チャレンジ鍼灸師82歳:今、新しい医学・医療創造の志に燃えて生きる!

青春時代の社会変革活動の挫折をのりこえ、鍼灸の道へ。

はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・30・完結

2013年12月18日 | 鍼灸健保問題

鍼灸健保推進の未来は?

私は40数年前、開業と同時に県鍼灸師会に入会し、誰も手がけていなかった
「保険部」を担当した。

何をやるべきか「中央」の指導を受け、具体的行動に入った。
最初に、指示されたことは県との「委任扱い」の交渉であった。

「療養費」ということも、「療養の給付」との関係も全く知らず、
ただ、「中央の指導」を信じ、従った。

しかし、県との交渉は、県会議員の仲介で行ったが、
難航した。

それは、
昭和25年1月に出された

「按摩、鍼灸術にかかる健康保険の療養費について」という
業者団体と契約して積極的に支給することを禁じ、
「すべて医師の同意書を添付すること」を義務付けた
「保発4号」(保険局長通知)があるからである。         
さらに翌26年3月には、これに追い討ちをかけるように、
「契約を締結している場合は、事情の如何を問わず、
至急これを破棄するよう措置せよ」と「保発14号」が出された!
この「保険局長通知」は現在も厳然と生きているのである。

しかし今では、
「民法上の委任」ということで「協定なしに委任払いが実施」されている
ところが多くなっている。

だが問題は
柔道整復師とは、
「医療上は若干問題とされたが昭和11年に各都道府県ごとに
所在の柔道整復師会と協定を結び料金表を定めて
委任払いの方式をとって以来現在に至っている・・・」ことである。

国自身が
「療養費を
あたかも療養の給付のごとく扱ってはならない」

といいながら、柔道整復師には、当時は整形外科医が少なかったからと、
今日では通用しない屁理屈をつけて合理化し、
まさにこのような扱いを行うよう全国に指示しているのである。

この一方では国が奨励し、他方では禁止するという許すべからざる差別は
現在も厳然と存在している!


私は、そのため「委任」の交渉はやめて、
業団の指導には無関係に「療養費」として患者に治療費が戻る扱いを
している。

その中で、
「不支給」事例と取り組み、裁判を含めた取り組みを進めてきた。

そして、業団の取り組みもあり、
「委任払い保険者の増加」「期間・回数制限撤廃」や「取り扱い病名の拡大」など
「療養費」の枠はかなり緩やかになっている。

しかし、鍼灸建保の未来は「療養費」では開けない。

鍼灸建保推進の未来を開く道はただひとつ!

今までたびたび言及したように
「療養費」は「保険者がやむを得ない」と認めたときに、「償還払い」として支給される。

これは、患者の自由な選択によって鍼灸治療がなされ、

患者の権利として
健康保険が適用されるのではない。

支給も不支給も「保険者の裁量」なのである。

患者の権利として鍼灸治療が保険適用されるには
「鍼灸師の治療所が、保険医療機関として指定・登録される」必要がある。

それには、
「健康保険法」第36条の2項以下及び「国民健康保険法」第39条の
「保険医療機関の指定」「登録」に関する条項を改正し
鍼灸師(あんまマッサージ指圧師・柔道整復師も同じ取り扱いが必要)を
指定機関・登録機関にしなければならない。


技術を正当に評価した適正な「料金規定」を定め、
この法改正を行う国民的な取り組みを、どう構築するか・・・・・

鍼灸健保推進の未来を開く道はこれしかない
と私は信じている!

 

 

「現行法」が憲法の「健康権」「基本的人権」を満たしていないのは、

国家資格を持った「医療従事者」の治療を

患者の権利として正当に治療選択できないからである。

この法改正を明確な目標としてこそ

憲法精神の実現を掲げる

鍼灸健保推進運動は、新しい一歩を踏み出せるのである。

   
 
 
 

  


はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・29 

2013年12月17日 | 鍼灸健保問題

鍼灸健保の未来は?

鍼灸師の治療に対する健康保険の取り扱いが
「療養費」とされている状況で「未来」は輝くのであろうか?

