「音みる(音のみるふぃ~ゆ)」ブログ...♪

100名を超える音楽教室「音のみるふぃ~ゆ」のレッスンノート。また3人娘の子育て日記。

マジック

2024年02月28日 | ある日のレッスン風景
「先生に、手品を見せてあげるね」
ピアノのレッスンにやってきて、上着を脱いで、譜面をピアノの蓋に置いて、、おもむろにマジックを始めたCoちゃん。
それは、左手が右手の長さよりも長くなるというマジックで、ひと通り見せてくれた後に、
「先生も一緒にやってみよう?」と言う。
私も試しにやってみて、ほんとに…変わった気もする。

私の様子をじっと見ていたCoちゃんは、よし、と満足気な顔をすると、
「じゃあ、弾こうかな」とピアノの椅子に座った。
頑張り屋のCoちゃんは、とっておきに練習してきた時にだけ、私が、偉かったね!の敬意を表し、譜面に書くgreat‼️のサインをもらえる事、を毎回のレッスンの目標にしている。
もらえない日もあるが、その日はちゃんともらって終わった。

帰り際、「Coのマジック、元気出たでしょ」
と私の顔色を見るように言うから、ちょっと驚いた。
「面白いマジックだから、先生も誰かにやろうかなぁ」と笑った。

レッスンが始まる前、発表会の構成で少し考え事をしていた。いつも元気に出迎える私だけど、その時のちょっとしたバタバタ感を察知したのかも。

子どもの方が大人の空気感を敏感に察知する、と私は思っている。
(いろんな子がいるから、当然そうでない子もいる)

Coちゃんは1年生だ。
終わってから、その時の様子を振り返って、つい笑ってしまった。


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まるちゃん、再び今日も行く!

2024年02月13日 | まるちゃん、今日もいく!
次女のまるちゃん(21歳)の話。

まるちゃんは、ずいぶん前から決めていた夢があって、それはもうとっくに叶えてしまった。
…なんと!それを決めたのは保育園時代に遡る…
(親としては、夢が叶った、よかったね
と言いたいところだけれども、それはまた別の話。)

さて、叶ってしまった夢は、継続させなくてはならない。

大概の人は、そこにやりがいを感じるとか、思っていたものと違うとか、その人なりの結果論がついて回って、結局またそれを土台に新しい夢や目的に向けて動き出すわけだが、、、
いろいろ考えてしまうから、躊躇いや迷いが生じるわけでしょう?

でも、まるちゃんは揺るがない。
いつもそうなのだ。

高校を辞める時もそう。
どんなに社会的に不利な立場に追いやられるかもしれないよと、大人(親であるワタクシが主に、笑)が忠告しても、頑なであった。

「将来のことを考えてみなさいよ」
と言えば言うほど
「私は今を生きているから、ママみたいに明日や明後日、数年先の未来まで考えられません」と、きっぱり言うのだ。

その度に、なんて!浅はかな!と、気が遠くなりそうだった。
胃もおかしくなり、ハゲそうだった。

思えば、ここに面白おかしく、まるちゃんのことを書き記していた時はよかった。
その後、まぁまぁ大変な事態に色々と巻き込まれて、それはそれは家族にとって試練だったわけだけれども、だから私にとっては、高校を辞める決断をしたまるちゃんは
「全てに見放されてしまった」と大袈裟に思っていたが、
まるちゃん曰く、「その日常を自分から捨てた時は、清々した」そうです。

私は情報や何かに振り回されることが常々だと思っているが、この躊躇いのない感覚は、
ほんとに我が子ながらあっぱれである。

でも、たまに聞くまるちゃんの経験談は、怪談よりも怖い😱

ただ、数年前には社会的にそれはダメじゃない?と思われたであろうことが、今は普通になってきていて、あれ、じゃあまるちゃんは、間違えてなかったのか?
と、私自身が訳が分からなくなっている時があって、ものすごい時代が変わっていってるなぁって思うのです。
先の見通しが立たない気がする時さえあるが、かつての「まるちゃん、今日も行く!」のテーマ通りに、現在のまるちゃんも、昔と同じように、突拍子もなく動き回っているのです。

そうやって、この15年もの間に私は、子育てを通じて本当に勉強させられました。
そして、時代がまるちゃんみたいな子についてきてる気さえする。。

それにしても。
まるちゃんは、もうすでに次の夢を決めている、らしい。

でも、私にはもうあれをしたい、これをしたいという夢の話をあまりしない。

いろいろ私に言われることが嫌なのだ。

子どもがどうなるのか…道を外してはならない、もしそうなったら、それは親の責任だろうと考えていた頃が、私は1番苦しかった。
自由?我儘?履き違えてるのでは?とかとか。
結局、それは「お母さん」という自分の問題だったんだよね。

娘らは、3人とも勝手に自分で道を作っていった。

よく、生徒さんのお母さん達が、子育ての悩みや迷いを私に話してくれるんだけれど、私は自分の経験談しか話せない。
専門家ではないけど、聞くだけなら出来る。

職業柄、たくさんの子どもたちと接してたくさんの親子関係も見てきて、もうほんとにケースバイケースだからアドバイスのしようもない気もする。

ただし、1つ言える事は、大概のことは「大丈夫だった」ってこと?

