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WindowsCE FAN/Windows Phone FANのウェブマスター日記 2007年~2011年版です
Windows Phone FAN日記









要はデジタル教科書教材って儲かるの?
27日(火) 、下記のような発表が行われた。
結構そうそうたるメンバーが発表会には登場して、熱く語っていたようだ。
彼らが熱くなる理由は、日本の教育レベルの低下を嘆いたり、最新のITの力で教育を刷新したい、という額面通りの意味なのか、それとも、ここが儲かるのか。ちょっと調べてみた。

「デジタル教科書教材協議会」MSやソフトバンクなど70社で設立
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100727_383677.html

あんまり深く調べているわけではないが、教科書市場に関する数字をみるのに使ったのは、下記の公正取引委員会の資料だ。平成19年度の資料だが、それなりに裏付けがありそうだし、マクロな傾向も見える。

教科書の流通実態に関する調査報告書
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.august/07080301-hontai.pdf

下記を単純に掛け算して足すと、650億円
内・無償供与分だけで、約 400億円 (395億円)

教科書1点あたりの平均定価
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小学校用  337円  7214万冊
中学校用  484円  3585万冊
高等学校用 745円  3162万冊

とみてみると、意外と市場規模としては小さい気がする。
冒頭のニュースの孫社長に関する記述を見ると、子供手当の一部を回せ、と言ったりしているようで、さすが、ソフトバンクとしては参入したいが、市場規模ももっと増やせ、と言っているように見えて面白い。確かに、この程度の単価のビジネス参入しても儲からないと孫社長の本能が告げているのだろう。

ちなみに、こちらの資料は、教科書の流通において取次店というものがいるとか、そこの独占状況が…といった観点から調査したもののようなのだが、読んでみて気になるのは、年度当初の大量導入で、上記の単価の 11% が取次業者の懐に入る反面、期中で転校してきた生徒に対して、教科書を届ける時も同じ 11% で、3,000円分の教科書を届けるために 300円程度の手数料しかもらえていない実態も明らかになっている。

しかも、学生数は年々目に見えて減っており、この15年間で 30% 程度少なくなっているようだ。確かに人口減少とか、リアルに感じてしまう数字だ。

結局、教科書の電子化とか、儲かるとか儲からないとか、大義名分云々以前に、寡占化するか、電子化するか、どちらかの形で流通コストなどを適正化していかないと、すでに市場として維持できないところまで来ているのだろうと言うことを感じた。

最後に、米国は? と思ってみると。

【Amazon Kindleが教科書市場をターゲットにしている理由】
http://at2ed-kokoroweblog.jp/archives/841971.html

大学生の1年間の平均が 750ドル
合計で、86億ドル (約 8,000億円市場)

日本でも大学生市場を入れると様相が変わってくるのかもしれないが、さすが先進国各国から留学生も集める国ならでは、か。日本の小中高の市場規模をあわせたより10倍の市場規模があるってすごいな。素直に驚きました。Kindle がここを狙いたいというのは純粋にビジネスのため、だと思えるような市場規模ですね。

[ 取材日記 ] / 2010-07-27 13:45:53 コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




     




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