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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

ラストシーンが圧巻、映画「ザ・ホエール」

2025-04-14 15:45:50 | 映画あれこれ
「ハムナプトラ」のブレンダン フレイザーがとんでもない巨漢役を演じてアカデミー主演男優賞を受賞したのはそういえば記憶に新しい。
しかも✖️ダーレン アノロフスキー監督。面白くないはずがないでしょう。

全編、主人公であるチャーリーの部屋で繰り広げられる、それもそのはず、仕事はオンライン講師だし、ほぼ自力では動けない体の状態なのだから。そこに、4人の人物が出入りして物語は進んでいく。舞台を見ているみたいだなと思ったら、本当に舞台劇なのだった。チャーリーは、見た目は違えどミッキーローク演じた同監督の「レスラー」を彷彿とさせる内容で、タイトルにある通りアメリカを代表する文学である「白鯨」をモチーフにしている。映画「セブン」のように土砂降りの雨のシーンが多く、まるで外は大海であり、チャーリーの住む家はそこにかろうじて浮かぶ船のような印象を抱く。刻々と命が迫っているのだから、最後もそうなるだろうとは見当がつくのだが、やはりラストシーンは圧巻であった。

アカデミー賞2冠_4/7公開『ザ・ホエール』予告篇

この監督すっごいよ。『関心領域』予告編

2025-03-27 18:38:01 | 映画あれこれ
某月某日、この映画を息子と家で見た。

改めて、すっごい映画だった。
どこが凄いか、敢えて語らぬ凄さと言おうか、もう始まりのシーンから、もしかしてバグってる?と本気で二人で??となりつつ始まり、ああ、もう、見終わって、なるほど、そういうことかと唸る。すごく、すごく、唸ってしまった。
この監督凄い。ああ、もう言葉が出ない。多くを語らぬ凄さ。
是非是非、味わってほしい。感じ取ってほしい。この違和感。言い知れぬ「無関心」の怖さをあなたも感じられることだろう。

アウシュヴィッツ強制収容所の隣で平和に暮らす所長一家を描く…映画『関心領域』予告編

映画『ジョン・レノン 失われた週末』は実は「取り戻せた週末」だった・・

2025-03-08 23:13:23 | 映画あれこれ
めちゃくちゃ面白いドキュメンタリー映画を見た。
言わずと知れた我らがジョン レノンがオノヨーコと別居していた期間、通称”失われた週末”を描いたのが本映画。

私自身は、その”失われた週末”という言葉も初耳だし、その間に付き合っていた女性がいたことも初耳だったが、うちの、幼少期からビートルズを敬愛してやまない高1息子も、今回のドキュメンタリーの語り手でジョンの恋人だった女性、メイ パンの存在は知らなかった。二人で、何これ??いつ作られた映画なの?などと目を丸くしながら見た。

ビートルズ解散後のジョンとヨーコがアメリカで暮らし始め、しばらくしてアップルレコードで仕事をしていた女性メイ パン(当時22歳くらい)がヨーコに気に入られ、二人の個人秘書となる。その後、二人の関係にヒビが入ってきた頃合いで、メイはヨーコの依頼で、ジョンの彼女になるよう言い渡されるのだが・・・

ジョンにとって彼女は、最初は秘書であり、妹のような存在だったのだと思う。
ビートルズを解散させるほどに心酔しきっていたヨーコとの関係にヒビが入り、進路を見失っていたジョンに、徐々に優しく寄り添うパートナーとなっていったのが彼女だった。荒れ狂っていたジョンの心が凪いできて、彼は3年ぶりにおそらくヨーコによって、決裂させられていた最初の妻シンシアとの間の息子ジュリアンとも再開し交流するようになる。すっかりマインドコントロールされていたジョンが心を取り戻した18ヶ月、それが俗にいうロストウィークエンドの真実で、ロストウィークエンドとは一体誰が名付けたのかと疑問に思う。
ヨーコとの暮らしからエスケープしたジョンに、ヨーコは日に15回もの電話をかけて来ていたというから、私は島尾敏雄とミホ夫婦を思い出してゾッとした。

最後にヨーコはジョンを強引に取り戻すけど、それは愛じゃない、恋でもない、一種の宗教とも呼べるほどの強いマインドコントロール禍によるものだ。

しかし、メイ パンとの関係は、ここで完全に断ち切られたわけではなく、二人の友情関係はジョンが亡くなるまで続いていた。

失われた週末は、ジョンにとってもジョンの音楽にとっても、最も輝かしいものだった。すっかり訣別したと思っていたビートルズのメンバー、ポールとリンダでさえ、こんなに交流があったとは思いもよらなかった、そして、彼の愛する息子ジュリアンと元妻シンシアはメイ パンと生涯を通じて良き友達となったのだ。

