なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

花巻ぎんどろ寄席 22.12.4@岩手県花巻市 その2

2010年12月18日 15時18分54秒 | なんとなくの落語
続きです。


④柳家喬太郎 「転宅」


本日のお目当てのお一人ですが、喬太郎師匠も東京でのお仕事があるようで、はやばやと噺に入ります。

とはいえ、そこは喬太郎師匠、はやばや、とはいえ、決して手を抜いているわけではありません。

泥棒が妾宅に忍び込み、残り物の料理を食べるしぐさは見事です。

で、このお妾さんの名前が「お菊」というところで、ふと気がついた様子、

「さっきもお菊・・・(笑)。つながるもんだねえ・・・(笑)」

先ほどの枝太郎師匠の「お菊の皿」とつながったことに気がついて、素早く反応していました。


一夜明けて、お菊さんのいない妾宅にのこのこと現れる泥棒と隣宅とのやり取りも素晴らしいですね。

この日は、落語初体験という同行者がいたのですが、喬太郎師匠の噺が一番おもしろかった、と言っていました。やっぱりね・・・。


(仲入り)


⑤桃月庵白酒 「替わり目」


まくらでは、客いじり。

「今日のお客様は、レベルが高いですね(笑)。もうね、着ているものを見ても、高そうだな、という感じがしますよ。

千円以上しそうだな・・・とか(笑)」


「あたくしの時はかまわないんですが、他の師匠がたの時は、携帯の電源をお切りになりますよう・・・、この・・・(といって扇子を携帯に見立てて話をします)、このへんの電話のマークの所を押すと切れますから。

で、どうしても切り方がわからない、という時は、携帯を反対側に折って、ピキッと・・・(笑)、こうすると、二度とならなくなりますから(笑)」


噺は「替わり目」でした。いいですね、白酒師匠の「替わり目」好きです。

家へ戻り、どうしても一杯飲みたい夫に対し、「飲めない」を繰り返すおかみさん、

でしまいに「お前は俺か!」と突っ込むところが好きなんですよね・・・。

何度か聞いたことのある師匠の「替わり目」でしたが、この日も満足でした。


⑥柳貴家小雪  太神楽


⑦立川志らく 「死神」

志らく師匠は、ワタクシ、かなり以前に一度だけ噺を聞いたきりです。

なので、かなり久々な再会、以前はジェットコースター落語と言われていましたが、さて最近はどうなのでしょうか。


「袖のほうから見ていましたが、前のほうはお客さまもびっしりで、しかもよく受けているもんですから、期待してあがってみたら(笑)、ずいぶん後ろの方は空いてますね・・・(笑)

(すみません・・・)

菊之丞師匠、喬太郎師匠と違って、「たまたま」きょうは他に仕事がない(笑)という志らく師匠、トリにふさわしく「死神」を話し始めます。


死神を追いだす呪文が

「あじゃらかもくれん、市川海老蔵、歌舞伎座を直す前に自分の顔を治せ」(笑)。

タイムリーな呪文で笑いました。


ワタクシ、以前、志らく師匠の「文七元結」を聞いたことがありますが、その当時は、ジェットコースター落語と言われ、あまりの展開の早さに、ややついていけないものを感じたことがありました。

が、この日の落語は、いくぶん展開は早いものの、要所要所はきちんとおさえています。

いわば、ジェットコースターの速度を落とし、時折見える景色をきちんと見せる、そんな落語に変わったような気がします。

(すみません、あまり志らく師匠の落語に接していないので、的外れなのは承知です)


ただ、出囃子が鳴り、高座に上がる姿は、談志師匠そっくり・・・。

岩手では、なかなか立川一門の落語に接する機会は多くありませんが、立川談志のDNAを一番色濃く持つ弟子が、志らく師匠ではないか、と感じた次第です。

サゲは「お誕生日おめでとう」というものでした。



東京ならいざ知らず。岩手で、このような素晴らしいメンツで落語会が見られるとは思いませんでした。

非常に残念なことに、後ろの方には空席も見られます。もう、もったいないこと、この上ない・・・。

とはいえ、このような落語会を催して下さった花巻市文化会館には、心から感謝。

機会があれば、ぜひ、また同じようなメンツで落語会を催して下さいますように!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花巻ぎんどろ寄席 22.12.4@岩手県花巻市 その1

2010年12月18日 11時37分51秒 | なんとなくの落語
12月4日に行われた落語会なので、今さらながらの落語鑑賞記です。

岩手県花巻市で行われた「ぎんどろ寄席 笑いの忘年会」に行ってまいりました。

以下は、演者、ネタとワタクシの拙い感想。


それとおことわり。

ワタクシ、当日はメモをとっておりません。

このため、この鑑賞記は、ワタクシの記憶をたどり、書いております。なので、ここで書かれていることは一字一句正確なものではなく、「まあ、こういうニュアンスのことを言っていたのだな」という感じでとらえていただけると幸いです。


