☆GREEN HEART☆

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北村薫さん『夜の蝉』再読。

2006-05-20 | ■か行の作家
ちょっとくすぐったい感じ。

北村薫さん『夜の蝉』とは
「私」の友人の正ちゃんがアルバイトをしている書店で、本の向きが逆さになるという小さな事件が発生。一体何のためにそんなことを?
お馴染、「私」と円紫さんが、日常のちょっとした謎に迫る。
「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」の三篇が収録。

「円紫師匠と私」シリーズの2作目。一作目同様、日常の何気ない謎に遭遇した私が、円紫さんにその謎を話し、それを鮮やかに解決するという流れ。
前作よりも、ミステリー?としては物足りない感も。
今作では、謎ときよりも、円紫さんの優しさや人柄、そして私の成長に焦点当てていました。

「朧夜の底」は、私の友人、「正ちゃん」のお話。正ちゃんのバイト先の本屋での不可解な謎に迫りつつ、正ちゃんのまっすぐな心意気にスポットを当てている。正ちゃんが好きだが、この話を聞いてさらに好きになった。正ちゃんが好きな人に、おススメ。

「六月の花嫁」は、私の友人、「江美ちゃん」のお話。軽井沢の別荘に行き、チェスをしようとしたら、白のクイーンがなくなっていた。果たして、江美ちゃんとなくなったチェスの関係は。。衝撃の一作。

「夜の蝉」は、私の「美人な」姉の話。恋人宛てに歌舞伎のチケットを送ったが、会場で待っていたのは同じ会社の女だった・・?「お化け」の正体よりも、私と姉の関係について語られている。読むのがちょっぴり辛い(?)一作。

どの作品にも共通していることで。
読むのがちょっぴり、気恥ずかしい。
この作品が書かれてから年数がたっているからか、昔の幼い自分を思い出してしまうからか(私はおそらく同い年のはずだが)、なんとなく照れくさく、くすぐったく、そしてほんのちょっぴり苦い感じ。

姉妹のいない私には、三作目の話はなかなかおもしろかった。
ジブリの「おもひでぽろぽろ」のポシェットのエピソードが思い浮かんだ。
あの話、好きだが私にはよくわからなかった。三作目を読んだときも、たのしかったが、よくわからなかった。
兄弟はいるが、姉妹はいない。兄弟と姉妹、私に関して言えば、全く違った関係なのではないかと思う。

一作目よりも、落語に関する話が少なかったように感じるのが、残念。
でも、逆に、落語の意味不明な話がいやだった人は、これなら好きになれるかもしれない。日本文学専攻のの友人におススメしたい一冊。
あとは、姉妹のいる方におススメ。感想をお聞きしたい。


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