チャレンジ鍼灸師82歳:今、新しい医学・医療創造の志に燃えて生きる!

青春時代の社会変革活動の挫折をのりこえ、鍼灸の道へ。

鍼は凄い!  日常の治療体験から・・・D

2014年03月28日 | 最近の治療体験から

つい最近の治療から、やはりハリの「即効性」を書いてみたい。

 

過日の思いがけない大雪で転んで、右肩を打撲した運転手の患者さん。

すぐ整形外科に行ったが「骨折」はなく「打撲」の痛みだけだと診断され

シップと鎮痛剤を貰っているが、痛みがひどく運転がつらいとのこと。

 

「痛点」に「快浅刺法」を行い、数分置鍼。楽になったようなので

絆創膏で固定し肩を動かしてもらったら痛くないといった。

それで、ハリを抜き、「皮内鍼(円皮鍼より有効!)」をやってOK。

 

これで「痛み」は治まっているが「打撲」は治っていないから、

「皮内鍼」は、数日そのままにしておくように指示して帰した。

 

その後、10日ぐらいして紹介者さんに確認したところ、

何ともなく運転の仕事をしているそうである。


20年ぶりの、患者は嬉しかった!

2014年03月28日 | 最近の治療体験から

最近の患者の激減はショックだ。

数年前の毎日の大勢の患者はどうしているのだろう。

こんな状況の中で、嬉しい治療もある。

先日、10年くらい前に、「ぎっくり腰」を起こして、

整形・柔整・整体・鍼灸など、あちこち回って治療を受けたがどうしても治らないと、

私の患者に紹介されて治療に来られ数回で完治した患者さんが、こられた。

その後、
2~3年のあいだに数回やはり「腰痛」で来診されたが、
それから全然、来られなかった。

あれからずっと、なんともなかったが、
4~5日前に「こごんで」仕事したら、なんとなく腰が重い感じがしたが
たいしたことはないと放置していた。

その後、仕事で重いものを持ち上げ「ぎくっ」とした感じがしたが
その時は、それだけで腰はなんともなく、
帰りの運転中、右の臀部に鈍痛を感じていた。

ところが、治療にこられた前夜から、その右臀部が「激痛」となり
体を曲げることができなくなった・・・・・・


本人は「腰」は重いが痛みは少なく、「右臀部」だけに激痛を感じると言うが

勿論ポイントは「腰の神経根のレベル」

治療は、
腰の痛みを治すため、両下肢のふくらはぎの「飛陽」と
第1~2腰椎のすぐ右脇を押すと「激痛」を訴えたので、
そこに、わが「快浅刺法」でただ1本の針を置いた。

刺したとたんに針の周りが赤くなり、
本人も「温かくて気持ちがいい」といった。

なんとなく「針が重い感じ」がしたら知らせてと
数分そのままにしてから
針を抜いた。

それで、OK!

痛みが出たら「明日も続けるよう」にと返した。

その翌日から治療には見えなかった。

 

電話で確認したら、もう何ともないとのことだった!


お灸だって凄いのだ!

2014年02月18日 | 最近の治療体験から

以前に書いたことだが、私は日常ではお灸はほとんど使わない。

「灸頭鍼の失敗から、直接灸で治した肩の痛み」については過日書いた。

 

先日、30年前の自分の灸体験を、突然思い出した。

それは、皮膚疾患のことである。

30数年前、かゆみや痛みは全くないが、

左のそけい部に湿疹のようなものができ、だんだん広がった。

 

近所の皮膚科の老医のところへ通院したが、

「皮膚の感染症」を疑ったらしく何度か血液検査などをされたが

全く「菌」もなく、おかしい、おかしいといいながら薬を塗ってくれるだけだった。

 

そのうち、突然白いいぼ状の腫れ物ができ、

何だろうと思っているうち数日間に

見る見る大きくなり、カリフラワー様の数センチの塊になってしまった。

 

老皮膚科医も首を捻り、すぐに「大学病院の皮膚科教授」のところへ行けと

紹介してくれた。

 

教授によると

女性特有のの感染症である「尖圭コンジローム」で手術以外にない

と言われ「病室空き」を待つことになった。

診察の度に、学生に見学された!

