梅の香庵~うめのかあん~

梅の香堂別館喫茶スペース*梅の香庵*
とりとめないことをとりとめなく・・・

月下美人

2019-07-14 00:01:46 | イラスト
月下美人、見てきました!

月下美人といえば、年に一晩しか咲かない花。

何年か前に月下美人の絵を描いた時、いろいろ資料を見ていたら、一度は実物を見てみたいなあと思うようになり、
どうやら市内の植物園で月下美人が咲く頃、夜間特別展示されるということが分かったのですが。

なんてったって年に1度です。

調べてみると、特別展示は2晩だけ。
しかも開花予想が難しいため、開催決定は当日朝、というレアっぷり。

つまり、そろそろかな~と思ったらこまめに情報チェックして、かつ、決行のその日の夜、予定が空いてなければならないのです。

ゆえに、見たいと思いつつ数年が経過しておりました。

それが去る7月9日。
朝、出勤すべく車に乗り込むと、いつもつけっぱなしのFMから県内ニュースが流れてきた。
「...市植物園にて、昨夜と今夜、月下美人展が行われています」
キター!!!


ついに来た!ていうか昨日からやってたんだ!
あいにく今夜は暇ですよ!行くぞ念願の月下美人!

てなわけで、数年ごしの想いが叶ってついに生・月下美人。
開催時刻は19:00~21:30。
19時すぎに植物園に到着。
園内に足を踏み入れると、居並ぶ鉢植えたち。数十株はある。案内によると、月下美人は100輪以上咲くという。すごい。

しかし、

つぼみ。

そう、今から開くのです。
ぶっちゃけ空腹の私と連れの友人は思った。もっと遅くくればよかったんじゃね?

そしてちょっと怖いビジュアル。
でもそれは知っていた。絵を描く時、いろいろ資料写真を見た私は気づいた。
この花、花はキレイだけど、花以外の部分はなんかちょっとコワイ。茎がにょろっとしてるし。

しかもよく見たら、葉っぱからいきなりにゅっと茎が伸びて花をつけている。なんだその生え方。
さすがサボテン科。名前ほど繊細ではない。ちなみに原産はメキシコの熱帯雨林。確かにちと暑苦しい。花以外はね。
あ、あと、年に一晩だけ、というのは少々盛った話のようで、実際は数回咲くそうです。
とはいえ、こんなに一斉に咲くのを見れるのはやはり希少とか。

ちょっと早く来すぎたかな?という当初の不安を払拭するように、月下美人の動きははやかった。


20分ほどたった頃。

開いてきた!
花は大きく、大人の手の平ほどもある。

あ、背景が黒いのは、ちゃんと写真撮影用に花の後に黒い幕が設置されているからです。
そう、来てみて気づいた。月下美人鑑賞会。それはすなわち撮影会を意味する!
もう、誰もかれもがカメラを構えてシャッタ―押しまくり。スマホではなく、でっかいプロっぽいカメラを携える方も多い。
みなこの希少な花を写真におさめるべく夢中になっている。
鉢はたくさんあるけれど、見栄えのいいやつは行列が出来ている。いつの間にか、園内はたくさんの人でいっぱい。

そして、純白のこの花は、黒に映える。ていうか、黒にしか映えない!
あと花に寄らないと、その他のイマイチな部位が入ってしまうため、黒地に花のアップばかり撮ってしまう。
なるほど。資料写真がどれもこれもそういう構図だったわけが分かったぜ。


しかし、確かに美しい。



20時を過ぎた頃、満開。



後ろ姿は、にょろりと生えてる感じがよく分かっちゃう。

全体像はこちら。

ヒトの背を超えるものもあり、けっこうデカい。
熱帯雨林ですくすく育ってる様が浮かぶ。

園内の月下美人豆知識によると、月下美人は日本でやたらと人気があるそうです。
年に一度。純白の花。っていう儚さが日本人受けするらしい。確かに。
欧米では、白い花ばっかり=地味、ってことであまり人気が無いらしいです。
そうかー。闇に浮かぶ白が美しいと思うけどな。
あと、暗いからこそ、あまり儚さを感じない、昆布っぽい葉っぱとか、にょろにょろ伸びてる茎とかが目立たないしね。。
あ、夜に咲くのは、花粉を媒介するのがコウモリだからだそうですよ。





気が付くと、同じような写真ばかり撮っていたけれど、たぶん、月下美人撮影した人はみんなこうだと思うのよ。
でも、綺麗だった!満足!

