チャレンジ鍼灸師82歳:今、新しい医学・医療創造の志に燃えて生きる!

青春時代の社会変革活動の挫折をのりこえ、鍼灸の道へ。

「快浅刺法」への道・・・C

2014年02月10日 | 鍼灸治療法・独自性の確立をめざして

「快浅刺法」への道・・・C

私は、それからほとんど毎日、自分に鍼を刺し、練習した。

今は、あまり「痛がる人」はいない。

自然に刺鍼できていると思う。

 

まず、「六部定位」の「脈診」をして、「平脈」の患者には、

症状への治療に入る。

ほとんどは、「快浅刺法」から入る。

日常的に多い「肩こり」には非常に効果的である。

コリが慢性的限定的の場合は、局所に鍼を刺し

急性一過性の場合は、「手根鍼」を刺して処理できる。


痛点が定まらず、肩全体で難治性の場合は

「快浅刺五本鍼法」を行う。

↓ ↓ ↓






  肩の"快浅刺5本鍼”
難治性の頑固な肩こりには、江戸時代の名著「鍼術秘要」から学んだ
私の独自の方法を行ってみることがある。
4本は肩に縦向き水平に、
最後の1本は4本を繋ぐように横に水平に刺す。
今まで「肩がこらなかったことがない」といっていた人が、
全く肩こりを忘れてしまった例もある。

千差万別の原因による「肩こり」。いろいろなやり方で対応している。
簡単な一過性の「肩こり」には、「手根鍼」で上2の1本でOKのこともある。
やや固定化した「こり」には、最大圧痛点や肩筋のコリの周りに、
やや深めに「灸頭鍼」をする場合もあるし、
全く逆に「快浅刺」をすることもある。

肩の"快浅刺5本鍼”は、どんな肩こりの状況に最適か、
目下研究中であるが、

肩のこり方が全体的で
最大圧痛点が不明確な場合に効果的のようである。

 

 


「快浅刺法」への道・・・B

2014年02月09日 | 鍼灸治療法・独自性の確立をめざして

「快浅刺法」への道・・・B

最初に「浅刺」に興味を感じたのは
前に書いた「腰痛」の体験の前の
自分の「胃痙攣」の治療だった。

腰痛の1年くらい前の夏のある日、
突然「胃の激痛」に襲われた・・・

原因は思い当たらない。
暑いので水を飲んだが、そのとき別にどうということもなかったと思う。

とにかく、冷や汗をかくほどの痛みであった。

それで、自分でハリをやってみることにして
鍼灸学の定石である「内関」(手首の内側)に
刺してみようと思った。

20年以上経った今でも、そのときのことを忘れない!

刺そうとして、針先が「内関」に触れたとたん、
「激痛」がスッと消えてしまった。


まさに、古典のどこかで読んだ記憶のある
「雲の晴れるがごとく・・・・」である。

そんな記憶に重ねての「腰痛」の体験であった。

そんな時、たまたま
江戸時代もハリの名人の残した
「鍼術秘要」を読んだ!

当時(今も同じ?)、
「管鍼」を用い「痛み」「コリ」「攣急」のあるところを
「直刺」し「響き」を感じさせるのが・・・・・

大半の「鍼医」のやり方であった。

彼は、「鍼術秘要」の「針術の要言」に書いている。
「余が針術は直刺を好まずして横刺をよしとす・・・・・
直刺に比すればその効10倍すればなり。」

私は、もともと「管」は用いない。
だから長い鍼も、短い鍼も「中国針」も自由自在である。
しかし、やはり「直刺」や「斜刺」がほとんどで
たまに部位によって「横刺」をしていた。

この本と、
知人である大分県の首藤先生の管を使う「超浅刺法」
それに自分の「腰痛」「胃痙攣」の体験に基づいて

今、自身の体験を土台に、
管を使わず、針を刺し切皮と同時に水平に針を「送り込む」治療法
「快浅刺法」・・と自ら命名)を開発しようと思い
「自分の身体に刺す」ことから練習を始めた・・・・

いくらか「痛くなく」刺させるようになってから
時々、古くからの「なじみの患者」に
刺してみたが・・・・・

「わたしは練習台じゃないよ」と叱られどうしだった!         