私はこのままでは、
やがて鍼灸健保は衰退に向かうであろうと危惧せざるを得ない。

「療養費」は、急激に進む健保財政危機の中で
真っ先に切り捨てられる部分である。


「療養費」は
「被保険者の権利」として給付されるものでなく
「保険者がやむを得ないと認めたとき」に
「保険者の裁量」で支給されるものである。

現在、不安材料を抱えながらも
一応は
「同意書が添付されておれば、支給要件を満たしていると
みなしてもいい」とされ、
期間回数も制限なく、病名制限もかなり緩和された状態で
支給されている。

しかし、
あくまで「保険者の裁量」の枠内で支給されているだけである。

この状態が続く限り
何時切り捨てられても「被保険者」は泣き寝入りである。

「不服申請」をしても「裁判」に持ち込んでも
「不支給」は保険者の裁量によるもので「違法性はない」以上
争う意味がないのである。

条件改善を求める患者の「署名」を集めても
鍼灸師の治療が、「療養費」である以上
あまり効果はないと思う。
未来につなげる明確な「目標」を掲げた
「署名」をはじめ創意ある患者・国民の運動を土台に
新たな取り組みを開始すべき時期に来ている。


「療養費」扱いには未来はない!


はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・28

2013年12月17日 | 鍼灸健保問題

鍼灸療養費の現在は・・・

「150号通知」の発行を前に、業界の統一は果たされた。

その後、
国の療養費担当官と法人業団との常設的な「交渉の場」が設置され
残る大きな問題が解決された。

「鍼灸療養費の期間・回数の制限」の撤廃である。
これは大きな成果である。
 (しかし現在、保険財政危機の中で、
 「上限設定の動き」があるような情報も一部で報じられている。
 これは、絶対に認めてはならない!)


「医療先行」とこの問題が解決され、
療養費としては、一応まずまずの体裁は整った。

あと「委任」の問題は
「民法上の委任」として、保険者との合意があればOKである。
国が委任を禁じたり、命じたりする問題ではない。

療養費の金額は、極度に低廉に抑えられている。
2年ごとの「料金改定」によって、20円とか30円の微かな値上げが
あることがあるが、ここ数年はそれもない!
保険財政困難の中でさらに引き下げられる危険がある。


★「同意書の添付」は、
健康保険法施行規則の第66条(療養費の支給の申請)第8項に
「療養の給付・・・・・を受けることができなかった理由」
とあるので、
「医師による適当な治療手段がなかった」ために
療養の給付が受けられなかったという理由の証拠として
「医師の同意書」を添付するのである。


従って「療養費支給申請の必要書類」である。

銘記すべきは
同意書は、「医師が鍼灸の効果を認めて同意した」という書類
ではないことである。

従って「同意書」の意味を熟知している医師には、
決して書いていただけるわけがない。
「同意」という言葉から、本当の意味がわからずに、
患者や鍼灸師への好意で書いてくださる医師が多いのが現状である。

現行通知で「かかりつけの医師」の同意と書いてあるのは、
この点を踏まえながら、法人業団との「交渉」の経緯の中で示された
保険課の前向きの配慮と受け取ってもいいのかもしれないと思う。

しかし最近、「保険者団体」の一部から
同意書は整形外科の医師によって書かれたものに限るとするような
動きがあるようである。
これは、「鍼灸療養費」の全滅につながる可能性がある!
まず、書いてくれる整形外科の医師は少ないであろうし
書いてくれても「治療手段がない」と治療をしない医師はまずないであろう。
従って、「併給」となり全部「不支給」である!
この動きは断固阻止しなければならない!


以上が「不安」材料を抱えながらの「鍼灸療養費」の現状である。
業界は、この上に安住し変えようとせずに
ただ「取り扱いの向上」を推進しようとしているだけである。

この「療養費」の現状を固定化し続けることは
「鍼灸健保の未来」につながるのだろうか。







はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・27

2013年12月16日 | 鍼灸健保問題

「保発150号」通達発行への道のり 

私は、「併給問題の裁判」を盛り上げながら
一方で、当面解決すべき「療養費の緊急の課題の解決」のために
前述の梅原先生、山崎先生と私の3名と
厚労省保険局・療養費担当官との数回にわたる「緊密な交渉」を進めた。

その中で、問題点が煮詰められ
前述「療養費の問題点」の②に対する解決のために
新しい「通知」を発行することに合意した。

暗黙の「了解事項」として
「裁判取り下げ」があった。
「併給」の問題は、法改正につながるので
裁判を続けることは、結局、原告・被告両者に意味がないことになる・・・

