私が就職したのは、資金集め、
腰掛けのつもりで
本来やりたい仕事をやるための
つなぎでしかなかった
いつか
飛び出して
やりたい仕事に着くんだと思いつつ
それでも目の前の会社を全うすることが今の使命だと頑張っていたころ。
和歌山市と言うところは
紀ノ川と言う一級河川で分断されている。
川の向こうか
こちら側か
川の向こうには
山脈が続いていて
和歌山は陸の孤島だと大阪人に言われたりしたものだ。
山と川を越えないと和歌山市には
たどり着けない。
だけど
私の勤め先は、
和歌山市側の私から見たら
川を越え
その山脈の麓にある
交通機関をつかっても
途中までしかたどり着けない
そこで
やはり原付き(バイク)のお出まし。
普段の通勤はバイクで。
しかし、
大雨の日は、ちょうど私の家の前の
国道を通って通勤してくる若手男子社員が迎えに来てくれる。
会社命令だから、その男子社員も
いい迷惑だろうけれど
乗せてもらった途端
大音量の音と、山下達郎ファンである、彼のウンチクをいやと聞かされる私も
ありがた迷惑な話
だから、多少の雨や悪い天候でも
なるべくなら自分のバイクで出勤したい。
2回目の冬が来た、とある日のこと
朝からみぞれが降っていた。
天候は悪化するわけもないからと
上下のウインドブレーカーを着て
ヘルメットは、
正面が開閉式のオープンフェイス型
色はバイクに合わせて
オレンジと白のツートンカラーだったけれど
お洒落っ気もないウインドブレーカーと
このヘルメットじゃ、
後ろからみたら、年齢不詳。
当時、誰しもこのバイクを乗っていたため
下手をすると、どこかのオバさんだと
思われても仕方のない格好となる。
その時のヘルメットは、
今よりも選択肢が全くなかったため
機能性しか取り用がなかったと言えよう。
まずは、
みぞれの降る道をいつものように、、、。
しかし、川にかかる橋が
凍りやすい場所だと言う認識が薄かった。
案の定、橋は凍りかけていた。
車は、大渋滞
バイクの人達は、
車のそばを通れず
広い歩道をのろりのろりと走っていた。
私もハンドルの不安定さから
安全確認しながら
歩道にあがることにして
ゆっくりと橋を渡っていた。
しかし、途中でバランスを崩し、
倒れかかったとき
左足を地につけ
内股の間でバイクを手放して転がした。
もし、バイクもろとも倒れるとなると
橋の鉄筋に頭をぶつけるか
倒れた拍子に地面に叩きつけらるか。
頭の中で一瞬のうちに想定し
それができたとき、
周りに迷惑がかかってないか
頭は冷静だった。
バイクは緩やかに倒れたので
故障もなく、また、動けそうだった。
バイクを起こし、歩こうとした瞬間
後ろから呼び止められた。
中年の痩せ型男性
『おいおい、人の車にぶつかっておいて
だまっていこうやなんて虫がよすぎるやないかー』
『はい、ぶつかってますか?ないでしょ?』
『何言うてるんや、こっちきてみろや』
足がすくむ
しかし、歩道を走っていて
車道の車には当たってないはず。
バイクの行く先は、目も離さず
私が見ていたのだから。
『そうですかー』
とりあえず、言いなりに近くに行くほかはない。
もし、何か言われたら、その前後の車の人に確かめればいいだろう、、、と。
おそるおそる、その男性の近くまでいき
男性の目の前で
ウインドブレーカーを脱いだあと
ヘルメットを取った。
当時、髪は長く
経理の仕事をしているからと
髪を束ねるためゴムでしばっていた。
ちょうど、ヘルメットを取るとき
ハラリとその髪のゴムが外れ
ヘルメットを外すと同時に
髪がほどけて広がった
ワンレングスの髪を頭を振ることで
なおさら強調させた具合となった。
髪の毛をなであげつつ
『どこに私のバイクと、そちらの車がぶつかったのでしょうかー』とキリッと言った。
おそらく
この男性、私を年寄りの女性とみたか
お金を巻き上げるターゲットとみたか
『ああ、、いやー、俺の間違いやったみたいやわ、大丈夫やー』
私は何にも言わず
前後の車に会釈だけして
また、バイクにまたがった。
悔しいやら悲しいやら
しかし、女性蔑視もいいとこで
腹がたったりしたが
若い女性には、めっきり弱い中年男性の悲哀もみてしまった。
ただ、私は運が良かっただけ。
相手が引かなければ
私は歩道だったわけで(交通違反)
警察沙汰になったとしても不思議ではないし、相手が、厄介な世界の人であったなら
なおさら嫌な思いをしたところだった。
それにもう一つ
バイクの怖いところである、転倒。
倒れ込んだ時
怪我一つしなかったこと
そして、誰一人怪我しなかったこと。
今では
私がバイクを内股で転がした上手さを
友達内では、笑い話にはしているが
命が助かったことは感謝しかない。
なにせ、橋の下は、
紀ノ川の河口付近
橋の鉄筋にぶつかってなくとも
紀ノ川に落ちていた可能性も
あったのだから、、、と
書いてる今、そのことに気がついた(笑)
どこまでも、呑気なわたし。
