「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

サイドウェイズ

2009-10-18 | 映画
珍しく試写に当選してみてきた映画「サイドウェイズ」。かつてアカデミー賞候補にもなったハリウッド版「サイドウェイ」の日本リメーク版です。人生の折り返し地点を過ぎた冴えない中年男の、情けなくもちょっと希望を感じさせる、笑いあふれる、温かみのある映画でした。世代的に40代がまさにこの映画の主人公年齢。試写会場は「サイドウェイズ世代」があふれかえっておりました。観終わると無性にワインが飲みたくなる映画です。

ストーリーは公式サイトをご参照ください。

情けない主人公の売れないシナリオライター役を演じる小日向文世さんのへたれぶりがすごく共感できてしまう。「そう、そうなんだよ。男ってそんな場面があるよね」という感じ。友人役で、懲りないやっぱりダメ男ぶりを演出する生瀬勝久さんもスケベ心満載で、いいですね。笑える。それにひきかえ、どうも鈴木京香さんはお美しいのですが、ちょっと役が棒読み的で、正直「?」。ま、美人だから許してしまいましょう

なによりもこの映画はワインの映画です。カリフォルニアのナパバレーのワイナリーがこれでもか、と出てくる。行ってみたいなあ、と心底思いました。美しいブドウ畑にしゃれたつくりのワイナリー、おいしそうなワインのテイスティング風景…

映画の中でポイントになるのがブドウ品種。カベルネソーヴィニヨンとピノノワール。赤の2大人気品種の特徴を、自身の生き方のたとえに語る場面があります。最後の最後でも、それが生きてくる。ワイン好きにはたまらない映画でしょう。

ちなみにカベルネはボルドーの主力品種。骨太で力強い。世界のどこで栽培してもカベルネはカベルネと主張します。ほかの品種とブレンドして様々な味わいを構成することも可能です。一方のピノはブルゴーニュで栽培されているのが代表例。上品で繊細、複雑で土地の特色を色濃く反映する。栽培は難しいけれど、うまくできればとてもすばらしいワインに。まずほかの品種とブレンドすることの無い純粋に単独品種でワインとなることが多いという特徴があります。これだけ押さえばセリフの味わいが2倍にも3倍にもなると思いますよ。