 

これは、

例の老皮膚科医のところで毎回私の前に「不潔なベッド」で診察されていた

外国人女性から感染させられたのではないかと思う。

 

入院がきまり、その数日前

自分ではあまり信じていなかったが

腫れ物にお灸がいいと学校で学び、本も読んでいたので

何となく、”駄目もと” でやってみる気になった。

 

数センチの塊の根元に1センチ間隔でぐるりと「点灸」をしてみた。

すると、一時間もしないうちに

褐色の汚くてくさい膿のようなものが出始め大量にあふれ出た。

そして、翌日には「全く」塊はなくなっていた!

 

これで

入院も手術もしないですんだ。これについて教授は

「それはよかったね」で終わり、お灸については何の興味も示さなかった。

 

それから、数日して「尖圭コンジローム」は完治したのに

「湿疹状のじくじく」は残った。

これは、例の老医が考えていたような「皮膚の感染症」などではなかった。

 

組織検査など諸検査の結果

「汗腺のがん」で「ページェット病」と診断され、手術以外ないといわれた。

早期なら、皮膚切除の範囲も狭くてよかったが、

かなり進んでおり広範囲な切除・皮膚移植となり

3ヶ月の入院治療となってしまった・・・・・・・・

 

しばらく、忘れていたが

このときの「お灸の効果」はやはり凄かった。

 

 

 


鍼は凄い!  日常の治療体験から・・・C

2014年02月15日 | 最近の治療体験から

鍼の即効性は凄い!

これは自分の体験。いまでもそのときの喜びは忘れない。

もう20年以上も前になる。

 

ある日、原因は忘れたが、「胃痙攣」に襲われた。

冷や汗が出るくらいの激痛で、起きて「治療室」にも行けなかった。

女房に寝床まで鍼を持ってきてもらった。

「内関」に鍼を刺し、切皮したとたんに、腹部の激痛がスッと消えてしまった。

まさに古典に記されている「雲が晴れるように」である!

 

数年前、当時小学6年生だったS君が

突然「胃痙攣」になり3日間内科医にかかっても治らなかった。

それで、数ヶ月前

一ヶ月も整形外科で治らなかった「腰痛」が

「鍼は痛くない?」と怖がっていたのを

「ものすごく痛いけど、男の子だから我慢しな」と言いながら刺した

「水溝」の一鍼で完治したのを思い出して・・・・・

S君自身が「胃痙攣に鍼は効きますか?」と私に電話をくれた。

 

勿論「OK」

「内関」一鍼でこれも完治!

 

S君に鍼をすすめた彼のおじいちゃんが

毎月一度、「健康管理」に治療所に来ているが

高校2年生になったS君は

あれ以来、全く「腰痛」も「胃痙攣」も起こらないと言っている。

 

鍼は凄い!

 


鍼は凄い!  日常の治療体験から・・・B

2014年02月13日 | 最近の治療体験から

50年来の肩の痛みが1回の鍼で!


これも10数年前、印象に残った鍼灸の凄さ!

 

当時65歳のAさんは、50年来の肩の痛みで、治療に見えた。

50年前にガラスの窓に右肩から倒れかかって、ガラスを割ってしまい、ガラスの破片が刺さってしまった。

当時医者には、この破片は取れないと言われ、そのままで、今まで痛いのを我慢してきた。

友人に鍼を勧められ、あまり期待しないが治療を受けてみたいと、訪ねてきた。

これは、丁度痛む場所の反対側の肩への、1本の鍼で完治した!

この治療法は、古来のテクニックで「巨刺(コシ)」という。

この痛みは、本人は、本当に痛むのだが、

医者の言葉の不足が原因で、ガラスが入っていても全然心配無用である事が、

理解されていれば何でもなかった。でも本人は辛い!

こうしたケースの治療は、まさに鍼の独擅場!!


鍼は凄い!   日常の治療体験から・・・A

2014年02月12日 | 最近の治療体験から

鍼は凄い! ギックリ腰は一発だ

キャリア45年の鍼灸師の治療体験から、

劇的効果のあった「忘れえぬ」症例を順次挙げよう。

 

まず、第一に思い起こし、今でも「話題」にしているのは、

10数年前の当時28歳の男性、鉄工場で働くSさんがの治療例である。

 

彼は、結婚式の前日に、

60キロの重いものを持ち上げていた数日の仕事の疲れで感じていた

腰の違和感が激痛となり、全く屈伸ができなくなってしまった。

そのことを、式の参加者に知らせ、当日残念だが車椅子になると予告しておいた。

 

ところが、婚約者のお父さんから、中川求真堂で、鍼治療を受けるように勧められ、

ワラにもすがる思いで、やってきたとのことであった。

 

彼の治療は、水溝」と言う鼻の下のツボに1本の鍼で見事完治!

