梅の香庵~うめのかあん~

梅の香堂別館喫茶スペース*梅の香庵*
とりとめないことをとりとめなく・・・

今年も一年おつかれさま

2012-12-31 00:40:09 | イラスト
今年最後の更新となりました。

てなわけで、梅の香堂のトップを年末バージョンに。




今年の描きおさめとなりました。
最後に何描こうかな~と考えて、去りゆく辰年を。
ふと思いついて台詞つけてみました。
龍は神獣だからね、神様の使者と同格の設定です。


さて、最後ということで、今年心に残った一言など。


しばらーく前のことですが、
たまたま「先輩ROCK YOU」という番組を見ました。
これ私も2,3回しか見たことないのですが、なかなか面白い番組ですね。

内容としては、その道のプロを招いてのトーク番組。
土曜の23時。
で、その日たまたま見た回が、柿沼康二さんという書道家の方がゲストでした。

この方のトークに、私しびれましてね。

中でも心に書きとめたのがふたつ。


量より質。

という話。

氏が師匠に言われたという言葉。
量より質。
すなわち、

「最後は、一枚でも多く書いた奴が勝つ」


ですよねー!!(T▽T)
って、思いました。
そうなんだよね。
たくさんたくさん描いた奴が勝ちだよ。
たくさんたくさん描かなきゃうまくならんのだよね。
わかってる。
わかってるのだ多分みんな。
でもそれを実行出来る人と出来ない人との間に実力差が生まれるんだ。

以前、竹内栖鳳さんの話をここでしたときに、
「画家たるもの一日一枚は写生をしなさい」
という栖鳳さんのお言葉を紹介しました。
そして実は私、
一日一スケッチをやってみようと試みたのです。
結果。
見事なまでの三日坊主

成し遂げた人は皆、誰よりもたくさん練習してる。
ただそれだけのことが何より難しい。


そしてもう一つ、
個性について。


個性って言葉は、今世の中に飽和している気がするのです。
なんでもかんでも「個性」って言えば片付けられるような。

でもな、
個性ってそんな甘いもんじゃないぞ。
って思ったのが、柿沼氏の言う「個性」。

書道の練習に、臨書ってのがありますな。
要はお手本を見て、その通りに書く。

これを、例えば弘法大師の書を臨書するとしましょう。
柿沼氏はこの臨書を毎日毎日何十枚何百枚書くそうです。
お手本と同じように。

でもね、
何十枚何百枚、弘法大師の書をその通りに書いていても、
どこかしら違いが出てくる。

その、似せても似せても出て来てしまう弘法大師と自分との「違い」。
それが、「個性」だと。

個性ってのは、なーんの努力もなく、勝手なことをやって、これが個性だ!
とかいうもんじゃない。
鍛錬して鍛錬して、抑えても抑えてもじんわり出て来てしまうもの。
それが個性。


なるほどー!!


って、大拍手。

ナンバーワンにならなくてもいい元々特別なオンリーワン♪
ってあれ、
私どうかと思う。
そのまんまでいい。
それが君の個性。

あのなぁ。
個性なめるな!!

「ONE PEACE」で、
「奇跡なめんじゃないわよ!」という台詞があって、目からウロコだった。
奇跡を起こすにはそれ相応の強さと努力が必要だと。
そうそうそう。
近頃テレビでよくあるじゃない。
「その時、奇跡が・・・・」とかいうナレーション。特に某動物番組で頻発。
何が奇跡だ。奇跡ってそんなに軽々しいものか、と。

個性もそうだと思う。
一等賞を目指す努力もしないで、オンリーワンになんぞなれるわけねーだろ。
個性ってそんな甘いもんじゃねーぞ。
そう簡単に手に入れられるもんじゃねーぞ。
生まれながらに持ってる?
それは個性じゃなくて、個体を識別してるだけだっつーの。

竹内栖鳳さんがまだお弟子ださんだった時代、
絵の鍛錬というのは写生ではなく、師匠の絵をひたすら模写することだったそうな。
でも、それでも一人一人の絵はちがう。
臨書と一緒だ。


