年末に放送されたNHKの「ドキュメント72 hours」を見ているうちに、ふと以前にミクシィで書いた日記のことを思い出し、転載しました。
今朝の通勤電車の車内での出来事です。
当たり前のことかもしれないけれど、私はあらためて気が付きました。
会社の始業時間がいくぶん遅めなせいで、ラッシュ時のピークの過ぎた時間に電車に乗るものの、それでも車内は混んでいます。
今朝の車内も人でいっぱいで、中まで入っていけず、ドアの入り口近くに立っていました。
無遠慮な女の人が、乗り込もうと、必要以上にぶつかってきて、ちょっとムッとした後のことでした。
「失礼します」
次の駅に着き、混んでいる車内に入り込んできた男の人の声。無遠慮に乗り込んでくる人も多い中、他の乗客を気遣うような声にハッとして、私はその人を見ました。
サングラスに白いつえ、目の不自由な方でした。
混んでいる車内で、降りる駅が不安なのか、隣り合わせの男性に乗換駅や、通過駅を確認しています。
携帯の音楽プレーヤーで音楽を聴いていた私。話の細かいところまではよく聴き取れません。
数駅を通過した後、その目の見えない人は、他の乗客に「すみません」と声を掛けながら電車を降りていきました。
で、その隣り合わせでいろいろ説明していた男性の方を見ると・・・、
失礼ですが、なんか見た目は不愉快そうな顔をしたサラリーマン風の人でした。
その目の見えない人が話し掛けなければ、「ああ、優しい人なんだな」なんて思いもしなかったでしょう。
その方に用のない私なぞは、話し掛けることもなかったでしょう。
そこでハッと気が付いた。
そのへんで、たまたま乗り合わせた人たちも、本当はいい人達で、何かきっかけさえあれば、お互いに、どこかで優しくしたり優しくされたりすることがあるのかな、と。
電車が混んでいるから、たまたま人の足を踏んじゃったり、踏まれたり・・・。押されたり、押したり・・・。
でも、そんなことお互い様なんですよね。
そんなことをふと思い出していると、私の携帯の音楽プレーヤーの曲が変わり、ちょっとリズムの速い曲へと変わりました。
先日、会社にこのプレーヤーを忘れて、電車に乗った時、他の人の音楽プレーヤーの音漏れが気になったことがありました。
ふだん聴いてばかりいたから気が付かなかった・・・。
ポケットから音楽プレーヤーを取り出し、ボリュームを絞ります。
東京の暮らしが長くなると、こうした人への気遣いが出来なくなっていくのかも知れません。
人ごみでいやな目にあうことも多いですもんね。
でも、田舎から出てきたばっかりの自分だから、こうした気遣いは忘れちゃいかんと、あらためて気が付きました。