梅の香庵~うめのかあん~

梅の香堂別館喫茶スペース*梅の香庵*
とりとめないことをとりとめなく・・・

報恩講始まってます

2015-11-23 16:16:35 | お仕事
そういえば勤労感謝の日でしたね。

この連休はぽかっと予定が空いたので、のんびり過ごしております。
今日の午前中は障子を貼り替えました。

うっかり空いた穴を椿が日々拡張していき、
それを嘆いていたところ、なんと自分でもズボっとやっちゃいましてね・・・・。
師走に入ると慌ただしくなるだろうし、このまま年越すのもねってことで重い腰を上げました。

古い障子を破る行程で、さぞや椿が大喜びで手伝ってくれるだろうと思いきや、
なぜかちょっとびびり気味で、しまいには猫ベッドへ引っ込んでしまいました。
なぜだ。

それにしても、なんだって建築資材に紙を使うのか日本よ。
そらー穴も空くっちゅーねん、とぶつくさ言っておりましたが、
貼り替えてみると新しい紙は部屋が明るくなりますな!気分いい!

今回初めてアイロンで貼り付けるタイプの障子紙を使ってみたんですけど、
うーん。やっぱりのりで貼った方がぴちっと貼れる気がしましたよ。
むかーしから続いてることってやっぱり理にかなってるのかもね。


そんな前置きはさておき、
以前ちょっと宣伝させていただいたこちら、京都東本願寺さまの報恩講ポスター。
イラストを担当させていただきました。


ご覧の通り、報恩講がすでに始まっております。

で、
このポスターイラストでパンフレットとしおりも作製されておりますのでご紹介します。


左側が門徒さんに配布されるパンフレット。
右側の栞は、京都の大垣書店さんで期間中お買い上げの方に配られるとのことです。


しおり可愛いなぁ。
このイラストを思いついたきっかけが、
幕を縛る朱色の紐。その結び目がおリボンみたいで可愛いなー、と思ったこと。
なので、そこをクローズアップしたデザインにしていただいてうれしい限り。
私の作った絵を、今度はデザイナーさんが配置を考えたり文字をのっけたりしてくれる。
そういうのって、この素材をはたしてどう料理してくれるのか?みたいなわくわくがあります。

デザイナーさん、印刷屋さん、それらをつないでくれる担当さん。
本当に感謝です。

あ、勤労感謝の日だ。





たまにはつきあえよ

2015-11-19 00:19:14 | イラスト
梅の香堂のトップイラスト更新しました。


「たまにはつきあえよ」


9月の第5回 Tube Colors展「Yello Days」展示作品2点目です。
ビール二部作、二人de居酒屋編。

二人で飲むならテーブルよりカウンターがいいっすね。


構図決めるときは、詰め込みすぎないようにっていうのを気をつけてるんですけど、
この絵に限ってはボンノー全開で、とにかく描きたいもの全部盛り込んじゃいました。
出来はともかく私は満足です。



議論を呼んだお品書きですが、
右から、

冷やしトマト

つけもの盛り合わせ

ホタルイカ沖漬け

タコわさび


が正解。


ちなみにこの絵で一番気に入っているのはタイトルですね。
一瞬で決まった。

これ描いて以来、焼き鳥食べたくってしょうがいないっす。


将軍様のお城

2015-11-15 17:14:23 | 日記
しつこく京都紀行3回目。
もうこれでやめますよ。


西本願寺を出てすぐさまバスで北上。

京都では、北は「あがる」、南は「さがる」。「くだる」じゃないで、「くだる」のは腹や。

中学の修学旅行でタクシーの運転手さんに聞いた一言。
なぜだかいまだに覚えてる。
記憶のひっかかりってどこにあるのか不思議だ。

そんなことを思い出しつつ、あがった先にあったのは二条城。
テッパンですな。

でも実はここも初めてなんです。
京都どこ行こうって考えた時に、
私ってば歴史好きなくせに二条城行ったことないじゃん、と思いついて決定。

二条城っつったら、家康と秀頼の会見、慶喜くんの大政奉還。
歴史の節目になった場所ですな。

中学の修学旅行で、別の班の友達が「二条城よかったよ」と言っていて、
へー行ってみたかったなと思ったのをなんとなく覚えている。
でもきっと、二条城がどんな所かぜーんぜん分かっていなかった当時の私では、行ったところでその価値も半減だろう。
観光地にはたいがい歴史があるもんだ。
知ってて行くのと知らないで行くのでは見方が全然違うもんね。
なるべくなら勉強してから行った方が楽しいっすな。

