☆GREEN HEART☆

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酒見賢一さんの『後宮小説』にびっくり。

2006-10-23 | ■さ・た・な行の作家
驚くなかれ。

酒見賢一さんの『後宮小説』とは
時は槐暦元年、腹上死した先帝の後を継いで素乾国の帝王となった槐宗の後宮に田舎娘の銀河が入宮することにあいなった。
物おじしないこの銀河、女大学での奇抜な講義を修めるや、みごと正妃の座を射止めた。
ところが折り悪しく、反乱軍の蜂起が勃発し、銀河は後宮軍隊を組織して反乱軍に立ち向かうはめに…。さて、銀河の運命やいかに。
第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。 ((「BOOK」データベースより)

簡単に言うと、「歴史書に基づいた銀河の人生を後宮哲学と共に。」でしょうか。

今回からしばらく、データベースより紹介文をお借りすることにします。
紹介文を考えるのは、実は感想を書くよりも時間がかかるのです。(そうだったのか・・)以下も↓紹介というより単なる感想になってると思います。。


まさか第一回日本ファンタジーのベル大賞受賞作。だったとは・・
やっ知ってたはずなのです。いろんな方のブログで感想を拝見した時に目にしていたはず。しかし自分で見るまで、きちんと認識できなかったようです。
もう期待はこれ以上ないまでに高かったのですが、
これを見たときは、さらにはみ出んばかりの期待でいっぱいに。
ちなみに期待理由は
①いつも言ってる参考にしてるブログ様で絶賛されていたから。
②恩田陸さんの『小説以外』でもご紹介があったから。
③荻原規子さん好きの方がよく勧めてらっしゃるので。
その他、で期待大。一体どんなわくわく歴史ロマンなのか・・・

と思って開いたら、物語開始の言葉が
 
腹上死・・・・・

ボンっと吹っ飛びました。(それはもういろんなものが。)
いろいろなブログの感想で拝見していたとはいえ、
この目で見るまでは、信じまいと思っていたので、噴出してしまった。
内容も・・・!
なんだか想像してたのとは全然違って(笑)
よく考えれば、「後宮物語」なんだから当然なのですが・・
そう後宮物語・・・後宮のお話であり、後宮はどういう方々がいらっしゃって何をするのかというと・・なんといいますかその・・そういうことのやり方ですとか、哲学がですね・・・はい。

しかしP279の答えを聞いたときになぜかちょっと泣きました。真に理を得たり。

感想は一言で言うと、「このセンスに脱帽!」です。
ちょっとにやりとしてしまうような、
それでいて「う~む。深いのぉ」などと思ってしまうような。
歴史書というものを元に、それを前面に押し出していたのがとても好みでした。
読み手の前に傍観者がはいった小説(なんだそりゃ)で、なんともいえぬのらりくらり感があると思います。そこが好きです。
しかも300ページくらい。この薄さでこの内容。

平勝が好きでした。
真野も好きでした(誰?と言われそうだ。)
双槐樹(コリューン)玉遥樹(タミューン)世沙明(セシャーミン)
といった登場人物の名もとても好きでした。(あっあってるかな・・)

銀河は遠子(荻原規子さんの『白鳥異伝』より)だと思って読みました。
いい意味で子どもだけど、悟るとすごい変化がおこる。
でも元にある「心」も忘れない。かっこいいなぁ。
荻原さん好きの方が勧めてらっしゃった意味がわかりました。おススメします。
しかし「腹上死」と「後宮哲学」という言葉を念頭においてから開くとよいでしょう(笑)

これで人生のうちに読んでおかなくてはいけない本がまた一つ消化されました。
次はなんかこう・・生活感に満ちた本が読みたいなぁ。
川上さんか、梨木さんか・・・ライフスタイルブックとか・・高い雑誌でもいい・・。
なんかそういうのが読みたい気分です。



以下蛇足!
実はこれを読み終わる前にこんな記事を書く予定で保存してありました。

近日中に、どうしてもこれの正体を明かさねばなるまい。

雲の向こう 約束の場所

という言葉を見かけるたびに、
いてもたってもいられない感じになります。
懐かしいような・・

そもそもこれはなんなんだろうか。


という記事。(雲の向こう約束の場所は映画?でした。)
この本で解明されました。
というのも、この本のアニメ版の題名が「雲のように風のように」なのです。
で、酒見さんの『後宮小説』の題を初めこのアニメの題と勘違いしていて。
酒見=「雲のように風のように」と。で、必死にそれで暗記していたもんだから、
「雲の向こう約束の場所」という題を見たときになにか懐かしいような変な気分になったようです。よくみれば、「雲」しか一緒じゃないですが・・。
事実とはそんなものよ・・

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おや?どこかで… (まんだ)
2006-10-23 22:47:47
タイトルを知らないのに内容は聞き覚えが…

と思ったらなるほど。

このアニメ版、観たことあります~。

しかも高校の古典の授業で(^^;)



元は小説だったんですね。

さほど気まずい思いをした記憶はないので、

アニメでは結構カットされた部分が多いのかしら?

そういえば先生は何やらひとりニヤニヤしていたなぁ…。
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後宮!! (ハルオ)
2006-10-24 22:51:01
北京に来る少し前に「雲のように風のように」と「後宮小説」が友人との間で話題になったのでどちらも読みたく(見たく)なってしまいました!!せっかく中国に居るし。

アニメの方は本当にむかーしに始めの方だけ見たことがありマス。



ついでに言うと、違っていた方の「雲の向こう約束の場所」は映画館に行きそびれた作品だったりします。この監督さんのその前の作品のファンだったりするのです(笑)
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なんと素敵な・・・ (ことは)
2006-10-25 00:17:07
>まんださん



アニメ版、ご覧になったことあるのですか!!しかも授業で・・うっ羨ましい・・。

なんて素敵な授業!素敵な先生!



いやしかし、授業で観るとなると・・もしこの本のままいけば、特に前半は・・・友達その他大勢の前でどんな顔してみたらいいのやら・・無駄にきょろきょろして怪しい動きをしてしまいそうです・・・。

先生ったら(笑)



ますますアニメ版が観たくなりました・・・どんな風にあんなことやこんなことが映像化されたのか・・・気になります!

絶対探して観てみたいと思います!!でもなかなか置いてないので、観れるかどうか・・うむむ。大学の授業で見せてもらえないかな・(笑)
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そうだ・・・! (ことは)
2006-10-25 00:20:04
>ハルオさん



えーすごい偶然です!

そうか中国ですね・・中国・・もう、ものっすごくもっともらし~く書いてありますよ(笑)「これはどこそこの歴史書にうんたらかんたらと記されており~」って。



なんだか前半・・というか全体的にそういうお話が盛りだくさんですが、とても「ガクジュツテキ」に書かれています・・(笑)

是非、いつか!



「雲の向こう約束の場所」!!

これをHPで確認して以来、やっぱりどうも気になります。気になる理由が判明したのに、まだ気になる・・。

新海誠さん・・ですかね・・?そちらのHPもチェックしちゃったりで、なんだか他の作品も気になって調べてみたりして・・・。なんだろうかこのトキメキは・・(笑)

ハルオさんと話してたらますます気になってきました・・・みたいみたい・・。
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