ほっと、また胸を撫で下ろした。
腰掛けのつもりで
本来やりたい仕事をやるための
つなぎでしかなかった
いつか
飛び出して
やりたい仕事に着くんだと思いつつ
それでも目の前の会社を全うすることが今の使命だと頑張っていたころ。
和歌山市と言うところは
紀ノ川と言う一級河川で分断されている。
川の向こうか
こちら側か
川の向こうには
山脈が続いていて
和歌山は陸の孤島だと大阪人に言われたりしたものだ。
山と川を越えないと和歌山市には
たどり着けない。
だけど
私の勤め先は、
和歌山市側の私から見たら
川を越え
その山脈の麓にある
交通機関をつかっても
途中までしかたどり着けない
そこで
やはり原付き(バイク)のお出まし。
普段の通勤はバイクで。
しかし、
大雨の日は、ちょうど私の家の前の
国道を通って通勤してくる若手男子社員が迎えに来てくれる。
会社命令だから、その男子社員も
いい迷惑だろうけれど
乗せてもらった途端
大音量の音と、山下達郎ファンである、彼のウンチクをいやと聞かされる私も
ありがた迷惑な話
だから、多少の雨や悪い天候でも
なるべくなら自分のバイクで出勤したい。
2回目の冬が来た、とある日のこと
朝からみぞれが降っていた。
天候は悪化するわけもないからと
上下のウインドブレーカーを着て
ヘルメットは、
正面が開閉式のオープンフェイス型
色はバイクに合わせて
オレンジと白のツートンカラーだったけれど
お洒落っ気もないウインドブレーカーと
このヘルメットじゃ、
後ろからみたら、年齢不詳。
当時、誰しもこのバイクを乗っていたため
下手をすると、どこかのオバさんだと
思われても仕方のない格好となる。
その時のヘルメットは、
今よりも選択肢が全くなかったため
機能性しか取り用がなかったと言えよう。
まずは、
みぞれの降る道をいつものように、、、。
しかし、川にかかる橋が
凍りやすい場所だと言う認識が薄かった。
案の定、橋は凍りかけていた。
車は、大渋滞
バイクの人達は、
車のそばを通れず
広い歩道をのろりのろりと走っていた。
私もハンドルの不安定さから
安全確認しながら
歩道にあがることにして
ゆっくりと橋を渡っていた。
しかし、途中でバランスを崩し、
倒れかかったとき
左足を地につけ
内股の間でバイクを手放して転がした。
もし、バイクもろとも倒れるとなると
橋の鉄筋に頭をぶつけるか
倒れた拍子に地面に叩きつけらるか。
頭の中で一瞬のうちに想定し
それができたとき、
周りに迷惑がかかってないか
頭は冷静だった。
バイクは緩やかに倒れたので
故障もなく、また、動けそうだった。
バイクを起こし、歩こうとした瞬間
後ろから呼び止められた。
中年の痩せ型男性
『おいおい、人の車にぶつかっておいて
だまっていこうやなんて虫がよすぎるやないかー』
『はい、ぶつかってますか?ないでしょ?』
『何言うてるんや、こっちきてみろや』
足がすくむ
しかし、歩道を走っていて
車道の車には当たってないはず。
バイクの行く先は、目も離さず
私が見ていたのだから。
『そうですかー』
とりあえず、言いなりに近くに行くほかはない。
もし、何か言われたら、その前後の車の人に確かめればいいだろう、、、と。
おそるおそる、その男性の近くまでいき
男性の目の前で
ウインドブレーカーを脱いだあと
ヘルメットを取った。
当時、髪は長く
経理の仕事をしているからと
髪を束ねるためゴムでしばっていた。
ちょうど、ヘルメットを取るとき
ハラリとその髪のゴムが外れ
ヘルメットを外すと同時に
髪がほどけて広がった
ワンレングスの髪を頭を振ることで
なおさら強調させた具合となった。
髪の毛をなであげつつ
『どこに私のバイクと、そちらの車がぶつかったのでしょうかー』とキリッと言った。
おそらく
この男性、私を年寄りの女性とみたか
お金を巻き上げるターゲットとみたか
『ああ、、いやー、俺の間違いやったみたいやわ、大丈夫やー』
私は何にも言わず
前後の車に会釈だけして
また、バイクにまたがった。
悔しいやら悲しいやら
しかし、女性蔑視もいいとこで
腹がたったりしたが
若い女性には、めっきり弱い中年男性の悲哀もみてしまった。
ただ、私は運が良かっただけ。
相手が引かなければ
私は歩道だったわけで(交通違反)
警察沙汰になったとしても不思議ではないし、相手が、厄介な世界の人であったなら
なおさら嫌な思いをしたところだった。
それにもう一つ
バイクの怖いところである、転倒。
倒れ込んだ時
怪我一つしなかったこと
そして、誰一人怪我しなかったこと。
今では
私がバイクを内股で転がした上手さを
友達内では、笑い話にはしているが
命が助かったことは感謝しかない。
なにせ、橋の下は、
紀ノ川の河口付近
橋の鉄筋にぶつかってなくとも
紀ノ川に落ちていた可能性も
あったのだから、、、と
書いてる今、そのことに気がついた(笑)
どこまでも、呑気なわたし。
ほっと、また胸を撫で下ろした。