9月に入り、雨続きの毎日ですね
今年の夏は、6月の終わりから7月までの前半?!が猛暑で、8月に入ってからは猛暑日はあったものの、どこか「真夏ーーーっ!」という感じは少なく、秋の到来に負けていた感じがあったように思います
さて。
今日は、卒業生、特に小学生の子ども達に読んでいただければなあ・・・と思い、敢えてアップすることにいたしました
じつは、下記の文章は、今年の夏、私宛てに暑中見舞いや残暑見舞いを送ってくださった子ども達に、お返事として書いた「お手紙」です。お返事が遅れたお詫びを伝えるとともに、是非とも子ども達にも「興味を持ってもらいたい」という思いで書きました。
日々文句を言わず、ずっと動いてくれている臓器のこと・・・
そういう臓器への感謝・・・
健康であることの意味・・・
障害のある方々への理解・・・
身に見える障害、目に見えない障害のこと・・・
町中の、いろいろな施設、設備について・・・ などなど
もちろん、中高生になった卒業生にも、興味を持ち、大人の卵として、意識を高く持ち、物事を深く考えてくれる人になってくれれば良いなあ、とも思っています。立派な人間とは、決して学業に長けていて、偏差値の高い高校、大学に進学する人のことをいうのではない、ということを、保護者の方々にも、あらためて認識してほしい!そういう思いもあります。
かなり長文になりますが、ぜひ、子ども達にご紹介いただければ、うれしいです
こんにちは! まだ習っていない読めない漢字がたくさんあると思うので、そこはお母さんにお手伝いしてもらってね。
すでに2学期は 始まりましたよね? 今年の夏休み・・・7月中はとても暑かったけれど、8月は「寒い」と感じる日があったり、強い雨がふる日があったりと、いつもの夏休みとは少しちがう気がしました。お元気でしたか?
〇○ちゃんの心のこもった夏のごあいさつ、とてもうれしかったです。本当にありがとうございました。それなのに、何のお返事もできずに ごめんなさい!
じつは まどかせんせいのおじさんが、つい先週まで1か月間、順天堂(じゅんてんどう)大学の病院に入院していました。
おじさんには子どもがなく、おじさんの奥さんであるおばさんも、6年前になくなっているので、先生が毎日病院に行って、はげましたり、お洗濯を持って帰ったりしていたのです。だから、なかなかゆっくりとお返事を書く時間がなくって。このお手紙はとてもとてもおそくなってしまいました。
今日は、そのおじさんの病気のお話を聞いてください。このお話から、いろんなことを考えてほしいな、と思います。
おじさんの病気の名前は「直腸ガン」です。
「直腸」というのは、「大腸」の一番おしまいのあたりの部分の名前です。「大腸」というのは、体の中にある「臓器(ぞうき)」の名前ですよ。
「臓器」には、ほかに「胃(い」」や「肺(はい)」や「腎臓(じんぞう)」「肝臓(かんぞう)」などがあります。きっと、一番だれでもが知っている臓器は「心臓(しんぞう)」でしょうね。
それぞれの「臓器」には役割があって、人が生きるために、いつも動いて 働いてくれています。もし興味がわいたら、インターネットででも いろんな臓器の形や、働きを調べてみてくださいね。
私達が口から食べたものは、ノドをとおり、食道(しょくどう)というところを通って「胃」に 入っていきます。そこでつぶされ、こなごなになって溶けていきます。
その「胃」では、私達が元気になるもとの「栄養(えいよう)」と、捨ててしまっても良いものとに分けられていきます。
「栄養」は、「胃」から「血(血液 けつえき)」を通って、そして、体中に運ばれるのです。
でも「胃」で、「きみたちはいらないよー!栄養にはならないよー!」といわれたものは、「胃」から出ていき、今度は長い長い臓器の「小腸(しょうちょう)」というところに入っていきます。
そして、最後に「大腸(だいちょう」」という臓器で「うんち」になります。そのあとは・・・みんな、おトイレに行って、うんちを体の外に出すのです。
そのうんちの出口を「肛門(こうもん)」といいます。お尻のあな、ですね。
小さな子どもは、「うんち」や「おしっこ」のお話が大すきですね。よくおもしろがって話し、ケラケラとわらったりするけれど、小学生になると「うんちやおしっこ」のこと、「お尻のあな、こうもん」のことを人前で話すとはとてもはずかしいこと、しつれいで おぎょうぎのわるいこと、ということがわかってきます。だから、ふだんはこういうお話をすることはないですよね。
でも、今日は「病気や体についてのお勉強」として ぜひ、お話をしたいと思うので、聞いてくださいね。
先生のおじさんは、「大腸(だいちょう)」のおしまいのところ、「直腸(ちょくちょう)」の部分に、「ガン」という体にわるさをする「できもの、おでき」ができました。
もし体の中ではなく、体の外に何かがプツリともりあがってできると、それだけて「へんなものができたぞ!」ってわかりますね。そして、それがいたかったり、かゆかったりすると、たいへんだ!ひどくなってきたら、お医者様に行かなくちゃ!とか、これにきくお薬を買ってこなくちゃ!と思います。
