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優駿の法則10~蟻の一穴

2010-05-28 00:00:00 | ダービー馬を探せ!2010
 SSのファーストクロップがデビューした95年以来ここまで、3歳クラシック路線は牡馬も牝馬も、まさにSS系一色。
【ダービー血統傾向過去7年】

 これだけの活躍を見せつけられれば、猫も杓子もSS系産駒を手に入れたいと思うのは当然の成り行き。そして、それだけの需要がある以上、供給側がSS系の種をつけたがるのも、至極当たり前の経済行為。
 牝馬では、アパパネの活躍が「非SS系」時代の到来を予感させるものの、牡馬においては、今しばらくはSS系全盛の時代が続くであろう。フジキセキ、ダンスインザダーク、スペシャルウィークといった古参の二代目SS系から、同じSS系のマンハッタンカフェ、ネオユニヴァースなどの、若いSS系への代替わりが進むと見ているが、いわばSS系の中での政権のたらい回しをしているだけで、政権交代には、あと数年を要するのではないだろうか。
 そんな中、今年、大物種牡馬が登場した。ゼンノロブロイである。初年度よりオークス馬を輩出し、このダービーでも優勝候補のペルーサを送り込む。史上最高の豪華メンバー、あるいは戦国ダービー、あるいは4強、3強などの枕詞がつく今年のダービーだが、蓋を開けてみれば、人気はおそらくⅤピサとペルーサの2強に落ち着く。そして、その差は限りなく小さくなる。青葉賞での驚異的なラップ、あるいは2着を4馬身千切った圧倒的パフォーマンス。そして、その青葉賞と先週のオークスではロブロイ産駒が1着、3着に入り、その距離適性が確認されたことが、ペルーサの人気急上昇の理由。さらに、2週連続のG1勝利を決めたノリの絶好調さが、人気に拍車をかける。また、03年のダービーを引き合いに出し、当時ネオユニにクビ差敗れた父ロブロイの仇討ちとメディアに煽られ、なにかと半官贔屓の浪花節を好む日本人は、ついついペルーサに肩入れをしてしまうのも、ペルーサ人気の要因の一つ。

 永年に亘り、我が世の春を謳歌しているSS系。その層は想像以上に厚い。だが、その繁栄は未来永劫続くものではない。どこかで必ず、その終焉がくる。

 蟻の一穴千堤を崩す―
 そんな鉄壁を誇るSS系陣営に、一穴を開けた血統が存在する。最初は小さな穴かもしれないが、そこから水が漏れ始め、次第に穴が大きくなり千里もある堤防が決壊してしまうことがあるように、これを契機に、SS全盛時代の終わりが始まってもおかしくはない。
 
 人の脳というのは、新しいものほど鮮明に覚え、古いものほど忘れがち。また、強烈な印象ほど永く残り、地味なものは印象に残らないようにできている。が、人の記憶があてにならないのも、また確か。
 ここにきてのロブロイ産駒の活躍は、確かに目を見張るものがある。だが、忘れてはならない。牡馬も牝馬も今年のクラシック路線は、ここまでキンカメ産駒が引っ張ってきたことを。牡馬も牝馬も、2歳チャンピオンはともにキンカメ産駒。その後、2歳女王・アパパネは桜花賞とオークスの2冠を達成。一方の2歳王者・ロズキンは、3歳になり2戦して勝てずじまい。さらには追い討ちをかけるかのような小牧の騎乗停止、そして躓石騒動。もはや2歳王者であることも忘れ去られたかのような、人気の急落ぶり。
 が、キンカメ産駒の活躍は上記2頭だけではない。桜花賞ではエーシンリターンズが3着に入り、青葉賞では、ペルーサに4馬身離されはしたが、トゥザグローリーがロブロイ産駒2頭の間に割って入った。また、キンカメの父キングマンボの血を持つ馬の活躍も見逃してはならない。皐月賞では、1、2着は父SS系だったが、3着にはキングズベスト産駒のエイシンフラッシュ。そして、NHKではSS系が1~3着を独占したが、2着のダイワバーバリアンの母父はキングマンボである。

 以上のようにキングマンボ系は、要所要所で必ずSS系の1着~3着独占を阻んでおり、その産駒の出走頭数を考慮するならば、キングマンボ系の活躍はSS系のそれよりも価値があると言ってよいだろう。天下のSS系に対し、唯一喧嘩を売れるのは、キングマンボ系をおいて他にはない。
 
☆①エイシンフラッシュ…キングズベスト×プラティニ
■京成杯■

■皐月賞■

■ダービー■


☆③ルーラーシップ…キンカメ×トニービン
■ダービー■


☆⑧ローズキングダム…キンカメ×SS
■朝日杯FS■

■スプリングS■

■皐月賞■

■ダービー■


☆⑰トゥザグローリー…キンカメ×SS
■ダービー■


 振り返れば、キングマンボは、エルコンドルパサー(98年JC1着)、キングカメハメハ(04年ダービー1着)、そしてアルカセット(05年JC1着)と、3頭の東京クラシックディスタンスのG1馬を輩出していることに気付く。
府中の芝にはキングマンボの血がよく似合う―

=つづく=


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