花は、日付が変わる頃には閉じ始め、朝にはまたつぼみに戻っているそうです。

ただ一つ腑に落ちないのは、
事前に見た植物園のHPには「ホールは月下美人の花の香に包まれます」とあったので、
さぞかし甘い香りなのだろうと思いきや、
まず、そんなにニオイがしない(私基準)。近づいて嗅いでみる。
・・・・・う~ん。何と言いましょうかこれは・・・青臭いニオイ・・・。あとちょっと木の実みたいな香ばしい感じ。
ともあれ、それほど包まれたくはない香りであった。

ま。それも含めて初めての生・月下美人。堪能しました。

最後に手前みそですが、数年間前に描いた月下美人の絵を。

「真夜中の目撃者」

うんこれ作ってる時、背後の葉っぱとか茎がイマイチ美しくないので、なるべく目立たないように背景色になじませようとしたことを覚えています。





夏の朝

2019-07-07 18:28:28 | イラスト
梅の香堂トップ絵更新しました。


「夏の朝」


カマキリ描いたの初めてですが、なかなか可愛くないですか?
そういえばカマキリも猫みたいに顔洗いますよね?あれって可愛い。


さてまだ雨模様の続く今日この頃でありますが、
私、雨は嫌いではないです。
なんとなく落ち着くんですよねー。巳年でみずがめ座のせいか。
蛇は龍と同じく水神の象徴であります。

そんな梅雨時だからこそということで、先週、鎌倉へ紫陽花を見に行ってきました。





訪れたのは北鎌倉のお寺。建長寺と円覚寺。
なんでこの二つかというと、紫陽花で有名なところは激混み必至だったので、それほど有名どころでないお寺をチョイス。
結果、落ち着いた雰囲気の中で散策できてよかったです。

ところで私、この二つのお寺で気づいたことが。
建物のそここに、三角の鱗紋の家紋が。
そうか。ここは鎌倉時代、北条氏が建てたってパンフレットに書いてあったから、北条の家紋があるのだな。
あの三角の紋、小田原行った時にも見たなあ。小田原市のゆるキャラ、梅丸くんの着てる鎧にもあの紋が・・・

んん?

鎌倉の北条氏と、小田原の北条氏って、同じ一族??
いやでも間に何百年かあるよね?
でも同じ紋だし。同じ神奈川県内だし。
え?そうなん?北条氏って、そんな長く続いた一族なん??ええー!?

気になったので、帰宅後調べてみました。ま、ネットでですが。
結果、鎌倉の執権北条氏と、戦国時代の小田原を拠点とした北条氏は、別モノ。
なあんだー。
ネット情報なのでどこまで本当かは保証できませんが、
一応、遠~い親戚だけれども、直接の末裔ではない。
戦国時代の北条氏は本来「伊勢氏」であったが、「北条氏」に改姓したとのこと。
すなわちかつての名家である「北条」の名をいただくことによって相模の支配者としての正当性を得たかった。家紋も同じ理由で継承した。
という感じでした。
うーん、思いがけず勉強になった。
ご興味ある方はググってみてください。


さて旅に戻ると、


東京にも寄ったのですが、スカイツリーがこの通り。
実は初めてのスカイツリーだったんですけど・・・・なにこれ。雨雲恐るべし。
バベルの塔かと思いましたよ。

そしてそして念願のすみだ北斎美術館へ。
ずっと来たかったこの美術館。

常設展では今どきなデジタルを駆使した展示がされていて、普段ならめくることの出来ない北斎漫画の前項をめくって見れちゃったり、
北斎の絵をつかったゲームで遊べたりと、とっても楽しかったです。

企画展は、肉筆画を中心としたフリーア美術館展だったのですが、
屏風を畳敷きの空間に展示してありまして、実際、靴を脱いで畳の上に座って見られるんです。あ、全部じゃないです。1作品だけね。
これがねー、すっごいよかったですねー。
屏風とか掛け軸とかって本来そうやって座って見るものじゃないですか。
そうやって見てみると、普段美術館で立った状態で見る視点と全然違うんですよ。絵の中にいるように感じられるんです。
これはすごい発見でしたねー。素晴らしかった!

そんなすみだ北斎美術館でついに私、北斎漫画を入手しちゃいました。


手の平サイズの豆本ですが、あの北斎漫画が我が家に!


これよく見たら色の指示が書き込まれてるんですよ!
あんなワイルドな爺さんなのに細かい!
師匠、勉強させていただきます!

晴耕雨読ならぬ晴耕雨描。
しばらく絵描き日和が続きそうですな。