そんなわけで初めての登城です。


どどーんと唐門。
ほほー。さすがに素晴らしいな!きっらきらだー。
外国人の観光客がバシャバシャ写真撮ってる。

近寄ってみましょう。

すごい彫刻。色も鮮やかー。
あの菊の御紋も、かつては葵の御紋だったのかな。

さていよいよお城に足を踏み入れます。
将軍様の居城ですよ。考えてみたらすごいことだ。

さてその城内。
すごいっすねー。
何にびっくりしたかって、部屋の中のふすまはもちろんのこと、廊下の壁や天井まで絵が!
板戸にも絵が!
こりゃー絵師たちは大忙しだったろうなー。狩野派がんばったな。

私の二条城の第一印象は、絵がいっぱい!
てことでした。
いやー、やっぱり将軍様のお城ってゴージャス!すっごい。


たまたま、この前日に、テレビで俵屋宗達についてやってる番組を見たんですよ。
俵屋宗達つったら、あの風神雷神図を描いたと言われる絵師ですね。

その中で、宗達の描く松の木の特徴を、狩野探幽の松の木と比較して解説していました。
そこで登場したのが二条城のふすま絵の松の木。
おお!これ明日見に行くやつじゃん!と思ったその松、見てきましたよ!

番組で解説していたのは、
探幽が二条城に描いた松は「ますらおぶり」の雄々しい松。
一方、宗達の松は、しなやかでたおやかな女性的な松。

その探幽のますらおぶりの松は、将軍様が大名と謁見する間にありました。
うーん確かに迫力あるなー。

お座敷の、将軍様の座るスペースって、時代劇なんかでよく見るように一段上がってるじゃないですか。
そこから、後方に座る大名たちまで、遠っ!!
けっこう距離あるなー。
これ、ちっさい声じゃー聞こえないぞ。謁見するのも大変だな。

大河ドラマ「龍馬伝」で、
将軍が大名を集めて大政奉還について意見を述べよという場面があったんですよ。
しかしいざ大名の一人が発言すると、いきなりその胸ぐらをつかむ慶喜くん。
(お前が言えって言ったんだろーが!!)←私のツッコミ。
そして「もういいさがれ!!」とキレて大名たちを追い出す慶喜くん。
(お前が来いつったんだろーが!!)
まったくもう慶喜くんてばー。

あれもここが舞台だったんだなー。


ちょうど近くにいたグループがガイドさん付きだったので、さりげな~く耳をそばだてて聞かせていただきました。
殿様の横にある房飾りのついた小さな扉。
あの奥には実は配下がいっぱいひそんでいて、
何かあれば一斉にうおー!!って飛び出してくるんだって。
武者隠しってやつですな。

へえー、なーるほどー!
とうなづくガイド付きのグループと私。
あの欄間はこっち側とあっち側で模様が違うとか、
やっぱりガイドさんがいると深~く見れていいですな~。私のガイドさんじゃないけど。


お城の中でいろんな部屋を見ましたが、
将軍様が大名たちと会う部屋の絵は、雄々しい松と猛々しい虎。
将軍様の武器を置いとく部屋は眼光鋭い鷹の絵。ん?鷲?鷹?
一方、奥方やお付きの者と過ごす部屋はキラキラした絵ではなく墨絵風のゆったりした文様。
そして朝廷からの使者と会う部屋は草花かなんかのおとなし~い絵柄(この場合、上座は将軍ではなく朝廷)。