でも、おなかの中にできる悪いできもの、おできである「ガン」は、もちろん見えないし、やっかいなことに、さいしょのうちはちっとも痛くはないのです。
だから、先生のおじさんも、たまたま病院の健康診断(けんこうしんだん)で「おやおや?大腸がちょっと変だぞ?」とお医者様から言われるまで、自分の直腸に「ガン」という悪いものができていることを知りませんでした。
順天堂のお医者様は、その「悪いおできであるガン」を、手術(しゅじゅつ)をして、きれいにとってしまいましょう!と言ってくださいました。
「ガン」はね、とってしまわないと、どんどんとほかの臓器や骨(ほね)にも、ガンの仲間をふやしていってしまうのです。だから、もしお医者様がとってしまえる、と言ってくださったならば、ぜったいにとってしまったほうが良いのです。
ただ、先生のおじさんのばあいは、ちょっと別の問題がありました。
それは、おじさんの「ガン」ができているところが、「直腸」のいちばんおしまいの部分、お尻のあな「肛門」のすぐ近くでした。だから、お医者様は「ガン」をとるときに、いっしょに「肛門」も とってしまわないといけません、とおっしゃったのでした。
そうそう、もう一つ、説明をしておかなくてはいけませんでした。肛門はね、たんなる穴ぼこではないのですよ。肛門は「筋肉(きんにく)」なのです。いつもはギュッと閉じていて、大腸にうんちがたまり、肛門のあたりに下がってきたら、「おー・・・おトイレに行きたくなってきたぞ!うんちがしたくなってきたなあ!」と感じさせてくれる「かしこい筋肉」なんですね。
さて、ここで考えてみてください。
もし、お尻のあな「肛門」をとってしまったら、うんちはどこから体の外に出ていくのでしょうか?
答えを言いましょうね。
「大腸」は、ホースのような形をした臓器です。おじさんの「ガン」は、そのホースの内側、ホースの出口の近くにできていました。ホースの出口が「肛門」です。
お医者様は手術で、「ガン」が出来ている部分から肛門まで、きれいに切り取ってしまわれました。ホースのおしまいのほうを切った、ということです。
するとね、残ったホース、つまり、残りの大腸のおしまいの部分が、新しい出口になります。でもね、そのホースの出口は、出口ではあっても、そこは「肛門」ではありません。「肛門」は切り取ってしまったので、だからその出口は、ただの「直腸のおしまいの部分」ですね。
さあ、次はおなかに小さな「穴」を開けます。ちょうどおヘソの左あたりです。そして、あたらしくできた「直腸のおしまいの部分」を開けた小さな穴のところまで引っ張ってきて、その穴から体の外にクルリンと出します。
どうですか?想像できましたか?これで手術は終わりです!
こうして、先生のおじさんは、きれいに「ガン」を取ってもらい、新しい「うんちの出口」を、おヘソの左側に作ってもらいました。これを「人工肛門(じんこうこうもん)」「ストーマ」と言います。どちらも 同じ意味です。
手術の後、先生のおじさんは、そのストーマのところに「パウチ」という丈夫なビニールでできた 特別の袋をシールで体に貼りつけています。うんちは、そのパウチにたまります。
だから、おじさんは1日に何度か、パウチにたまったうんちを捨てる、ということをしています。私達がうんちのためにおトイレに行くのと同じいみですね。
えーーーっ?! それってなにーーー!! やだーーー!!おなかからうんちが出てきて、袋にたまって、自分で捨てるなんて、汚ーい!!想像したくなーい!!そう思うかもしれませんね。
じつは、まどか先生も初めてストーマの話を聞いた時、心の中ではそんなふうに思いました。
だって、今まではそんなことを知らなかったし、想像したこともなかったから・・・
でもね。
世の中には、先生のおじさんのように、「ガン」や、ほっておけば死んでしまうような重い病気になって、残念ながら「肛門」を取ってしまわないといけなかった、という人が、たくさんたくさんいるのです。
ただ、私達はそういうことを知らないだけ、なのです。
手足が不自由な人。目の見えない人。耳の聞こえない人。このような障害(しょうがい)を持った人もたくさんいます。こういう種類(しゅるい)の障害は「白い杖」や「手話(しゅわ)」そして見た目で気づくことができます。
でも、「ストーマ」のように、他の人には見えない、気づかれない障害や不便さを持った人が、じつはたくさんいるのだ、ということを、是非とも知ってもらいたいな、と思いました。
電車や地下鉄の駅、デパート、ホテル、映画館、スーパーマーケット、ショッピングセンターなどなど、町の中には誰もが使えるいくつものおトイレがあります。
最近は、ふつうのおトイレだけではなく、そのほかに「車椅子(くるまいす)」のマークのついたおトイレが増えてきましたね。見たことはあるでしょう?
