チャレンジ鍼灸師82歳:今、新しい医学・医療創造の志に燃えて生きる!

青春時代の社会変革活動の挫折をのりこえ、鍼灸の道へ。

ハリ麻酔に取り組む・・・③

2013年06月22日 | ハリ麻酔に取り組む

地方病院の耳鼻科医と私の「ハリ麻酔」への取り組みの記事が

地方紙に掲載され、私の「治療所」は、患者が増えだした。

待合室は、職業病の患者、ハリ麻酔に興味を持った患者、それに

農村での「出張治療」で、鍼灸治療を体験した人たちでいっぱいだった。

 

そんな中で

いとこの「耳鼻科医」から、

一緒に一度「ハリ麻酔手術」をやってみたいという誘いがあった。

勿論、「ハリ麻酔部分」は私任せでということで取り組むことにした。

患者は、扁桃腺の手術で、片方を既に終わっており

もう片方を「ハリ麻酔」で手術して、比較してみたいと言うのである。

 

ハリは、のどを通る経脈を考え

「術側の合谷と反体側の三里」に刺し、通電した。

痛みの感覚が殆どなくなっているのを確認して

手術を開始した。

 

見ていると、

患者の術中の体動は、O医師の時に比較してかなり大きく、

私は心配してみていた。

終わってのいとこの「感想」は、

普通の時とあまり手ごたえは違わないとのことであった。

 

しかし、これは凄いことなのだ!

「ハリ麻酔」は成功したのである。

 

翌朝

いとこから電話があった。

「手術した患者は、麻酔が解けるとき

痛いと騒いで、痛み止めの処置をする場合が多いのに

昨夜の患者は、全く痛みを訴えなかった」そうである。

 

これが「ハリ麻酔」の意義なのだ・・・・

「単なる麻酔でなく、ハリで痛みを治療しながら手術をしていた」のである。

 

その後、私は4回の外科手術を受けた。

皮膚がん「脊柱管狭窄」で頚部2回と腰部1回である。

すべて自分で術野を通る「経脈の原穴」に手術の前日にハリを刺しておいた。

前日は、どの場合も全く「不安感」もなく熟睡でき

術後の「痛み・不快感」は全然なかった。

 

「脳神経外科」での手術では、入院も3~4日で済み、

1週間後の「抜糸」も自宅から通院して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 


ハリ麻酔に取り組む・・・②

2013年04月24日 | ハリ麻酔に取り組む

地方病院での耳鼻科医の取り組みに協力

当時

ハリ麻酔のニュースに接した地方病院の耳鼻科医が取り組み

成功した記事が地方紙に載った。

私は、早速当地の鍼灸師の仲間を誘い、見学させていただき

いろいろと話を聞いてみた。

 

鍼灸を全く知らない耳鼻科医O先生の話は興味深かった。

先生は、まず病院の近くの鍼灸師を訪ねて話を聞き

「ツボ(経穴)」に関する本を購入して、

耳鼻科領域の治療に使用するつぼを書き出し

使用頻度の高いところから

鍼灸師に教えられた「管鍼法」で数箇所刺してみて

「効果」を確かめながら実践を始めたとのことであった。

要するに「理論抜き」の体当たりであった。

 

この見学の後

私は、毎週病院を訪ね、経絡理論による「ツボの決定」に協力した。

先生は、10数本の鍼を置鍼していたが

先生と協議し、最終的には

「合谷(術野の反対側)ー三里(同側)」に落ち着いた。

 

それでも、先生は専門の私には、鍼を刺させず自分で

たどたどしい手つきで針を刺していた。

 

その後、地方紙で二人の取り組みの記事が大きく出て

患者が増えたようだった。

 

しかし、私は、「専門家」としては先生との関係のあり方は不満であった。

そのうち、病院では何となく耳鼻科の手術ができなくなり

先生も「自宅開業」となり、協力関係は自然に消滅し

「スキー仲間」や新しい「医療グループ」となって交友が続いた。


ハリ麻酔に取り組む・・・①

2013年04月08日 | ハリ麻酔に取り組む

「ハリ麻酔」への挑戦

1958年に中国で成功した「ハリ麻酔」のニュースが世界を駆け巡り、
わが国でも大々的に喧伝され、全国民の耳目を集め、
早速日本各地でも追試が行われ、一時「ハリ麻酔ブーム」が起こった。

これには、いろいろな評価がなされ、
「インチキ!」と頭ごなしに否定するものから、
「効果」は認めながら、日本では定着しないだろうと、
医療の現場からの感想などの発言もあった。

私は、実際に耳鼻科医と「ハリ麻酔」を実践し、
現場に立ちあった体験からの考えをまとめてみたい。