新しい風を捕まえよう

今の生活も
すこしは慣れてきたかしら


あの頃は
気持ちがきしんでいたね


かたよったままに入った
食材を入れたスーパーの袋みたいに
いつもくしゃくしゃで


不安定な重さが
手のひらに食い込んで
痛いのか分からずに
それでも
離すまいと頑張っていた


一つ一つに終わりが告げられていく

また、一つ一つに気持ちが宿っていく


ありがとうを繰り返しながら


あの時
わたしはどう生きていただろう？


あなたは
わたしに何を言ってくれたのだろう？


きっと、あなたは
もう、忘れちゃってるでしょうね


あなたはあなたで
新しい出来事の中にいる


それでも
わたしにも
あなたにも


また
今日の風はふく


ついこの前の風は
もう体をすり抜けて行ったし


風穴は空いたけれど
考えようによっては
風通しが良くなったから
今の風を捕まえよう


そろそろ
用意もいい頃よね


わたしは
新しい景色を見に歩き始めなきゃ