①瀧川鯉ちゃ 「金明竹」


瀧川鯉昇師匠のお弟子さん。今回は鯉昇師匠は出演しておりませんが、おそらくは、この後出られる桂枝太郎師匠が声をかけたせいかと・・・(不確かですが、芸協つながりなので)。

鯉昇師匠から教わったのでしょうか。ワタクシがこれまで聞いてきた「金明竹」は、「松公」が店番をしますが、ここでは「与太郎」が出てきます。

で、ご主人に目利きをしてほしい、と頼みに来るのを、貸し猫の断りのセリフで断っちゃった、というところでサゲ。

「金明竹」の出てこない「金明竹」でした(笑)。


②古今亭菊之丞 「町内の若い衆」


意外にも、ここで古今亭菊之丞師匠の登場。

奥様が岩手県盛岡市出身、ということで「いわて文化大使」という肩書をもつ菊之丞師匠。

まくらでは、そういう縁もあり、東北からもお声をかけていただいている、という話を。


那須塩原で落語会に呼ばれるものの、その落語会の名前が「足湯寄席」。

「このへんで、いやな予感がしたんですけど・・・(笑)、

温泉に日本最大級の足湯があるんだそうで、お客様は、その足湯につかりながら噺を聞く・・・、

そこに間欠泉があって、定期的に『しゃーー!!』と吹き出てくるんです。噺の間は止めておいて下さいね、とお願いしていたんですが、忘れてたんですね(笑)。噺の途中で『しゃーー!!』(笑)。

この落語会が昼夜2回あるんですが、夜になると照明のないところなので、お客様がいるかどうか暗くて見えない(笑)。係の方がスポット・ライトをあたくしに当ててくれたんですが、夜ですから、その明かりをめざして虫が・・・(笑)。

そこに比べると、まあ・・・、ここは演りいいですね(笑)。


で、「町内の若い衆」。

菊之丞師匠が、こういう滑稽噺をするのは、なんか意外な感じでした。早い出番だったせいでしょうね。でも、しっかりと会場をあたためて、次の演者へとひきつぎます。

まくらで携帯の呼び出し音が鳴り、やんわりと電源を切るように話していたにもかかわらず、噺に入ってまた鳴りだしたのが残念でした。なんだかなあ・・・。


③桂枝太郎 「お菊の皿」

岩手県出身の枝太郎師匠が高座に上がります。

会場には、ご両親もきているそうで。


「順番からすると、最初に出るはずなんですが、菊之丞師匠が、この後、東京で、もっといい仕事があるということで(笑)、先に上がられました」

「でも、すごいメンバーですね。そんな中に私が入って本当にいいんですか、と、花巻市の方に聞いたら、

『いいんですよ!これが東京だったら三三師匠になりますから』(笑)」

岩手の落語会ということで、地元枠としての参加となりました。


それと、まくらでは、学校寄席の仕事で、小学校に行った話を。

「なんの話がいいかな~?『寿限無』かな?『饅頭こわい』かな?

子供たちにきいていると、どこで覚えたんですかね、『芝浜』、『芝浜』(笑)。

できねえよ~~!(笑)

俺にふるなよ~~!(笑)」


さて、噺は、冬だというのに「お菊の皿」を。


誰から教わったんでしょうね。かなりアレンジのほどこされた「お菊の皿」でした。


麹町の青山鉄山の屋敷に伝わる怪談話を話すご隠居の話が、変な抑揚がついて話されるのが気になりました。

好奇心で青山の御屋敷に行き、初めてお菊さんを目にした一行が、

「やっべ!」「マジ?」

というセリフを使うものの、なんか空回りな感が・・・。

鳴り物も入り、熱演でしたが、この日のメンツだとちょっと苦しいかな、という印象でした。

ただ、岩手県出身の唯一の真打の噺家さんです。今後も応援していきたいです。


(長くなったので続きます)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月17日(金)のつぶやき

2010年12月18日 01時01分55秒 | なんとなくのつぶやき
09:39 from web (Re: @sannosuke
なんか芝浜みたいですね。おかみさんに早く起こされ、河岸があく前に浜で朝日を見ていた、という情景を思い浮かべました。@sannosuke 早起きのご褒美は綺麗な東京湾の朝焼けでした。
14:06 from web
昨晩からの雪が積もった盛岡の朝。通勤のバスが遅れてくるのは織り込み済みで、いつもよりだいぶ早めにバス停に行ってみたものの、30分も待たされ、遅刻した。歩いた方が早かった・・・。
by cokie002 on Twitter
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする