チャレンジ鍼灸師82歳:今、新しい医学・医療創造の志に燃えて生きる!

青春時代の社会変革活動の挫折をのりこえ、鍼灸の道へ。

はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・5

2013年10月31日 | 鍼灸健保問題

やっとの思いで医師から「同意書」を書いてもらい
鍼灸の治療費を法に基づいて償還してほしいと申請した患者は

保険者から、「支給しない!」と理不尽な扱いを受けた場合
「泣き寝入り」しなければならないのでしょうか?

昭和59年11月までは
そうでした!


行政側が一度出した「処分」を取り消すなどということは
殆どありえませんでした!

それが
Nさんの「鍼灸健保適用運動」の歴史ではじめての闘いで
覆ったのです!

Nさんは、昭和56年頃(29年前)、突然腰痛になり、
何度か、整形外科で治療を受け、
よくなったり、また痛くなったりを繰り返していました。

あるとき、知人から「鍼灸」の事を聞き、
私のところに、
初めての経験なので、「半信半疑」で恐る恐る治療にきました。

ところが
最初の治療で、大分「効果」を感じたらしく、
完治したら「保険請求」することにして
「かかりつけの内科医」に「同意書」を書いて戴きました。

当然整形外科医では、
自分が”治療手段がない・お手上げした”と言う意味の「同意書」など
書いてくれる筈もないからです。

Nさんは、
昭和56年11月から昭和57年2月まで、20数回の治療で完治し
保険請求」を申請しました。


しかし
鍼灸治療を行う「同意書」発行の前に医師の治療を受けていないから
「”医師による適当な治療手段がない”とは判断できない」という理由で
「不支給」とされてしまいました!

Nさんは
整形外科医の治療で思うような効果が得られず、
そこを止めて鍼灸治療をして完治したのに
「不支給」は納得できないと、怒りをこめて私に報告しました!

私はNさんに
「健康保険法・第80条」により
「処分」に不服があれば
「県の社会保険審査官」に、不服申し立ての審査請求ができ
その「処分」に不服があれば、更に
「国の社会保険審査会」に再審査請求ができる
ことを知らせました。

Nさんは
「この理不尽な処分は絶対に許さない。
再審査請求が却下されたら
国と行政裁判をしてでも闘い抜く」と決意を披瀝してくれました!

私は、Nさんの決意を受けて
最後まで応援しますと
「審査請求・支援行動」に立ち上がりました。


はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・4

2013年10月30日 | 鍼灸健保問題

医師の同意の下に鍼灸師の治療を受けた患者が、
法に基づいて「療養費の支給」を申請したものに対して
医療先行の有無を問われ、それにより「不支給」の処分を受けたことに対する
「不服申し立て」をすることは・・・・・
この処分が、鍼灸治療を受ける患者の権利をうばうもの
と言うことを明確に掲げて闘うことです。

Nさんは
昭和56年(1989年)11月に、腰痛で鍼灸治療を開始しました。

10ヶ月前に腰痛」になり、
整形外科で何回か治療を受けましたが、
あまり自分では、「効果」があったとは感じなかったが
いつとはなしに軽くなっていました。

しかし、数日前から、また腰痛がひどくなったので、
今度は、知人にすすめられ「鍼灸治療」を受けてみようと思って来てみた・・・
ということでした。

最初に「これでいけそうだ」と感じたので、
続けてみようということになりました。

当然、整形外科医では、
「自分の治療が効果がなかった」から鍼灸治療を受けてもいい
という意味の「同意書」を書いてくれる筈はありません。

それで、かかりつけの「内科医」に同意書を書いて戴き
鍼灸治療で治癒しました。

そのようにして提出した「支給申請」が「不支給」とされました。

理由は
1 「医師による先行治療がない」
 (内科医には、併給が禁止なので治療を何もしないようお願いするよう、
 患者にいってありました。)
2 鍼灸治療の前に「コルセット」を装着しているから
 「治療手段がない」とはいえない
ということでした!


はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・3

2013年10月26日 | 鍼灸健保問題

医療先行の有無が問題となり、それを理由としては
現在「全く」と言っていいほど「不支給」とされる例はありません。

そんなことがあった、
ということすら知らない鍼灸師が殆んどです。


しかし
平成9年11月までは
以前から「健保適用」運動を進め一定の成果を得ていた
愛知・埼玉・神奈川その他数県のほかは

いくら「療養費支給」の請求を出しても
「不支給」とされるケースが極めて多かったのです。


Kさんという患者は、
私が「鍼灸師」として自立して最初からの
もう45年以上もおつきあいしている方です。

この方は、いろいろな疾病で治療してきました。
そして、医師の同意書を添付して
何度も「支給申請」をいたしました。

すると、「支給」されたり「不支給」にされたり
そのつど「結果」が違うのです。

要するに、請求以前の「医師の治療」の先行が問題とされ、
「同意」された以前に、
どのくらいの期間、医師の治療を受けていたかが
チェックされたのです。

そして、医師の先行治療がなければ
必ず「不支給」
3ヶ月あれば「支給」
2~3週間では、どちらか「予想」出来ません。
保険者(県)の恣意によってどちらかに決定してました!


