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とことこ日記~リタイアな日々

透析しながら、歌舞伎に映画、コンサート。
日々に感謝しながら、おまけの人生楽しみたい。

団菊祭五月大歌舞伎2018夜の部

2018年05月24日 | 古典芸能
引き続き団菊祭。
海老蔵のお母さんや寺島しのぶさんが見えてました。
お二人本当にすっきりとお美しいです。

一、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおとのしらなみ)

ご存知弁天小僧菊之助のお話ですね。
勘三郎系や団十郎、海老蔵、猿之助等そうそうたる人が演じている人気狂言。

今回菊五郎が減量して臨んだとのこと。
たしかに、少し痩せたのかな。ただ小娘の役ですから大変そう。
川沿いに並んだ後姿がお一人だけお年が見えて・・
ただお芝居は上手なので、どうなっても見せる姿勢が良いと思いました。

歌舞伎ってどういう状態でも演じるってことが大事。
かつて、二世松緑が膝を痛めてしまって、
立膝で演じてても違和感がなかった。そういうことだと思うので。

菊五郎と一緒に騙りにやってくる南郷力丸に、左団次
日本駄右衛門に海老蔵
それに、菊之助と松緑。
良いです‥川沿いに傘をさして居並ぶ、白波五人男

台詞も有名なものが多くて気持ちいい

問われて名乗るもおこがましいが
さてその次は江の島の岩本院の稚児そだち
続いて次に控えしは・・がきのころから手癖が悪く
またその次に連なるは
さてどん尻に控えしは
・・なんてね。つい一緒に言っちゃうでしょ?

海老蔵は昼の部で大働きなので、夜は静かに睨みを効かせてました
姿が綺麗で型が決まるし、声が通るのでかっこいい。
目が大きいので視線が動くとわかっちゃう

面白い演目ですよ。
菊之助が菊五郎になるときはきっとこの演目は遣るでしょうね。
その時は海老蔵の南郷も面白いかも、だけどやっぱり駄右衛門でしょうか。
というか海老蔵が団十郎になってるんだろなと思います。

ところで、左団次の後ろ姿がかっこいいんだけど、今回確認したら
菊五郎より二つ年上の77歳?
全然見えない。すごい若さ。若手に混ざって見劣りない。

鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)
  菊畑

松緑、時蔵、団蔵、児太郎、坂東亀蔵という、活舌良い、声も通る演者ばかりだったので
とてもわかりやすくて、私は大満足でした
が、近くで・・長い~・・なんかわかんなかった・・って声もありましたが。


、六歌仙容彩喜撰(きせん)

菊之助の舞踊劇。
花道を出てきた菊之助が、白塗りで、鼻の下を青くして出てきて、
まあこれは、好色坊主のお話とわかります。

昼の部で若手と踊っていた時蔵が、ここでめちゃくちゃ色っぽい茶酌女で色を添えて
姿もすっきりして、色気も半端ない
夜は、菊之助の女形が見られない分、時蔵が頑張ってくれた

菊之助の舞踊は当たり前に最高です。

大満足
夜の部全部素敵でした。

団菊祭五月大歌舞伎2018昼の部

2018年05月19日 | 古典芸能

一、雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)

「鳴神」「毛抜」という演題で単独に演じられることが多いのですが
スケールの大きな話。
「通しでの上演で近年はずっと海老蔵が5役を演じているもの。
「早雲王子」・・お家乗っ取りを企む、一番の悪役
「安倍清行」・・安倍晴明の祖先。100歳超えて女好き
「粂寺弾正」・・女好き。毛抜のからくりを見抜く
「鳴神上人」・・霊力ある名僧。雲絶間の姫に零落される
「不動明王」

海老蔵が出ずっぱりで、大活躍。
立ち回りも多彩で、演出かもしれませんが
途中で息切れしたみたいでちょっと笑っちゃう(ように見えた)場面がありました
今回花道の近くの席だったので、臨場感もすごくて、どきどき
花道上でのはしご乗りとかけっこう恐いくらい
海老蔵すごく綺麗です。分かってますけど演技力もある。

「鳴神」
菊之助の雲絶間姫がまた絶品というべき美しさです。
お雛様が動いてしゃべっているよ!!という感じ
良かった・・
色気もあるし、年齢からいうとピッタリの役です。
本望遂げて花道を駆けていくときの、きりっとしながらの微笑み、最高!