書いて書いて書いて。
描いて描いて描いて。

一枚でも多く描いたものが、個性を手に入れて、そして勝つ。


1日1スケッチ。
来年は実行・・・・・したいな。
いや、するぞ。
うん。多分。

そうそう、
来年一発目の「先輩ROCK YOU」は漫画家さんがゲストらしいです。
漫画家志望の方必見ですぞ。



それでは今年もおつきあいいただきましてありがとうございます。
良いお年を。




長靴の中の猫

2012-12-28 00:34:49 | 日記
仕事を終えて、更衣室。
制服から着替えてコートを着てブーツを履いたら、

・・・・・・なんか入ってる。


そう言えば今朝通勤中にも、ブーツの中に異物感。
小石でも入ったかな?と思いつつ会社に着いちゃって靴を履き替えて忘れていた。

そこでブーツをさかさまにすると、
転がり落ちて来たのは、黒いねじねじ。


ねじねじ、とは。

パン屋さんで食パン買ったら袋の口をしばってあるアレ。
もしくは、
新しい家電を買うとコード類を束ねてあるアレ。
平べったくコーティングしてある針金ですね。

これらを我が家では「ねじねじ」と呼んでおります。

そしてねじねじは椿の大好きなおもちゃ。


これが何故猫の興味をそそるのか未だに不思議なのだが、椿は幼い頃からねじねじ大好き。
余所様の猫はどうなのでしょう。

自分でふっとばしてそれを追いかけたり、
私に「投げて」と持ってきたり、
がじがじはみはみ齧ったり。

このちっさい針金の切れっぱしでそりゃもう大盛り上がりです。


ブーツから出て来た黒いねじねじは、ここ数日椿がいたく気に入って遊んでいたものだ。
いつの間に私のブーツに入れたのか。
昨日の夜も遊んでいたはずだが。
つーか何故ここに入れるのか。

更衣室の片隅で、ひとり忍び笑い。

会社にいても笑わせてくれるやっちゃ。
もうすぐ帰るぞ。




猫と猫の置物の図。
背景が生活感にあふれているのは、椿が乗っているのが冷蔵庫だから。





冬のともし火

2012-12-25 00:28:15 | イラスト
何気にクリスマスですね。

メリークリスマス★

とはなんら関係無いのですが、久しぶりに梅の香堂のイラスト更新しました

「冬のともし火」(部分)
スズメさんの瞳が可愛く切れたので一部拡大してみました。
作者の欲目かしら。

全体像は梅の香堂をご覧ください。


3連休最終日はサンタが遭難しそうなクリスマス寒波。
今日は大掃除の一環ということで、レンジ周りシンク周り洗面所周り冷蔵庫の中外を綺麗にしました。
思いの外時間がかかってしまい、ようやく終わった頃には日が暮れていた。

あぁ。連休がおだやかに過ぎ去っていったなぁ。


この休みは、掃除と読書で過ごしました。

読んでいたのは「利休にたずねよ」山本兼一著

面白かったです。
めくるめく興奮、とかの面白さじゃなくって、淡々と進む話の中で自らも思いを巡らせながら読み進めると言いましょうか。
静かな青い炎のような小説でした。

この中で印象深かったのが、「三毒」の一節。
三毒とは、仏法が説く害毒で、
むさぼり、いかり、おろかさ、の三つだそうな。
人が道を誤るのはたいていこの三毒が原因だ。
と、
作中の僧侶は考える。
人の世にはこの三毒の焔が燃え盛っていると。

なるほど確かにそうかもしれん。
ギャンブルに溺れて人生踏み外した、とか、
嫉妬に狂って犯罪者になった、とか、
よく考えもせず気が付いたら誰かの保証人になって借金苦、とか、そういうことか。

と思いながら読み進めていくと、利休が言うのです。


「肝要なのは、毒をいかに志にまで高めるかでありますまいか。
高きを目指して貪り、凡庸であることに怒り、愚かなまでに励めばいかがでございましょう」


な、なるほど!
思わず膝を打ちました。

欲というは人を活かすパワーにもなりえる。
毒が無ければただ淡々と生きているだけになってしまいかねない。
毒の焔を自分に対して燃やせば、それは自ら燃やす燃料になりえるっちゅうわけかい。

そうか~。
さすが利休、いいこと言うなぁ。


私も高きを目指して貪らねば、
と思いつつ、
鉛筆握らないままお休み終了。


なんと愚かな。







石川五右衛門参上

2012-12-14 23:36:28 | 読書
最近読んだ小説が、もしかしたら今年一番のヒットだったかも!

未だ興奮さめやらぬその一冊は

「太閤暗殺」岡田秀文著

なんか読みたいな~という軽い気持ちで書店をうろついていた時に発見。
ふと手にとりました。

背表紙のあらすじを読むと・・・・


太閤秀吉に諦めかけていた念願の息子、お拾(後の秀頼)誕生。
・・・・お拾に自分の全てを継がせたい。
そう願う秀吉は、すでに関白の座を譲ってしまった甥の秀次が邪魔になる。
秀吉の思惑に危機感を強めた秀次の側近は、ついに秀吉暗殺を企てる。
その暗殺を請け負った男こそ、天下の大盗賊、石川五右衛門であった!


