チャレンジ鍼灸師82歳:今、新しい医学・医療創造の志に燃えて生きる!

青春時代の社会変革活動の挫折をのりこえ、鍼灸の道へ。

お灸の効果・・恥ずかしながら「失敗」で知った!  ②

2013年06月27日 | 最近の治療体験から

現在86歳の女性・Bさんは、5年来の患者である。

81歳のとき、たまたま普段やらない「砂利運び作業」で背中を痛めて

私の知人の「整体治療家」からの紹介で、鍼治療を始めた。

 

彼女は、若いときから、テニスを続け、

今でも「現役プレイアー」として、全国を駆け巡り

女性最高年齢で、全国制覇も果たしている。

 

背中の痛みは、すぐに楽になったが

聞いてみると、

テニスのプレイ中も、数年前から腰痛や臀部痛があり

スマッシュ時には「右肩峰部」に激痛があるのを我慢しながら頑張っている

と言うのである。

 

これは、きちんと治療すれば痛みは軽くなるし、

テニスプレイヤーとしての健康管理も必要であると話すと

毎週一度治療を継続しようということになり、

それ以来、今日まで何かの「用事」が入らなければ続いていた。

 

腰や臀部の痛みは、ほとんどなくなったが

「右肩峰部」の痛みは、軽くはなっているが

しぶとく残っていた。

 

治療法もいろいろ試みたが

刺して置いてあるハリの頭に「もぐさ」をつけて燃やす「温鍼法」

一番効果があるようであった。

 

数週間前、

たまたま「もぐさ」をハリの柄に巻きつけるときにゆるかったためか、

燃えたもぐさが肩に落ち、大きな「やけど」をしてしまった。

この患者は、昔「弘法灸」をやったことがあるため、熱いのを我慢してしまったのである。

 

それから、2,3度治療に来たが

あの「失敗」からあと、

肩の痛みが全然なくなってしまったというのである。

 

「失敗」が結果的に「弘法灸」と同じことになってしまい

それが「効果」あったと言うことだろうか・・・・・

 

Bさんは、

それで、日常もテニス時も痛みや疲れなどの不都合がなくなったので

「健康管理」の鍼治療も毎週でなく

適当なときに、時々やることになってしまった!

 

これは、患者にとっては嬉しいことだが、

患者激減の中の私にとっては

正直なところは、複雑な心境である。

 

 

 

 

 

 

 


お灸の効果・・恥ずかしながら「失敗」で知った!  ①

2013年06月26日 | 最近の治療体験から

私はほとんど患者に「お灸」はやらない。99パーセント「ハリ専門」。

自分では、

「ハリ」は毎日女房の治療をしながら、今でも、練習を兼ねて自分の足腰に刺している。

しかし、お灸は、時々気が向いたときに、脚の「三里」にすえるだけである。

ピリッと熱くて気持ちがいい。脚が軽くなる感じはある。

 

自分でお灸をして「効果」を実感した経験は、あまり記憶にない。

今でも覚えているのは、

もう数十年前に目に「物貰い」ができて、しばらくうるさかった。

眼科に行って「薬」を貰っていたが効果はなかった。

「物貰いのお灸」のことは、本で知ってはいたが、信じていなかったので、

「やってみよう」とも思っていなかった。(きゅう師の資格がありながら恥ずかしい!)

 

しかし、あまりに”うるさい”ので、本に書いてある通り

「目と同じ側の人指し指の爪の脇のツボ」にお灸を3回位すえてみた。

すると、不思議!

気づいて見ると、その日のうちにきれいに治ってしまっていた。

それ以後、一度も「目の物貰い」はできない。

私の「お灸体験」はそれで終わりだった。

 

ところが・・・・である。

つい最近の「治療体験」でもう一度見直さなければならないことになってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ハリ麻酔に取り組む・・・③

2013年06月22日 | ハリ麻酔に取り組む

地方病院の耳鼻科医と私の「ハリ麻酔」への取り組みの記事が

地方紙に掲載され、私の「治療所」は、患者が増えだした。

待合室は、職業病の患者、ハリ麻酔に興味を持った患者、それに

農村での「出張治療」で、鍼灸治療を体験した人たちでいっぱいだった。

 

そんな中で

いとこの「耳鼻科医」から、

一緒に一度「ハリ麻酔手術」をやってみたいという誘いがあった。

勿論、「ハリ麻酔部分」は私任せでということで取り組むことにした。

患者は、扁桃腺の手術で、片方を既に終わっており

もう片方を「ハリ麻酔」で手術して、比較してみたいと言うのである。

 

ハリは、のどを通る経脈を考え

「術側の合谷と反体側の三里」に刺し、通電した。

痛みの感覚が殆どなくなっているのを確認して

手術を開始した。

 

見ていると、

患者の術中の体動は、O医師の時に比較してかなり大きく、

私は心配してみていた。

終わってのいとこの「感想」は、

普通の時とあまり手ごたえは違わないとのことであった。

 

しかし、これは凄いことなのだ!

「ハリ麻酔」は成功したのである。

 

翌朝

いとこから電話があった。

「手術した患者は、麻酔が解けるとき

痛いと騒いで、痛み止めの処置をする場合が多いのに

昨夜の患者は、全く痛みを訴えなかった」そうである。

 

これが「ハリ麻酔」の意義なのだ・・・・

「単なる麻酔でなく、ハリで痛みを治療しながら手術をしていた」のである。

 

その後、私は4回の外科手術を受けた。

皮膚がん「脊柱管狭窄」で頚部2回と腰部1回である。

すべて自分で術野を通る「経脈の原穴」に手術の前日にハリを刺しておいた。

前日は、どの場合も全く「不安感」もなく熟睡でき

術後の「痛み・不快感」は全然なかった。

 

「脳神経外科」での手術では、入院も3~4日で済み、

1週間後の「抜糸」も自宅から通院して行った。