こんな状況が続く中
別の患者さんが同様の「県の仕打ち」を受け
これは許せない!と国と戦う決意をしてくれました・・・・・

しかしKさんの前にNさんの戦いがあり、

Kさんの決意もその成果を拠り所にしたものでした。


はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・2

2013年10月25日 | 鍼灸健保問題

鍼灸師の治療を受けた場合の
健康保険の扱いは・・・


保険医療機関」に指定されていない者
・・鍼灸師の場合など・・に診療を受けた場合は、
「健康保険法44条の2」に従って「治療費の償還」が受けられることに
なっています。


法の「条文」では
1 療養の給付・・・を為すこと困難と認めたとき
2 被保険者が、保険医療機関等・・・以外の病院,診療所、薬局その他の
  者に就き診療、薬剤の支給もしくは手当を受けた場合
の2点のいずれかの要件を満たすときに
保険者がやむを得ざるものと認めたとき
療養の給付に代えて療養費を支給することを得るとなっています。

従って、「はり師、きゅう師の治療」の場合は、
保険医療機関でないから、
1と2の両方を満たし、
「療養の給付」の代わりに「療養費」を支給されて当然です。



★★★★  ところが  ・・・・・

「はり師きゅう師」の治療を受けたときに限って
この条文が保険局長によって、次のような
迷文」に読み替えられてしまったのです!!(昭和42年保発32号)

「はり師、きゅう師の施術において、療養費の対象となるものは、
慢性病であって医師による適当な治療手段のないものである。」

 それは課長通知(昭和46年保険発28号)によって、
さらに具体的に記述されました。

1 保険医療機関における療養の給付を受けても所期の効果のえられなかったもの
2 今まで受けた治療の経過からみて治療効果があらわれていないと判断された場合


 この解釈が「併給禁止」の根拠とされているのですが、
 何故「条文」を、国から公認された資格をもって「医療行為」を行っている
 はり師、きゅう師の治療を受けた者だけを差別して、排除するような解釈
 をしなければならないのか疑問であリます。

 大体、日常ありふれた「はり灸治療の保険対象疾患」で
 「医師による適当な治療手段のないもの
などありえません!
 
 こんな「迷文」まで作成し、
法の下に平等であるべき被保険者の権利を奪うことは承認できないのです。

 はり師、きゅう師の治療を受ける患者が、
 同時に医師の治療を受けるか受けないかは、本人の自由であり、
 「保険者が認めるかどうか」ということで差別されるいわれはありません。

 まして、「医学的見地から発行された同意書を添付されたものは
 療養費の要件に該当する」との「手引書」も存在していました。

 もはや、「憲法」にも「健康保険法」の精神にも違反していると考えられる
 「保険局長・課長通知」は明確に破棄すべきであると思います!

この通知は「医師と鍼灸師の治療の併用禁止」の理由とされるばかりでなく

実務的にはさらに
「患者の治療選択の自由」を奪う口実として運用されました。

約23年前まで
それ以前から健保問題に取り組んできた数県(健保取り扱い先進県)では
ほとんど問題はなかったのですが、

後から健保に取り組み始めた県では
鍼灸師の治療を受ける前の
「医療先行」の有無が問われ
せっかく、
やっとの思いで発行していただいた
「医師の同意書」を添付して「療養費」の支給申請をしても
「不支給」とされてしまうケースが大半でした。







はり灸健保推進:私の戦いの跡を辿りながら・・・・・1

2013年10月22日 | 鍼灸健保問題

「併給」を患者が望んでいるのは、当たり前!

私は鍼灸師。
だから、自分のあちこちの痛みは、大抵自分で「はり」を刺して治しています。
もちろん、タダ!

自分自身の体験から
「医師と鍼灸師の提携」は患者の立場からは必要
と考えています。

私は、35年くらい前”右肩峰”を痛めました。
犬の散歩で、突然無理に引っ張られて傷めたあとスキーで転倒し、
起き上がろうとして、右手をひねって立とうとしたとき、
その”右肩峰”に激痛を感じました。

近所の医院では、「レントゲン」をとっても関節は全く変形もなく
問題ないと言われましたが、
とにかく「激痛」があるので、大学病院でMRI画像を見て頂いたら
教授に、『「腱板断裂」で「縫い付ける手術」以外に全く治す方法はなく
自然に癒着はしない』といわれました。

それから、自分で「痛くない肩の動き」を工夫し、
時々鍼をして「痛み」を一時的に抑えながら過ごしてきました。

5年位前
また「肩痛」がひどくなったので、
近所の「整形外科医院」で診察を受けたら「レントゲン」を診て、

「腱板断裂はない、五十肩のようなものだ」
と言われました。

「運動制限」は全くなく、
「五十肩」の診断はいい加減と思いますが、
レントゲン画像で「鍵盤断裂はない」と断定した近所の開業整形外科医と
MRI画像で「ある」と診断した大学教授とどっちが正しい?

