初めて生で箱根駅伝を見に行った。
家から数分の沿道では、選手があっという間に過ぎ去ってしまい、待ち時間 20分。応援 2分みたいな感じだったので、家に帰ってきて、日本テレビの箱根駅伝中継をみながら、部屋を片付けたり、ネットでニュースを読んだりして、正月を過ごしている。
というところで、気になるのが、この箱根駅伝中継中のパチスロのCM。
そういえば、最近、パチンコ台や、パチスロのCMってほんとに多くなったよなあと思って、少し調べてみた。一過性の商品や、メーカーのCMを見かけることは少なくないし、採用シーズンになれば、その後数年で倒産してしまったような企業が景気のいい CM を打ったりするのは珍しくはない。その意味では、パチンコ台やパチスロの CM を目にするようになってから、もう長い。となると、これは構造的な変化があり、その中で、パチンコ業界にとって CM を打つことは、そのバリューチェーンを構成する上で必須な役割を担うようになってきているということを示しているのだろう。
パチンコ業界というのは元々30兆円産業(直近では 20兆円を割っているというブログも)として、身近なところでは、自動車産業の 45兆円、食品の25兆円などと比べうる業界だ。産業規模をみると、これだけ消費者がお金を使っているにも関わらず、これまで逆に CM が少なかったころが不自然と言えば不自然だ。なので、あまり気にもしていなかったのだが、よく考えると、パチンコ業界と言いつつ、パチンコメーカーばかりが CMを打ち出しているのも妙に感じた。関東全域にチェーンを持っているパチンコホールなどがあれば、そこが主体の CM を打ってもいいはずだ。これにも訳がある。これまでテレビCMも自粛か、テレビ局の自主規制によって封じられていたため、関東キー局ではそうした CM 自体が少なかったのだ。(逆に地方局ではパチンコホールの CM は今も昔も珍しくない) これが、昨今の景気悪化に伴うスポットCM やスポンサーの減少を補うため、解禁されてきているのだ。メーカー側でも変化があった。長期トレンドでは、射幸心をあおるタイプのパチンコ台から、本来のゲーム性を高めるパチンコ台へと変化を求められている。それをわかりやすく伝えるために、導入したのがマンガやアニメのキャラクターを使ったパチンコやパチスロ台というわけだ。
そうした複数の構造的な変化が伴った結果、テレビにはパチンコのCMが溢れるようになったというわけだ。
で、そこにいたる要因をまとめてみたのが、これ。
結構、いろんな変化があった結果、テレビには恒常的にパチンコの CM が流れ、パチンコはキャラものに代わり、パチンコはギャンブルから娯楽産業へと、緩やかにその市場規模を縮小しながら、変化を続けているのであった。
今回は裏付けとなる数字を何も調べずに書いているので、鵜呑みにされると困るのだが、いくつか、この CM の傾向からも察することができる業界動向があった。
・CM を打っているのは、パチンコ台メーカーである。
パチンコホールは、エリアが限られており、なかなか関東キー局相手に CM を打つのは難しかったが、パチンコ台メーカーなら全国展開ができる。
・パチンコメーカーは、パチンコホールが新機種を導入さえしてくれれば儲かる。
最終的には業界を成長させないとダメだとわかっているだろうが、直近的な業績を考えれば、自らの機種も速く陳腐化させて、新機種を導入してもらった方がよい。そのために、新しい機種をどんどんアピールしたい。
・キャラものは、パチンコ離れした元パチンコファンのみならず、新規層にもアピールしている
となると、今後も、このパチンコの CM は新機種が出るたびに続く感じなんでしょうなあ。
あたかも、携帯電話や自動車、ビールやドリンクのように。
(関連リンク)
・パチンコのCM
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1014728435
・なぜパチンコのCMが激増したのか?
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3788923.html
- パチンコホールは減少しているが、台が売れればパチンコメーカーは儲けられる。
- アニメや漫画の権利を買っている
・パチンコ業界の斜陽は結構なこと
http://apocalypse.blogzine.jp/guragura/2007/09/post_9a4b.html
- パチンコ市場規模は、27兆4,550億円
- ファンは 1,660万人
- 業界のピークは、1997年で右肩下がり
- パチンコホールは、16,000店 (ピークは 38,000店)