 

結婚式は、

彼が”1本の鼻の下の鍼で、治ってシャンとして”出てこられたと大騒ぎだったとか。

それから、彼の友人の腰痛の患者が、何人も見えた。

 

ところで、彼は、あの日以来10数年、全然腰は痛くない!そうです。


その後、2年前のある夜十時ころに、彼の奥さんから電話があった。

「石材」の仕事をしている彼のお父さんが

「東日本大震災」の影響で崩壊した「墓石」の修理をしていて「ぎっくり腰」になり

これから「入院・手術」ということになっているが、ハリをすすめてみたら

「やってみたい」というのでどうでしょうかということだった。

 

勿論OKして、治療した。

そのときは、両下肢の「飛陽」だけ!激痛はなくなり

翌日午前に治療し、午後は軽い仕事をしてみたが痛みなし。3日目の補助的治療で完治!

入院も手術もしないですんだ。

 

その年の暮れに「石材店のカレンダー」を持って、挨拶に来た。

そして昨年の暮れも、あれから”全然腰は痛まず、仕事ができた”と

例の「カレンダー」を持って報告に来てくれた。

やっぱり鍼は凄い!

 

 

 

 



ハリ治療は、夢のようだ・・・・・患者に言われた!

2014年01月16日 | 最近の治療体験から

例年になく低調なスタートで、がっかり!

患者数の激減に、心は暗い。

しかし、めげないで、一人一人の治療に全力を注ごう。

 

こんな現状のなかで、嬉しい体験もあった。

 

インターネットで検索しての来患である。全くのラッキー。

 

患者(67歳・女性)は、アメリカ在住の航空機乗務員。

昨年11月11日、左足を捻挫し、足底が痛くて歩行困難

飛行機内を歩く仕事で困惑しているとのことであった。

彼女は、捻挫後すぐに、よくテレビにもでるロサンゼルスの有名医師にかかった。

X線撮影では、「骨折なし、捻挫」と診断され、爾後続けて通院したが全然効果なし。

その後、上海でも、中国マッサージを受けたが、やはり無効。

友人から「ハリ治療」をすすめられ、日本に帰り宇都宮の弟さんのところで

「鍼灸治療所」を「検索」し、私の治療所を知り、1月6日に来診。

 

もう腫れもなく、内出血の痕跡もないし、「歩行時以外は痛くない」と言われ、

問題は「腰」にあると考え、問診すると、腰に「違和感」があるとのことであった。

アメリカでは、自分でも気になり、医師に訴えたが、

これも診察した結果、

腰は何ともなく「腰の違和感」と足底の痛みは無関係ということだったということであった。

しかし、私が腰部を触診すると、第4腰椎の左傍に明瞭な緊張と圧痛があった。

そこに、私の「快浅刺法」(管を使わず、水平に刺し、置鍼する)を行うと、かなり改善された。

 

抜鍼後、歩いていただくと、まだ痛みは残るが、全然今までとは違う、との応答であった。

次の日は、やはり「足底」が気になるというので、左右の足底を比較してみると

左の外側縁の一部に、右とは違う小さな「硬結」があった。その周囲を囲むように

斜刺で置鍼し、抜鍼後、周囲に点灸をしてみた。熱い、熱いと大騒ぎだったが、何となく

痛みが軽くなった、と帰った。

翌日も、お灸は「懲りた!」と言うのでお灸以外の同じ治療をした。

4日目(木)、80%よくなったと、来診。腰・第4椎骨傍の過敏はなくなり、

「左足底外縁」の硬結の周囲の置鍼だけにした。

金曜日は、来診の予定だったが、用事のため来られず、土曜日に、来診。

95%よくなり、これでアメリカに帰れると喜んでいた。

足底の硬結も、ほとんど取れていたが、さらに治療をしてみると「完全に」なくなった! 