そんなおトイレのなかにはマークだけではなく「オストメイト」と書かれたトイレもあるのですよ。どこかで見つけてみてください!
「オストメイト」とは、「ストーマ(人工肛門)」や「人口膀胱(じんこうぼうこう)」の人達が、便利に使いやすいように工夫されたおトイレなのです。
「人口膀胱」というのはね、人工肛門の「おしっこ版」です。病気でオシッコが今まで通りできなくなった人が、手術でおなかにオシッコの出口を作った、ということです。
おトイレのドアに描かれた絵、マークは見たことがあるでしょう?車椅子の絵はわかりますね。
では、「オストメイト」のマークはどんなものかというと・・・それはね、立っている人のおなかの左下に、白い「クロス(じゅうじ)」がついたマークです。
じつは、マナーズの教室のある東横線の「日吉駅」には、「オストメイト」用のおトイレがあり、ちゃんとそのマークがおトイレのドアに描かれています!
長い長いお手紙になってごめんなさいね。
でも、これからあなた達が立派なおとなになっていくためには、いろいろなことに興味を持ち、それらのことを知りたい!知ろう!という気持ちは大事ですし、また、何でも知っていることは、とてもステキなことです。
そして、どんな人に対しても心を込めて、相手のことを思い、やさしい広い心で接していける人になることは、本当に大切なことです。
いつもいつも、まどか先生は、マナーズで先生と一緒に過ごしたみんなには、そういう人になってもらいたい、と願っているのです。
今日はそのために、長い長いお話を聞いてもらいました。最後まで読んでくれてありがとう!
今年の夏は、6月の終わりから7月までの前半?!が猛暑で、8月に入ってからは猛暑日はあったものの、どこか「真夏ーーーっ!」という感じは少なく、秋の到来に負けていた感じがあったように思います
さて。
今日は、卒業生、特に小学生の子ども達に読んでいただければなあ・・・と思い、敢えてアップすることにいたしました
じつは、下記の文章は、今年の夏、私宛てに暑中見舞いや残暑見舞いを送ってくださった子ども達に、お返事として書いた「お手紙」です。お返事が遅れたお詫びを伝えるとともに、是非とも子ども達にも「興味を持ってもらいたい」という思いで書きました。
日々文句を言わず、ずっと動いてくれている臓器のこと・・・
そういう臓器への感謝・・・
健康であることの意味・・・
障害のある方々への理解・・・
身に見える障害、目に見えない障害のこと・・・
町中の、いろいろな施設、設備について・・・ などなど
もちろん、中高生になった卒業生にも、興味を持ち、大人の卵として、意識を高く持ち、物事を深く考えてくれる人になってくれれば良いなあ、とも思っています。立派な人間とは、決して学業に長けていて、偏差値の高い高校、大学に進学する人のことをいうのではない、ということを、保護者の方々にも、あらためて認識してほしい!そういう思いもあります。
かなり長文になりますが、ぜひ、子ども達にご紹介いただければ、うれしいです
こんにちは! まだ習っていない読めない漢字がたくさんあると思うので、そこはお母さんにお手伝いしてもらってね。
すでに2学期は 始まりましたよね? 今年の夏休み・・・7月中はとても暑かったけれど、8月は「寒い」と感じる日があったり、強い雨がふる日があったりと、いつもの夏休みとは少しちがう気がしました。お元気でしたか?
〇○ちゃんの心のこもった夏のごあいさつ、とてもうれしかったです。本当にありがとうございました。それなのに、何のお返事もできずに ごめんなさい!