私は楽観的に「大丈夫、だいじょうぶ」って言ってるように聞こえるかもしれないんだけど、ほんとにそうなのよ。

ところがね、人ってなかなか「大丈夫」って言ってくれないのです。
それは大変ね、お気の毒、とは言わないが、そう顔に書いてある、って察した事、たくさんあって、その表情が私に突き刺さって、
でもそんな中で唯一、経験豊富な方たちが、大丈夫よーと言ってくれて、
その一言がその時の私を支えてくれた。

そして、困った困ったと、私がまるちゃんのことをうっかり人に話すたびに、まるちゃんは、
「ママは一体何に困ってるんだ?」と思っていたようである笑。

今だって、何かの伏線で、これから先はどうなるかわからないけど、「ママ、考えすぎだよ。」
と、そう言ったあの日のまるちゃんの声がたまに聞こえてくる。

取り留めもなくなりましたが
たまにまるちゃんて今どうしてるんですかって聞かれるので、書いてみましたよ。










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音の色

2024年02月05日 | 日記
銀座の街をぶらぶらと歩きながら、約束の時間に楽器店にたどり着く。

平日の夕方だ。
黒くて艶やかなピアノたちが並ぶフロアに、他にお客様はいない。

閑散としてはいるが、堂々たるその沢山のピアノに圧倒されて、所有する楽器がまた増えることにちょっと緊張、そして困惑しながらも
(いろいろ決意はしてみたものの、その大きさと値段に、やっぱり気押されてしまう。)
なじみの担当者さんを探す。

今後、新しくなる教室に置くピアノについての話を進めていた、しばらくは静かだったが、突然、ピアノの音がした。
エリーゼのためにだ。
指弾してる方がいるようだ。

担当の方が私にカタログを持ってこようと席を外したその間だったので、しばし想像した。
背の高いピアノのせいで、弾いてる方のお顔が見えないのだ。
どんな方が弾いてるのかな?

ゆっくりだけど、丁寧に一音一音を置いていく。
まだ、曲をさらい始めて間もない感じ。
家の外で弾いてるせいだろうか、緊張している少し硬い音。

音は、色に例えるならば「濃紺」かな。

まだ自信がない感じだけど、チラチラと見え隠れする、音へのこだわりもわかった。

音の強さから、大人ではないなと思う。
何度も、同じテーマの部分だけを繰り返す。
フロアは静かなのに、ほとんど話し声が聞こえてこない。

間をおいて何度か繰り返されたその折に、
担当者さんは戻ってきたので、
私も立ち上がって、チラリとそちらを見た。

5年生位の男の子。
メガネをかけている。
姿勢を正して座り、
神妙な面持ちで鍵盤に向かっている。

私の予想通りの男の子だなと思って、
その的中さに、驚いてしまった。

28年間、ほぼ毎日いろんな生徒さんのピアノの音を聞き続けている間に
それぞれの性格までもがわかるようになり、
何かに一生懸命向かわせるにはどうすれば?そして、どうやって短い子どもの間の時間に、多くのことを吸収させてあげられるか
その子自身のピアノのお稽古、成果の着地はどうすれば納得なのか、、

そこまで、その子の音で、読めるようになってしまっていた。

音楽が好きで、ピアノの音にしか興味がなくて、先生として自分の演奏テクニックを上げるための練習をしなくては…と考えるよりも、
今いる生徒さんがどんな気持ちで、ここに来て、どんなふうに音を奏でてくれるかということに、いつからか、重きを置くようになった。

また新しいピアノが欲しいのは、弦がきちんと床と平行に並んでいるグランドピアノで、今まだ小さくて、お母さんと一緒にレッスンを受けている生徒さん、数年後、1人ずつが奏でる音がどんななのか知りたいのだ。

だから、ここに来たんじゃないか。
と、考えたら、腑に落ちてしまった。

会場を同じ場所で継続すると決めた時もそう。
結局、バチっと頭の中にイメージが湧いたのだから、
もうそれでやるに充分の理由なのだ、と。

結局、私は新品のピアノをお願いすることにした。

あの子があそこで弾いてくれなかったら??
まだ、私は迷っていたかもしれないな、
と思いながら、帰路に着いたのでした。













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