そうか。
大名と会う時はその権威を相手に示し「お前らたてつくんじゃねーぞ」っていう絵を、
武器のある部屋ではその武威を「おらー強いんだぞ」とを示す絵を、
目上の者と会う部屋には「わたしらに敵意はございません」ていう絵を。

部屋に描かれた絵って、将軍の演出と意思表示なんですね。
だから探幽はますらおぶりの松を描いたんだな。

また、部下(老中とかかな)にあてがわれた部屋はのどかな水鳥の絵。
思わずわらちゃうようななどかさ。
うん、くつろぐにはいい絵だね。

なんかすごく、絵の目的というものを見たお城でありました。


そしてその絵を描いた狩野探幽、当時25歳だったとか。
そんな若さでこの大仕事・・・。
なんぼ人生50年つってもすごいわな。
彼にもプレッシャーがあっただろうか。井上さんのように。


そんなこんなで二条城を堪能。
来てよかったです。将軍ってやっぱすげーのなって実感しました。
江戸城なき今、将軍様の居城が見れるのって二条城だもんね。貴重だよね。



その後はちょっとお買い物とお茶をしてから、高台寺の夜間ライトアップ特別開園を見て、
京都駅に戻って駅弁買って帰宅。


日帰りでもけっこうじっくり楽しめました。
泊まりだったらやっぱり連れがいた方が楽しいけど、
日帰りは一人でぶらぶらするのにちょうどいいな。

抹茶パフェ食べようと思ってたのに、
なんだかうっかり「期間限定マロンパフェ」頼んじゃったことをいまだに後悔。
だからまた来ようかな、京都。











お西さん

2015-11-12 23:49:44 | 日記
前回に引き続き、京都紀行でございます。


今回の旅の目的である東本願寺を後にして、さてここからはおまけの観光です。
当初は予定になかったのですが、急きょ、西本願寺にもよってみることにしました。
直前にネットで見たブログで、東と西を比べて見てみたらいいという記事を見かけたからです。
しかしこの後も予定が立て込んでいるので、あくまでちらっとだけ。

西本願寺も初めての訪問。
東本願寺から歩いて10分ちょっとかな。


後ろでおじいちゃんが孫に「ほら、滑り台だ」と指さして笑っていた御影堂の屋根。
なるほどよい傾斜ですな。


こっちも大きい!金ぴかー。

敷地に入って思うのは、東と雰囲気が違う・・・。
なんていうか、ちょっとラフな感じというか、気さくな感じというか。
案内の看板やパンフレットがかわいい系だったり。

西本願寺のバックについていたのは豊臣秀吉。一方、東本願寺は徳川家康。

なんと、この京都駅前の数百メートルの間で、西の豊臣・東の徳川の縮図が見られるとは。
確かにこころなしか東はなんとなく武家っぽい硬派な雰囲気があったなー。
なるほど比べてみると面白いもんだ。


彼らは天邪鬼くんだって。かわええ。


麒麟かな?

案内を読むと、何度か火災に遭っているようですが、その中でも蛤御門の変の文字が目に留まる。
東本願寺も同じことが書いてあった。
蛤御門の変つったら、風光るとか今やってる大河とかで見たあれですか(私の日本史の知識は漫画と小説とNHKでできている)。
歴史上の話としか思っていなかった言葉がここで本当に起こったってなんだかぞくぞくしちゃう。
そうかー、このへんも類焼するような事態だったんだ。へえー。
そしてなんつってもお西さんは新選組の屯所だったんですよね
ここを土方さんや沖田さんが歩いたのかなー。
うーん歴史ロマン。

そんなこんなでちら見だけして盛り上がって後にした西本願寺ですが、その後、有名な唐門を見なかったことに激しく後悔。
なぜならば、唐門にこそ、私が信奉する麒麟さんがいらっしゃったというのに!
キリンビールの麒麟のモデルになった麒麟だそうですよ!見たかった!