色気だけで言うと、個人的に先代の芝翫が大好き。二世松緑との最高の組み合わせ。
玉三郎だと、人間に思えない妖艶さで、これまた良いのです!!

「不動」
不動明王は座長が扮することがほぼ決まりみたいです。
大団円なので仕方ないのですけど、若い海老蔵が演じるなら
もうちょっと動きのあるものに変えてもいいのかなと感じました。
隈取がすごいので誰かちょっと分かりませんでした。
ただ宙に浮かぶのはすごいです。綱が見えなかったし。

ニ、女伊達
軽く舞踊劇で昼の部を締めます。
時蔵ファンも多いから拍手喝さい


団菊祭と言っても、団十郎さんが亡くなって5年祭とのこと



気候は初夏です。暑い!!


四月大歌舞伎夜の部2018 仁左衛門一世一代

2018年04月17日 | 古典芸能


通し狂言 絵本合法がつじ・つじの字が出ない
       立場の太平次


先日観に行きまして、大満足
仁左衛門さんが二人の悪党を演じる
しかも一世一代とのこと
  (これで演じ納めとの意味なので)
これは、行かねばと

通しは良いです。話が分かりやすい
ただ地味な場面もありますから、なじみのない方はどうなんでしょう
しかし見渡したところ、寝てる姿は見えなかったです
歌舞伎好き、仁左衛門ファンが集結したのか
西洋系の外人客も見かけました。英文のイヤホンガイドもあるようです
熱心に観てらした

お家乗っ取りを企む侍(大学之助)と、市井の小悪党(立場の太平次)
のふたりを仁左衛門。
顔がそっくりな二人という設定で、姿勢や表情での演じ分け

しかしこの二人めちゃくちゃの悪人で、見境なく人を殺します
女だろうが部下だろうが童まで。特に侍の方はひどいです。
これだけ悪い奴のお芝居は見たことないかも。
なので最後に敵(かたき)を討たれると拍手が起きてます(笑)
もちろん。素晴らし~という拍手でもあります。
そのあと、討った二人に起こされて、挨拶する仁左衛門さんでした。
精一杯拍手を送りましたが、スタンディングしたいくらいでした(笑)

時蔵が予想通り素晴らしい。
二役どちらもはまり役ですが、うんざりお松はぴったり


仁左衛門さんを堪能できるお芝居でとても面白く、打ち止めは残念だけど
出ずっぱりだし、花道を駆ける小悪人の凄みとか、
たしかに、これで打ち止めという判断もなるほどかと

遣りようはあると思うけど、この辺りは役者本人が決めることなんでしょうね

仁左衛門当たり役のこの演目、継ぐのは誰でしょう
遣りたいと思ってる方多そうです。
タイプから幸四郎、獅童とか。
海老蔵でもかなり面白い気がします。

ここで、過去の記録を見て、愕然!!!

私観てました!!
仁左衛門と時蔵のを!!

しかも6年ほど前ですよ。
そういえば話は分かりやすかったし、
見たことあるような場面はあったんだけど・・・。
もう、情けない

仁左衛門IN徹子の部屋

2018年03月27日 | 古典芸能
昨日の段階で
徹子の部屋に仁左衛門さんご出演!!!と知り
早速録画予約し
もちろん本日しっかり拝見いたしました

なんて素敵なんでしょうね
こんなに素敵なおじ様(おじい様)はそういらっしゃらないでしょうね
徹子さんもお洒落にしてらした(笑)

20代の頃とはちょっとお顔が変わったようですが
多分この30・40年はほとんど変わっていないように思います
私が知ったときはすでに今のお顔だったような・・
体に蓄えがないので、強い役の時はウナギを食べてらっしゃるそうです
スタイルが変わらないのも奇跡的で、
玉三郎さんとはその意味でもいいコンビですね
はあ・・何度も言うけど、往年の孝玉コンビ観たかったわあ
関西中心でらしたからね