それにしても、すごくよく出来たドキュメンタリーで、最後のシーンはサプライズみたいで実に実に素晴らしく感動した。

”失われた週末”は”取り戻せた週末”へと名前を変更して改めて後世に伝え直したい。

今回の映画を見て知った、あれは愛じゃない、これこそが愛だったのだと。

映画『ジョン・レノン 失われた週末』予告編|2024年5月10日(金)公開

https://mimosafilms.com/lostweekend/

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』はタイトル通り、わたし自身の若草物語でもある

2025-03-07 19:50:59 | 映画あれこれ
若草物語って、私の世代では鉄板の物語だと思うのだけど、今ではどうなんだろう。うちの、ほとんど本を読まない中1娘も、若草物語は知ってるし、これは語り継がれるべき永遠の乙女のバイブルだと私は思っている。

映画版では、エリザベス テイラーがエイミー役のと、ウィノナ ライダーがジョー役のを見た。その2作かと思ったら、もっと古いのが他に2作もあったのだから、その人気ぶりがわかるよね、驚き。

4人の性格の異なる姉妹は、大まかな女性のタイプ分けの目安になっている。
私が小学校当時、お楽しみ会みたいなクラスの劇で若草物語をやることになって、切望したのはベス役をやることだった。(当時はおとなしくて引っ込み思案なベスタイプだった)

そんな乙女心をくすぐる作品を新たな視点から描いたこの映画を、私が見たくないわけがないじゃない。

そんな古典的ヒロイン、ジョーに新たな息吹を与えたシアーシャ ローナン。彼女は本当にコスチューム劇が似合うね。メグ役にはエマ ワトソン。エイミー役は、ミッドサマーが印象深いフローレンス ピュー。そして、我らがローリー役に、大注目のティモシー シャラメ。(カッコよすぎ!!!!!!)

脚本監督は今大注目のグレタ ガーウィグだから、過去作とはまた違った新しい若草物語を楽しめるよ。懐かしさと瑞々しい気持ち、両方が味わえる、そんな映画です。


『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

映画『僕らの世界が交わるまで』を見て

2025-02-13 15:39:52 | 映画あれこれ
映画『僕らの世界が交わるまで』本予告編

高校1年生の息子は入学と同時にエレキギターを買って、毎晩ジャカジャカやっている。ハードロックや、サイケや、ブルースや、いろいろな話をしてくるのだけど、この映画は、息子と同じような音楽好きの高校生息子と、女性のためのシェルターを運営する母親と、そんな家族をひっそり支える料理上手で、若干影の薄い父親との家族の物語。すごく痛いんだけど、それだけに共感できる。

親子関係は、時と共に刻々と変化していく。下手をしたら、一瞬で崩壊するかもと怖くなる瞬間もあるけど、簡単にさよならするわけにはいかないし、関係性を保つのに、努力なんてしたくないけど、実は結構そうすることが求められる。
日々、トライしながら生きている、この映画の家族みたいに。

ジュリアン ムーアはやっぱり最高。息子くんも、この役にピッタリだ。



「きさらぎ駅」に寄せて

2025-02-12 20:35:39 | 映画あれこれ
今週は火曜日が祝日だったので、ちょっと嬉しい月曜夜の娘のピアノレッスンの自転車での帰り道、普段の忙しなさとは裏腹の解放感を満喫。
夜更かしから、ホラー映画でも見ようということになり、前から気になっていた「きさらぎ駅」を見ることに。正直、ほぼ期待することなく見始めたのですが、これがなかなか結構面白く。

まず、ホラー映画に期待する「わ!!」って思わず声を上げるシーン、ございます。
次に、「もう!!早く逃げろって!!!!」わざとかってくらい怖いシーンに身を置こうとする主人公たちにヤキモキするシーン、ございます。
「うわ、もう正視できない」っていうグロいシーン、ございます。
最後どうなるの??でもきっと、こうなるんだろうなってとこから見事いい感じに裏切ってくれるシーン、ございます。
ホラー映画好きが期待する見どころがしっかりあります。
面白かったです。「おもこわ」(面白くて怖い)という言葉があるなら、おもこわ映画に値すると思います。


