Creator's Roomの倉庫

Creator's Roomの倉庫です。

ヘリコプター・マネー

2016-05-28 | 経済

4月の消費者物価指数が出ました。

ソース

CPIは「マイナス0.3%」、コアCPIは先月と変わらず、「マイナス0.3%」、コアコアCPIは「0.7%」でした。

デフレです。

インフレ目標をコアCPI「2%」に置くならば、リフレ策は明らかに失敗です。

黒田総裁の任期である2018年の4月までに目標に達し、そこから更に出口戦略を実施するのは不可能と言っていいでしょう。

物価の基調は上昇基調にあると言って正当化していた三次元緩和も、正当化できない数字が出ています。

日銀が重視していた日銀版新型コアも先月から「0.2%」低下し、4月は「0.9%」となっています。

ソース

新型コアも、ついに「1%」を割ってしまいました。

どう正当化するのでしょう?

6月の金融政策決定会合では、追加の緩和策をうたざるを得ないでしょうが、弾の尽きた日銀にできることはそう多くありません。

現在3兆3000億円購入しているETFを倍増し、6兆円前後の規模に増額するぐらいしか策がありません。

あまり効果のなさそうな策しか残されていない。

黒田総裁が、あくまでサプライズを意識するならば、禁断の「ハルマゲドン政策」を実行するしかなく、それは日本経済に死刑を宣告することになる。

焦点:サミット経て財政拡大へ、財源見えず「ヘリマネ」警戒 ロイター

来年度の税収増は期待できず、積極財政を支える財源のメドは不透明だ。

一部の専門家は、ヘリコプターマネー的な政策が始まりそうだと警鐘を鳴らしている。

ハルマゲドン政策である「ヘリコプターマネー」です。

これですね。

ソース

量的緩和は、銀行から日銀が国債を買うため、銀行にお金が残り、融資等に回せます。

ところが「ヘリコプターマネー」の場合、政府から直接国債を買いますので、中央銀行の国債の直接引き受けと同じです。

もちろん財政法第5条で禁止されていますが、国会の議決があれば可能な政策です。

日銀が直接政府から国債を買い取って、そのお金を政府が国民にばらまくわけです。

日本は世界で最初にこの政策に踏み込むであろうと予想されています。

他に選択肢がないからです。

そこまで追い詰められている。

ヘリコプターマネー」は、強制的にインフレにする政策であり、確実にインフレにはできるでしょうが、そのコントロールができる保証はどこにもありません。

一定のタイムラグの後、ハイパーインフレとなり、超円安となって財政破綻していく可能性が高いです。

日本は大地震や大噴火等の「神の力」で破綻していくと預言されてきたわけですが、巨大地震がなくとも崩壊しそうです。

この「ヘリコプターマネー」は、最終手段です。

安倍首相は17年4月に予定されている消費増税を再延期する方針を固めた。

6月1日にも、消費増税の延期が発表されると見られています。

子育て支援などの財源として期待されていた税収増は「今の景気状況では、17年度の(法人税などの)税収増は期待できなくなるかもしれない」(政府関係者)という状況だ。

日本は国と地方の抱える債務残高が1000兆円とG7の中でも深刻な状況だが、日銀の国債大量購入で10年最長期国債利回り(長期金利)JP10YTN=JBTCはマイナスで、財政規律が緩みかねない状況だ。

「給付金などの政府の政策と日銀の大規模な国債購入により、国民にとってヘリコプターから現金が降ってくるような政策はもう始まっているも同然」と吉川教授は分析している。

福田教授も、市場価格から逸脱し高値で日銀が国債を購入し、政府が100兆円分の国債で120兆円を調達するような事態が長期化すれば、ヘリコプターマネーと呼ばれる状況となり、通貨価値は下落していくと指摘する。

「ヘリコプターマネーの最大の問題は、その強い常習性にある」とBNPパリバ証券・チーフエコノミストの河野龍太郎氏は述べる。

安倍政権の経済政策がそうしたトラップと無縁であるのかどうか。

近日中に表明されるとみられる安倍首相の方針に対し、内外の市場や識者がどのように反応するのか注目される。

他に打つ手がない限り、サプライズにこだわる黒田総裁と政府は、この政策を採用するかもしれません。

同じこと二度」と預言されています。

ヘリコプターは離陸済み、行き着く果てはドル1000円か-野口悠紀雄氏 ブルームバーグ

日本は財政支出を中央銀行の紙幣増刷で賄う「ヘリコプターマネー」にすでに手を染めており、世界最悪の公的債務を高インフレで解決する可能性が高い-。

早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問の野口悠紀雄氏は、長期的にみた円の価値は非常に危ういとみる。

日独はともに世界大戦での敗戦後にハイパーインフレを経験。

ヘリコプターマネーの到来を予想する著名投資家のビル・グロース氏は25日のインタビューで、日本が債務問題を最終的に解決する唯一の方策は日銀の全額買い入れと返済免除だろうと語った。

野口氏は「ヘリコプターマネーは非生産的な用途に使われるようになる。

歴史上、ずっと続けられた例はない」と言い、「必ず最後はインフレになって破綻している。

インフレで希薄化せずに債務問題を解決できた例は皆無ではないが非常に少ない」と指摘。

しかも、日銀による巨額の国債買い入れに「出口がなければ、日本がそうなる可能性は非常に高い」と述べた。

「円の価値は非常に危うい。

長期的な円安が傾向的に続く可能性は否定できない」と指摘。

「日本経済の体力がどんどん弱っていけば、1ドル=300、500、1000円も十分考えられる」

来年2017年半ばにも国債の日銀への売り手は、いなくなると予測されています。

金融緩和ができなくなり、テーパリングせざるを得なくなる。

長期金利は急上昇し、VaRショックに襲われます。

1年と少ししか時間がないために、今から何か対策をとっておかなければ、深刻な事態を招きます。

日本だけではなく、世界も厳しい状況に置かれ、日本の財政破綻は、リーマンショックどころの話ではない世界経済の崩壊危機を招くでしょう。

日本はその「炭鉱のカナリ」と言われている。

そのきっかけになりそうな政策が、「ヘリコプターマネー」です。

この最終手段に踏み込むかどうか注視しなければならないと思っています。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。