治療後、治療室を歩きまわり、

「100%治った。全然痛くない。夢のようだ。アメリカの有名医でなおらなかたのが

ハリでよくなるとは思わなかった!これで、仕事も続けられる。」と喜んでくれた。

翌日、アメリカへ元気で帰った筈だ。

 

ちなみに、

治療費は、完全治癒で全額、18、000円。

アメリカ・中国で治らず数十万円!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


臨床的全科医として・・・・・②-d

2013年09月29日 | 最近の治療体験から

KMさんは2~3日間を置いて治療に見えている。


頚部から肩のコリが、若干取れた感じだが、しつこい。

これは、9年前の「交通事故」の後遺症のようである。今でも

「整形外科」に時々かかっているそうである。

 

「慣れ」ができているらしく、本人は、今はそれほど苦痛は訴えてないが、

「こり」は、肩の広範囲で全体にカチカチの感じである。

 

これには、今回、前述(江戸時代名人の跡を追う・・④)の「快浅刺5本鍼」を試みた。

結果が楽しみである。

 

今日は、さらに

昨日のどが痛み、ひどいの「内科」に行って「抗生剤」を貰ったが

つらいので「耳鼻咽喉科」処置してもらいいくらか楽になったが

まだ、のどの痛みが残っていると言うことであった。

 

これは、「脳戸(後項上部)斜刺の置鍼でOK。すっかり痛みは取れた

次回、「快浅刺5本鍼」の結果が楽しみである。

 

 


臨床的全科医として・・・・・②-c

2013年09月20日 | 最近の治療体験から

kMさんは、今日も続けて来診。5回目である。

「発汗」「足指のしびれ」「肩こり」すべてほとんどよくなっている。

 

面白い話。

KNさんは、治療が終わると、

『30歳の時、スキーで右下肢を複雑骨折し、それが、直っても

右足首外側の踝の下部が、しばらく痛み、自然に治っていたが、

ここ数年、また朝起きて、床から立つ時に、その同じところが痛み出した。

かかりつけの「整形外科」に相談したら、

患部のX線をとり、「何ともない、古傷が痛む」ことは「よくあることだ」と、

電気をかけ温めてくれたが、全然不変だったので、やめてしまっている。

そのうち、これも私に治療してもらおうかと思っている。』というので、

 

今立ってごらん、と言って立ってみてもらったら

「全然痛くない!」と叫んだ。

 

それは、「足先のしびれと同じ、腰(神経根L5~S1)から来る痛みで、

「腰のハリ」が効いたのだと説明した。

 

これで、KMさんも、しばらく治療が抜けるかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


臨床的全科医として・・・・・②-b

2013年09月19日 | 最近の治療体験から

KMさんは、今日も来診。

昨日初めて治療した、6年来の「足指のしびれは全く気にならなくなったそうである。

しかし、「はれぼったい感じ」に変わったらしい。

昨日の、「神経根レベルL5~S1」を調べると、昨日ほどではないが

「圧痛」が残っていた。そこに

「快浅刺・置鍼」をしたら、足の感じは変わったとのこと。

 

本命の「首から上の発汗」は、ほんのわずかにあり、一時夜間に目が覚めたが、

すぐ寝つき、朝まで眠れた。まだ「陰谷」反応は、少し圧痛があった。

 

頚部から肩のコリが、若干取れた感じだが、しつこい。

これは、9年前の「交通事故」の後遺症のようである。今でも

「整形外科」に時々かかっているそうである。

 

「慣れ」ができているらしく、本人は、今はそれほど苦痛は訴えてないが、

これから、もっと積極的に取り組もう。

 

次回に、「鍼術秘要」坂井梅軒のやり方に挑戦しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 


臨床的全科医として・・・・・②-a

2013年09月18日 | 最近の治療体験から

ここ数日、

平成10年から「不眠症」「腰痛」「肩こり」などで、10年くらい通院し中断していた

隣の市に住むK・Mさんが5年ぶりで来診している。

 

最近、首から上に発汗がひどく、そのため目が覚めて熟睡できない。

そして、腰が痛くはないが 重い感じで、肩こりとあわせて、体全体に「疲れ感」がある。

ということで、かかりつけの「内科」で治療を続けているが好転せず、

しばらく忘れていた「鍼」を突然思い出して、来てみたというのである。

 