 


「快浅刺法」への道・・・A 

2014年02月08日 | 鍼灸治療法・独自性の確立をめざして

「快浅刺法」への道・・・A 

45年来、私の治療は、
「なんとか流」などと言う「ワンパターン」を廃して、
患者の状態によリ、多様な治療法を駆使することをめざしてきた。

基本的には、「管鍼法」を使わず
今までどちらかといえば,
中国鍼で深く刺し、響きの流れを起こし
更に
「温鍼法」で効果を挙げ、
患者の信頼を得ていたと思う。

そして私の独擅場と自負しているのが、

急性の痛みに劇的即効を現す「特効鍼」

自律神経調整(「流注八穴法」「奇経治療」とも言う)である。

しかし今、
私は、
中川流 の「快浅刺法」の開発に努力している。

「浅刺法」の素晴らしさについては、自分自身の驚きの体験がある。

もう10年数前のある日
どうしても欠かせない会議で上京しなければならない
予定の2~3日前であった。

治療の仕事の最中に、回転椅子から立とうとして、
腰をひねり、腰を痛めてしまった。
常だと自分で完全に治すのだが、

「特効鍼」で軽くなったけれど痛みが残ったので、

上京をひかえ、必ず2日でOKにするために治療の医師との併用を考え、
近所の「整形外科」で診察を受けた。

X線撮影で、腰椎が1.5センチくらいずれているので
とにかく一時押さえでもと鎮痛剤を注射してもらった。

しかし、痛みは治まらず、やっと歩いて帰宅した。

時間が経過すれば楽になるかと、
その夜は睡眠薬を飲み早く床に着いた。

翌朝、起きてみると、激痛は変わらなかった。

それで、

いつものように自分で下肢の「つぼ」に鍼をした。
ところが、
鍼が皮膚に触れ刺入されたと感じたとたん、
スーッと激痛が消えてしまった!


私は、30年以上も前のスキーの怪我と老化がもとで、
「腰部の脊柱管狭窄」になり、
15年前に「脳神経外科」で手術を受けた。

そのためもあり、時々腰痛になり、
自分で下肢や腰に鍼を刺して治してきた。

いつもは、「中国鍼」で、わりと深く刺していたし、
結構、それで楽になってはいたが
「腰痛」は完治しなかった。

しかし、その「浅刺」体験のあとからは、
自分の腰の治療には、「浅刺」を用いてきていた。

その後しばらくして痛みはなくなり、現在まで「腰痛」は起こらない。

今、自身の体験を土台に、
管を使わずに「超浅刺法(細い管を使う)」より更に浅く刺す、
快い「水平刺」の道を確立し、実践している。


これを「快浅刺法」と名づけ、
私の「生涯の課題」である、
脳研究へとつながる鍼の科学的解明への基礎付け
としようと心を燃やしている! 

 


臨床的全科医として・・・・・②-e

2013年10月09日 | 鍼灸治療法・独自性の確立をめざして

 

一週間ぶりでKMさんが治療に。

 

頭部の発汗・のどの痛み・右足首の痛みは、全くなし。

両足先のシビレはほとんどなし。

 

カチカチでもう治らないと思っていた両肩のこりが、

前回の「快浅刺・肩五本鍼」治療後ほとんどとれてしまった。

昨日から、右肩だけこりを感じたので、

早めに治療に来たとのことであった。

 

脈診で、少し「腎虚」が残っていたので、「列欠-照海」に20分置鍼。

その後、発汗を抑える「陰谷」にいくらか「圧痛」が残っていたので快浅刺。

両肩に快浅刺。

 

これで完璧!

次回、症状が出たら早めに来診することを指示した。