母の意向に寄り沿うため、集まった家族たちの3日間くらいを描いた映画なんだけど、俳優陣が素晴らしく、ストーリーも秀逸で、見応えがあった。元は、デンマーク映画のリメイクということで。自傷癖のある娘を”アリス イン ワンダーランド”のアリスが演じているんだけど、あんまり上手くて、誰だかわからなかった。きっともしかしたら、この子の母親はあの人なのかな、と思ったんだけど、それは最後まで明かされなかった。そんなとこもいい。
お父さん役は、渋さが最高潮の”ジュラシックパーク”のサム ニールです♡



ロメール映画好きなら絶対好き『ラヴ・アフェアズ』

2024-07-15 14:31:15 | 映画あれこれ
今年が半分過ぎてみて、今年はろくな映画を見ていないことに驚愕。
アマゾンプライムでしか見てないから、ろくな映画を配信してくれてないんだ、(でも安いから仕方なし)と思っていた矢先、特に期待することもなく、この映画と出会った。それは、とんでもなく愛について教えてくれる映画だった(私にとって)

物語は、バカンス先の従兄弟夫婦を訪ねてやって来た30代前後の男と、その男を出迎えた妊娠3ヶ月の妻が、最近失恋したばかりという男の話を聞くところから始まる。(男の従兄弟は急遽仕事が入り、何日か職場に戻らなくてはならなくなって不在)そこで語られる恋模様と、妊娠中の妻が語り始める自身の出会いについて、過去を振り返るところから段々それが現在と絡んでいく。

映画の作り自体もとてもうまい。
あくまで軽いラブコメディのつもりで見ていたのに、いつの間にかその枠をスイっと粋に超えてきて、気づけば極上のラブストーリーに仕上がっている。最後まで結末がどうなるんだかわからない。シンプルなのに、とんでもなく絶妙なこんな大人の恋愛映画作れる監督って一体どんな人??調べたけど、あまり情報がなかった。エリック ムレ監督というらしい。他の作品もぜひ見てみたい。


純潔な若い人が見れば、なんでこんなに相手がいるのに、平気で恋したり、愛したりしてるんだよ、と不快に思う人もいるかもしれない。

私はというと、長い間、一生のうち真実の愛、運命の人は絶対に一つで一人なんだと思い込んでいた。だからこそ、作家檀一雄についてもあーだこーだと書いたのだが、
でもこの映画を見て気づいた。運命の人は、必ずしも一人とは限らないのだ。

いろんな愛があって、それはそれでいいのだと、こんな崇高な奥さんでいたいと思った。人生はやっぱり面白いものである。



『ラヴ・アフェアズ』予告|Love Affair(s) - Trailer|第33回東京国際映画祭 33rd Tokyo International Film Festival

ところで、途中映画の台詞でこんな言葉が出てくる。

『模倣理論的に、人は相手が望むものを望む、人が何かを望むのは本人の望みじゃなく、他人が望んでいるからなの』

思わずハッとして、ノートに書き留めた。

アマゾンプライムでの無料配信はあと5日で終了です。

本好き女子ならぜひ見て欲しい、映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』

2023-07-11 09:32:41 | 映画あれこれ
アマゾンプライム内を見たい映画を求めてフラフラした挙句に、直感でこれいいかも!?と思った作品が当たりだと本当に嬉しい。
これもまさしく大当たり。かつて作家になりたいと本気で思うくらいに本好きの自分にぴったりの映画だった。

舞台は1995年のNY。作家志望の女の子がNYに魅了され住み始める。職を見つけた先が「ライ麦畑でつかまえて」のJ D サリンジャーを抱えるブックエージェントだった。そこにはサリンジャーの本を敬愛してやまないファンからの手紙が多く寄せられ、でもそれは作者本人の意思によって、読まないで破棄されている。主人公ジョアンナがついた仕事が、そのファンレターを代読した後に、定型文の返事をタイプして返送する、というもの。ジョアンナはファンからのその切実な手紙を読んでいるうち、ついそれに返事を返したくなってしまい・・

最後に知るんだけど、これ実話😮 原作は映画の主人公、ジョアンナ  ラコフが著した「サリンジャーと過ごした日々」なのだ。

本作、作家志望の女の子が泣く子も黙らせるような女性ボスのアシスタントに入り、っていう時点で、まさに「プラダを着た悪魔」と同じすぎるくらい同じ。(プラダも実話)
あの時代、素敵(怖すぎだけど)な鬼女性編集者が複数いたってことですね。
プラダではボス役がメリル・ストリープだったけど、今回はシガニー ウィバー(そう、あの「エイリアン」で最強女子を演じたあのシガニーです!!)
もう、メリルに対抗できるのは彼女しかいないかもね、ってその辺も笑っちゃうんだけど、このシガニーもまたメリルに負けず劣らず、素敵なボスなんです。
相似点はまだまだあって、主人公同士、顔もそっくりで、途中から割って入ってきた夫は私がてっきり「プラダ」を見てると勘違いしたくらいジョアンナはアン ハサウェイそっくり。
でもなんとこの女優さん、あのアンディ マクダウェル(「フォーウェディング」ヒュー 様ことヒューグラントと共演)の娘なんだって!!!そう言われてみるとロマンチックな感じでそっくり!!!