じつは まどかせんせいのおじさんが、つい先週まで1か月間、順天堂(じゅんてんどう)大学の病院に入院していました。
おじさんには子どもがなく、おじさんの奥さんであるおばさんも、6年前になくなっているので、先生が毎日病院に行って、はげましたり、お洗濯を持って帰ったりしていたのです。だから、なかなかゆっくりとお返事を書く時間がなくって。このお手紙はとてもとてもおそくなってしまいました。
今日は、そのおじさんの病気のお話を聞いてください。このお話から、いろんなことを考えてほしいな、と思います。
おじさんの病気の名前は「直腸ガン」です。
「直腸」というのは、「大腸」の一番おしまいのあたりの部分の名前です。「大腸」というのは、体の中にある「臓器(ぞうき)」の名前ですよ。
「臓器」には、ほかに「胃(い」」や「肺(はい)」や「腎臓(じんぞう)」「肝臓(かんぞう)」などがあります。きっと、一番だれでもが知っている臓器は「心臓(しんぞう)」でしょうね。
それぞれの「臓器」には役割があって、人が生きるために、いつも動いて 働いてくれています。もし興味がわいたら、インターネットででも いろんな臓器の形や、働きを調べてみてくださいね。
私達が口から食べたものは、ノドをとおり、食道(しょくどう)というところを通って「胃」に 入っていきます。そこでつぶされ、こなごなになって溶けていきます。
その「胃」では、私達が元気になるもとの「栄養(えいよう)」と、捨ててしまっても良いものとに分けられていきます。
「栄養」は、「胃」から「血(血液 けつえき)」を通って、そして、体中に運ばれるのです。
でも「胃」で、「きみたちはいらないよー!栄養にはならないよー!」といわれたものは、「胃」から出ていき、今度は長い長い臓器の「小腸(しょうちょう)」というところに入っていきます。
そして、最後に「大腸(だいちょう」」という臓器で「うんち」になります。そのあとは・・・みんな、おトイレに行って、うんちを体の外に出すのです。
そのうんちの出口を「肛門(こうもん)」といいます。お尻のあな、ですね。
小さな子どもは、「うんち」や「おしっこ」のお話が大すきですね。よくおもしろがって話し、ケラケラとわらったりするけれど、小学生になると「うんちやおしっこ」のこと、「お尻のあな、こうもん」のことを人前で話すとはとてもはずかしいこと、しつれいで おぎょうぎのわるいこと、ということがわかってきます。だから、ふだんはこういうお話をすることはないですよね。
でも、今日は「病気や体についてのお勉強」として ぜひ、お話をしたいと思うので、聞いてくださいね。
先生のおじさんは、「大腸(だいちょう)」のおしまいのところ、「直腸(ちょくちょう)」の部分に、「ガン」という体にわるさをする「できもの、おでき」ができました。
もし体の中ではなく、体の外に何かがプツリともりあがってできると、それだけて「へんなものができたぞ!」ってわかりますね。そして、それがいたかったり、かゆかったりすると、たいへんだ!ひどくなってきたら、お医者様に行かなくちゃ!とか、これにきくお薬を買ってこなくちゃ!と思います。
でも、おなかの中にできる悪いできもの、おできである「ガン」は、もちろん見えないし、やっかいなことに、さいしょのうちはちっとも痛くはないのです。
だから、先生のおじさんも、たまたま病院の健康診断(けんこうしんだん)で「おやおや?大腸がちょっと変だぞ?」とお医者様から言われるまで、自分の直腸に「ガン」という悪いものができていることを知りませんでした。
順天堂のお医者様は、その「悪いおできであるガン」を、手術(しゅじゅつ)をして、きれいにとってしまいましょう!と言ってくださいました。
「ガン」はね、とってしまわないと、どんどんとほかの臓器や骨(ほね)にも、ガンの仲間をふやしていってしまうのです。だから、もしお医者様がとってしまえる、と言ってくださったならば、ぜったいにとってしまったほうが良いのです。
ただ、先生のおじさんのばあいは、ちょっと別の問題がありました。
それは、おじさんの「ガン」ができているところが、「直腸」のいちばんおしまいの部分、お尻のあな「肛門」のすぐ近くでした。だから、お医者様は「ガン」をとるときに、いっしょに「肛門」も とってしまわないといけません、とおっしゃったのでした。
そうそう、もう一つ、説明をしておかなくてはいけませんでした。肛門はね、たんなる穴ぼこではないのですよ。肛門は「筋肉(きんにく)」なのです。いつもはギュッと閉じていて、大腸にうんちがたまり、肛門のあたりに下がってきたら、「おー・・・おトイレに行きたくなってきたぞ!うんちがしたくなってきたなあ!」と感じさせてくれる「かしこい筋肉」なんですね。
さて、ここで考えてみてください。
もし、お尻のあな「肛門」をとってしまったら、うんちはどこから体の外に出ていくのでしょうか?