4月の歌舞伎座で「絵本合法がつじ」を、”一世一代”で演じるという
いわば、番宣での出演ですね
ここでの一世一代というのは、これで最後と致します、という意味だそうで
わたし、それを知って、すでに申し込んでいます
観ないでどうする
ご本人も悪役が面白いとのこと。これすごく悪い役の二役ですよ
「女殺油地獄」も観たかったなあ
・・これはすでに一世一代で演じ終われてしまっているとのこと

奥様は小学校の同級生なんだそうで
とても仲も良さそうで素敵
そういうところがまた、めちゃくちゃ素晴らしいと思います

楽しみ~体調整えておかなきゃ

梅雨小袖昔八丈 国立2018年3月

2018年03月22日 | 古典芸能
つゆこそでむかしはちじょう
ぎりぎりで行ってきました
髪結新三で有名なお話
菊五郎の監修で菊之助が演じるということで
どうしても観たい(ジタバタ)

そんなところに国立劇場から「特別当日券」案内メールが来まして・・
今月は忠臣蔵「本蔵下屋敷」との2本立てなのですが、
梅雨小袖から、半額で観られるというシステム
私は初めて聞いたような、今月だけかもしれません
時間も1時間ほど短くなるから、ありがたい

予約できないので直接窓口へ行くんですよ。けっこう勇気が・・
今日は平日の昼でもあり、端の席はけっこう残ってました。
ちなみに24日土曜はすでに売り切れだったような・・



素敵でしょう?
悪役なのできついメークしてますが、ひときわの二枚目は隠せません
新三、正直美しすぎます

菊之助は菊五郎になる運命でもあるので、
立ち役も世話物も女形も全部やるんですね
なんでも合いますし・・天は二物どころか、三物与えてますね

演技力で世話物もばっちり
時代物は美しさと口跡で文句なし
私は女方が最高に好きです。とにかく美しくて
娘役なら色気、姫なら品も最高
・・なので、太らないで欲しい
菊五郎がほとんど女形やらないですものね・・心配

配役も良かったし、なにしろわかりやすくて面白いお話

(片岡)亀蔵の大家が、予想通りに最高に面白く、
菊之助とのやり取りに客席も大いに盛り上がってました

前に、彌十郎の大家を見て感動しましたが
キャラクターは違うけど、どちらも面白いですね
見た目のギャップからいうと、彌十郎のが一番かな
・・良い人に見えて実は「太い奴」・・
亀蔵さんは出てきただけで曲者とわかっちゃうから(笑)

そうそう。
お嬢さんのお熊役に中村梅丸さん。
まだ名題さんじゃないけど、とても綺麗。抜擢されたんでしょう。
梅玉さんの部屋子とのこと。


国立劇場の前は桜がもうほぼ満開
日当たりがいいですからね
けっこう変わった桜があるようです

駿河桜


この花がすごく大きくて豪華だった(残念ぶれてる)


駿河小梅


楽しかった~
でも歌舞伎座と比べて客が少ない様子
文楽は席が取れないけどね・・という声が聞こえました
本場大阪のほうは文楽が客少なくて、
補助金カットされそうとニュースになってましたけどね。


三月大歌舞伎夜の部2018

2018年03月13日 | 古典芸能


やっぱり観たくなり急遽申し込み
行ってきました。
(写真は開き直って横向き)

行って良かった。大満足。




一、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
  小梅莨(たばこ)屋の場
  瓦町油屋の場

四世鶴屋南北作。
お染・久松・土手のお六他七役を一人が演じるというので、
通しで観たい作品です(観たことはない)。


土手のお六を玉三郎、鬼門の喜兵衛を仁左衛門が組んで・・
となるとやっぱり観ておかねば・・
この二人は、仁左衛門が「孝夫」だったころに、孝玉コンビで大人気だったのですが
私は残念ながら観てないんです。