しかし、どちらにしても
効くと評判の「ヒアルロン酸の関節注入」を
受けてみました。

すると、自分でする「鍼の効果」がいいのです。
これはいわば”当たり前の”重要な事実です。

患者にとっては
鍼灸治療と医師の治療の長所を結合させることが
いいことに決まっています。


例えば、リウマチの場合なども
漢方薬や「ヒアルロン酸関節注入」などを併用しながら
鍼灸治療を行えば,治療効果はよりよい
と考えられます。

しかし、保険ではこれが認められていません

それは何故?









鍼灸業界の健保問題取り組みの歴史を検討する・・・8

2013年10月18日 | 鍼灸健保問題

昭和60年10月

自由民主党本部で社労関係有力議員と厚生省保険局の審議官、医療課長等と

日鍼会正副会長、役員との懇談会を開いてもらい、

その席上で要望の趣旨を詳細に陳情して理解と善処を求めた。

これにより

「同意書改善運動」は正式に当局に取り上げられるレールが敷かれた。

「医師会」では「同意書が書きやすい環境作り」に協力してくださり、

医師会としての側面援助をしてくれた。

 

翌年・昭和61年4月 保険課長通知「保険発37号」が出され

「同意書」の様式が定められ、同意書発行3ヶ月経過後、再同意の書類の添付が

求められていたものが

医師の同意を得ていれば、「必ずしも同意書の添付は要しない」とされ、

事実上、同意期間が3ヶ月⇒6ヶ月に延長されたわけである。

医師会の協力と、この通知により

各地の健保取り扱いは大いに促進される機運となった。

 

しかし、同意書発行の最大の問題点は改善されなかった。

業界は

「同意書発行の条件」を「医師による適当な治療手段のないもの」でなく

「鍼灸師により鍼灸施術を行うことが適当なもの」

改めてほしい」という要望は受け入れられなかった。

業界としては、「同意書発行の条件」を医師が受け入れてもらえそうな「表現」に

替えてほしいという要望として提出したと思うが、これが拒否されたことは、

国側としてjは


その後、「取り扱い件数」が増加し、

「療養費」の問題点が浮かび挙がってくるのである。

一応、業界の取り組みはここで終わり

私の戦いが始まるのである。

これについては

以前、連載したものであるが要約しながら再録しようと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


鍼灸業界の健保問題取り組みの歴史を検討する・・・7

2013年10月10日 | 鍼灸健保問題

6で書いたように

業界の健保問題の解決をめざし大同団結を図り「日保連」を結成したが、

結局それぞれの団体の思惑がかみ合わず解散となった。

 

そこで、昭和59年12月、

健保推進協議会が、日鍼会、全鍼師会、日マ会、日盲連の4団体の

協議体として各団体から団体長を含む3名づつにより構成された。

 

しかし、やはり各団体間の意見調整はうまくいかず、

保険運動は後退した。

 

昭和60年に入り、「団体協定」の目標は据え置き

日鍼会独自の運動として

最も関心の深かった同意書」問題に重点を移した

 

当時医師になかなか「同意書」を書いてもらえなかった。

これを打開するため「同意書撤廃」「同意書簡素化」などが

鍼灸師の切実な要求であった。

 

日鍼会では、5月の総会で「資金カンパ」を決定し

特別運動を強力に展開することになった。

 

 

 

 

 

 


臨床的全科医として・・・・・②-e

2013年10月09日 | 鍼灸治療法・独自性の確立をめざして

 

一週間ぶりでKMさんが治療に。

 

頭部の発汗・のどの痛み・右足首の痛みは、全くなし。

両足先のシビレはほとんどなし。

 

カチカチでもう治らないと思っていた両肩のこりが、

前回の「快浅刺・肩五本鍼」治療後ほとんどとれてしまった。

昨日から、右肩だけこりを感じたので、

早めに治療に来たとのことであった。

 

脈診で、少し「腎虚」が残っていたので、「列欠-照海」に20分置鍼。

その後、発汗を抑える「陰谷」にいくらか「圧痛」が残っていたので快浅刺。

両肩に快浅刺。

 

これで完璧!

次回、症状が出たら早めに来診することを指示した。