なぬー!
石川五右衛門が豊臣秀吉を暗殺!?
なにその
カレー天ぷらラーメンセットみたいなこてこて感。
でも興味深々な設定!

というわけで、
もしつまんなくても、まぁ話のタネにでもなれば、という気持ちで読み始めたのですが、


これ、大当たり!

もうページを捲る手が止まりません。
一見、どこぞの演劇かアニメの設定みたいですけど、これがなかなかにリアリティがあるじゃないの。

秀吉の天下になって、一見治まったかに見えた戦国の世も、
一枚ぴらりと上っ面をめくれば、一瞬の隙も見逃すまいと誰もが目をギラつかせているような、
そんな油断のならない世の中。
そんな中で、主君のため、というよりは、主君がコケて自分も巻き添えくいたくないっていう、
どいつもこいつも手前ぇのことしか考えてねーじゃねーか!という男たちの、
武力と知力と謀略をめぐらしての攻防戦!

物語が進むにつれ、
えー!?そういうことだったんかーい!
と雄叫びをあげることしばし。
読み終わった後は、
「て、てことは・・・・じゃああの時のあれは・・・えええー!?」
と、思わず最初から読みなおしたくなること請け合いです。
そしてね、かっこいいのさ石川五右衛門!
斬鉄剣は持ってないけどな。

幾分ミステリーの要素もあるので詳細は語りませんが、
晩年とち狂った秀吉が、我が子可愛さに甥の秀次を一族郎党皆殺しにした、というのは史実として有名な話。
それこそ本妻妾その子供たちも含めて根絶やしにしたとか。

なんつーか秀吉っつー人は、他に類を見ないとんとん拍子の成功人生を送ったわけですけど、
あまりにとんとん夢の如く上り詰めちゃって、
これってほんとのほんとに現実なのか?って、自分が一番不安になっちゃったんじゃないかなーって思いました。
故に、現実だという証をなんとか形にしたくって、
実子を跡継ぎにすることに固執したんじゃなかろうか。
というのは、私の個人的な想像でなんの根拠もありませんがね。


話がそれましたが、
「太閤暗殺」、私にとっては今年最大のヒットです!
ちなみに次に読むべく手許にあるのは秀吉つながりで「利休にたずねよ」
これも面白そ~。


おまけでまたしても脱線しますが、
この小説を読んで思ったこともう一つ。
石田三成って、やっぱりこういう性格で書かれてるな~、ってこと。
どういう性格かというと、
ものすごく頭脳明晰で切れ者だけど、やや性格に難ありで友達少なし。人望微妙。
場の空気を読まないって、いうかハナから読む気無し。
俺って出来る奴っていうプライド高し。
あんたのこと嫌ってるやつ多分いっぱいいるよ?って男。

この時代の小説なりドラマなりを見ると、大概三成くんはこういう性格だ。

ここまで徹底的にそうなのは、本当にものすごくそういうヤツだったってことなのか?
いやいやしかしですよ。
400年前の人ですよ?
どんな資料に基づいてそういうイメージなのかは分からないし、
実際そういう資料があったとしても、その真偽のほどは大分怪しいぜ。
わざと「そう書かせた」文書なんていくらでもあるだろうさ。

と、
私が言うのは、べつに、
三成くんはホントはいい奴なんじゃないの?っていう擁護論ではなくてですね、
ふと思ったんですよ。

400年も先の見ず知らずの奴らに、
性格に難ありとか、言われたくないだろうな~、
と。

てめーら知りもしないくせに、勝手に人の性格がどーとか言ってんじゃねーよ!
と、草場の影でご立腹なのではないだろうか。

ま、私はけっこう好きですけどね。三成くん。
そしてやっぱり戦国時代は面白いですね。



高校球児に愛をこめて

2012-12-09 00:22:53 | 日記
もうずいぶん前の話題ですが、
阪神タイガースがドラフトで大阪桐蔭の藤浪くんを1位指名したとか。
そんで2位指名が光星学院の北条くんだったとか。

それを聞いて、わたしゃ嬉しさひとしおでした。
プロ野球にはさっぱり興味ないけれど。

なぜって。
この秋、私は藤浪くんと北条くんの試合を何度も見ていたからです。


今年のコミックイラストグランプリは高校野球をモチーフにしよう!

