チャレンジ鍼灸師82歳:今、新しい医学・医療創造の志に燃えて生きる!

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はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・11

2013年11月14日 | 鍼灸健保問題

昭和59年日鍼会代議員会総会
会長回答・続き

次に行政差別の問題であります。

提案者によれば、
療養費の支給条件、同意書の簡素化、委任払い等の取り扱いの面で
国民が健保で鍼灸を受ける権利が侵害されている。

又は同じ医業類似行為である柔整と鍼灸とで大きな差別を設けているのは
行政の不公平であるから、行政訴訟も辞さない強い姿勢で行政と対決し、
健保制度の基本に斬りこみ鍼灸に対する行政の考え方を
根本的に変えさせなければならないというご意見である。

しかし、この様に行政と対決して問題が解決されることであろうか。

この問題に業界として一丸になって行けと言われるが
もう少し深く考えてほしい。
たとえ、70%でも勝てる見込みがあれば、
私は、討ち死にを覚悟でやることを惜しまない。

しかし、現段階においては
99%勝てないということを充分認識してほしい。

日鍼会は日鍼会として築き上げてきた長い歴史と伝統がある。
この点は行政当局にも、日本医師会にも高く評価されており
30年誌を見てもおわかりの通りであります。

一言で申し上げれば、日鍼会としては
正面切って大上段に振りかぶることはいたしません。

団体協定が出来れば鍼灸師も、公に話し合えることになります。
いま、日鍼会としてもまた、
鍼灸業界全体のリーダーとして私が
この問題を「厚生省はけしからん」と言って行政と喧嘩して
討ち死にをするわけにはいかないことをご理解願いたいと思います。

提案者初め皆様の主目的である団体協定と
柔整並みの事務取り扱いの簡素化んぽ推進は
私たちの目的と何等変わりはありません。

ただそのやり方、運動方法が誤っている事を理解して頂きたい。

鍼灸師会の名において行政と対決などという強硬な運動は、
マイナス以外の何物でもありませんので
鍼会としては反対であります。

ただし、国民サイドの立場から患者さんたちが、
保険料を払っているのになぜ健保で鍼灸が受けられないのか、
鍼灸師にかかれないのか、鍼灸による鍼灸治療の門戸を開け、
とアッピールし世論を盛り上げて頂く事は大いに歓迎いたします。

新聞・NHK等を通じ患者サイドにおいて鍼灸の健保を進める運動を
展開して頂きたいとは思いますが、
どこまでも運動は政治色を出さずに超党派的に行われる事が必要と思います。

例え結果において、鍼灸師の利益につながることであっても、
それを業団があからさまに表に出し対決姿勢で運動しては、
世論が取り上げないことを充分認識して頂きたい。

行政の締め付けを緩めるためには、
何といっても世論を高めること一番大切である。
またそのことが日鍼会のオーソドックスな運動の成功になることを
信じて頂きたいと思います。

次に保険局に対して、
鍼灸治療を保険でやらした方が医療費が大きくダウンすることを主張すべきだ
という説もありますが、
そうしたことは充分考えられるにしても、
現段階において、これを当局に充分説得するだけの資料を持っておりません。
しかし、我々は常々このことを社労関係の議員諸先生方に
充分お話いている事を承知しておいて頂きたいと存じます。

一方、権利意識が先走りして、
鍼灸師の行う鍼灸を療養の給付(現物給付)に組み込みたいという運動もありますが、
これは大きな間違いであります。

鍼灸が現物給付として取り入れられたとき
開業鍼灸師がどういう立場に立たされるか火を見るよりも明らかであります。
この点を充分考えて
鍼灸の現物給付に連なる運動は絶対にしてはならないことをつけくわえて、
私の見解とさせて頂きます。

以上が、当日の私の「提案事項」に対する長い長い会長回答でした。

これから、
「私の提案事項」を全然理解しえていない、会長の法意識・健保認識の低さを明確にし、私の「主張」を提示しようと思います。


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