玉三郎はごく若い20代前半のときに一目惚れして、ずっと見てきました
孝夫は二枚目でかっこいいのは知ってましたが、
演技力があり本当にめちゃかっこいいと気付いたのは数年前から

絶頂期の美しい二人を観たかった・・と思うものの
現在でも十分に美しいお二人です。お元気なのが嬉しい
玉三郎の毒婦はぴったりだし
仁左衛門の悪い顔がまた凄くて素敵

さすが南北作です。わかりやすくて面白いです
うまく企んだはずの悪だくみが、あっというまに綻んで
二人で駕篭を担ぎながら花道を去っていくとこまで、楽しかった


二、神田祭

庶民に人気のあったお祭りの風情を描いていて
鳶頭に仁左衛門、芸者に玉三郎と、これ以上ないはまり役です
出て来るだけで、二人が恋仲とわかる色っぽさ
順番に花道から出てくると劇場中が大興奮
「美し~」「かっこいい~」の声が・・
花道をふたりで引っ込むんですが、お二人も楽しそうに見えて幸せな気分


ここまでで、もう十分楽しんでますが
せっかくなので、まだ体力もあるし、

三、滝の白糸

第一幕の、滝の白糸が出て来るところだけ観ようと思いましたが、
第二幕の水芸の場面と、白糸と欣也の再会まで観ました

新派の舞台で有名な、泉鏡花原作の物語
今回、玉三郎が演出というとこから注目してました

主役の水芸の大夫、滝の白糸を中村壱太郎が演じてました(かなりの抜擢かと)
藤十郎の孫で、鴈治郎の息子さんで、何回かはお見掛けしています
一幕の出からなかなか良くて・・
セリフ回しや振る舞いから、玉三郎によく似てました
さすがの玉三郎の演出がすごいなあと。
そして壱太郎さんも必死で玉三郎に食いついたんだなと感心しました。

舞台全体がいい風情でした。
「水芸」と言っても、実際に見たことある方も少ないでのかも
私が子供の頃はテレビでも見たことのある、日本古来の手品ですね。
その場面も良く出来てまして、面白かったです。

白糸の相手役を尾上松也。後半が見どころかと思いますが
明治の書生の雰囲気はでてたかと。

まさに後ろ髪惹かれる思いで、退出。
1時間は早く帰られたので、あまり疲れず
今後もこの方法を取っちゃおうと思ってます

寿初春大歌舞伎2018 夜の部

2018年01月25日 | 古典芸能
高麗屋三代襲名披露を観に行きました

テレビでもにぎやかに案内されていますから、観客もいっぱい
うっかり、申し込みの日を忘れたため良い席が取れず
二階の後ろのはじっこに。
残念ながら見にくい・・
花道のすっぽんは見えるはずなんですが、皆さん前かがみ
・・前かがみはご遠慮くださいとアナウンスはあるんだけど
傾斜が緩いから前かがみにならざるを得ない感じ


一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
  角力場

わかりやすい面白い話ですが、悪い意味でタイムリー
贔屓の若旦那のためにわざと負ける相撲取り・・
芝翫と愛之助はどちらも良かったです。

二年前の雀右衛門襲名興行で、橋之助時代の芝翫と菊之助のを観てます。
芝翫さんは一気に貫録ついてますね
その時の自分のブログでは菊之助さんを絶賛してました。


二、口上

二代目松本白鴎(字は違うけど、PCに出てこない)
十代目松本幸四郎
八代目市川染五郎の三代襲名披露。
やはりこういうのは観ておきたいです。
藤十郎、吉右衛門、左団次、梅玉、魁春、東蔵、秀太郎等々
三人と自分とのかかわりなどの話が面白かったです。

個人的には、少し襲名早くないのかと気になってます。
特に白鴎はここにきて、むしろ元気いっぱいに円熟してますから、
隠居名みたいでちょっと。



三、歌舞伎十八番 勧進帳

さすがに何度も観てるのでゆったりと鑑賞しました。面白いです。

先ほど触れた、花道が見えない話
・・花道に、4人の家来、義経、弁慶と並ぶんだけど、家来しか見えない
ちょっと残念
最後の弁慶の六方も、はじめしか見えない
・・はじめだけでも気迫いっぱいでしたけど