鍼灸療養費に関する「問題点」が明確になったので
この緊急課題を解決した上で
次のステップにすすむべきであるということである。


通知発行の合意にたって
これを「文書化」し発行する手続きが次の問題であった。

担当者の示した「文書」について大筋で合意できたので、
発行対象について
任意団体である「全国保鍼連(全国保険鍼灸師・按摩マッサージ指圧師連合会)」にすることはできないので、

当局から四分五裂の業界を統一して、

法人業団を中心にまとめるように指示された。



健保問題で、業界を統一することは大変な事業である。

その頃、法人業団のそれぞれの幹部の思惑で分裂したままで
まとまる兆しは何もない。

「新しい通知発行」を目指すこれからの取り組みで、
一致団結して行動するためにはいかにすべきか・・・・・

そもそも、まとまれないのは
それぞれの法人業団の幹部の「指導権」を握る駆け引きが根底にあるから
である。

まして、これからの統一への取り組みの呼びかけ人が
日本鍼灸師会が、敵意をあらわにしている
任意団体の「全国保鍼連」となればなおさらで、
どうしても自分たちがやったという面子があるのである。

そもそも、この150号通知へいたるスタートの時点で
全国保鍼連として、「厚生省との直談判」の協同行動を
日本鍼灸師会(日鍼会)と全日本鍼灸あんまマッサージ指圧師会(全鍼連)に申し入れた際に
日鍼会には拒否され、全鍼会は正式に当時の行く副会長・梅原先生(福岡)を派遣していただいたのである。

それで
全国保鍼連会長の私と同渉外部長山崎先生と梅原先生の三人で
話を進めていたのである


しかし、医療課は「通知」を出すのは、任意団体である全国保鍼連ではなく
法人団体になるので、各団体の意思をまとめてほしいと
「通知(案)」の文書が提示された。

この「通知(案)」に対する全法人業団の統一見解を持って医療課に
出向く段取りとなった。

そこで、全鍼師会の藤井会長の計らいで
各団体首脳会議を開くことになった。

しかし、内部資料である「通知(案)」が
一部に流れてしまい、妨害の動きがあり混乱を生じたが、
健保推進協議会の代表としての藤井全鍼師会長(当時)の
見事な指導力の発揮により
平成9年11月23日に会議は持たれ
全国保鍼連と全鍼師会のリードで円滑に進行され

梅原・山崎・中川三との「合意事項」を土台とした
医療課提示の「通知(案)」の問題点の指摘を全員で確認し
翌日、
藤井全鍼師会長・中村日鍼会長・山口全国保鍼連事務局長の三人が
厚生労働省に出向き、業団の意思を伝え
医療課は最後の事務的な作業に入り、12月1日発行された。

このようにして
医療課との信頼関係を大切にしながら、
わが業界の真に患者の立場で保険を推進しようとものの団結で
当時の健保取り扱いの最大の壁「医療先行の確認」を
突き崩したのである。

その後
鍼灸の療養費取り扱いがスムースに行われるようになり
取り扱い実績も飛躍的に増加した。




はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・26

2013年12月16日 | 鍼灸健保問題

平成16年10月1日廃止された
「保険発150号(09・12・1)」の意義は・・・・・

平成9年11月までは
「医師の同意書・診断書が添付された鍼灸療養費」の請求について
円滑に支給されるのを妨げていた最大の原因は、
昭和42年に厚生省・保険局長によって出された「保発32号」通知および
昭和46年の保険局医療課長通知「保険発28号」であった。


局長通知で「はり及びきゅうに係る施術の療養費の支給対象となる疾病は
慢性病であって医師による適当な治療手段のないものであり、
主として神経痛、リウマチなどであって類症疾患については、
これら疾病と同一範ちゅうと認められるものに限り支給対象とすること・・」
とし、
この医師による適当な治療手段のないものを解釈・説明したのが
医療課長通知である。
そこで「もの」として「病名の指示」に過ぎなかったものを
「保険医療機関における療養の給付を受けても
所期の効果の得られなかったもの又はいままで受けた治療の経過からみて
治療効果があらわれていないと判断された場合」として患者個々の治療経過の状態にすり替え限定してしまったのである。


この「保険発28号」通知で示された医療課長解釈は、
保険者が「医療先行」のチェックを行う理由の根拠として
それ以後30年にわたって運用され
鍼灸療養費の円滑支給を阻んできたのである。

保険発150号は
この「円滑支給を阻む壁」を突き破ったものである!