そう決めたのはこの夏の甲子園が始まる頃でした。
なのであらかじめ、甲子園の決勝戦とテレ朝の「熱闘甲子園」最終回を録画しておくことにしたのです。資料用に。

さてその「資料」である決勝戦の試合。
大阪代表・大阪桐蔭VS青森代表・光星学院。
私はあくまで、選手たちの表情とか仕草とかを見たかったわけです。
更にはユニフォームってどんな作りなのかとかグローブってどういう仕組みなとかとか、
球場の様子とか。
そういうのを見るために録画したのですが、

気がつくと試合に見入っている自分。

やはり雪国出身としては光星学院を応援したい。
雪が降る地方は野球が弱いとか聞いたことがありますよ。冬場グラウンドで練習できませんからね。
光星学院がどれほど降雪があるか知りませんが、野球は圧倒的に西と南が強い。
なのでやはりついつい光星に声援を送ってしまう。

結果は分かっているのにですよ。

こうして私は資料である試合映像を何度も見ているうちに、すっかり両校のチームが大好きになったわけです。

今回の一番の注目株・大阪桐蔭の藤浪くん。
他の選手よりも頭一つ飛び出る長身で、ずば抜けた剛腕投手。
プレッシャーを感じさせない投球で、決勝戦の9回で今大会1番の速い球をなげちゃう嫌みな奴。
そんでまたこれが男前なんですよね~。
絵に描いたような切れ長で涼しげな目元。
出来すぎててかえって小憎たらしい。
でもね、
時折見せる笑顔が無邪気でかわいくてね~。
悔しいけど、こいつかわいいなーと思わずにはいられない。
プロに行っても華のある存在になることでしょう。

対する光星学院の北条くん。
彼はあまり表情を崩さないクールガイ。
この大会ナンバーワンスラッガーと謳われながら、決勝戦、藤浪くんは打てなかった。
でもね、君相手の時は藤浪君、特にきばって投げてたよ。
君は彼にとって相応しい相手だったんだよ。
最終回。最後のチャンスの場面で4番北条くん。
ここで打たなきゃ4番じゃねーぜ!って場面で打ち上げっちゃったあの時、
どれほど悔しかっただろう。
おねーさんは個人的に北条くんがタイプです。

そして光星のキャプテン、キャッチャーで3番の田村くん。
彼もまた常に冷静沈着なクールガイ。
いかにもキャッチャーという落ちつきぶり。
彼もまたチーム屈指のスラッガーながら、なかなか藤浪くんを打ち崩すことが出来ず、
わずかながらの悔しげな表情の奥で、どれほど歯噛みしていたんだろう。
にも関わらず試合後のインタビューまできっちりしっかりこなしていた。
君はきっと将来、デキる大人になるに違いない。

2年生ながら藤浪くんの女房役を務めた桐蔭のキャッチャー森くん。
末恐ろしいなぁ。
来年もがんばれよ。
それと桐蔭の田端くん。
君笑いすぎだ。
少々おっちゃんぽい顔立ちだが常に豪快な笑顔。
そのキャラクター大事にせぇよ。
対して光星の大杉くん。
最後のサヨナラのバッター。
見事3振。
その後君、閉会式始まってもずっと号泣なんだもん。
おねーさんはそれを見て泣き笑いでした。


こんな具合にすっかり各チームを把握するほど見て描いた作品が、
コンテストで賞をいただきました。

ありがとう。
君らのおかげです。



ちなみに、
実際の試合映像の他に録画した「熱闘甲子園」今季最終回。
これすごいっす。
私これ資料なので何度も見ましたが、
何度も見てるのに、

毎回泣けます。

そのへんの映画よりも確実に泣けます。

30分の番組の前半は決勝戦のダイジェスト。
そして後半は今大会の「感動場面」ダイジェストなのですが、
これがもう、何回も見てるのに、そのたびに泣くんです。
試合映像以外にも、宿舎での風景とか、インタビューとか、
試合後、号泣する2年生の頭を笑ってたたく3年生とか。
もう、分かってるのに見る度に泣ける。
あほです。制作者の思うツボです。
そう思っても泣いちゃいます。

涙を流すのはストレス発散にいいそうですよ。
これDVDにしたらいいんじゃない?と思ってたら、ちゃんと発売してました。DVDあんどブルーレイ。
ストレス発散にいかがですか。

この録画、消すに消せず、
受賞が決まって、ビール飲みながら久しぶりに見ました。
やっぱり泣きました。