富樫に吉右衛門、さすがにすごく良い
やはり、大きい。
実は義経主従と気付いていながら見逃す心情も溢れています

幸四郎は顔が小さくてスタイルがいいのが、かえって大きく見えないのね
後半の舞からはさすがだし、最後の六方踏んでの引っ込みは迫力。素敵でした。

金太郎君は顔が綺麗で、声量があるので期待


四、上 相生獅子(あいおいじし)
   下 三人形(みつにんぎょう)

春らしい華やかなおどりでした


しかし体調がいまいちでもあったので、疲労困憊
勧進帳で帰ったらよかったかもしれません
まあ貧乏性で、途中で帰りにくいです





国立劇場初春歌舞伎公演

2018年01月18日 | 古典芸能
1月はやっぱり国立劇場の歌舞伎ですよ。
ケレンとか立ち回りが賑やかで楽しいのです。
そしてなんといっても通し狂言なので勉強になります。


若い時はお正月と言えば、二世松緑の座長公演が楽しくて
大体花道から出て来るのが多かったんですが、
それだけで華やかに楽しく、お正月気分になった物でした。

近年は菊五郎の座長公演で、同じく毎年楽しみに観ています。
菊五郎劇団(というのかな)の俳優さんがみな大好きなんですよ。
今回も、菊之助、松緑、時蔵、団蔵、亀三郎、亀蔵(片岡と坂東)に
右近。他にも萬次郎、楽善、権十郎、梅枝とか、とにかく役者が揃ってます。

世界花小栗判官せかいのはなおぐりはんがん

妖術使いの悪役を菊五郎、戦う小倉判官を菊之助で
そのお話に、歌舞伎特有のスピンオフというべき、漁師浪七の物語があって
浪七を松緑が力いっぱい演じて、盛り上がって終わったところで
観てる方も力尽きる感じなんです。
そのあとに、本題が続くということで、わたし正直ぐったり

通し狂言は本当にありがたく、話も良く分かるので歓迎ですが
体力ないので厳しいです。
年を取りますと、良いとこ取りの歌舞伎座方式もありがたい

ヒロインを右近(尾上)、ライバルに梅枝
どちらも綺麗なうりざね顔で良かったです。

今回暴れ馬の動きが素晴らしかったですよ
後ろ足で立ち上がり、馬上には判官。3人(馬は二人)とも拍手喝さい
場内大盛り上がりでした

歌舞伎俳優さんで同じ名前の人が何組かおられます
苗字というか屋号は違うのですが。少々紛らわしいのですが
それぞれ大事な名前なので仕方ないです

私は二人の「亀蔵」さんが大好き
片岡亀蔵・・個性的な顔と声で演技派です。悪役も多い中堅
坂東亀蔵・・羽左衛門の孫で声が良くやはり演技派。
      去年亀寿から改名した若手
今回この二人が、軽快な動きと個性的な台詞まわしで
舞台を大いに盛り上げてました。


最近客席見渡していて、どうにも年齢が上がったままだなあと感じます。
まあ数年は大丈夫としても、10年もしたらどうなんでしょう
そこで若手を売り出して、襲名もさせて新作も打ち出して、
客層を広げたいと努力はしてる様子。
子供の初舞台とか襲名も多いですよね。

若い人が新作だから面白いと思うとは限らないのでは
若いうちに良い舞台を見た人が長く観劇されると思うのです。

今回の舞台はその、若い人でもきっと面白く感じると思う。
とにかく観て損のない、素晴らしい舞台でした
体力のある方々はぜひ


新橋演舞場初春歌舞伎公演 Aプロ

2018年01月11日 | 古典芸能
あけましておめでとうございます
・・って大分日が経ってます
こちらは穏やかなお正月でした。

今年最初のお芝居は
新橋演舞場の海老蔵さん座長のになりました

Aプロって昼の部です

一、天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)
大きな蝦蟇(がま)が出て来るので有名なお話
わたしはかなり昔の二世松緑のをみておもしろいと思った記憶が

