個人的には1日で終わった初音ミクのマイブームだが、これだけ盛り上がって、数字的にはどの程度の盛り上がりなんだろうかと疑問に思った。ということで、初音ミクを巡る数字をニュースなどからピックアップ。果たして、このブームでどのくらいの人やお金が動いたのか、事実を元に推定してみた。
初音ミクを有名にした音声合成ソフトは、発売1ヶ月後の2007年9月末段階で、3,000本を売り上げたらしい。その後も、DTMソフトのシェア30%程度を確保したまま、年を越している。量販店頭では、初音ミクが平積みになっているところもあること、Amazonのトップセラーに掲載されることもあることを考慮すると、1.5万本くらいは売れている気がする。仕入れ数ベースだともっと仕入れられているだろうが、店頭で手に取るユーザーは比較的少ない印象で、ブームの割には動きは少ないのではないだろうかということで、実売数ベースで、1.5万本と推定してみた。
一方、そのソフトを使って作られた作品数だ。
初音ミクの投稿が多いのは、ニコニコ動画、それからYouTubeだ。これらを押さえておけばまあ問題がないだろう。すると、ニコニコ動画は、1.4万本の作品投稿があり、YouTubeには、4,500本の投稿があった。上位30本~40本の再生数をカウントし、そこからトータルの再生数を推定してみた。ちょうどロングテールの恐竜の頭部分を、しっぽの方までのばした場合の再生数だ。また、再生するまでに表示されるページ数を 3倍程度と見込むと、PVはその3倍だ。
初音ミク関連のニュースを洗っていたら、フィギュアもでていた。しかも、1.2万本が予約だけで完売。それ以上はあまり動きもないっぽい気がするので、ひとまずその数値を計上。
第二弾のソフトが出たり、インテルが初音ミクの声優を招いたイベントを行ったり、ムックが発売されたりしているけど、具体的な数字も分からないし、実際のところ、純粋な初音ミク経済とも言えなそうなので省略。Googleで検索すると、74万件もページがヒットした。こちらも、実際のPV数にすればそれなりのものがありそうなのだが、いわゆるインターネット全体のマクロの広告ビジネスに組み込まれていると考えると、あまり考えても仕方がなさそうだと思った。
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で、それらに単価をかけてみたのが、次のビジネス規模。
世の中にはいろいろなビジネス形態があり得るのだが、今回は、「初音ミク」が大ヒットしたクリプトン自身が最も大きなビジネスを手がけたように見える。次が関連グッズを販売したメーカー。それなりの単価なので、お金が動く。それに比べると、CGMとか騒がれるYouTubeや、ニコニコ動画はあんまり儲かる商売には見えない。実際に支払うネットワークコスト等を考えると、どの程度収益が得られるのかは実は結構疑問だったりする。それでも、「初音ミク」だけで収入規模を生み出しているのは事実だ。雑誌などは、これらに比べると小さなビジネスに見える。
もちろん、時間が経てば、徐々にニコニコ動画やYouTubeの総収入も増えてくるし、フィギュアに代表されるような関連グッズも、今後も企画されては収入規模を伸ばしていくだろう。
ということでこんな感じ。
実際にどの程度当たっているかは、関係者のみぞ知るのだと思いますが、ひとまず勝手な推定でした。
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