チャレンジ鍼灸師82歳:今、新しい医学・医療創造の志に燃えて生きる!

青春時代の社会変革活動の挫折をのりこえ、鍼灸の道へ。

「鍼灸医術」は現代医学・医療の批判者として存在意義がある。

2014年02月02日 | 鍼灸医師制度への取り組み

私の恩師・竹山晋一郎先生は、
その唯一の名著「漢方医術復興の理論」の中で
鍼灸(漢方)の存在意義、換言すれば「鍼灸医術」を復興させる必要がある理由は・・・・・

それが近代医学の批判者だからであると
高らかに宣言されている。

それは、
鍼灸(漢方)が「臨床的全科医」としての本質を担うからである。

その本質を踏まえた上で、「批判者」として

極度に「専門分科」し精密化した現代医学・医療と
提携できるのである。


鍼灸医術は、多くの論者が述べているような現代医学の「補完者」として
現代医療の片隅に存在しているのではない。

独自の観点・技術システムをもった

「臨床的全科医」である「鍼灸医師」として

対等に位置づけられてこそ、
「現代医学・医療」と協力できる体制を築けるのである。


単に
「現代医療で治らない疾病」に対応できるという次元のものではない。
それは常に、個々の患者への治療の具体的な実践の中で示されている。

過日、治療に来院した74歳の女性の例である。
この方は、30年来の患者である。

30年前、保育の仕事をしていて「左手の麻痺」で整形外科で治療して改善せず、

鍼治療で完治したのである。

それ以来、鍼治療を信頼していただき、いろいろの訴えで治療に来たが、

最近は、「慢性右坐骨神経痛」で時々治療しているのであるが、


来診の数日前に、突然「めまい」と「吐き気」がして
鍼治療の前日、かかりつけの内科医師のところで、
治療を受けたが、
病気の経緯や状態も何にも聞かず、心配している本人に納得できる
説明もせず「注射」をしてくれて、薬をくれたが全然好転しないので、
鍼灸は効果があるのかどうか、と尋ねられた。

この方は、
40代の時やはり「めまい」と「吐き気」がして
「メニエル症候群」として1ヶ月入院したが快癒せず、
そのうち何となくよくなって、全然その症状はなくなっていた
そうである。

今回は、「耳鳴り」はしないし、立ち上がる時と首を動かした時に
発症するという状況を聞き、さらに脈診をして、
全体のバランスはあまり崩れていないので
ちょっと触れてもわかる、首~肩の筋緊張から起こる症状であり、
「メニエル」ではないようだから、そんなに心配はないし治るのは
時間はかからないだろうと鍼治療をほどこした。

治療後、発症する状況の動作をしてみたら
ほとんど「めまい」はなく、勿論「吐き気」も起こらなかった。

次の日治療に来られたが、おおむね快癒のようであった。

前回治療の前の夜は
お風呂の中でお湯が揺れ、光に反射すると「吐き気」がしたが
治療後はそれもなかったと喜んで
ずっと以前から、「鼻づまり」があり耳鼻科にかかったが
治らず、そのままになっている・・・・
と「鼻づまり」まで治療させられた。

勿論、それは、
前頭部の「通天」と言うところに1本の鍼ですっきりしてしまった。

その後、何度か「神経痛」の治療に見えたが

めまいは完全になくなり、鼻づまりはあるが気にならないそうである。

この患者は、現在「健康管理」の意味で、月数度は治療している。



★ 竹山先生の名著 ◆
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漢方医術復興の理論 (1971年)
竹山 晋一郎
績文堂出版



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