チャレンジ鍼灸師82歳:今、新しい医学・医療創造の志に燃えて生きる!

青春時代の社会変革活動の挫折をのりこえ、鍼灸の道へ。

亡くなった末期癌の患者への哀悼をこめて・・

2011年07月10日 | 最近の治療体験から
S24年生まれの「T・K」さんは
誕生時のウイールス感染で完全失明した女性です。

彼女は、クリスチャンで、努力家、理論派で、学問好き。
栃木県で初めて、
東京の「4年制の私立大学・英文学科」を卒業した、俊英でした。

大学卒業後、市の消防センターに「電話交換手」として働いていました。

44歳の時、盲人マッサージ師である彼女の友人のすすめで
私の治療を受けにきました。

「右肩」の「激痛」と「左腰」の痛みを訴えていました。

それ以来、痛みが出たり、治ったりを何度か繰り返し
時には
2~3年の空白を置きながら
何年も通っていました。

そして、平成21年5月に
3年ぶりに突然、全身がだるくて仕方がないと
治療に来られ、他人事のように、
「源発の肺癌が全身に転移してしまった・・・」と
ぼそりと一言いって帰り
その後、治療には来ませんでした。

気にはなっていましたが、そのまま過ぎてしまい

丁度、1年後の昨年5月23日に
「悪心があり、気持ちが悪い」と言って突然治療に来ました。

私が「手首(内関)と足(公孫)」に鍼を浅く刺しておいたら
微弱で、殆ど触れた手に感じなかった脈が、
力強くなり「スッキリした・・・・」と帰っていきました。

それから、10日前後して、
いつも彼女を「治療」に連れてきてくれていた「消防の上司」から
彼女が「亡くなった」と知らされました!


そして、
つい先日しばらくぶりで治療に来た元上司が

『Kさんは、私の”最後の治療”を受けた翌日、
「予定していた北海道旅行」に出かけ、
念願の旭川動物園に行き、そこで「急変」し
車で動物園から自宅まで送られ、その一週間後に亡くなり
最後まで意識明晰で、鍼をしてもらい旭川に行けたことを喜んでいました・・・』と
話してくれました。

心から、kさんのご冥福を祈ります。

「鍼1本、灸ひとつ・・・・」で人助け・世直しを!

2011年07月02日 | 心に残る映画・ドラマ・文芸作品
直木賞作家・山本一力さんの傑作小説!

江戸は深川蛤町に住む鍼灸師染谷先生は大の権力嫌い・・・
市井の人びとといつも同じ目線で暮らす。
貧しい患者は、心底面倒を見る。
嫌いな大金持ちでも
病で困っていれば、意にも介さず治療に出向く。
そして、
鍼と灸を巧みに使い
病を治すと同時に人の心根も直す・・・・


私もこんな「鍼医師」を目指している!

たすけ鍼
山本 一力
朝日新聞社