梅の香庵~うめのかあん~

梅の香堂別館喫茶スペース*梅の香庵*
とりとめないことをとりとめなく・・・

伊香保温泉階段の町

2018-03-24 10:38:19 | 日記
実はもう一か月以上前のことで、今更感が半端ないのですが・・・・

伊香保温泉行ってきました。

伊香保温泉街は階段にあります。

いやー、伊香保楽しかったー。
今回の旅は、とにかく温泉に浸かってごろごろのんびりしよう!というコンセプトで企画されまして、
観光という点においてはあまり重きをおいてなかったし正直それほど期待していなかったのですが、
いやいや面白いじゃない伊香保。
どどーんと大きな観光名所がたくさんあるわけではないけれど、ちょいちょい面白いところがあり、
しかもコンパクトにまとまっているのであっちこっち行かなくても一日楽しめる。
なにより石段街という独自の街並みが面白い。
風情ある石段や怪しげな脇道を散策するだけでも楽しいし、行きたいカフェとかバーとかご飯屋さんとかちょこちょこあるし。
旅行に行くとあれこれ出かけて、疲れて帰ってきちゃうことが多いけど、
ここは、温泉の合間にそぞろ歩きをするのにちょうどよい街ですな。


こちらの河鹿橋は千と千尋の神隠しのモデルになった橋と聞いたので、一応チェックしとかねばな~と思い見に行きました。
どんなもんでしょね。こんなだったかね?
ナウシカやラピュタや豚は暗唱できるほど見たけれど、千と千尋は正直そこまでの境地に至ってないので映画の映像がどうだったか記憶をたどりつつ今日に至る。

さてこの長い長い石段の頂上に鎮座しているのは伊香保神社。
到着した日、神社に行ってみると、どうしたわけだか人気ラーメン店のごとくお参りの行列が出来ていたので一旦撤収。
でもなんだか、お邪魔しているのだからそこの神様にご挨拶しとかないと気持ち悪いな~と思い、
翌日早朝再度訪問。


なんとも静寂な世界。貸し切りです。
手前の二股の木。すごくないですか?でっかい人が逆立ちしてるみたい。ていうか犬神家?

えーと、この旅行の頃、北陸で連日の大雪が報じられていた頃で、すっかり雪に疲れていた私は、
「私は雪の降らない町(太平洋側)に行くのだ!はははははははは!」というテンションで出かけたわけですが、
ご覧のように伊香保は雪でした・・・・・。
うん。やっぱり、雪って標高なんだよね。

でもおかげで、雪の伊香保神社は美しかった。
こんなかわいい祠も見つけました。

ちっちゃいお稲荷さん。


なんてかわいい神様。
比較対象が無いので大きさがわかりにくかった。お狐さんの身長は7.8センチってところかな。

どの本だったか、杉浦日向子さんの著書で読んだ記憶があるのですが、
お稲荷さんは無視するとご機嫌を損ねるので、通りで見かけたらそっと頭を下げるだけでもいいからご挨拶するといい、と。
それ以来、お稲荷さんにはご挨拶するようにしています。怒られたら怖いじゃない。
日本の神様ってちょっと人間ぽいイメージがあるじゃないですか。ギリシャ神話に通じるような。
だから先ほどの「挨拶しとかないと気持ち悪い」という気分になっちゃうんです私。

こんな可愛い神様なら、千と千尋の湯屋にも行きそうな気がしちゃうな。


ロープウェイに乗って山の上へ。
ロープウェイも、温泉街から歩いてすぐなんです。

おおー。群馬ー。

前から思ってるけど、
群馬って茶色い。
雪のない冬っていうのは、殊更に茶色いんですね。

あと、群馬の山って形が面白い。
山ってけっこう地域によって違う。
新潟や富山の山は「土!」って感じだし、色は青から緑だけど、群馬の山は「岩!」って感じで赤茶色。
そして不思議な形が多い。

これ雄山と雌山らしいんですけど、私と友人はずっと「おっぱい山」って呼んでました。おっぱいにしか見えん。

そうそう、伊香保ロープウェイで上った山の上に、なんとなんとスケートリンクが!
それもお遊びのスケートではなく、スピードスケートのレースやってました。
初めて生でみたけどすごい迫力。
プチ平昌でしたよ。
伊香保意外性がすごい。

石段の近くにハワイ王国行使の別荘跡があるのですが、
何気にここも面白いですよ。
意外なものがいろいろある。

伊香保の石段には、与謝野晶子の詩が刻まれているのですが、
その中で、石段街をこう表現しています。
「Hの字を無数に積み上げて、
殊更に建築家と繪師(絵師)とを喜ばせる。」

うん確かに、絵になる街だけど、
私はこの石段、パース取るのがめちゃ大変そうなので、あまり描きたくはないなあ・・・・・。

そんな石段を描いた手ぬぐいがめちゃ可愛かったので、自分のお土産に。

分かります?猫が3匹。

この街並みは本当に猫が喜びそうな3次元の構造です。
早朝の神社の帰りに猫を見かけて追いかけたのですが、お堂の裏に消えてしまった。
映画のイントロのようでした。

そして、もう一つのお土産は竹久夢二のクリアファイル。

竹久夢二伊香保記念館に行ってきました。

ここね、すごいです。
行った方がいい。
実は私は最初あまり興味がなかったのですが、連れの友人が行きたいというのでスケジュールに組み込みました。
行ってみたらこれはすごい。
夢二の作品もすばらしいけれど、館内には大正アンティークな家具や調度品が至る所にあり、
絵に興味が無い人も楽しめると思います。
更には貴重なオルゴールの生演奏など。
別館ではこれまた貴重な大正時代の国産ガラスが見れますよ。手作りでちょっと不揃いなんだけど、意匠がこられされていてめちゃめちゃお洒落!

夢二の作品もたくさんあるのですが、スケッチブックの素描がよかったですねー。
当たり前だけど、上手い!!
はー。やっぱすげーな。マジ感動です。
そしてこの人、ほんとにマルチクリエイターだったのですね。
今まで特に興味のない画家さんでしたが、こんなすごい人だったとは。
そして、竹久夢二という人のことを初めて詳しく知ったのですけど、なんとも劇的な人生を送った方でした。
まあ言ってしまえば、女性遍歴がすごい。
昼ドラが2.3本作れます。

これ語ると長くなるので割愛しますが、でもまあ、モテたんだろうなー。こういう男モテそー。
夢二さんね、本名は茂次郎さんというんですって。
こう言っちゃなんですけど、
茂次郎が、夢二って名乗るんですよ。
そのペンネーム、けっこう自分に自信がないとつけれなくないですか?

そんな彼が女泣かせて泣かされて、いろんな女性を描いて、
そして、あの有名な「黒船屋」。

黒船屋は、こちらの記念館が所蔵しているそうなのですが、
なんと、一年にたった2週間。それも完全予約制でしか見れないのだそうな。

記念館全体にも漂っているのですが、
夢二に対する愛が本当に深い。
特に、「黒船屋」に対する思い入れが本当に強い。

こんなにも大事にされる絵って、それを描いた画家って、どんな気持ちなんでしょうか。



旅の終わりに、高崎で買っただるま弁当で乾杯。

伊香保。
再訪したい街がまた増えました。