   
 
 

はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・25

2013年12月15日 | 鍼灸健保問題

鍼灸療養費支給の最大の障害要件「医療先行の必要」を突き破った!

現在の鍼灸師のほとんどは、

医師の「同意書」を添付し、鍼灸療養費を請求した場合
保険対象疾患であれば、時に同じ疾病に対し「医師との併給」を理由に
「不支給」とされることはあるが、
併給がなければ、ほとんど問題なく支給される・・・・・

これを、当然、以前からそうであったと思っている。

しかし、
それはこれまで書いてきた

8年にわたる「国との裁判闘争」の中で
獲得した成果である。


以前は、医師の「同意書」を添付し、鍼灸療養費を請求しても
いちいちチェックして、鍼灸師の治療を受ける以前に
医師の治療を受けていて(保険者によっては、3ヶ月以上!)医師の治療が
効果がなかったと「保険者」が認めなければ、
「不支給」とされたのである。
「医療先行」の有無が問われ多発したこの「不支給」に
多くの鍼灸患者が泣き寝入りさせられた!


この「支給要件」を突き崩した経緯を、

「歴史」から抹殺しているのが、現在の「業界」である
そして「国の通知」の中でも、
その内容は残しながら通知名は"廃止”している。

それは「保険発150号(平成9年12月1日)」である。


はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・24

2013年12月13日 | 鍼灸健保問題

平成3年8月の提訴以来、平成9年12月まで、
「医師と鍼灸師の治療の併用を訴えた国を相手とした裁判」は続いた。

裁判は、現行の法(健康保険法)に照らしての違法性を争うものである。

「医師の治療(療養の給付)」と「鍼灸師の治療(療養費)」は現行法では、明確に、「療養の給付」を原則とし、「療養費」は、保険者が"やむを得ない”と認めたとき(患者の治療選択権として認められていない!)に「療養の給付に代えて」支給してもよいとされている。

原告側は、こうした現行法そのもの「違憲性」の一端を明確にし、
問題提起はなしえたと思う。

しかし、私には、
弁護団の盛り上がりや裁判支援の声が高まっても、
裁判の流れを冷静に考えれば、
「併給」の問題では、こちらが「国の法解釈の違法性」を主張しても、強固な説得力ある弁論は難しく、
「国の裁量権」でかたづけられる公算が強いと思われた。

それで、正面から
「併給禁止による患者の治療選択権侵害の違法性」を主張し続けながら

裁判の争点とは別に
「療養費」給付における最大の障害である
「医師の治療の先行が必要」という問題の解決に取り組むことが
緊急の何より先に解決しなければならない問題だと考えていた。


これは、まさに
「保険の実務」で実際に苦労しているものの第一の課題であった。

広島県鍼灸師会の山崎正隆先生は、
平成8年ころから、毎日のように国の「保険局・課」に電話交渉し
山崎・梅原・中川と保険課との「緊急課題での直交渉」の場の設営を
要請してきて、ついに実現できた!(前回記述)

日本鍼灸師会にも、「ともに交渉しよう」と提案したが断られた。
全鍼師会が、代表として、正式に、梅原先生を推挙してくださったのとは
全く異なった姑息な対応であった。

そして、その「直交渉」が
全国の圧倒的な「実務推進」につながる
大きな成果を生み出したのであった。


山崎先生の熱意が国を動かした、と言えるものである。

 

 


はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・23

2013年12月12日 | 鍼灸健保問題

前回記述したように、
「原告側」は、

憲法に基づく基本的人権を尊重する立場から、
「鍼灸師の治療を受ける患者の権利」が蹂躙されている実態を、
憲法学の大学教授・鍼灸学校の理事長・
それに鍼灸臨床の第一線で活躍されている鍼灸師・
鍼灸に理解をもつ医師などに証言していただいた。


それに対して、
「被告側」は、

なんらの反論もせず、健康保険法の「療養費」の条項と、それに対する
保険局長通知(保発32号)・保険課長通知(保険発28号)の意味を
繰り返すだけであった。


「鍼灸裁判支援運動」は一定の盛り上がりを見せ、原告側の意気は高かったが、
裁判自身の弁論戦は平行線のままでかみ合わず、具体的な展開は感じられなかった。

そんな中で、
広島県選出国会議員の仲介で、厚生省(当時)保険課担当官と、
保鍼連中川・広島県鍼灸師会山崎・全鍼師会代表梅原3人との
「実務上の緊急な問題点」を掘り下げて、率直に話し合う内密の場を
毎月1度くらいもつようになった。