獅童さんが初の徳兵衛役とか
やりがいのある役で張り切っておられました
お顔が個性的で特に悪役の顔になるとかっこいいですね。

大きな葛籠(つづら)を担いでの宙乗りが大きな見せ場だと思うんですが
これが本当にタンスくらいの大きさで、花道の上を行くんですが
今回、花道横の席だったので、正直怖かったです
凄みのある獅童さんでした

二、寿初春 口上
市川海老蔵「にらみ」相勤め申し候

単独のにらみは初めて見たと思います
まあ海老蔵の専売みたいなものですね。
綺麗に睨んでいただきました
睨んでもらうと演技が良いそうなのです


、新歌舞伎十八番
鎌倉八幡宮静の法楽舞(かまくらはちまんぐうしずかのほうらくまい)

実は劇場に行く前、この出し物を知らなかったので、
誰が静御前を遣るんだろう‥と思っていました。
今回女形のキャストがわからなかったもので
行ってみたら、海老蔵が静とそのほか6役をやると知って
びっくり。
正直、海老蔵の女形かあと思いましたが
ごめんなさい。海老蔵の静はすごく良かったです。
出の、暗い中から浮き上がってくる老女も、これがすごくいい雰囲気

海老蔵さんはもともと、踊り分けが上手ですね
(「七つ面」でそう思いました)
老女から、道化、船頭、静、義経などを踊り分けしていきます
早変わりとか、入れ替わりも面白くて見ごたえあり

特に静と義経が入れ替わっていく場面が素敵。
桜の花びらが舞って。多分ここがメイン。
しかもこの場面では、河東節、常磐津、清元、竹本、長唄の競演です
普通せいぜい、掛け合いですよね。
5つの舞台があって、それぞれに演者がならび、五重奏もありました
これ、すごいですよね。見たことないです。わたしは。
ついでに言うと、長唄は女性だけの構成で6人。揃いの着物で綺麗
舞台に女性って珍しいのでは。

わたしはこの協奏がとても気に入りました。
もしテレビでやってくれたら、保存します。

最後に海老蔵が静に憑依した「もののけ」になり
立ち回りののち、花道を何度か回転したり
行きつ戻りつしながら、駆けていきました。
花道の隣のわたしは、袴の裾が当たるんじゃないかと・・はらはら

鬼気迫る海老蔵さん間近に観られて、良かったです
これは代表作になるんじゃないですか。
なかなか出来ない舞台だと思いますが。


私の初歌舞伎、大満足でした





十二月大歌舞伎第二部

2017年12月21日 | 古典芸能
二日前にチケットウェブを見て
まあまあいい席が取れそうだったので行ってきました
行って良かったです
良い舞台で大満足

一、らくだ

中車さんが、紙屑屋
やはり、演技力のある人なので非常に面白くて良かったです
ご本人かなりなじんでいらっしゃますね
特に今回は愛之助さんが相手役だからやりやすかったかも
二人の役は、もう2回目だそうです
愛之助さんがやくざな役でしたが、
これが凄みもあり、良く似合ってます
「悪い顔」見せてました

他の配役もぴったりで楽しい舞台でした


二、蘭平物狂(らんぺいものぐるい)
倭仮名在原系図(やまとがなありわらけいず)四段目

また複雑な構成と展開ですが、
そこはあまり気にしないで、楽しく拝見
前半の舞踊がポイントになってて、後半の大立ち回りがあって
私の大好きな華やかな時代物(多分初見)

梯子を使った立ち回りが面白くて
花道に建てた大梯子を上ったり
梯子に跨ったままくるりとでんぐり返りとか
松緑頑張ってまして、プログラムに「最後の蘭平にするつもりで」と
ありましたが、それだけ体力のいる役のようです

立ち回り役者達沢山出てきて、すごくかっこいい
くたびれても観る価値おおありでした

今年の観劇はこれでおしまいです