脈は明確な「腎虚証」で、治療は、列欠ー照海の置鍼で脈を整え、

副腎のツボと下肢の膝裏の陰谷「快浅刺鍼」を置いた。

12~3分で、「発汗」が収まり、体の疲れ感もなくなった。

 

その翌日、治療に来られたが、

「汗で目が覚めることはなかった」ということであった。

そして、前日には触れなかった6年来の愁訴を話してくれた。

 

6年前のある日、原因不明だが両足の指が全部しびれてしまい、

不快でどうしようもなくなり、

大学病院の「神経内科」の診察を受けたところ

「腰から来る」といわれ、「ビタミンB12]を投与されたが、不変。

 

それで、近所の「整形外科」に行ったら「腰は何ともない」といわれ、

足のしびれは、「血液循環不良」のためといわれ、治療は「通電」と

血液循環改善の服薬を今も続けているそうである。

 

これは、当然「腰」の問題である。

両腰の「神経根レベル」のL5,S1間に明白な強度な「圧痛」があり、

そこに「快浅刺・置鍼」をしたら、数分で「しびれ」は消失した。

鍼を抜くと、「圧痛」はかなり取れたが、まだ少し残っていた。

 

「しびれの自覚」はなくても、まだ完治してないから、

鍼治療を継続するよう指示した。

 

次回が楽しみである。

 

 

 

 


臨床的全科医として・・・・・①-c

2013年09月09日 | 最近の治療体験から

先日(9月7日)の治療で

患者(FY)の右舌の違和感(苦味)がほとんど消えた!

 

いつもの治療は

手根・足根針(手・足首で全身の症状を治療する鍼法)の「手上1部」だけの

置鍼であったが、

今回は、「古典」の「経絡説」に基づき、口は胆経の症状であるから

右下肢の胆経・陽陵泉を加えてみたのである。

 

「陰陽五行説」では

舌と苦は「心臓」と関連ある「5官」であり「5味」である。

そして「経脈」では、「上1部」は心経の要の経穴部である。

 

さて、この結果はどうであろう。

いつもは、「楽になった」とは言っていたが

「ほとんどなくなった」とは言わなかった!

 

今回は、明らかに違いがある。

「持続性」が楽しみである。

 

ところで

「陰陽五行説」にはいろいろな評価がある。

鍼灸学を支える古代学説である「経絡学説」と

その思想的土台である、「陰陽五行説」を

絶対的真理として固定的に考える「古典派」から

前面否定的に考える超「科学派」(現代医学盲従派?)までさまざまである。


私は、これらを、「優れた経験的原初的唯物弁証法的思考

結実として有効な作業仮説」として考えて

「古典」を拠り所に新しい道を求める「科学派」である


私は

「経絡学説」と「陰陽五行説」は

鍼灸学」を真の「学問」として確立する

第一段階の「現象論的段階」の理論として、重要な位置づけをもつと思う。

ここを踏まえて

第二段階の「実体論的段階」への「方法的探求」が今の段階である。

「鍼灸学の確立」はそれを通過した上での

「本質論的段階」へいたって

「学問としてのスタート」を切れると思う。

それが「鍼灸学の出発」だ!





 

 

 

 

 


臨床的全科医として・・・・・①-b

2013年09月04日 | 最近の治療体験から

この患者(FY)は、半年ぐらい前から、舌の右半分の苦いような「違和感」を訴え始めた。

「味覚異常」でもないらしい。常に気になり「イライラするようだ。

 

「口腔外科」へ何度か行ったが、明確な診断はなく、

治療も何か投薬されたが効果がなかったと、相談された。

 

それ以前に、口を開くときの顎の痛みを治療したことがあった。

このときは、口腔外科で「顎関節症」と診断されたが、

やはり、結局は②~3回の鍼で完治した。

 

今回は、鍼をすると確かに違和感は軽減するが、完治しない。

いつも、来院するたびに前よりいいが、残っている・・・・・というのである。

 

「口が苦い」というのは、古典では「胆経の症状」とされているので

胆経の右陽稜泉に置鍼してみたが、著しい効果は感じられなかった。

それで「腕踝鍼」を試みた。「上1」部に置鍼してみると

舌の苦味がほとんど取れたと本人が喜んで言った。

 

しかし、次回の治療開始時には、いつも「前よりはいいが少し残っている」と

いつも同じ訴えである!