そんなプラダのパクリかというくらい設定が似ている作品だけど、中身がしっかりしているから、(実話だし、サリンジャーだしね)とてもとても面白かった。

主人公と一緒で、実は私も「ライ麦畑でつかまえて」をちゃんと読んだ記憶がなくて、本作の中でファンが手紙に書く内容のことがわからない。サリンジャー、なんで読んでないんだろう・・

とても爽々しい夢に向かってひた走る女の子の映画でした。
(元彼も素敵。あんなふうに思ってくれる元彼なら・・)

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』予告編(90秒)

映画『ミナリ』

2023-07-03 20:35:23 | 映画あれこれ
映画「ミナリ」韓国の女優がアカデミー助演女優賞を獲った時から気になっていたけど、実に実によかった。是枝監督の映画と似ているなあと思った。ブラピがプロデューサーというのにも驚いた。いい映画をプロデュースしてるなあと思った。

1980年台のアメリカに移民した韓国人家族の話である。
切実だけど、ユーモアもあり、家族全員とてもいいんだけど、おばあちゃんがやはりとてもいい。どことなく自分の母と重なる人もいるんじゃないかなあ。
マウンテンデューを山の雫と呼んで(なるほど和訳するとそんな意味なのか)愛飲したり、何より、ミナリを見つけた時の歌が微笑ましすぎる。。。
何が起こるんだとハラハラしたけど、すごく納得のいく終わり方だった。きっとああいうことがないとその結末には行かないに違いない。

こういう映画が本当に大好き。見てよかった😂 


映画『ミナリ』予告編


ザリガニの鳴くところ、

2023-06-25 08:50:49 | 映画あれこれ
映画「ザリガニの鳴くところ」を観た。最初は半信半疑で見ていたら、最後にえっ・・となって、先に見ていた夫と、その見解を話し合って、それでもまだ気になって、原作がベストセラー小説だというので、読んでみようかな、と。
結構、深い話でした。面白かった。
原作を元に、よく見事に映像化しているし、伏線も張られていて、この監督の他の作品も要チェックだなと思った。

今週は、住民税、固定資産税を払ったと思ったら、令和3年に初めてやったふるさと納税が今年の医療費控除で確定申告したがために、ワンストップ特例が外れて、追徴金発生との通知書がきて、慌てて区役所に電話で確認したら、レストランで、サービス券の二枚使いが同時にできないのと同じようなことだと言われ、年度違うのにダメなんだって・・・私には東京以外に故郷はないし、もう2度とふるさと納税はしないと思った。
他にも、住宅控除受けてる人もダメらしい。2年前、ふるさと納税した時には、確定申告する予定なんてなかったし、そう言われてみれば、そんな注意書きがあったような気がし出したが、正直もう覚えてなかったよ・・
というわけで、区役所の人が言うには、ものすごくよくある問い合せらしく、ちょうどその日に会った友人に話したら、その人も同じ目に遭っていて、もうふるさと納税なんてしない、と同じことを言っていた。
昨今のインフレといい、税金といい、なんだか最近、年貢を納めるのにヒイヒイ言ってる農民みたいな気持ちで暮らしている。



「ある過去の行方」

2023-05-04 08:17:39 | 映画あれこれ
後半戦GW初日は家族中が休みで家にいて、しかも絶好の天気だったのにも関わらず、どこにも一歩も行かなかった。本当は、こんな天気の日は1日中太陽の下で過ごしたい私だが、どこに行くか意見も合わず、皆出かけたくないみたいだったので、結果家で贅沢に過ごした。コロナ前の最後のGWは娘が10日間ずっとロタウィルスに苦しみ、救急外来で点滴してもらうこと2回、の散々なGWだったので、健康で過ごせることが何より幸せなことなのだ。


それで、夜は映画を見た。
イランの監督の映画で、アカデミー外国語映画賞に2度も輝いている、アスガル ファルハーディ。

映画『ある過去の行方』予告編

これがもう、面白いのなんのって、子供たちも演技がうますぎる。是枝監督の映画に出てくる子供たちみたい。物語は決して大袈裟にならず静かに進行していき、食い入るように見入ってしまう、大体いい映画ってこんな感じ。
どうしたら、こんないい映画が絶妙なバランスで撮れるんだろうと深く感心した。
ラストは、これまた是枝監督の映画みたいな後味がした。
ただただ凄い。こんな映画に出会えて感謝だし大満足。


怖い映画2本紹介。

2023-04-30 09:50:20 | 映画あれこれ
ホラー映画を2本見た。

1本は、「事件物件 呪縛の連鎖」
殺伐としたNY暮らしに辟易した親子の元に、離婚した夫(父親)が子供を預かりに来る。夫は、最近購入した湖畔の家に息子を誘うが・・。
息子は思春期に入りかけの12歳くらいだろうか、ホラー映画って、やたら暗くするのが定番だけど、この映画は暗くない。明るいのに、チラッと。さりげなくチラッと。
それで思わず叫んじゃうシーンもあるし、とんでもなくぞーっとするシーンもあり〜の、クスッとしてしまう場面もあって、1時間ちょっとの映画なんだけど、期待以上に面白かった。

2本目は「ズーム 見えない参加者」コロナ禍で、ズーム飲み会をする女子たち(舞台はイギリスかな)が交霊会のようなことをしようとして・・・
ズームって、そういう目線で捉えると、フリーズしたり、後ろに何か映ってそうだったり、繋がってるようで、結局、一人で映像に向かって部屋で喋ってる孤独感とか、考えてみるとなかなか怖い素材に溢れてる。
いいところに目をつけて作ったなあと思う。こちらも1時間ちょっとの短い作品だけど、なかなかどうして、面白かった。