お東さん

2015-11-07 09:34:33 | 日記
去る日曜日の今頃、私は電車に乗っておりました。
着いた場所は・・・

鳩さんここはどこですか。

くるっくー(ぼくの足元に書いてあるで~)


というわけで、本願寺。
何本願寺かというと東本願寺。

どどん!真宗本廟!
はい。京都、来ちゃいました!
今回はぶらり日帰り一人旅。
というわけで写真いっぱい貼っちゃいますよ。


京都はまぁ人並みに何度か来てますが、東本願寺は初めてです。
駅からすぐそこということでしたが、本当にすぐそこですな。京都タワーの見える方になんとなく進んでいけばはい到着。



大きい~!!

残念ながらもろもろ工事中ですが、御影堂は見ることができました。
なんと世界最大の木造建築とな!
それも納得の大きさです。圧巻。

お堂を建てるための巨木を運ぶのに、ご門徒さんは大変な苦労があったそうです。
そうだろうなぁ。


この旅行の日程を決めた頃は天気予報が芳しくなかったのですが、
毎日毎日祈りを込めてしつこく京都の天気予報を見ていたところ、
私の執念が通じたのか前日になってついに晴れ予報になりました。
当日、見事なまでの快晴。いや~、日ごろの行いかしら~。

青空に黒と金が映えて美しい。


柱の上にいるのは牡丹と獅子かな?

繊細な木彫。あの花びらとかすごい。
日本建築のこういうとこ見るの大好きです。

もちろん写真は撮れませんが、お堂の中も拝見いたしました。
天井からつりさげられた大きな照明がものすごく綺麗でした。
とにかく上を見て口開けっ放しでした。


と。
ここに来た目的を忘れるところでした。
えーと、恥ずかしながら写真撮影。


こちらの「報恩講」のポスターイラストを手掛けさせていただきました。
いっぱい貼ってあってなんだか照れくさい。


さて、もう一つ大事な目的が。


東本願寺さんの庭園である渉成園にて、あの井上雄彦せんせいの「親鸞」屏風絵が特別公開!
これを見にるためにこの日に京都を訪れたのでありますよ。

その前に渉成園を散策。


こちらの庭園は徳川の将軍さまや明治天皇や吉田茂首相やニコライ2世などなどなど、ものすごい著名人が訪れた庭園だそうです。
なるほど美しい。
慶喜くんもお気に入りだったそうです。
15代将軍、慶喜公。なんとなく好きなんです。

この庭園の中にある建物で、屏風絵の公開がありました。


う~ん、見てよかったです。
井上雄彦さんの「親鸞」。
これは、どんな想いの表情なんだろうって、ずーっと眺めて考えていたくなるようなお姿でした。

そして嬉しいことにメイキングビデオが!!
この貴重映像を見れたのが正直一番うれしかったかも。

インタビューの中で、ものすごく印象的な井上氏の言葉がありました。
詳細はさすがに覚えていないので概要ですが、

やっぱりこのようなお仕事で、とんでもないプレッシャーがあったそうです。
そのため、筆が止まってしまうことも。
そんな時、夜中にふと、楽しくなってきちゃって。

絵を描くのが大好きだった子供が、大人になって、こんな大きな屏風に「描いていいよ」って言われている。
こんな幸せなことはないじゃいないかって。楽しくなってきちゃって。

そう思い至ったときに、
「あ、描ける」
と思ったそうです。


このエピソードはものすごく響きました。


規模はぜーんぜん違いますが、
私も「頼まれて描く」ということがちらほらと発生するようになって、
特に今回のポスターなんかも大きいやら枚数たくさん貼られるやらで、
「こんなんでいいんだろうか・・・」
と思うことは何度もありました。

でもね、
それを覆すほどの有難さと楽しさを忘れないでおけば、描ける!んじゃないだろうか。


あの井上さんの言葉を聞けて、
京都まで見に来てよかったなーと思いました。
親鸞さんがつなげてくれたんだなぁ。

渉成園の帰り道で、うわ~ここにも貼ってある。
ご近所の法衣屋さん。趣がある。さすが京都。



東本願寺のお堀でなぜか鷺発見。


このお堀を見て、お抹茶スイーツ食べたくなりました。

さあ!旅はまだまだこれから。

この後西本願寺も訪れるのですが、
なんだか長くなったのでまた次回。