それで思い出したんだけど、中学2年生くらいの時、友達の家に遊びに行った帰り、御茶ノ水駅から総武線で代々木まで出て、そこから山手線で帰ろうと電車に乗った時のこと、いくつかの駅を通り過ぎて、友達と二人、あれ??と驚きました。
御茶ノ水から乗ったはずなのに、程なくしてまた御茶ノ水駅に着いたからです。
一体なんで??びっくり&困惑しながら慌てて電車から降りた私たち以外、他に乗っていた乗客が何ら驚きもせず、降りもせず、そのまま電車は過ぎて行きました。
私たちは??なまま、とりあえずもう一度行き先をじっくり確かめて次の電車へ。
今度は無事代々木に着き、そのまま山手線で家路へと着きましたが、なんでまた乗車した駅に着いたのかはずっと謎のままでした。電車に詳しくない私たちは、ただただ、そういう電車もあったのかな?と思ったりもしたのですが、そんな電車ってあるのでしょうか?今現在、思い出して総武線路線図を見た限り、そんな折り返し電車はないみたい。あの電車は何だったのか、きさらぎ駅を見て、30年以上前のその出来事を思い出しました。後から聞いた話だと、その友達、霊感がとても強かったのですよ、、

不思議なことって起こるものですね。
きさらぎ駅、サトエリこと佐藤江梨子が出ていて、演技とても上手かったです。


パーフェクトデイズ

2025-01-19 16:01:11 | 映画あれこれ
ドイツの巨匠ヴィム ヴェンダース監督が日本を舞台にトイレ掃除人の映画を撮った。
そう話に聞くと、それは実に不思議で謎に満ちていた。ヴィム ヴェンダースの映画を見たのは、もう20年以上前で、特別面白いと思った記憶はない。
でも今回、そんなわけで興味深々見てみると、とてもドイツ人が撮った映画と思えず、でもありそうでなかった面白さで、本当にこの映画を年始に見れたことを幸福に思う。今年一年、この映画で乗り切れる気がした。この映画に出会う前、後、ビフォーアフターの自分ってくらい意識が変わった。
年始の出勤時、私はパーフェクトデイズの役所広司演じる平山になった気持ちで生活してみたら、何気ないことをとても幸福に感じられた。もちろん好き嫌いはあるだろう、私はサザエさんが好きだし、パーフェクトデイズのような映画がこの上なく好きなのだ。


映画『PERFECT DAYS』本予告_ヴィム・ヴェンダース監督作品×役所広司主演

タイトルずばり 映画『落下の解剖学』

2024-11-30 23:45:08 | 映画あれこれ
映画『落下の解剖学』予告編

日比谷シャンテ前でポスターを見て、気になっていた作品。

フランスの雪深い山荘で起きた転落死、当初は自殺かと思われたが、作家である妻に疑惑の目が向けられ、被告人となり裁判に。二人の間には4歳の時に事故で視力を失った11歳の息子がいて。

見ている間中、一体、どこに着地するのかと思っていたが、録音されていた夫婦の喧嘩がものすごくリアルで、証言台に立つ息子くんの演技も光るものがあり、そこに悲しい着地点があった。見終わった後で、ずいぶん時間が経っていたことに気付いたけど、2時間半もの映画だった。

土曜の夜にぴったり。面白いです。

『リリーのすべて』は、宝石のような演技と献身を描いた作品でした

2024-11-02 23:42:05 | 映画あれこれ
いい映画って、始まりでわかる気がこの映画でした。
世界で初めて性転換手術を受けた男性とその妻の愛の物語。
エディ レッドメインの宝石のような演技が素晴らしく、完全にその世界に入り込んでいた。見終わった後もその余韻は容易に消し難く、いつまでもいつまでも気持ちが引きずられたまま。苦しみ、悲しさ、喜び、そして肖像画家で、はじめ男であり、女性になった夫を生涯描き続けた妻ゲルダの包み込むような愛と苦しみ、献身に胸を打たれる。
1920年代、あの時代の髪型、ファッションもとことん素敵。


『リリーのすべて』本予告90秒

『ロスト・キング 500年越しの運命』

2024-10-23 15:10:35 | 映画あれこれ
『ロスト・キング 500年越しの運命』本予告編(90秒)

サリー ホーキンスという女優さん、大好きなんです。
最初見た時は、何だこのヘンテコな女性は??(失礼ですね・・)と衝撃だったのは確かだけど、彼女の出る映画に間違いなし、と今では思ってて。唯一無二の存在感ですよね。見れば見るほど素敵な女優さんです。

この映画、実話を基にしているのですが、何と言ってもすごい話です。
こうゆうこともあるのだなあ、とまさに時空を超えたファンタジーのような本当の話。
人智を超えたものを感じさせてくれました。