I was born to meet JOY

勝手気侭な随想録

 おかしな出来事・食べること・人のこと・時々ART

「 染模様恩愛御書 -細川の血達磨- 」日生劇場

2010-03-07 13:42:45 | CULTURE




中学生時代に観た芸術鑑賞会以来、初めて歌舞伎を観に行った。

この「染模様恩愛御書」(そめもようちゅうぎのごしゅいんと読むんだよ

江戸時代から戦前まで幾度も上演を重ねた人気狂言らしい。

通称「細川の血達磨」と呼ばれる通り、火事場が大きな見せ場になるのだが、

ここで見せる染五郎の根性と気合いは、あっぱれであった。


狂言って、能とともに誕生した洗練された「笑いの芸術」なんだそうだ。
テレビや情報の少ない時代に、判りやすい日常的な出来事をテーマに
さぞかし人々を楽しませたことだろう。

今回も、台詞の中に「Yes! we can!」が飛び出した時には、
さすがにやりすぎだろ。。。とも思ったほどだ。


物語が進行していくうちに、600年も昔から日本人に親しまれてきた伝統芸術を

この時代に同じ思いで鑑賞できていることに、なんとも言えない

嬉しさがこみ上げて来た。


場面場面に合わせて工夫を凝らした舞台装置や照明の技術にも多いに感心した。

途中、ドリフの「8時だよ!全員集合!!」を彷彿させる舞台展開もあった上に

二人の男色見せ場では、かとちゃんの、「ちょっとだけよ~」を思い出させられる

シーンもあったりと、(おそらくそんな風に感じていたのは私だけだと思うが)

私的にはかなり自由奔放に思いをめぐらせながら、楽しむことができた。


そして、何よりも、染五郎、愛之助を中心に、古き良き伝統芸能を

この先へ伝えたい一心で、命がけの熱演をしてくれている一流の

気合いと実力に触れることができた素敵な時間であった。


ちょっと欲がでてきた私は、

玉三郎

野村萬斎

を見てみたい願望が生まれたほどだ。


初めて歌舞伎を見る人には大変判りやすく、歌舞伎ファンへの入り口となる

狙い通りの作品に仕上がっていると思う。




◆「 染模様恩愛御書 -細川の血達磨- 」公式HP
http://www.somemoyo.com/