 

これから、再度「これに胆経の治療を加えたみよう」と考えている。

 

 


臨床的全科医として・・・・・①-a

2013年09月03日 | 最近の治療体験から

平成18年ころから、継続して治療している

現在35歳の女性の経緯について考えてみる。

 

この患者は、母親の勧めで来院した。

母親は35年前に「不妊症」を治療した。

「お前は、鍼でようやく生まれた子だから、鍼で面倒見てもらえ」と言われて

恐る恐る治療に来たのである。

 

家業の事務をしていて「パソコン」に向かいきりの仕事である。

首・肩がこり、腰も痛いということであった。勿論、目も疲れる

「整形外科」「眼科領域」の治療で始った。

 

これは、簡単に楽になり、すっかり鍼が気に入ってしまった。

当然楽になっても「職業起因性」の疲労が主要な原因なので、完治はしていない。

 

健康管理もかねて、毎週治療に通い始めた。

それから、ギターの練習で腱鞘炎になり、治療を続けている。

 

もともと、消化系が弱いと「内科」にもかかっている。

この先生は、かかりつけ医であり、

「腰痛症」の健保用の「同意書」を書いて戴いている。

 

 

 

 


「頭部円形脱毛症」がよくなった!

2013年07月05日 | 最近の治療体験から

昨年11月から、32歳の主婦で「頭部円形脱毛症」の患者さんを治療している。

2年くらい前から、皮膚科で治療いていたがだんだん悪化してきて、

いつも「かつら」をつけ、帽子を深くかぶり頭を隠さなければ外出できなくなった。

最近は精神的にも「うつ状態」になり、

向神経薬を飲んでいるがますます落ち込んできている・・・・・・ということであった。

 

ご主人が知人にすすめられ、「脱肛」で私の治療を受けたらよくなったので、

相談してみたらと言われて来たそうである。

 

円形脱毛症は「ハリの適応症」で、私が完治させた例もあるが

この患者は、

肩こり、頭痛、腰痛もあり、「服薬の副作用」のためか生理不順もあるので、

とにかく鍼灸治療を続けてみようということになった。

 

「生理不順」は、最初1回の「三陰交」の快浅刺で、次回の生理から正常。

肩こり、頭痛、腰痛も、、かなり慢性化ており、

最初の治療から完治までは行かないが、漸次軽快しつつある。

 

問題の「脱毛」は、

「六部定位脈診」とすべての症状をもとに「腎虚証」として対処し、

頭部の「四神総」の浅刺と、比較的大きな5箇所の脱毛部の中心に一回の米粒灸

 

治療開始の15日後、3回目の治療時には、無数にある大小の円形脱毛部の

三分の一位で、発毛が見られた。

 

11月4回、12月2回、1月3回、2月1回、と治療を重ね、

3月は子供のインフルに感染したのと多忙のため治療が抜けた。

 

4月に入り、1ヶ月ぶりに来診。初めて帽子をかぶらずに来たので

「自信がついた?」と質問すると、

ニコニコと「もう1ヶ月近く前から帽子なしで外出している」と答えてくれた。

 

インフルの名残で、「耳の閉塞感」や「のどの違和感」「夜間にでる連続の軽い咳」

があったので治療した。

のどと耳は即効。夜間の咳には対処法を教えて治療したが、

とまらなければ必ず翌日来るよう指示して帰した。

もう、3日経つが治療に来ないからOKと思う。

                                        (25年4月8日 記)

 ★★ 追加(25年7月5日)

その後、5月に何回か治療し

しばらく治療が途絶えたが、7月に入りまた治療に見えた。

以前からの症状は、すべて消えていた。

生理痛もなし。肩、腰なども完全とはいえないが、「気にならない」そうである。

治療に来られなかったのは、二人の子どもがあいつで「水疱瘡」になり

ようやく治ったので、

自分の治療ができるようになった、ということであった。


最近、以前はいつも「かつら」をつけ、帽子をかぶったままで会っており

「脱毛症」のことは、全く知られていない旧友と会ったら

「ヘアスタイルが、前と違ってずっとよくなり、感じもなぜかすごく明るくなった」

言われて嬉しかったと、微笑みながら話してくれた。