これで、
日本における裁判の本質の一端に触れられた、際限のない国との裁判に引きずられず、
当面の問題を具体的に解決する第一歩を踏み出す道が開けた。


はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・22

2013年12月01日 | 鍼灸健保問題

平成3年8月28日提訴。平成3年10月31日公判スタート。

第1回公判で、裁判官より「訴状」と「答弁書」が確認され、
被告(国)は、
「健康保険法第44条の2に基づく不支給の法的理由」を明らかにするよう求められた。
被告側は、それに答えて「準備書面」の提出を約束した。

原告側は、この裁判の意義は大きいので、鍼灸の歴史に始まる各種の準備書面を
数回に分けて提出したい旨申し出て、了承された。

弁護団により分担作成された「準備書面」の骨子はつぎの通りである。

  「準備書面・骨子」
【1】鍼灸は東洋伝統医療の一部として
現代医療と別個の独自の歴史と体系と効用を有する。
鍼灸師の免許は、
その専門技術を行う資格を法によって与えられたものである。


(1)歴史と現状
 a 鍼灸は明治以前は国民医療の重要な部分を担っていた。
明治以来の政府の医療政策の歪みによって政治的に不当な地位においやられた。
<明治以来の国民医療の実態を無視した西洋医学の偏重による
虐げられた歴史>
 b 鍼灸師のこれまでの運動と実績

 c 教育制度の実際
 d 鍼灸師の数と他の医療従事者との比較
 e 現在の医療における鍼灸師の役割
(2)現行法制度上の取り扱い

 a あはき法と医師法
 ◆ あはき法は、医師法第17条(医師の業務独占)を限定解除したものである。
従って、鍼灸師は医行為の一部を資格をもって行う者である。
  ★鍼灸は人体に対し危害を及ぼす恐れのある行為⇒法にろる免許
  ★鍼灸師の業務は、医師の指示・監督・同意・診断など不要である。
 b 厚生労働省の見解ー国会答弁、判例


【2】健康保険法第44条の2の解釈  

(1)健康保険制度とは

(2)"療養の給付”と"療養費”
 ◇ 厚生労働省の行政の流れ
 《昭和25年保発4号→昭和36年保発14号

 →昭和42年保発32号昭和46年保発28号→元年保険発85号》
★諸通達は健康保険法の解釈を逸脱している。
 ◎ 医師の医療先行および併用禁止は、医療の実態に照らして
   全く合理性がない。
 ◎ 健康保険法施行規則53条では、申請書に添付すべき書類として、
   「療養の給付・・・の支給を受けること得ざりし事由」と
   明記してあり、医師の同意書、診断書の添付が必要であるとは
   法文では”一言も”規定していない。
  従って、上記「厚生行政の諸通知は「行政裁量権」を乱用し、
  医師への一方的な利益擁護であり、鍼灸患者の基本的人権を侵害している。
 ◎ 期間・回数の制限は不合理であり、不当。
 ◎ 療養費の額は実際に「療養に要した費用」に基づくべきである。
   (法第44条ー3)

《3》柔道整復師とのアンバランス・不合理な差別

(1)鍼灸師と柔道整復師との行政差別ー治療上、歴史上、制度上

 ◎ 柔道整復師優遇通知によって鍼灸師の患者を差別している。

 (注 柔道整復師には、法・第17条に「医師の同意を得た場合のほか、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合はこの限りではない」と明記されている。
 しかし、厚生官僚は、これを敢えて、健康法上は「緊急・やむを得ない場合のほかは"同意”は不要として、事実上全く自由に保険を取り扱えるようにした、 本来、医師の同意の不要な鍼灸師の保険取り扱いに「同意書添付」を義務付け、特例以外は"同意”の必要な柔道整復師には、特例を廃棄し、すべてに拡大押し 「同意書」を不要にした。こんないい加減な政治が今でも行われている。)

 ◎ 柔道整復師は、「療養費」の受領委任ができる。

(注 鍼灸師団体には、「療養費」をあたかも「療養の給付」のように扱ってはならないと(保発4号)通知しながら、柔道整復師団体とは国自身の指導によって「あたかも療養の給付のように取る扱えるよう協定をした!
こんな理不尽な、差別を、今でも鍼灸師は、通知上は受けている。)