「音みる(音のみるふぃ~ゆ)」ブログ...♪

100名を超える音楽教室「音のみるふぃ~ゆ」のレッスンノート。また3人娘の子育て日記。

追い込み

2013年12月12日 | 日記
私が中学生だった頃。音楽教室の初のコンサート。
あまり練習せずにに臨もうとして。

その1週間前の公開レッスンで、同学年の他のお弟子さんの前で、
「あなた、もう帰っていいわよ。」と当時の先生に一言、言われた。

それっきり、うんともすんとも何もおっしゃらない。

私にここから出てけとおっしゃってそれっきり。

その時の私の赤っ恥ようと言ったら!
他のお弟子さんたちの前で、どうしたらいいのか、立ちすくんだ。

何が一体いけなかったのか…。

練習不足を先生はさっさと見抜いて、
もう帰っていい=本番は出ないでいい
と告げたのです、私に。

追い詰められた私は、無我夢中で練習をして、どうにか仕上げたつもりで
本番前日のお稽古で、手を震わせながら弾いたのですが、
そのあまりに切羽詰った感に、
先生が「明日はきっと大丈夫よ」とおっしゃって、心底ほっとした。

本番は、その一言のおかげで緊張せずに弾けて、そのあと、先生がほめてくださった。
その先生に褒めて頂いたのはその一度きり。

あの時、ぎりぎりの崖っぷちに立たされた感じがした。
そういわれるまで、私は本番、人前で弾くことを
とても甘く見ていたと思う。

幾度もその先生には、お叱りを受けたけれど、あんな風に
恥ずかしくて、思い知らされたのはあの時だけだ。

そのあとのたった1週間で見違えたと、あとから先生はおっしゃった。
「中高生はその突然の意識の変化でいくらでも変われる、
だから中高生を教えるのが一番面白い」と。

もちろん、当時は先生のその心境なんて知らない。
ただ、先生がにこやかに笑ってくださったから安心した。

でも今ならわかる。たった一週間でも変われる。

もっとすごいことを言えば、その前日のお稽古で私の後ろにお稽古をした友人は、
先生に一週間前の私と同じことを言われたのです。
「あなたは、明日出るべきじゃない、これだけひどい演奏をするのなら、
私が恥ずかしい思いをするから」と・・・。

同じように緊張が走った瞬間でした。

彼女は、本気で怒って「私は明日、出ない!」と帰り道で、宣言した。
そのあと、どのくらい弾いたと思います?

次の日に聞いたら、悔しくて泣きながら、夕飯も食べる気になれず寝る直前まで弾いたと。

本番ではその凄まじい演奏に、驚いたのですが。

ってことは、たった数時間でも、変わるってことだよね?


さて、現在。

発表会準備が着々と終わって、少しほっとしてます。

リハの様子で、打ちのめされた子もたくさんいたことでしょう。

今からでも遅くない!追い込め!自分を。

その「なにくそ!」パワーは、きっとこれからの生きる力になる。

ちなみに私は「あなた、出なくていいわよ」とは言えない(笑)
きっと、あの当時の先生と同じ年くらい、と思うのだけど、

今は・・・・むずかしいね~。。

(でも、昔堅気のS先生がこっそり近づいては、「どのくらいおうちで弾いていらっしゃるの?」
とやんわり練習不足を指摘していたのを私は知っている(笑)みんなあわててました。)