答えを言いましょうね。
「大腸」は、ホースのような形をした臓器です。おじさんの「ガン」は、そのホースの内側、ホースの出口の近くにできていました。ホースの出口が「肛門」です。
お医者様は手術で、「ガン」が出来ている部分から肛門まで、きれいに切り取ってしまわれました。ホースのおしまいのほうを切った、ということです。
するとね、残ったホース、つまり、残りの大腸のおしまいの部分が、新しい出口になります。でもね、そのホースの出口は、出口ではあっても、そこは「肛門」ではありません。「肛門」は切り取ってしまったので、だからその出口は、ただの「直腸のおしまいの部分」ですね。
さあ、次はおなかに小さな「穴」を開けます。ちょうどおヘソの左あたりです。そして、あたらしくできた「直腸のおしまいの部分」を開けた小さな穴のところまで引っ張ってきて、その穴から体の外にクルリンと出します。
どうですか?想像できましたか?これで手術は終わりです!
こうして、先生のおじさんは、きれいに「ガン」を取ってもらい、新しい「うんちの出口」を、おヘソの左側に作ってもらいました。これを「人工肛門(じんこうこうもん)」「ストーマ」と言います。どちらも 同じ意味です。
手術の後、先生のおじさんは、そのストーマのところに「パウチ」という丈夫なビニールでできた 特別の袋をシールで体に貼りつけています。うんちは、そのパウチにたまります。
だから、おじさんは1日に何度か、パウチにたまったうんちを捨てる、ということをしています。私達がうんちのためにおトイレに行くのと同じいみですね。
えーーーっ?! それってなにーーー!! やだーーー!!おなかからうんちが出てきて、袋にたまって、自分で捨てるなんて、汚ーい!!想像したくなーい!!そう思うかもしれませんね。
じつは、まどか先生も初めてストーマの話を聞いた時、心の中ではそんなふうに思いました。
だって、今まではそんなことを知らなかったし、想像したこともなかったから・・・
でもね。
世の中には、先生のおじさんのように、「ガン」や、ほっておけば死んでしまうような重い病気になって、残念ながら「肛門」を取ってしまわないといけなかった、という人が、たくさんたくさんいるのです。
ただ、私達はそういうことを知らないだけ、なのです。
手足が不自由な人。目の見えない人。耳の聞こえない人。このような障害(しょうがい)を持った人もたくさんいます。こういう種類(しゅるい)の障害は「白い杖」や「手話(しゅわ)」そして見た目で気づくことができます。
でも、「ストーマ」のように、他の人には見えない、気づかれない障害や不便さを持った人が、じつはたくさんいるのだ、ということを、是非とも知ってもらいたいな、と思いました。
電車や地下鉄の駅、デパート、ホテル、映画館、スーパーマーケット、ショッピングセンターなどなど、町の中には誰もが使えるいくつものおトイレがあります。
最近は、ふつうのおトイレだけではなく、そのほかに「車椅子(くるまいす)」のマークのついたおトイレが増えてきましたね。見たことはあるでしょう?
そんなおトイレのなかにはマークだけではなく「オストメイト」と書かれたトイレもあるのですよ。どこかで見つけてみてください!
「オストメイト」とは、「ストーマ(人工肛門)」や「人口膀胱(じんこうぼうこう)」の人達が、便利に使いやすいように工夫されたおトイレなのです。
「人口膀胱」というのはね、人工肛門の「おしっこ版」です。病気でオシッコが今まで通りできなくなった人が、手術でおなかにオシッコの出口を作った、ということです。
おトイレのドアに描かれた絵、マークは見たことがあるでしょう?車椅子の絵はわかりますね。
では、「オストメイト」のマークはどんなものかというと・・・それはね、立っている人のおなかの左下に、白い「クロス(じゅうじ)」がついたマークです。
じつは、マナーズの教室のある東横線の「日吉駅」には、「オストメイト」用のおトイレがあり、ちゃんとそのマークがおトイレのドアに描かれています!
長い長いお手紙になってごめんなさいね。
でも、これからあなた達が立派なおとなになっていくためには、いろいろなことに興味を持ち、それらのことを知りたい!知ろう!という気持ちは大事ですし、また、何でも知っていることは、とてもステキなことです。
そして、どんな人に対しても心を込めて、相手のことを思い、やさしい広い心で接していける人になることは、本当に大切なことです。
いつもいつも、まどか先生は、マナーズで先生と一緒に過ごしたみんなには、そういう人になってもらいたい、と願っているのです。
今日はそのために、長い長いお話を聞いてもらいました。最後まで読んでくれてありがとう!